第1章 第28話 ルーベル学園祭編 次戦開幕、団体戦闘技
いつも見てくださっている皆さんには本当に感謝しております。
朝、目を覚ます。
ベットから降りて時計を見るとまだ5時と少し早い。
カーテンを開けると外はまだ薄暗く太陽は昇るか昇らないかの中間にいる。
俺は階段を降りる、すると昨日の片付けが出来ていない、ジュースのペットボトルや缶がそこらに放置してあってハルがイビキをかきながら寝ていた。
ハルはほっといて俺はそこらに散乱してあるジュースのゴミやおつまみの袋を見て
「俺がこれ掃除すんのかよ」
と笑ってしまった。
掃除をし終わってそれでもまだ皆が起きるには早い時間だったので俺は外でランニングをする、夏ではあるが流石にこの時間帯は涼しくて人通りも少ない。
「たまにはこれもいいな」
と思って走っていると、前に誰か人がいた、
「やあ、おはようございます」
と声をかけられたので立ち止まった、そこにはいつぞやの生徒会の名前は⋯⋯
「道部 幸四郎です、覚えてもらっていないとは少し悲しかったですね」
名前を忘れてしまったのは申し訳なかったが顔とかは覚えている、何となくだが少し妙だったからな。
とは言っても同学年に敬語というのは慣れていない、俺は
「まあ同学年だし気楽にいこう」
と言うと
「そうだな、堅苦しいのは良くないな」
と向こうも笑って敬語を解除した。
しかしまだ少し走ったとはいえ5時台だ、殆どの人はまだ寝ているのになんで道部は外に出ているんだ?
「お前もランニングか?」
と俺は質問をしてみる、
「そんな大層なものじゃないよ、早く起きてしまったからすることが無くてふらーっと外に出てきたって感じかな」
と返してくれた、俺は
「良かったら少し一緒に走らないか?」
と聞くと
「いいよ」
と笑って返してくれた。
久々だ、美穂以外の人と走るのは、5ヵ月ほど前にハルと走ったのが最後だな、しかし体力あるな、体を見てもそこまで鍛えているとは思えない体つきだが15分ほど少し早めに走っているが少ししか息が切れていない。
「やるな道部」
「そうでもないよ、これでも結構きてるんだけどね」
俺も少し体力的にいい感じに走り込めたので近くにあった公園を指さして
「ここらで休憩しようぜ」
「ああ、そうしよう」
と言って公園にあった自動販売機で缶のスポーツドリンクを2つ買って
「ほれ、これでも飲め」
「悪いな、サンキュー」
と言って俺と道部は缶を開けて一気に飲む、少し汗をかいたあとのスポーツドリンクはいつも以上に甘くて美味しい。
「そう言えば、今日からお前とは敵なんだな」
道部がスポーツドリンクを飲みながら言う、
「そうだな、敵って言ってもそこまで身構えるものでもねーからな」
「お、王者の余裕ってやつ?」
「茶化すなよ」
と2人で笑い合う。
「会長はどうだった?」
「まあまあ強かったな、でも俺はあいつ嫌いだ」
「そらそーだな、あの人重度の美穂さん好きで有名だからな」
「お前知ってたのか?」
「生徒会の人たちの中では有名な話だよ、軽いストーカーみたいだから俺達の間でも嫌われていて変えられるんだったら変えたいくらいだよ」
「確かに俺だったら反乱起こすぜ」
と言ってまた笑い合う、気づけばもう友のように話し合っていた。
ふと公園の時計を見るともうそろそろ家に帰らなければならない時間になった
「わりぃ、そろそろ帰るわ」
「俺も、そのつもりだよ」
と言って俺達は別れた、別れ際に
「こっからは敵だぜ、正々堂々とやろうな!」
「おう! そのつもりだぜ!」
と言って俺達は戦いの約束をした。
俺は家に帰って朝食を4人で食べていると美穂が首を傾げて
「志龍、何かあったの?」
と言ってきたので俺は笑って
「ああ、面白いやつにあったんだよ」
と返した。
さて朝ごはんも食べ終えて、4人全員の準備も終わった、俺達は学園の闘技場に向かう。
「ふわぁ、眠い」
とまだハルは欠伸をしている
「当然でしょ、あんた夜中まで騒いでいたのだから」
「そうなのですよー」
「コンディションは大丈夫なのか?」
「お、志龍、安心しろコンディションはバッチグーってやつだぜ!」
と手でグッドサインを作っていた、まあこれなら大丈夫だろ。
俺は美穂の頭に手を置いて
「調子はどうだ?」
「最高」
「負ける気は」
「全くしないわ」
「勝つぞ」
「当たり前でしょ、志龍こそ勝つ気あるの?」
「無くても勝てるし、勝つ気は充分あるぜ」
「ならいいわ、勝つわよ」
と言って美穂も欠伸をしていた、俺は横目で安心して笑った。
次に俺はプレアに
「調子はグッドか? プレア?」
「いいのですよー」
「武器は充分あるか?」
「余裕なのですよー」
「頼んだぜ家の主砲」
「任せろなのですよー」
プレアもやる気充分のようだ。
さて最後にもう1度ハルに
「調子は」
「バッチグー」
「負ける気は」
「しねぇ」
「刀の切れ味は?」
「何でも切れる」
「頼んだぜ相棒」
俺は右手で拳を作ってハルの目の前に出す、ハルも拳を作って俺の拳に合わせて
「任せろ、そして任せたぜ相棒」
と言って全員のコンディションなどのチェックをした、そして俺は胸に手を当てて
「調子は」
────最高
「負ける気は」
────1度負けてみたいってもんだよ
「闘志は」
────常に燃えている
「俺の目的は」
────勝つこと
「そして」
────ロベンを見つけること
確認は取れた、さあこの最強の 魔導騎士団(チート集団)を倒してみろ、俺たちは負けない、どれほどまで辛かろうがそれ以上を味わった者達の集まりだ。
ヒーローであっても負ける時は負ける、最強だって負ける、でも俺たちは負けない、神や聖者なんてクソ喰らえっていう奴らの集まりだからな。
俺は笑って赤いローブを来てその胸の紋章に誇りを持つ、
「行こうか」
と言って3人もローブを羽織る、魔導騎士団として戦いに俺たちは今挑みに行く。
学園に着くと皆が一斉にざわめく
「おい、来たぞ」
「あれが魔導騎士団か、貫禄あんな」
「あれでも俺達より年下だろどうなってんだよ」
「やべーな勝てる気がしないわ」
と皆が皆、口を揃えて俺達に道を開けながら言っている、でも1つの集団だけは違った、赤に対して白のローブに身を包み潔白の集団として知られている奴らは、
「見ろ! 生徒会と魔導騎士団のご対面だ! 面白くなるぜこれは!」
「やべーよ! 興奮してきたぜ!」
と人が集まってくる、俺は前だけ見て先頭にいる生徒会長もといクソ野郎に
「どいてくれないっすか」
と言うと、生徒会長は顎をあげて
「君たちこそどいてくれ僕達はそこを通りたいんだ」
俺は笑って
「いや、おたくらが横にずれてどいてくれればいい話じゃないっすか」
「君たちこそ横にどけ」
「横暴な態度をとりますね」
「悪いか?」
「いやいや悪くは無いっすよ、でもね悪いと言ったら俺はまだ覚えているぜ」
「ほう覚えてどうするんだ? 俺は全くを持って変える気はないがな」
と美穂が一歩引く、嫌そうな顔をして、俺は会長を睨んで、
「まだ殴り足りてねーんすよ、覚えておけ、後100発は入れてやるよその顔に」
「ふん、やれるもんならやってみろ、自分の無様を晒すだけなのだからな」
「晒すのはおたくだよ、お・た・く」
と煽ると向こうは舌打ちして
「気分が悪い戻るぞ!」
と言って戻って行った、俺はハルに
「塩まいとけ、あいつが歩いた道に塩まけ」
と言うと本当に撒きそうになったので止めさせた、というか何で塩持ってんだよあいつは。
そんなこんなで俺達は受付を完了させて闘技場の中に入る、中は各部活ごとに並んでいた、生徒会とは逆の場所にいるため気分がいい。
しばらくして全員が揃い並んだのを確認できたところで、またまたお馴染みの司会者が出てきた。
「えー、では只今より! ルーベル学園祭次戦 部活別闘技の開会式を始めます!」
「うぉぉぉぉ!!」
と盛り上がる、
「はーい静かにしてください」
と、何回か司会者が言って静かになる
「ではルール説明をこの方からしてもらいます!」
と言って壇上に登ってきたのは
「ではルール説明をしたーいと思うーよ」
学園長だ。
「ルールだが、闘技とほとんどおなーじルール無用のガチマッチという訳だが少しここにねルールを加えるーよ、
何せこの学園の生徒の数はとてーもおおーい、だからね今から各部活のリーダーにゼッケンを渡す、これを着ている人が負けた時点で勝負あり、狙うのはその人ーって訳だねー」
と手短にルールを伝えてくれた。
「場所はルーベル学園の地下にある魔法で拡張したジオラマ設備があーる、そこで思う存分力を発揮してくーれ
以上でルール説明をおわーるよ」
と言って壇上から降りていった、
「ありがとございまーす、ではもう連絡も無さそうですし、ここで1つ、今年から追加された新しい制度を発表します」
「えーっとですね、先生方から見て一番輝いた人になんと! 1回だけ叶えられる限りのことならば願いを叶えてあげるとのことです!」
これは嬉しいな、まあでも叶えてもらうって言ってもほとんど望みはないしな。
「例えばー、男子だったら好きな女子に水着になってもらうってこともありなんだよー」
と言うと明らかに男子のモチベーションが上がった、
「よっしゃぁぁぁぁ! 俺絶対輝いてやるよ!」
「いーや俺だ!」
とみんなで盛り上がっている、まあなんて愚かなんだろうと思っていたらどこかでこんな声がした
「俺、美穂さんの水着見てみたいな」
という声がチラホラと聞こえた⋯⋯⋯⋯ぶっ潰す、何があっても美穂の水着姿は守ってやる、一番輝くのは俺だ冗談じゃねーよ!
「志龍、やる気満々だね⋯⋯」
と少しみほに引かれた。
こうして開会式は終わった、1回戦の相手はなになに野球部か、ゴリラが怖いな、まあ負けないだろうけど、と思って会場から外に出る、隣には美穂がいる。
「いよいよだね」
「ああ、勝つぜ」
と言って俺は闘志を漲らせる、ワクワクするのと絶対潰すという怒りの感情がある、それでもどっちの気持ちにも勝つという思いがある、だから冷静にいられる、勝つだけだ、勝って美穂の水着姿を守るだけだ、そして美穂を守るだけだ。
俺はそう思って地下のジオラマに向かった。
────ルーベル学園祭次戦開幕────
さて次戦開幕!
宿敵生徒会長、そして友となった生徒会の道部、色々な人達が敵として志龍の前に現れます!
今回もワクワクするような内容にします!
では次回までドロン!