第1章 第17.5話 ルーベル学園祭編 敗北の味 勝利への執着心
すいませんハルとプレアのバトルを書くと言ってましたが美穂編まだ少し続きます(と言ってもこれで終わるんですがね)
いつも見てくださっている皆さんには本当に感謝しております。
最後の大技で私の意識はほとんど無かった、いやもうあの技を使った時点で本当は倒れるはずだったのだろう、だが私の意識をつなぎ止めたのは『志龍が負けるのを見たい』という傲慢な理由と執着心だろう。
だが結果は違った、志龍はあの技ですら即座に凍らして勝利を掴み取った、私はそれを見て残念という気持ちともう一つ志龍が勝って良かったと思った。
そこで私の意識は途絶えた────。
「ようお前か」
と声をかけられた、気がつけばいつも特訓をしていた洞窟に私はいた、そして目の前には炎王がいた。
そして炎王は
「負けたな」
一言私に告げた、そして私は本当に負けたことを自覚した。
苦い、そして何とも言えない空白感、そして積もってくる悲しみ、自分への怒り。
これが敗北の味なのだろう、なんて嫌な味だ、これなら嫌いな食べ物の方が100倍位ましに思えてくる。
「ええそうね」
「完膚無きまでにだ、少しは通用するとは思っていたのだがな」
「私が弱かったから」
「いいや違うお前は良くやった、あいつの次元が違っただけだ」
慰めか本心か今の私には分からなかった。
「俺自身も烈火炎舞はダメージを与えられるとは思ったんだけどな、あれは想定外だ、あの魔力量、そしてあの技量、俺が知っている限りの魔術師でもあんな奴は居なかった」
「だがな」と言って
「あいつほどの肝が座っている男はいねーよ、俺が知る限りでも魔術師ってのは嫌な奴ばっかなんだよ、自分の実力に溺れて他人を尊重しねえ、そーいう奴ばっかなんだよ」
「あいつは大切にしろよ、話はこれだけだ意識を覚醒させろ」
と言い洞窟の奥に向かう。
私は考えた、確かに烈火炎舞、あの技は強かった、私の全力と言っても過言では無かった、でもそれでも通用しない遥か彼方にそびえ立つあの志龍という壁に私は到達すらしていない。
そこで私は思った、何故私はあれほどまで1つの技を完成させたことで思い上がっていたんだ、何故私は勝てると思っていたんだ、怒りが湧いてくる、自分の傲慢さに炎王のスタート地点に辿り着いただけだ、まだ私には炎王を名乗る資格など一切を持ってない、なのになんで、何でなの?
そこで私は1つの結論に至った。
私が志龍に甘んじていたのだ、志龍という絶対的に守ってくれる存在に甘んじてそして私は強くなったと思っていたのだ、自立ができていない、そう私は感じた。
「ねえ」
炎王を呼び止める
「今の私で貴方にそして志龍に勝てると思う?」
「100無理だな」
「なら私が炎王を名乗るくらい強くなったら?」
「俺は超えるだろ、でもあいつは超えられねえ」
「なら貴方を越す最強の炎王になったら」
私は笑を浮かべ彼に問う、彼も笑って答える
「なら分からねえな、俺も俺を超える火の使い手なんて見たことが無いからな」
「今から頼むは、私は彼を越したい」
「あいつの強さは天性だろう、だがなあいつは育ちすぎた、もう言ったらあいつに本当の伸び代は無い、でもなまだお前にはあるぜ伸び代が、火を超えるものなんてある訳がねえ、さあ俺を超えろ、その為のど基礎を叩き込んでやる、死んでも聞き逃すなよ」
炎王との炎王を超えるための修行が始まった。
私にとって炎王はただの通過点だ、私が目指すものは志龍の隣に立つそして彼を超えることだ。
これは私の勝利への執着心が生んだ本気の負けん気なのだろう、さあ始めましょ彼(炎王)を越すための修行を彼(志龍)を超えるための修行をここから始めましょ。
私はそう思い踏み切れなかった一歩を踏み出すことが出来た。
さて本当に次からはハルとプレアのバトルを書かせていただきます。
ではまた次回までドロン!




