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第1章 第27話 ルーベル学園祭編 魔導騎士団、戦いの前日

はい今回も短いです。

いつも見てくださっている皆さんには本当に感謝しております。

 体が動かない、まるで鉛にでもなったかのように疲れが一気に俺に押し寄せてきた。


「志龍ー起きろー!」


 と美穂にたたき起こされそうになるが流石に今日は寝たい。


「今日は寝かせろー」


 と俺は布団に籠る、今日はここから出たくない。


「ニートか志龍は」


「ああ、そうだよ」


 と答えると蹴られて起こされた。


 今日は休みの日、この体魔祭前半戦の疲労を取って明日からの次戦に備えろという意味で設けられた休みだ。


「こんなんじゃ次戦、生徒会にやられるよ」


 と美穂はいうが俺は頭を掻いて、


「安心しろ、万が一にもほとんど俺達が負ける確率はねえよ、生徒会とか知ったこっちゃねーよ」


 美穂も俺の意見にはごもっともの様子で


「まあそれもそうよね」


 と短く返して。


「朝は何が飲みたい?」


 と聞いてきたので


「柚子茶」


 夏でも温かい柚子茶を飲むのは俺だけだろうな。

 美穂が水をお湯に沸かして柚子茶の元になる柚子で作ったジャムをコップの中に入れてお湯を注ぐ、湯気とともに柚子のいい匂いがする。


「冷めないうちにね」


 と置いておいてくれた、一口飲んで体が温まる感じがした。


「ああ、うめぇ」


「おっさんみたいな事言わないでよ」


 と美穂に注意された。


 さて、この後俺達はほとんど今日することが無かった、唯一することといったら、夕方買い物に行くくらいだ。

 それ以外は俺と美穂でずっとゲームをしていた。


「うっしゃ! また私の勝ちね!」


 美穂がガッツポーズで俺を見てくる、俺はと言うと0勝15敗と大敗を喫して絶望した顔をしている。


「⋯⋯勝てねえよお前には」


 戦略ゲーム、ガンゲーム、RPG、何をとっても美穂にはゲームでは勝てない。


「ふっふーん、腕を上げてまたかかって来なさい」


 と自慢げに言ってくる、腹立つなー本当に。


「茶、もう一杯くれないか?」


「いいよー」


 と言って台所に向かっていった、俺はソロでガンゲーをやっていた、コンピュータなら勝てるのだが美穂には一向に勝てる気がしない。


「まーたソロでやってる、いくらやっても上手くならないわね」


 と美穂が後ろからニヤニヤして見てきた、俺が後ろを向いて軽く睨むと


「悪かった、悪かった、ほらどうぞ」


 と言って柚子茶を出してくれた、俺は冷めないうちに飲んだ、体にしみる美味しさだ。


「落ち着く」


「それは良かったです」


 と会話をしてまたゲームを始める。


「うりゃ!」


 と俺が美穂に死角から攻撃を仕掛けるが無駄で誘われてたみたいでカウンターをくらってまたやられた、何回やられるんだろな。


「進歩無いわねー」


 と呆れられるさまだ、言い返す言葉が全く出てこない。


「つえーな本当に美穂は」


 と俺が笑うと美穂は少し不機嫌そうに


「それは皮肉?」


 と聞いてきた、最も俺はそんなつもりは全くなかったので否定すると


「そう、それならよかったわ、私、安心してる部分があるのよね」


「? 何でだ」


「あんたにはこういう事でしか勝てないのよ、私が欲している強さは全部あんたの方が上、でもゲームの強さっていうかそういうものは私が勝っている、志龍に何か勝っている、それだけで安心してるのよ」


 と言われた、欲している強さか、美穂が欲しているのは俺を守る力、充分持っている、でもそれ以上に俺が美穂を守る力を持っている、もどかしいだろ、だって自分が守りたい相手より自分の方が弱いなんて、俺だったら挫折する強さを持つことに。

 でも美穂は折れない、1つ勝っているものがあるそれを頼りにしてまだ行けると徐々にだが上に登りつめてきている、彼女には言わないがその向上心の強さは俺が惨敗しているゲームの勝率のように。


「なーによ湿気た面しちゃって」


 と頬を突っつかれた、俺は笑って


「超えてみろよ」


 と頭を撫でると


「言われなくてもそーするわよ」


 と笑っていた。


 夕方になって俺たちは買い物に出た、


「とりあえず今晩の食材でしょ、後牛乳切らしてたっけ、あ、志龍欲しいものは?」


「おやつ、適当に買っといて」


「分かったわ、そっちはあれ頼むわよ」


 と言って俺達は一旦それぞれが向かう方向に分かれた。

 俺はショッピングモールには似合わないような小さな店に入った、本当に裏通りにありそうなスナックのような店だ。


「いらっしゃい、お、久しいな」


「久しいって言っても一月ぶりだ、そんなスパン空いてねーよ」


「それもそうだな」


 と大柄の眼鏡をかけたこの店のマスターが笑った、店の中は木のいい香りがする。


「出来てるか?」


「一月置いた、上出来になってるぜ」


 と少し大きめの木箱を渡された、中には


「な、いい感じだろ、この燻製」


 そう、干し肉、いわゆる燻製肉と呼ばれるものが入っていた。

 一ヶ月前に俺は今日の為に作っておいた燻製肉だ。


「上出来だな本当にいい香りがする」


「あったりまえよ、ほら料金払ってさっさと帰ってくれ」


 と言われたので俺は金を払って外に出る。


 それから俺は少し暇つぶしに歩いていると美穂にあった


「丁度か?」


「まだこっから買うものあるわよちょっと手伝って」


 と俺は手伝うことにした。

 想像以上の重量が俺にのしかかってくる、重い、とにかく重い、荷物の量が半端ではない、


「大丈夫?」


 と心配をされるが俺は余裕そうにする、これが男の意地ってものだ、どうだ馬鹿だろ、知ってるさ!


「よしこれくらいかな」


 と美穂が言って買い物は終了した、今日はいつもより豪華だ、何せハルとかも来る、みんなですき焼きをしようってなったから荷物が多かった。


「それじゃ帰りましょ」


 と言って家に帰る。


 さて夜の7時になった、ハルたちも来て4人ですき焼きパーティーを始めた。


「うぉぉぉ! この肉うめえ!」


 とオーバーリアクションをハルはとる、美穂はその食べっぷりに満足そうだ、でも肉ばっか取るから俺が野菜を山盛り入れてやった。


「うん、美味しいな」


 と言うと美穂は笑顔で


「よかった!」


 と言っていた、俺は野菜も取って適度に食べていた。

 プレアも上品に食べていた、


「美味しいのですよー」


 と幸せそうに言っていた。

 さていつの間にかすき焼きも終わっていたので俺が


「間食いるか? 燻製肉だ、美味いぞ」


 と出すとハルが食べる、肉は歯ごたえっていうか切りにくく噛めば噛むほど味がする癖が強いが、またそれがいい。


「そーいや明日の体魔祭って何するんだ?」


 とハルが言った、美穂が


「基本的には闘技と一緒よ、それが団体戦になったって感じらしいわ」


「ほー、なるほどなー」


 と納得しているようだった。


「明日か」


 と俺は呟いた、明日またアイツと戦うのか、そう思うと嫌気がさす、あの変態生徒会長と戦うことだ。


「あいつは私が倒したいわ」


「いーや俺がケリをつける」


 これに関しては俺も一歩も譲れない、あいつだけは俺が倒したい。

 ハルも何かあるみたいで笑っていた。


「ハル楽しそうなのですよー」


「ああ、いやー面白そうだな今回は、俺も楽しみで仕方がねーよ」


 と機嫌がよかった、プレアはそれを見てずっと笑っていた。


 各々がいろんな思いを持っている、勝つ、これだけは共通をしている、でも他は何も共通していない、誰に勝つのか、どう勝つのか全部違う、これが違っていることを咎める必要は無い、「勝つ」この思いだけだ一緒ならそれ以外は違っても別にいい、そう思っている。


「勝つぞ明日は」


 と俺が言う、3人ともいい笑顔で笑って


「おう!」


 と言った、さて明日が楽しみだ、とりあえず俺は。


「んじゃ寝るわ」


 と言って寝に行った。

さて次回から次戦始まります!

生徒会との全面戦争が始まる模様です、書いていて本当に楽しみで仕方ないです!

今回も最後まで見てくださってありがとうございます!

では次回までドロン!

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