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声の神に顔はいらない  作者: 上松
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145 大きな子供の、大きな夢 3

 賞を取って案外話題になったが、それで学校でのヒエラルキーが変わったかと言えばそんな事は無かった。相変わらずアメフト部の奴らは勝てなくてもでかい顔してるし、チアリーディング部のイケてる女子はヒエラルキーで男子をとっかえひっかえである。


 まあけどそれをうらやましがってた自分はもういない。楽しい事が出来ると人は変わる物だ。実際は学校生活自体がそこまで変わってたわけじゃないんだけど。それでも舞台に立つと『凄い』と言われた。それが素直に嬉しかったんだ。


 それからの学校生活は充実してた。話題になってた僕たちの劇団は結構イベントに呼ばれた。普通なら学生が劇を発表できる機会なんてそうそうない。けど僕たちは色んな所で学生劇団として劇をやった。その中で色々なコネクションも出来た。


 プロの劇団とも知り合ったし、色々とおいしい話しを持ちかけらもした。それから将来というのを選ぶ事が出来る様になったんだ。可能性というのは自分で広げていくんだとしった。それを教えてくれたのはジャパンニーズライトノベルだ。


 劇団で劇をやりつつも、沢山のライトノベルを読んでた。探せば探すだけ有るんだから驚きだ。まさに一生を掛けても読み切れないと行っても過言じゃないだろう。ライトノベルなんてのはどのくらい前に出てきたのか知らないが、既にそれだけの数を出してるという脅威さ。

 流石はジャパンだ。そしてそんなライトノベル好きのオタクだからこそ、劇をやるなら、色々と自分の理想を取り入れたいと思う。思うじゃん。でも自分には小説はおろか、劇の脚本を書くこともできない。その時はクラスの奴に頼んでた。密かに小説を書いてる奴で、ちょっとしたきっかけでそいつのその秘密を知り、おねがいした。


 そいつの脚本はとても評判がよかった。良かったが、僕的にはそいつは古典寄りの物ばかり書くから、ちょっと……だった。勿論こっちからアプローチして『お願い』もしてた。でも奴も譲らなかった。それに自分以外の劇団員からは評判よかったし……


 そして学んだんだ。自分のやりたい事をやりたいようにするには、全てを自分で揃えないといけないと。勿論全てを自分で出来れば一番いいんだろう。けど、僕はそこまでの天才じゃない。だから出来る奴らを集めないとイケない。


 既存の所に行くと、そこに居る間は自分のやりたい事は出来ないだろう。きっと苦労する……でもそれをわかった上で、僕はどこにも属さずに自分の……自分だけの劇団を作る事にして、ハイスクールを卒業した。きっと自惚れもあったんだろう。

 沢山の人たちに凄いと言われてたからね。僕の自信はこのとき最高潮に達してて、この時は希望しか見えてなかった。

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