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第1章 第29話 ルーベル学園祭編 開幕、団体戦闘技、そして怪物キングゴリラ

いつも見てくださっている皆さんには本当に感謝しております。

 4人で学園から地下に向かうエレベーターに乗った、エレベーターの音が静かに響く、俺たちは無言で壁にもたれたり、じっとその場で目をつぶって心を落ち着かせたり、武器の手入れなんかをしている。

 俺はその場で静かに今何階かを見ている。

 地下4階、ここで俺たちは戦いをする。


「ちーん」


 とエレベーターが着いた合図を送りそのまま扉を開けた。


「ここか⋯⋯」


 と俺は呟いた、そこは天井は黒く地面は対照的に白の大理石だろうか、綺麗な色をした石であった。

 歩いていくと黒い布を被せてあったサイコロのような正六面体が沢山あった。

 恐らくここが会場なのだろう。

 すると責任者のような先生が


「君達は魔導騎士団かい?」


「はい、そうです」


「魔導騎士団の1回戦の会場は2つ左にある会場だ、そこに先生もいるからゼッケンを見せて中に入って待機しておいてくれ」


「分かりました、ありがとうございます」


 と言って言われた通り2つ左の正六面体の会場に向かった。

 正六面体は、そこまで大きくなくて恐らく魔法による空間拡張と人の小型化を融合させて作っているのだろう、この空間一つ作るだけでも結構凄いな。


「魔導騎士団の人達だね」


 と責任者の先生に聞かれた、俺達が頷くと


「じゃあ中に入って、まだ野球部は来ていないし試合開始まで30分ほどあるからゆっくりしておいてくれ、何かあったら出口がわかりやすくあるからそこから出て外にいる先生に内容を話してくれ」


「分かりました、ありがとうございます」


「うん、健闘を祈ってるよ」


 と言われて俺達はそのままその黒い布にカーテンみたいに真ん中で切れているところがあったのでそこから入った。


 中に入るとそこは荒野だった、砂漠で砂もサラサラしていて歩くたびに体力を持っていかれる、そしてそこに岩や砂山、廃墟など様々な障害物があった、恐らくこれを生かしてこのゲームを有利に進めるのだろう。


「⋯⋯凄いね」


 美穂が驚いている、俺も


「ああ、これには脱帽するよ」


 率直な感想を返した、まさにジオラマ、ガンゲーや、某モンスターを狩る系RPGの砂漠の地方の様なものであった、太陽は出ているが光を与えているだけで温度調整は25度位で心地がいい。


「すっげーな」


 とハルもこの世界観に見とれている、プレアも


「やばいのですよー」


 と驚いていた。


 俺達はここでどれ位の前方かを見に行った、全長は2km程、荒野の区切りはわかりやすく出口と書かれた扉があり壁は白いので今どれ位の地点にいるかはわかりやすい。

 そして天井はおよそ100m、地上戦だけでなく空中戦もいけるようになっている、恐らく違うジオラマでは空中戦を生かせるものもあるかもしれないな。

 一通りマップは分かった、俺達は拠点となる廃墟に入った。


「ふー、一通り見るだけでも疲れるしすげーな」


 歩くだけで足が疲れてパンパンになる、そのため美穂はストレッチをずっとしている、ハルは刀の手入れをしている。


「プレアは何しているんだ?」


 手を握り合わせて祈りをしている、


「勝利の神、ミネルヴァに勝利するように祈祷をしているのですよー」


 唯一魔導騎士団で、神に関する知識を有しており祈りなどを常にしている、神具を有しているのでそれの感謝もあり常に祈りなどをしている。

 各個人個人が自分の好きなことをやる、そして時が来るのを待っている。

 すると俺達は一斉に反応をする


「来たな」


「やっぱり人数多いわね」


「いいねーやっとか!」


「楽しみなのですよー」


 と俺達は口々に言う、それとほぼ同時に


「後5分で試合が始まります、そろそろ準備を始めてください」


「さてんじゃそろそろ行くか」


「相手ゼッケン誰だと思う?」


「キャプテンの井沢さんでしょ」


「まあ、そうよね」


「ゴリラには気をつけろよ、怪力生かした魔法使ってくるからな」


「おっけー、分かったわ」


「んじゃ各自適当に散らばれ、目標は井沢さん、

 恐らく出口に近いポジション、でも一番確率が高いのは向こうの拠点となる廃墟、

 廃墟であれば上の階もある、だから最上階にいると思われる素直に登ろうと思うと多分素直には登らせてもらえないだろ、入口にも守備を固めているはずだ、

 そこで俺が音速で入口の裏に回る、その間に美穂達は俺のあとを追う形で来てくれ、

 俺は着いた後、そこからあえて最上階の一つ手前の階に突撃する、相手は慌てるだろうな、そこでお前達が一気に侵入する、そして慌てている隙に井沢さんを倒す、スピーディーにいこうか」


 と作戦を伝える、皆も頷く、そして時間は後1分に迫った、


「作戦変更は意思疎通で美穂に連絡を入れる、変更と言ったらもうそっからは正面衝突で行こう、多分余裕で勝てる」


 まあ正面衝突でもいいがなるべく次の戦いもあるしそれは避けたい。


「そんじゃまあ、始めようか 闘技(ゲーム)を!」


「闘技開始です!」


 とスピーカーから連絡が入る、俺はすぐさま音速で2kmを駆け抜ける、そして相手の廃墟の裏側に着いた、でもそこで1つ問題が発生した


「おいおい、迷子にでもなったのかゴリラ」


「ウホ」


 と笑っているキングゴリラこと岩間裏に宝を守る巨人のように佇んで居た、俺はすぐに


「作戦中止だ、正面突破を頼む!」


 これより戦いが始まる。


 ────魔導騎士団対野球部────


「さーてゴリラ、ちょっと相談がある」


「うほ?」


 と言って食いついてきた、俺は


「ここから立ち去ってくれないか?」


「むり」


 と言われた、まあそらそーだな、俺は


「後悔すんなよ」


 と魔力を高める、向こうも


「うーほ!」


 と言ってより一層体がでかくなった、そして魔力が高まっていった、


「んじゃ行くぜ!」


「うほ!」


 俺は撥を取り出して右手の撥で


「1音 射音」


 音が繰り出される、正面からゴリラは受けたがまるでダメージが入って無い、俺はすぐに近づいて


「すまんな、少し耐えてくれ」


 と言って


「1音 打音」


 直接音を内部に送り込む!?

 筋肉が分厚すぎる、何ていう体してんだよ化け物じゃねーか。

 そしてそのままゴリラは思いっきり俺の頭目掛けて拳を叩きつけた、


「っ!」


 と俺は避けるが魔力と合わせてあのゴリラが持つ『怪力の加護』の威力は桁が違う、砂がその威力から逃げるように衝撃を受けて砂煙を起こしながら撒き散った。


「はっはーこりゃやべーな」


 苦笑いしか出てこない、冗談がきつすぎるってやつだ、あんなので殴られたら流石に防御もしきれない、頭蓋骨粉砕するわ。

 でも俺はワクワクしてきた、結構面白い勝負になりそうだ


「さーてどうやって倒そうかな」


 俺は思わず笑ってしまった。


 筋肉は極限まで密度が高く、まるで50cmもある分厚い鉄の壁のように、そして怪物的怪力、1度でも攻撃をくらえばおそらく速攻失神だろうな。

 まさに怪物、ひょっとしたらそんじょそこらの黒魔道教団の奴らにも勝てるかもしれない。

 でもそれでも


「俺には勝てねえよ」


 俺は音速で右腕に触れる、右腕はたちまち凍ってしまう、


「うほ?!」


「安心しろ、表面を凍らせただけだ、ちょっと動きを封じだって感覚だな」


 その後に左腕も、左足も右足も、四股を封じた、そして俺はここで


「わりーな、俺の勝ちだ」


 と言ってありったけの音を貯める、そして


「1音 轟音!」


 を放とうとした、でも止めた、何故か?


「本当にやべえな⋯⋯」


 両腕両足に力を入れる、徐々に氷にヒビが入って、たちまち


「バリーン!」


 と割れてしまった。

 俺はもう笑うことも出来なくなった。


「うほ!」


 と言って思いっきり胴体を捻らせて遠心力と加護、そして魔力を使って殴りかかってきた、俺は


「ちっ! 逃げるのを遅れた! くそ!」


 と言って魔力を使って


「氷壁!」


 分厚い氷の壁を作ったが一瞬で破壊された、でも少しだけタイムラグが発生した、俺は転がるように攻撃をかわした。


「あぶねー」


 避けられたがあれが当たってたらと思うと本気でゾッとする、分厚い氷の壁をあんないとも簡単に破壊されるとは思ってもいてなかった。


「結構これはやばいな」


 これじゃ、いつまでたっても拉致があかない、攻撃しても通用しない、防御も貫通される、このままじゃ勝ち目は少し薄い、なら。


「しゃーねーな、殴り合いは得意じゃないけどやるか」


 と言って俺はゴリラに


「ゴリラ、認めるぜ、お前は強い、その怪力俺も応えよう、さあ反撃開始だ」

さあ始まったよ団体戦闘技!

初戦の相手はキングゴリラこと岩間、強かったけど志龍の狂人化には勝てなかった⋯⋯

さてここからキングゴリラという大戦力を失った野球部がどうなるのか!

乞うご期待!

ですが次回はハル、美穂、プレア編です!

では次回までドロン!

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