第1章 第17話 ルーベル学園祭編 烈火炎舞
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炎と氷がぶつかり合う、お互いがお互いを打ち消し合い爆煙が舞い上がる、その中で俺達は魔力と感で相手の位置を知り攻撃を仕掛けたり避けたりしている、ある意味1種の賭け事だ。
それに厄介なのは美穂の加護『炎王の加護』だ、いざとなれば火の攻撃を自分にくらわせることで魔力を回復することが出来る、チート並の性能だ。
「ちょこまかちょこまかとうざいわねあんた」
「知るかよ、つーかお前も大概だぜ、俺の音よく避けられるな」
「手首の動き、位置それに目線で大体読めるわよ」
つまりは俺の攻撃が読まれてるってわけだな、ならこれならどうだ
「音速」
「無駄よ直線を狙って撃てばいいもの」
甘いぜ考えが、俺は上に飛び上がる、美穂は標準を上にあげる
「だからといって出た作戦がそれ────っ! やられた」
空にはもう俺の姿はなかった、上に飛び上がる前に踏み台を作って美穂の背後に回る、そして撥を首に当てて
「勝負ありだな」
と言うと美穂は少し笑って
「まだ終わってないわよ」
と言うと後ろに変な気配を感じた、美穂の分身がいた、分身の魔力遮断か、高度な技を使ってくれる、分身は矢を持って俺達を貫くために火の矢を放った。
「ちっ! 『絶対零度の領域』」
絶対防御である俺の技、魔力を予め周囲に放っておきその間合いに入ったものを瞬時に凍らせたり、空気を凍らせて盾などを作り防御する、副司教や神無月さんとの戦いで使ったやつだ。
矢を凍らせる、そうするともう美穂が詠唱を始めていることに気がついた、
「終焉よ、終わりなき世界に終わりを、全てを包み火として帰り、火として新たに作り直す、我、天をも焼く煉獄なり、我、地獄をも焼く煉獄なり、」
まずいこの詠唱は、あれが来る!
俺はその場から逃げようとするが広範囲に魔法陣が出来る、もう避けるのは無理だ。
「地としてあらず、天としてあらず、我火を司る現界の王なり
『終焉の煉獄』」
全てを終わらせる煉獄の詠唱が唱えられた、これは絶対零度ですらカバーできない技の一つだ、と言って他に耐える方法は⋯⋯⋯⋯一つだけあった、これはなるべく使いたく無かったのだがな仕方が無い背に腹は買えない。
目を閉じる。
瞬時に煉獄が闘技場を焼く、火柱が立ち大きな音とともに熱風が上がるそして俺は焼かれるはずだった。
「⋯⋯なんで?」
美穂は絶句している。
「なんで発動しないの⋯⋯」
上がるはずだった火柱は無く、熱風どころか火もない。
美穂は俺を見る、そして
「志龍何なのその目は⋯⋯」
元々黒かった俺の瞳孔は片目は青く、もう片方は赤くなっていた。
「そういや美穂お前にもまだ見せてなかったな」
美穂は唖然としている。
「狂眼、俺の切り札の1つだ」
いつこれを身につけたのかは俺にもはっきりしていない、ただ、いつも間にか身に付いていたという方が正しいだろう。
この眼を何故狂眼と名付けたかはそれが獣人族がもつ狂獣眼と似ているから名付けたものだ。
能力としては相手の魔力がどう移動しているかを見れる、これはどんな技がどこに来るかというのが分かる。
そして今使ったように相手の技を潰すことが出来る。
この能力には自分の魔力以下の攻撃には使えないとかそういうものはないと思う、だがこれはあまり実戦以外では使いたくないと思っていたのだがまあ仕方が無い。
「っ! そんなのずるいわ」
少し美穂であれともそれは違う
「戦いにずるいもクソもない、それなら相手が使う技に即座に対応しなくてはだめだ」
美穂は俺を睨んで
「言われなくてもそうするわよ!」
と言い空中浮遊魔法で空中にいき火の矢を作る、そして放つ
「くらえ!」
無駄だと俺は思っていた、俺は目を見開き
「狂眼」
火は一瞬にして消えた、だがそこから通常の矢が出てきた、これは狂眼でも潰すことが出来ない、でも
「『絶対零度の領域』」
空気を凍らせて矢を防ぐ、これが俺の最強の絶対防御だ。
さて俺もそろそろ攻撃するかだがその前に
「今の内に降参するか?」
と聞くと美穂は奥歯を噛み締めて
「ふざけないで、絶対に逃げないわ!」
美穂のそういう所は賞賛に値する、その負けん気負けず嫌い、これは昔からそうだった誰にも負けたくないだからこそ彼女はここまで強くなれたのだろうでもな。
「勇気と無謀は紙一重だぜ」
美穂の懐に入る、容赦はしない、女だからといって手を抜くやつは戦士じゃないただの愚者だ。
「1音 射音」
美穂は攻撃をモロにくらい吹き飛ばされた、その先に俺は回り込んで
「2音 射音」
2回くらわせる、そして美穂の体は壁にぶつかった。
会場は静まり返った、そして誰かが
「ふざけるな女子が相手だぞ!」
と俺を非難する声をあげる、それと同時に会場の至る所から
「そうだなんてことをするんだ!」
「そこまでやる必要は無いだろ!」
「みっともなく無いのか!」
などの声とブーイングがあがる、挙句の果てには
「負けろ! 負けろ! 負けろ! 負けろ!負けろ!」
などの声がみんなで上がるだから俺は
「黙れ!」
と大声をあげる、会場はまた静まり返る。
「戦いに手を抜け? 女子だから手加減をしろ? ふざけたことをほざくな! 彼女は戦士だ、それが女子であろうとも彼女は戦士だ、その彼女に手を抜けだ? 何甘ったるいことを言っているんだ、はっきり言おうそういう奴は愚者だ!
ただ1人の戦士を目の前に全力で戦わず女子だからといって手を抜く相手に対して1番失礼だ、そしてそういう声をあげる奴らもだ、テメーらはフォローしてるつもりかもしれないが美穂にとっては侮辱だ! 美穂を侮辱するな! ならここに出てこい! テメーら一人残らず叩きのめしてやるぞ たとえそれが女子であってもだ!」
心の底から思っていることを全部ぶちまけた、それくらい俺はあいつらの無責任な発言に怒りを感じていたのだ。
「ふ、フォローありがとね⋯⋯志龍」
美穂はその体を無理やり持ち上げた、もう体の骨は折れているというのに彼女の心は折れるどころか傷1つついていない。
「フォローしたつもりはねーよ腹たっただけだ」
「それでもねフォローにはなったわよ」
「そーかなら良かったぜ」
お互い笑い出す、そして美穂が
「これが最後の攻撃にするわ」
と言った、もうこの一撃しか残っていないと言わんばかりの発言だ、だが実際そうだろう、もうほとんど美穂には戦う力は残っていない、だからこそこの一撃に全てを込めるんだ、心して俺もかからなくては万が一ということもある。
これはコクリと頷く、美穂はそれを見て少し笑を浮かべた。
空中浮遊をする、そして
「いくわよ」
美穂の全力がくる。
「我は炎王を受け継ぐものなり、我が力は炎王を受け継いだものなり、これすなわち我伝承の火を受け継ぐものなり、炎王が最後に残した秘技ここに見参せよ」
これは俺も知らない詠唱だ、炎王が残した秘技? 聞いたことがない。
「すべてを焼く豪炎よ業火よ終焉の煉獄よ全ての炎よそして伝承の火よここに現れろ」
魔力がどんどんと手に溜まっていく、これは終焉の煉獄なんて比じゃない、嫌な汗がでる。
「我、炎王になるもの、そして我、紀伝の炎王を越すもの」
「くらえ! 『烈火炎舞』」
1ヶ月ほど前の話だ、私は眠りについて1つの夢を見た、そこは洞窟で中に誰か人がいた。
「誰ですか?」
私は聞いた、そうするとその人はにやっと笑って
「ようやくここまで来たか、待ちくたびれたぜ」
彼の髪は燃えるように赤く瞳も紅かった、体長は190はある大男でその体は鍛え上げられていてとても筋肉質だった。
そしてその風貌、ある1つの伝承が私の頭に浮かんだ。
「炎王?」
「おお、俺が昔呼ばれていたあだ名だよく分かったな!」
と言ってカッカッカッと笑い出した。
というかこの人今物凄いこと言ってなかったか? 炎王ってええ!
「本当に炎王何ですか?」
「おう! 生前はそう呼ばれていたな」
そう言われると嫌というほどかしこまってしまう。
「申し遅れました菜月 美穂と言います」
「名前は知っているよ、そんなにかしこまらなくていいぜ」
「ならそうするわ」
「するんかよ!」
人の夢にいきなり入ってくる奴に義理などない。
炎王はペースを乱されたらしく頭を掻いていた、そして「んじゃまあ」と続いて
「俺の名はシン・ブランドルニアまたの名を『炎王』だ」
伝説の人物の前だろ、異様な緊張感がする。
「俺はお前に炎王座を譲るために来た」
そういい彼との特訓の日々が始まった。
炎王、2000年前彼は1人で伝承に残る王にまで登りつめた。
曰く 万を超える魔法を1つの魔法で薙ぎ払った。
曰く 大国を何の武器も持たずに己の肉体だけで挑み大国相手に勝った。
曰く 1人で国を作り上げ今も尚栄える大国を作った。
曰く 伝説に残る邪龍を7体相手にし戦い勝利したがその後死亡した。
これらの伝承を後世まで残しあげた人物だ、だがその武勇伝とは裏腹に
「お前結構良い胸してんな」
⋯⋯こいつただの変態だ、うん顔から見て分かっていたが本当にただの変態だ。
のろーりのろーりと近づいてくるもんだからこっちも笑顔で近づいて鳩尾を殴った、「ぐげろ!」と悲鳴をあげてその場に倒れ込んだ、自業自得だ。
「い、いきなりはないだろ⋯⋯」
「貴方が悪いんですよ」
私は依然とした態度で答える、彼は「んな言い方はねーだろ⋯⋯」と言って倒れ込む。
そこで私は思い出す、炎王の座を譲りに来たという言葉を。
「ところで炎王の座を譲るって?」
「そのままの意味だよ」
炎王はその場で淡々と
「元々俺の加護は俺自身よく分からなかったんだよ名前とかな、付けろって言われたから『炎王の加護』なんて名前をつけただけだ、思い入れはあったし誰かに本当は譲る気は無かったでもな俺はこの加護がどういうものか知りたかった、
死後ある人の協力の元加護を転生させたんだよ、そして俺は死ぬ前にこの加護にある一つの細工を加えたんだよ」
「その細工って?」
「ある一定のレベルに達したら夢の中だけではあるが俺が出てくるっていうものだ」
うわめっちゃいらねと本気で思って引いた
「めっちゃ引かれてるな俺⋯⋯」
と悲しげな表情になった。
「ともかくだ、俺が現れたってことはそのレベルに達したってことだ喜べ」
「わーい」
「本気で喜べよ、棒読みすぎだろ」
「っていうかそのレベルってなんなの?」
「スタート地点に立ったくらいだ」
「スタート地点?」
「炎王の座に立つスタート地点だ」
「!」
炎王の座に立つスタート地点、何故かこの言葉に1つ達成感を覚えた、それは私が強くなったという証でもあるそう思ったからだ。
「でもまだスタート地点だ、お前にはこれから1ヶ月間で1つ技を身につけてもらう」
「1つの技?」
「そうこの俺が生涯世に出さなかった技の一つだ」
炎王が世に出さなかった技! 興味がある、ただ新しい技だからではない、それが炎王の技だと言うところに興味があった、そしてそれを私が貰い受けることが出来る、これに喜びがあった。
私は強さを求めていた、あの日の夜を何度も思い出しそして何度も強くなった、そして強くなった、でもまだ足りないこれじゃまだだと思いもっと力を欲してきただからこそ私は更に強くなるために1つ頭を下げた。
「御教授願います!」
と言うと炎王は笑って
「いいぜその強さを求める態度! 伝授してやるよーく聞いて真似ろよ」
そして私はこの技を習得した、その時の達成感は半端なかった、そして自信があったこれなら志龍に勝てるとそう言う自信があった。
すると炎王から
「自信を持つのはいいが思いあがんなよ、まだお前はスタート地点に立って数歩歩いただけだ、炎王になるにはまだ色々と学ぶことがあるからな」
と言い洞窟の奥に行きながら
「今月はここまでだ、俺も疲れたからしばらく寝るわ」
と言い手を振りながら奥に向かう、すると何か言い忘れたように止まって
「お前の幼馴染に今の技使ってみろ、俺が許可する」
と言われた。
そこで夢は途切れた。
こんな技見たことがない、この魔力の量、美穂あいつ本当に全部使い果たしたんじゃないだろうな。
これは生半可な技じゃ通用しない、だが手はある、1つは狂眼を使うことだ、これなら1発で出来る、1つは音、俺が持つ技の限りを尽くせば相殺は出来る、でも向こうは道具を使っていない、なら俺もそれに敬意を表し道具を使わないでおこう。
撥をしまって詠唱を短く唱える
「氷よ我が力の糧となれ、我は世界をも凍らせるもの、全てを凍らせるもの『氷の世界』」
迫り来る火は俺の魔法で凍った、炎が凍るとは些かよく分からない表現だがその通り本当に凍った。
勝負ありだ。
美穂はそれを見て驚いていたがやり遂げたという顔をしていた。
そして意識を失って下に落ちてきた、俺は優しくキャッチして
「良くやったな」
と短く言葉をかける。
そして審判が
「しょ、勝負あり! 勝者光希志龍!」
会場はしんとしていた、俺はその場から去っていく、何を思う? この勝利に意味があると思うか? などの声が聞こえるようにも思う、そんなの決まっている、全力でぶつかったそして勝利した、これが意味だ。
凍てつくような空気の場所、常人であれば耐えられないだろう、だが俺はこの場を勝者として、王者として去っていった。
次回からは少しハルとプレアのバトルを書かせていただきます!
では次回までドロン!




