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声の神に顔はいらない  作者: 上松
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179 寒さに負ける現代人、神に日和る

 流石に初詣ともなると人が多い。それにここは都内の神社だ。やたらと人が多くて……イヤになる。お正月だよ? 皆家でゆっくりしてれば良いのに……なんで元旦からこんな人混みに行こうと思うのか。それこそ、受験とかある人達はわかる。神にもすがる気持ちなんだろう。一生に一度の人生の分かれ目だし、神にすがりたくなる気持ちもわかるよ。そこは見逃そう。けど、流石にこの多さ全員がそんな学業祈願に来てる訳ないよね。

 普通にカップルとか見えるし……家でイチャイチャしとけよ。私の初詣なのに黒いオーラを出してる。


「匙川さん、ちゃんと手を洗わないと神様に失礼ですよ」

「う……うん」

「神様なんだから~、そんな細かい事は気にしないんじゃない?」


 宮ちゃんは育ちがいいからか、参拝のマナーとかもちゃんとしてるらしい。どこの神社とかにもある水がたまってる場所で手を洗うように促された。それに反発してる浅野芽衣。まあわかる。なんせ一月一日だ。つまりは冬まっただ中。指先なんて痛くなる位なのに、わざわざ水で清めるとか……反発したくなる気持ちもわかる。だってめっちゃ寒い。ぶっちゃけ、私だって水なんて触りたくもない。家でも、この時期は水なんてさわらない。わざわざぬるま湯にするでしょう。暖かい家の中でも其れなんだよ? こんな外の水場の水なんてキンキンに決まってる。宮ちゃんはなんてこと無い感じで手を綺麗にしてた。でも……大体の人は無視してるよ。年配の方々はちゃんとやってるけどさ、若者大体無視してる。きっと年配の人々は感覚が……ね。感覚がそう……鈍くなってらっしゃるんだろう。


「浅野さん。神様は確かにおおらかですけど、沢山の中からちゃんとしてる人を見てると思います。私達だって、オーディションへと気合いを入れていきますよね? なら神様の前にも気合いを入れて、ちゃんとして行くべきではないでしょうか?」

「でも……オーディションは仕事だし……」

「オーディションは確かにお仕事ですけど、神様にはご報告にいくんです。この一年間、ありがとうございましたという気持ちと、この一年間もおねがいしますって気持ち。ちゃんと伝える為にはちゃんとして無いと相手には伝わらないのは、神様も人も一緒だと思います」


 浅野芽衣は何もいえない。それになんか、周りにいるお年寄り達が「偉いね~」とか「若いのに立派ね~」とか言って宮ちゃんをべた褒めしてる。私も何もいえないし、とりあえずおばあちゃん達に掴まらないうちにささっと手を洗おうと思って手水舎に近づき、柄杓をもった。

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