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ヴィルツ・アクターズ  作者: サルマル
2/2

質問

修正部分が多かったので初投稿です。

―やるべきことは全てやった。


もう私にすべき事、出来る事は何もない。


後はただ、彼らの勝利を祈るのみ―





「よかったじゃない。指揮官に選ばれて」


議会が終わり、自室へ戻る廊下で話しかけてきたのは、灰色の鎧に身を纏うロングヘアーの女騎士、ラウンズ第八騎士のコルムさんだ。

ロネス団長と仲が良かったらしく、彼が()()()()()()後代わりに騎士になった私を妹のように接してくれる。


「戦争の話も驚きましたが、騎士王に名前を呼ばれたときはすごく緊張しましたね…」


「戦争の指揮官なんて大任、任せてもらえるなんて騎士王はあなたのこと期待してるんじゃない?もしかしたら、第四()()になれるかもね♪」


「はい!団長が帰ってきたときに席を渡したいと騎士王に思わせない位活躍してみせますよー!」


「まあでも、そういう政治的な分野はあの魔術師の領分だからねー、恐らく推薦したのは彼だろうし…っと、噂をしたら」


「私に何か用ですか?コルム」


そう言って、青いローブに身を包み、鳥をイメージした杖を持つ一人の男が後ろからやって来た。


「いや、特になにも……グレイス、私任務あるから、先に行くね!」


そう言って、コルムさんは任務の仕度へ行ってしまった。


ローブの男は、少し呆れたような顔を向け、


「あなたの実力を見込んで騎士王に推薦したのは確かに私です。…が、あまり調子に乗らないように」


確かに、騎士王に指名されたこと、コルムさんに褒められたことで気分が高揚していた。私は反省すべきだと思い、


「はい…気をつけます…」


そうこの人は、ラウンズ唯一の魔術師にして政務担当の「青鳥の魔術師」だ。騎士王より「騎士」の称号を与えられた中で唯一戦闘に参加せず、兵団を持たないラウンズの一人である。

本当の名前を聞いても誰にも教えてくれない謎の人物でもある。


「…グレイス、本日はあなたにも任務が与えられたはずですが…」


「分かっています。ですがその前に一つ、質問をしてもよろしいでしょうか?」


「ええ、いいですよ。私も職務を始めるまで少し時間がありますしね」


彼は、「盾の国」一の頭脳をもっており、その豊富な知識をもって国の政務を担当している。だから今までも、何か気になることがあったら彼に聞くようにしていた。


「これから任務で西端の草原に行くのですが…



その先には、一体()があるのでしょうか?」


そう、聞いた話によると、クリッピー大陸の端まで行った者はいても、その先に進んだ者は今まで一人もいないそうだ。気になっていたことなので聞いたのだが…


彼は困ったような、それでいて興味深そうな顔をして、


「それは私の口からでなく、グレイス自身の目で確認したほうが良いでしょう。」


今まで質問したときはすぐに答えてくれたのに、初めて質問に答えてくれなかった。

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