第1章 第7話 水龍都市編 七大罪を背負うもの、そして終わる戦い
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「僕はこう見えても実践戦闘は苦手なんだ」
俺を睨みながらそう言った、どこから見て俺が戦闘上手だと感じたのかは全くを持ってわからない。
「だから僕は動物を使うのさ、苦手なものは自分じゃなくて他にやらせればいい、良い考えだろ?」
笑いながら俺に言ってきた、首を横に振った、
「確に苦手なものはあるだろうな、俺だってあるしな、でもそれを他になしつけるのは間違っていると思うんだけどな司祭さんよ」
そう言うと俺を睨んで
「やっぱり君は嫌いだ」
「俺も嫌いだぜ、これって利害の一致って言うのかな」
「どっちにも害何だから言うとしたら害の一致だろ」
「それもそうだな」
「無駄話がすぎたね」
「ああ始めよか⋯⋯これ何回言ってる?」
最後のに関しては突っ込んでくれなかった。
シザースは飛んで祈りを捧げる様に目を閉じて手を握った。
「さてそれじゃやろっか、ギフト!『精霊たちの贈り物』」
そう言うと動物達の所に黒い雨が降ってきた。
雨に当たると黒い雨粒は動物達を覆う黒いもやとなり、目は赤黒く光り、「グルル」とうめき声を上げながら獲物を狙う猛獣のように興奮している様子だ。
これが人工的に作られた魔獣に共通する点だ、元が魔獣であるドラゴンとかは自我を持っているが、人工的、強制的に作られた魔獣は自我はもう無い、ただ獲物を殺すだけのマシーンと変わらない。
こりゃ精霊は精霊でも悪魔の方だな⋯⋯とても厄介だ、悪魔の力まで持ってたら結構めんどくさい事になるな。
少し考えているとプレアが、
「あなた、まさかとは思うけど悪魔と契約したの?」
いつもの口調を無くして真剣な時はとても口調は鋭くて、長くいる俺でもこの時は緊張する。
「契約したといえばしたのだろうな、まあそんなの俺にとってどうでもいい事だしな、やってくれって言えば何でもやってくれるいい奴らだしな」
「あなたそれ本気で言ってる?! 悪魔ってのはね、願いを叶える代わりに命を要求してくるのよ! 今あの動物達は命を蝕まれてるのよ! なんとも思わないの?!」
プレアがいつにも無く怒っている、あいつは大の動物好きで愛してやまないのだ、だからそんな動物達の命の危険があるのならそれは怒るだろうな、実際俺もこれに関しては少し⋯⋯いや大分怒っている、俺も元来動物好きだからな。
プレアが睨んでいると、上から見下ろして、少し笑いながら
「ああ本気だとも、実際俺にはそんなことどうでもいい事なんだよ、だって俺に実害は来ていないもの、動物達になんとも思わないの? ああその通りだなーんも思ってないよ、当然だ、だって換えはいっぱいいるしな」
絶句した、本当にこいつは俺たちと同じ人間なのかそれを思わず疑ってしまうくらいだ、怒りを通り越して呆れ、呆れを通り越してまた怒りと言う怒りと呆れが循環しているような気分だ。
シザースは今の発言をしてもずっと笑っている、さっきまで俺に対して強い怒りを覚えていたのがどこに行ったのか分からないくらいずっと笑っている。
「⋯⋯⋯何が⋯⋯」
プレアが唇を震わせて、握っている拳にも怒りがありずっと震えている。
「何が面白いのですか?! 動物達を殺そうとしている! なにが面白いのですか?!ふざけないで!」
怒号を浴びせる、それでもシザースは俺たちを見下ろして、
「面白いとは思っていないよ、でも動物に対する申し訳なさも無いよ」
「っ!ふざけ!」
「プレア落ち着け」
咄嗟に止めに入った、プレアが睨んで
「なんで止めるの?!」
「一旦落ち着け、冷静になれ、起こる気持ちもわかるがこれじゃ相手の思う壺になるそれではあの動物も救えない、だから落ち着け」
「────っ!」
「大丈夫だ、俺に任せてくれ、必ず救う」
「⋯⋯本当にですか?」
「ああほんと──」
「茶番中申し訳ないけどもう出来上がったから無駄話は終わりだよ」
「では私の可愛らしいマリオネット達よさあ始めよう『マリオネットたちよ踊れ永遠に(ダンシングフォアエバー)』」
一斉に動き出す、俺を囲み俺に向かって魔獣達が襲いかかる。
シザースは動物達を黒い雨で魔獣に変え自我を無くさせて自分に指揮権を持たせる状態にしたのだろう、まあそれは一時的な魔獣の時だけの話だがな。
俺は刀を取り出す、黒刀叢雲剣、その刃に黒を纏わせる、黒く光る刃に漆黒の艶ができ、更に美しく黒く輝きを放っている。
さて、ここで問題だ、1匹の元は猪と見られる魔獣が突進してきた、俺はこの魔獣達を救うと言いました、さて俺はここで刀でこの魔獣を切るでしょうか。
「グギァゥ!」
答えは切るでした。
容赦なく俺は動物達を切りかかる、一切の手抜きなんて無しに切りかかる、みんな断末魔を上げながら1匹、また1匹と倒れていく、魔獣達から黒い血が流れ出ていく。
「ハルもう止めて! 見てられないのです!」
「面白いね君は、自分も怒っているとか言っときながらいざ襲いかかってこられれば躊躇無くあの子達を殺す、本当に面白くて実に君は愚かで怠惰だね」
そう言われた、だから俺は素っ頓狂な顔をして
「ん? そうか、お前にはそう見えたのかー」
ほぼ棒読みに近い言い方をしたので流石にシザースも頭にきたようで
「じゃあ他にどう見るんだよ動物殺しが!」
お前が殺させてるんだろってのは心の中に閉まっておいて、
「プレア動物達を見てみろ」
プレアが心配そうに倒れている動物達を見る、そして笑顔を浮かべる
「死んでいないのです! 良かったのですー!」
「何だって!?」
それはそうだろう、シザースはまるで青天の霹靂のようなことが起こったかのように驚いて空いた口もまじで塞がってなかった。
「何で? 何で切られたのに生きてるんだよ!」
「ん?何でかってか、んじゃ答え合わせでもやろうか丁度終わったし」
最後の1匹と見られる魔獣を倒して刀をしまう。
「さーて何で動物達の魔属性が消えたのでしょう」
「そんなものわからないに決まっているだろう!」
「はーあだからゆとり世代は嫌なんだよ、あ、俺もゆとりだったわ」
「そんなのどうでもいいから教えろ!」
「はるー教えて欲しいのですよー」
「まあプレアが言うなら仕方が無いな」
「精霊っていうのは元たどったら、空気中にあった魔力が固まってある拍子に生命を持った単体になるって言うのは知ってるよな」
「ああ知ってるとも」
「知ってるのですよー」
「でもそれがなんで関係あるんだよ」
「これが重要なんだよ、魔力によって作られた生命なんだろ、だから根本的に与える力も自分の魔力を使ってそれを応用したものがこの魔獣を作り出す力だったってわけで、要は魔力、俺は闇系統だから魔喰いって魔法がある、それを使って体にまとってあった黒いもや、つまり魔獣作りの権現である魔力を喰ったって理由さ」
「な、なんだと⋯⋯⋯⋯でも」
「でも?」
「でも体内汚染されたのはどうしたんだよ、あれは霧では取り除けないものだでもなんで取り除けたんだよ!」
「ああ、あれか、確かに俺1人の力ではどうにもならなかっただろうな」
「じゃあ何で!?」
「まさかーあれを使ったのですかー?」
「あれって言い方はあんまり好きではないんだけどな、まああれだ」
「あれって何なんだよ?」
「あー、ちょっと待っといて、今呼び出すから」
寝るように俺は目をつぶる、意識は深層深くまで行き、まるで海底にいるような気分になった、ある一定を超えると水のようだった所から野原のような場所に変わる。
「少しこっちに来てくれないか」
俺は???に問う
「いいよ、だってあなたの言うことですのも」
「サンキュー頼むぜ」
スッと意識が戻る、
「じゃあ、第2の答え合わせだよ」
「⋯⋯何だ、声が二重してるように聞こえる? 片方は⋯⋯女性?」
「ご名答、私は女だよ、そして、私は『嫉妬の魔女 アメジスト・イルシル』と言うものだよ」
彼女は不敵に笑った。
「魔女」、単語として聞くと誰しもが思いつくのは「七大罪の魔女」と呼ばれる存在の事だ。
七大罪の魔女はこう言われている、
曰く、少女ら7人は魔神ソロモンを倒したと言われている。
曰く、少女らはその力を恐れられていた。
曰く、少女らはそれに対し何も思っていなかった。
だがそれが逆に不気味で彼女らは魔女と呼ばれるようになった。
曰く、魔女とされた7人の少女は、その7という数字から悪魔の数字である「七大罪」になぞられた。
曰く、それから少女らは「七大罪の魔女」と呼ばれるようになった。
曰く、そして彼女らはその力を恐れられ処刑された。
と言われている。
少女らに関する書物はこれだけしかない、だから元からいなかったと言っている研究者もいる。
でも彼女らは存在した、なぜならここにいるからだ。
「うーん、久々のシャバの空気だ、なんでいいものなんだろう」
「シャバって言うな、最近強面のテレビばっか見やがって、てかさっき外出したよな?」
「はっはー論破されちったよ、どうしよう? てかこの状態結構気持ち悪いから少し眠ってもらってもいい?」
「だめだ、お前絶対にへま起こすからな」
「ぐっ⋯⋯それを言われてしまったら何も言い返せない」
「まてよ⋯⋯」
俺達のコントみたいな会話にシザースはちんぷんかんぷんな様子で割って入ってきた。
「何なんだ? 七大罪の魔女? どういう事だ、全く意味がわからない」
少し焦りも見える、当然と言えば当然だ、だって誰だって今まで普通に男と戦っていたらなんか声が女に変わってそれが七大罪の魔女の1角の嫉妬の魔女って言うのだからな。
「大丈夫だ、俺もいきなり体の中に入ってきた時は意味が分からなかったからな」
「それとこれとは話が違う! 説明しろ」
「説明しろと言われてもなー」
「まあ簡単に言えば僕達が死んだ後、魔力としてここに留まってそれで彼を見つけて入ってきたって訳だよ」
「うん、全くを持ってわからない」
「当然至極の反応だな」
珍しく気があった、少女アメジストは「えぇ⋯⋯」ってとても残念そうに反応していたがそれは俺の表情筋を使っているので俺が残念そうな反応をしていると周りから見たら思うだろう。
「まあその問題はどうでもいい、何故体内汚染を取り除けたんだ」
「ああ、それなら説明は簡単だ、僕のちょっと変わった魔力を使って汚染したのを取り除いたそれだけだよ」
「変わった⋯⋯魔力?」
「ああ、内容はあまり教えられそうにないけどね、そうだな、言うならば『元あるものに他のものが混ざるとそれを排除しようとする魔力』と言ったところかな、ちょっとしたメンヘラチックな嫉妬みたいな魔力だね。
これで僕は嫉妬の看板を背負うことになったんだよ、誰か助けてよ」
最後の嘆きは無視してもいいが前者は俺以外のものは無視出来ないだろう。
なんせ、この能力であればどんな致死的な毒をくらっても体から外に出して助けることが出来る、まさに最強の解毒能力である。
「そ⋯⋯そんな能力⋯⋯反則だ!」
「反則? 君はそう思うかい、なら君はそうなのだろう、でもこれを反則の呼ぶには少し馬鹿げているよ、だって僕より反則的な能力を持つ人達は何人も知っているからね。
それに君はその発言で自分が僕以下だと認めそれを周りに行っている行為なんだよなんだ君はドMなのか」
自分より反則的な能力か、確かに俺もあと6人くらい知っているなチート能力者共を。
シザースはドMと煽られたことに顔を真っ赤にして
「僕がドMだと⋯⋯ふざけるな!」
「あ、ならドSか」
「違う!」
真っ向からアメジストの言うことに反論している。
悲しいかな、アメジストに反論は無意味だ、流さなければならない。だってこいつ何言っても屁理屈屋だからなー。
「ちっ、どうも調子が狂うよ」
「それはそうだろうなんせ僕に対してまっすぐ勝負してきても僕はそれを曲げようとする嫌な奴だからね」
「よーく分かった、君が、魔女がとても嫌な奴だということがよくわかったよ」
「君も屁理屈を言うなー、どれだけ言おうと自分の理屈を相手に押し付けようとするその様、強欲だねー」
「ああ! そうとも僕は強欲さ! それのどこが悪い!」
そうシザースが怒鳴り散らすと、「はぁー」とアメジストがため息をついて(もとい他人から見たら俺がため息をついている)
「⋯⋯やっぱり君は嫌いだ、ハルと話してるのを聞いていた時から君のことが僕は好きになれなかったよ」
と手短に話した、その表情は俺自身でもこんな冷たい表情が取れるのかってくらい冷たい表情をしていた。
「だからどうするってんだよ!」
「どうするかって? そんなの決まってるじゃないか」
続けて笑いながら
「君の存在理由は無いと定めた、だから死んでもらうよ」
突如として彼、シザースの右腕が鋭利な刃物にでも切られたかのように綺麗に切られた。
「な? ぎぁぁぁぁ!!」
片腕からは一切血が出なかった。
シザースは片腕が切られたことによるショックで膝を地面について断末魔のように叫んだ。
「な、何で⋯⋯腕が⋯⋯無い⋯⋯んだ?」
「簡単さ僕が消したのさ、僕はこの世が好きだ、だから何故君のような存在がいるのか、そしてこの世は何で君の存在を許しているのか、僕はそれに対し嫉妬をしてそして要らないものを消しただけの話しさ」
こいつはこんなことをさらっと言う、だが強さはやはり別格だ、七大罪の看板を背負うだけの能力は超過するくらい持ち合わせている。
「そ、そんなのありかよ⋯⋯」
「ありなんだよ、僕にはこれが世界だ、こんな能力を許す、だから僕は何でも許してくれるこの世界が大好きなんだ、でも君みたいなやつが暴れたり生活したりする世界ではここは無い、だからもう一度言おう」
「君には死んでもらうよ」
まさに死刑宣告、こいつが敵だったらって思うと冷や汗が滲む。
「⋯嫌だ⋯⋯」
「嫌だ?」
「嫌だ、死ぬのは嫌だ怖い助けて何で誰か嫌だよ、嫌だよ嫌だよ⋯⋯」
ずっと呪文のように唱えていた、まさに戦意喪失だ、
「ふむ、最後の懺悔にしてはあまり面白くない言葉だったね」
「⋯⋯この場でそういうこと言うか?」
「僕は言うよ、こんな輩いっぱい会ってきてその度に嫌な思いをしてきたからね」
「ならいいよ」
「君に分かってもらえればそれでいいんだこれからもこれまでも」
「ふふ」っと笑いながら俺に言ってきた。
「さて、最後の言葉はもう探し終えたかね」
「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ⋯⋯」
「⋯⋯そればっかり、正直呆れるよ」
「だからこそ、僕の愛している世界には不必要なんだよ」
「じゃあね来世では僕が好くような人に生まれ変わってほしいな」
「⋯⋯⋯⋯たまへ」
「ん?」
嫌な予感がした
「邪の精霊よ我に力を与えたまえ」
「ハル、これは意外な展開だ、僕でも少しだけやばい事態になったと思っている」
「ああ、馬鹿でもこれは分かるわ、ちっ、精霊でドーピングするとか頭おかしいだろう」
そう、あいつは精霊たちに動物に与えたように自分にも力を与えろと言っているのだ、それは世間一般では『精霊を使ったドーピング』と言われている。
この状態でいる限りは身体、魔法の威力、共に能力が5倍にも増すと言われているがその分体にかかる負担や魔力の消費は早いものだ。
そして精霊達には生命エネルギーが使用時に取られていく、まさに諸刃の剣だ。
でも、死を目前にした奴にもうこれからの命とかは関係ない、「死んでもいい、でもお前も道連れだ」と言っているようなもんだ。
「さて、どうしたものか、どうやって倒そうかな」
「なあアメジスト、一つ要望をしてもいいかい」
「ん?何だい君の要望なら何でも聞こう」
「そうかい、ならこの戦い俺に任せてくれ」
「なるほどそういう事か、いいよ君がそう言うなら僕は何も反対しない、でも無理はしないでくれ⋯⋯と言っても無理をする必要も無いか」
「だな、ありがとよ」
「ああ、でも後で遊びに来てほしいね」
「⋯⋯時間あったらな」
と言うと彼女、アメジストは意識を深層の奥深くの自分の居るべき場所に戻り眠りについた。
「さーてどうしたものかね」
体は身長5mにもなって、映画に出てくる筋肉ムキムキのマッチョマンみたいな筋肉質な体になり、目は赤く、周りは黒い霧で覆われていた、もはや元の人の姿ではない、ただの怪物と化したのだ。
「まあお前とは積もる話もいっぱいあるんだけどな」
俺は頭を掻きながらそう言う。
「ウガァァァァァァァァ!」
その体からは考えられないくらいのスピードで襲いかかってきた、俺を掴んで潰そうっていう算段だろう、
「まあでもそれでも俺は」
俺を掴もうと左手を出した瞬間
「お前を一撃で沈めるって決めたんだよ」
真っ二つになって、その場で右半身と左半身が逆方向に倒れていった。
体は徐々に縮んでいき、黒い霧も無くなって、元の姿に戻った、シザースは復活することも無く死んでいた。
「お前、芯は通っていたぜ嫌いだったけど」
そう、何だかんだ言って俺はこいつを評価していた、黒魔道教としてではなく、敵として評価していたのだ。
「でも俺が戦った中で36215番目に強かった」
強かったって評価するべきなのかは分からないがとにかく俺は36215番目に強かったと評価している。
俺は戦いの場に背を向けた
「行こうプレア、美穂と志龍が待っている」
「うん、分かったのです」
歩きながら戦場を俺達は去っていった。
この戦いが何を意味していたのかは俺達には分からなかった、何故この場で? 何故俺達を? 疑問が出てくる。
少しの疑問が残りながら歩いていた、するとプレアが何かに気づいた様子で
「ハルー!あれを見るのですよー!」
そこにはさっきまでシザースに操られていた動物達が魔獣の姿から戻り、歓喜に全ての動物が、踊ったり、嬉しさのあまり叫んでいた。
正直何故今日このような事をしたのか疑問があった。
でもその疑問がどうでもいいって言うくらいの喜びに俺は包まれた。
動物の1匹が俺に気づいたらしく、俺を見てお礼のような動作をした、今まで捕えられ、道具とでしか思われていなく、生きる望みもあまり無かった、でもそれを救えた、俺はこの事実を嬉しく思った、そして自然と笑みが出た。
自由を手にした、これ以上にあの動物達にとって嬉しいものは無いのだろう。
自由を手にした喜びを最高に味わっているそんな感情が言葉などは分からなくても伝わってくる。
「いい笑顔なのですよーハルー」
「そうか? それなら良かったぜ」
俺もプレアも笑っていた。
勝利の笑いではなく、何かを助けられた、達成感や感謝される喜びなのだろう、とても心地いいものだ。
今は勝利とかそんなのどうでもいい、こうして笑っていたい、俺はそう願ったのだ。
一つ俺は予想をした、多分だか恐らく、志龍の所にはこの中で一番強い敵と遭遇していると思う。
まあ心配はしない、だって志龍だからな。
「頼んだぜ相棒」
そう俺は呟いた。
次回から志龍編のスタートです、副司教との1戦、楽しみに待っていてください!
それでは次回までドロン!