eqisode4 就寝
宿に着いた後、二人と一匹は適当な部屋に選んだ。部屋はとても狭く、年季の入った木の板の上には白いシーツがかかったベッド一つだけだった。また窓があり、外から月明かりが入ってきている。まさに宿として必要最小限のものしか置いていない感じだった。
リクとヤグカは荷物を置いた。男女で着替える場所がないので二人はベッドの両端側で互いに背を向け着替えることに決定した。リクは持っていたジャージ服をバッグの中から取り出した。
「何処の国出身なの?」
「日本さ。」
「そういえば"ニホン"って何処なの?そんな国なんて聞いたことないわ。」
「ヤグカがいる世界とは別の世界かな?」
俺は常識的な返答を返した。少なくともパラレルワールドと言っても通じそうにないからなぁ…
彼女は質問を続ける。
「それで、どうやってこの世界に来たの?」
「それは答えようがないな、家に帰っていた最中に気づいたらこの世界にいた。」
「俺が知る限り、別の世界から人が来るなんて聞いたことがない。それに別の世界に繋げる魔法も、別の世界から人を召喚する魔法も聞いたことがない。」
タツゴンが突然話に割って入ってきた。
「じゃー何で普通に生活してきた俺が呼び出されたんだ?今まで真面目に生活してきたのに…えっと、ヤグカそれでもう着替え終わった?」
「着替え終わったわ。」
二人と一匹は一つしかないベッドの上で寝た。つまり同衾したってことだ。無論そういう系のことには及んでない、念の為。
異世界に来て始めてなのか、自分のいた元の世界が恋しいのか中々眠れない。その一方でヤグカはぐっすりと眠りに落ちているようだ。
目を瞑っても中々眠りに落ちない。
タツゴンが突然話しかけてきた。
「リク、まだ起きてたのか?」
「中々眠れなくてな。これを俺がいた世界ではホームシックっていう。」
「それよりヤグカのことどう思う?」
「容姿はそうだな、もし彼女が美人だと聞かれたら百人中百人が美人だって答えるだろうな。」
「それで性格の方は?」
「第一印象の方で見る感じは優しい性格だと思うって聞いてどうすんだ?」
「悪いな、何でもない。気にしないでくれ。」
--なんかだるいなぁ…
気づいたら彼は眠りに落ちていたのだった。
執筆遅れた上に量が少なくてすみません。今度はもっと速く描きたいと思います。