議会
作品を作ってみたかったので初投稿です。
━俺は必ずこの事件を解決してみせる。
もし解決出来なかったら、想像のつかない結末が待っているかもしれないからだ━
ルーナー暦 1411年 クリッピー大陸南西 盾の国にて
「これより、月一度の議会を行う。」
ディザンビ城大広間に置かれた巨大な円卓と、それを取り囲む椅子に座る15の「ラウンズ」の騎士の一人である金髪の男アーサーの掛声によって会議が始まった。
「まず、先月の農業の生産状況について。」
「はい」
騎士の一人が答える。
「先々月に続き、収穫量は減少の傾向にあります。農村に貧困の様子は見られませんが、このままだと食料の貯蓄に影響が出ると懸念されます。」
「次、戦闘訓練について」
「はい」
他の騎士が答える。
「国民からの不満は特に無く、問題なく施行できております。訓練に使用する武器の不備もなく、衛兵の配備も問題なくできております。」
「次、他二国との国交について…いや、これは私から説明しよう。現在、南東に位置する「剣の国」との「戦争」についての交渉を進めている。」
議会がざわつく。なぜなら「戦争」とは、二国間で決められた条約をめぐって戦う闘争であり、少なからず犠牲が出てしまうからである。
「 ……静まれ。現在わが国は年々収穫量が減少し、このままでは貧困状態に陥ってしまう。現在国交を断絶している北の「魔の国」とは交渉が出来なかったが、去年の収穫量が良かった「剣の国」に、国境付近の村を賭けて「戦争」を挑もうと思っている…さて、それについて我が国の指揮官を決めようと思っているのだが…」
そう言ってアーサーはその黒い右目と―金に輝く左目を私に向けて、
「ラウンズ第四騎士代理代理、グレイスにお願いしたい。」