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声の神に顔はいらない  作者: 上松
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124 人生とギャンブルは似ている

 VIPしかない居ない空間での掛け金は下の階の比ではない。下の階の数ドル掛けて数千にするとかそんなささやかな物ではないんだ。まあ下の方ももっともっと夢があるだろうが、こっちは一階に数千ドルぽいっとベットするのは当たり前。

 万ドルだって軽くベットされる世界である。その分、勝ったときは確かに大きいが、負ければ、一夜で破産なんて事が起こってもおかしくない。まあ実際、ここに居る人たちはもそれでも破産なんてしないクラスの人たちなんだろうけど……想像を絶する金持ちというのは世界にはいるものである。


 そして自分はどうかというと、当然ながらそんな超金持ちな訳がない。バルクさんのカードを使えば、いくらでもベット出来る訳だが、流石に賭け事に他人の金を使うなんて事は出来ない。バルクさんは恩人だしなおさらだ。あの人はきっといくら負けたとしても笑って許してくれるだろうが、そんなのこっちの精神が持たない。だって簡単に万ドル吹っ飛んでいくんだよ? 


 それに今はバルクさんと自分の関係は対等というか、ちょっと原作者と言うことで自分を立ててくれてる節がバルクさんにはある。でもここで大負けして、借りを作るとどうだろうか? 何からなにまでよくして貰ってるこっちは彼に強く出ることが出来なくなってしまう。


 何かと作品に干渉したがる人だからな……別に彼には金が腐る程あるんだから、別の監督をつけて自分の思うとおりの映画で作ればいいと思う。でもそれはしないそうだ。何故なら、最初から自分で考えたものはつまらないと、バルクさんはわかってるらしい。だから良い原作を探してくる能力とかに長けてるらしいが、そうなってくると、原作者という存在が居るわけで、完璧に思い通りにはいかない。


 まあお金を積めば全部任せてくれる人もいるとおもうけど……どうやらバルクさんはまだそんな人はであってないらしい。自分で言うのもなんだが、作家なんてやってる奴はだいたいまともじゃないからな。いや、自分は違うが。


 だから自分の作品を守る為にはカジノでは一応バルクさんの金は使ってはない。あのカードをみせるのはVIPに来るためだ。別段、無理してこんな高額な金が簡単に行き来してる所に来る必要もないとおもうが、これにも目的がある。ロサンゼルスでもやった人脈作りというか、スポンサー作りでもある。


 なんと言ってもハリウッドで公開するのだ。つまりはそれは全世界でも公開される。それには色々と関係する人たちはいっぱいいるわけで、金持ちの味方は幾らいても困らない。つまりはそういうことだ。


 それに思いもしない出会いとか……そんなことが起こったりもするだろう。それは下の階でもそうかもしれない。だが、それはそれこそ天文学的な数字だが、ここならある一定の水準で凄い人たちに会える確率がある。なにせここに入れるのが凄い人たちだけだからだ。


 ルーレットと玉が回る。二つの玉はクルクルクルクルと回り、そしてそれぞれがそれそれのルーレットの中の数字へと吸い込まれる。一体どこに吸い込まれたのか。この瞬間がきっとやみつきになるんだろうと思う。

次回は21時にあげます。


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