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第1章 第16話 ルーベル学園祭編 エルフのイタズラ

いつも見てくださっている皆さんには本当に感謝しています。

これからも何卒よろしくお願いします。

 ラッパの音が鳴る、吹奏楽部による演奏が始まった。

 これは戦いを告げる合図と同じ、いわば戦化粧ならぬ戦演奏とでも言おうか。


「さあ今年の体魔祭、開戦も遂に最終日となってしまいました! そして今日、最高に盛り上がる競技! そう闘技が行われます!」


「うぉぉぉぉ!」


 皆が吠える、獣のように戦いに飢えた兵士のように、みなぎる熱気が肌で感じられる。


「さて闘技を始める上でルールの説明をしまーす」


「この闘技は基本的にどんな技の使用もおっけー、死ななければ殆どは問題無いですよー」


「この競技は個人によるトーナメント制です、トーナメント上位10人にポイントが振り分けられまーす」


「そして勝つにはまず1つ、相手を降伏させることです、参ったと言って手を上に挙げるとその時点で敗北となります」


「5分間の試合で決まらなかったら審判がこちらの方が勝ちだと決めた方が勝ち」


「そしてもう1つ、審判団が止めに入る、これはこれ以上はもう危ない、勝利が決まったも同然となった時に止めが入ります」



「あと反則行為はとーくーにはありませんが1つだけ、絶対禁術の使用だけは止めてください、万が一使った場合はその時点で失格、この学校の生徒だという権限も剥奪されます」


 つまりは禁術を使用したた場合退学処分をくらうということだ、まあそんなリスクを犯してまでする奴はいないだろう。


「あーとーはーみんな楽しんでやってくださーい!」


 と元気な声が会場に響き渡る。

 さて俺達は第1闘技場と第2闘技場、第1グランドと第2グランドこの4つに加えて第2の世界で闘技場を24個借りて1チーム計10個のグランドを使ってやることになっている。

 1試合にグランドや、闘技場で25試合、計50人が入る、魔法によって空間が広げられているので50人入っても余裕な感じになっている、後ちゃんと仕切りを作ってあり隣の試合の攻撃が飛んでくるとかそういうことは無い。

 俺は第1闘技場で試合をするので向かわなくてはならない。

 美穂も一緒なので美穂と一緒に向かう、試合は結構遅い時間帯からなのでゆっくりでも間に合う、急ぐ必要は無い。


「志龍、こんなにゆっくりでも大丈夫なの?」


「時間的に余裕だ、俺達は五戦目、つまり一試合5分のゲームだから25分位まだ待たないとダメだ、そこて体を動かしてなかったらどーする、止まってたら動きにぶるぞ」


「それもそーね、てかハル達大丈夫なの? 場所わかるのかな?」


「第2の世界であれば大丈夫だ、土地勘もあるからな」


「そう、なら良かったわ」


 と言い、美穂は少し肩などをストレッチしだした。


「そう言えば今日、弓使わないのか?」


「ふつーはね、でもあんたとかだったら容赦なく使うわよ、どうせ今日戦うんだし本気使わせてもらうわ」


「望むところだぜ」


 と両者何故か臨戦態勢に入った。

 さてそうしていると闘技場に着いた、会場は大盛り上がりをしている、たった今第3戦目が始まったところだ。


「おう志龍やっと来たか」


 友達が来る、俺も


「やっとって言うほどのものでもねー気がするんだけどな」


「でも遅いほうだろ、俺ももう終わったし」


「勝ったのか?」


「いーや負けた負けた」



「お前が負けたのか?」


「接戦だったんだけどなー最後に魔法を避けられてこっちは直撃、モロ食らったぜ」


「そーかすまんな」


「なーんで謝ってんだよ、それよりも志龍、お前優勝しろよ」


「任せとけっけ」


 と話していると美穂が


「志龍! もうすぐ受付しないとだめだよー!」


 と言われてもうそんな時間かと思って


「じゃあな、ちゃんと見とけよ」


「おーけーちゃんと見とくぜ」


 と別れの挨拶をして俺は走って受付のところまで行った。


「それじゃもう待機室で待っておいてください」


 待機室には人がわんさか居た、だが異様にみんな静かで集中しているのと緊張しているのが伝わってくる。

 俺と美穂もストレッチをしていると向こうから


「よー志龍君」


 と関西弁が聞こえてきた、向こうから少し長身のオレンジの髪色をしたエルフが来た。

 昨日の人だ


「えっと昨日の⋯⋯」


神無月(かんなづき) 明歩(あきほ)やよろしゅうな」


「神無月さん⋯⋯ってことは」


「そーやよー分かったな」


「そりゃーね、1回戦の相手ですもの」


 そうこの人が1回戦の相手となる人だ、実力は本当に未知数だ、昨日も本当に戦ったという訳では無いからな。

 エルフは基本的に魔法に長けた種族だ、この人も魔法中心で攻めてくるだろ。、


「まあそう気負いはせんでええで、エルフゆーてもわしもなー弱いからなー」


 笑いながらそう言って、「けどな」と続き


「若造やワシらはな借りは2倍で返せって言われて育ってきたねん、昨日の借り2倍じゃすまんぞ?おどれ」


 と何故かヤグザ口調になって言われた、少しなんか嫌な空気が漂っている


「なーんてな」


 といきなり明るくなった、ゲラゲラと笑いながら


「わしも若造や尻の青いもん通し全力で戦おうや」


 と手を前に出されたので俺も握手して


「はなっからそのつもりですよ」


「ええなーほんま君は最高やわ」


 と笑いながら出ていった。


 そうしていると3の人達が終わり、4戦目が始まろうとしているところだった、廊下には「よっしゃー!」や泣き声など、色々な声がしていた。


 さて俺と美穂も最終のアップを終えて体は万全の状態まで持ってきた、試合ももうそろそろ終わる頃になった。


「5戦目の選手達そろそろ集合しておいてください」


 待機室から皆出ていって全員の集合が完了した、


「それではルールの最終確認をします、試合は5分制です、道具の使用は許可しますがくれぐれも殺さないように」


 と説明が入っていく。


 説明が終わるとほぼ同時にすべての試合が終わった。


「それでは皆さん健闘を祈っています」


 4戦目の人達が出ていってアナウンスが入る、


「5戦目の選手の入場です」


 入場していく、各試合のポジションに着いていく。


 さあ目の前には敵である神無月さんがいる


「よろしゅう頼むで志龍君」


「こっちこそよろしゅう頼むで神無月さん」


 とイントネーションが変な関西弁を言うと眉を「ピクリ」と揺らせて


「エセ関西弁とは志龍君もやってきょんのー」


「そうでっか?」


「でっかは早々使わんぞボケナスが」


 おう怖い、俺が怒らせたのだがな。


 さて全員がポジションに着いた、会場は静まり返る。


「エセ関西弁潰したるわ」


「やれるもんならやってみてくださいよ」


「開始!」


 一斉に試合が始まる、会場も熱気が帯びる。


「うらぁぁぁぁ!」


「どりぁぁぁぁぁ!」


 と俺達も雄叫びをあげて開戦する。




 さあ挨拶代わりに音速で頭上に移動し


「1音 射音」


 を繰り出す、まだ向こうも反応できていないだろう、音の衝撃波が落とされる、向こうはモロにくらっただが


「? 植物?」


 あれは分身だったんだ、そして蔦が俺に絡まりつこうとるす。


「っ!『絶対零度(アブソルゼロ)領域(リージェン)』」


 瞬間に蔦が凍ってそこにもう1度「射音」を繰り出して植物を粉々にする。

 左から拍手の音がする。


「流石やねその状況判断やっぱ凄いわー」


 向こうで笑っている、いつの間に分身を作っていたのかは分からないがその鮮やかさは凄い。


「そちらこそ凄いですよ」


「えーほんまかーほなこういうのはどうや?」


 と言い


「分裂する我が魂よここに新たな肉体を用意し我と共に戦え」


「さあ始めよか」


 分身が何十体と現れた、そして一斉に襲いかかってきた。

 めんどくさい、一気に肩をつける、右手に力を込めてその場をジャンプする、分身は俺が元々いた位置に集まって今か今かと待ち構えている、だが俺が落ちる前にお前達が死ぬ番だぜ


「1音 轟音!」


 轟音が鳴り響き、下にいた分身達が音に押しつぶされていく、それはまさに剛と轟が混ざり合うように。


「流石やね、でもなちょっとこいつらには仕掛けをしとんねん」


 押しつぶされていく分身達が光を発している、まずい、爆発する。


「ドォーン!」


 大きな音とともに何十体といた分身達が全て爆発した。

 俺は氷の壁を作っていたので何とかなった。


「どうや?『起爆する操られた人形(ボムマリオネット)』の味は?」


「ああ、最悪ですね」


 と言うとしょんぼりして


「そうけ⋯⋯なら次は」


 もうあんたに次は無いよ


「俺の番だぜ」


 と言い後ろに下がって蹴りを入れる、何も無い所で何かを蹴った感覚がした。


「やっぱりな」


「これじゃこのままだったら拉致があかなくなる訳だ」


「ど、どこで気がついたんや?」


「始め、1体目の分身を倒した時、もう1人のあんたの魔力を見てみたら違ったんだよ明らかに量が」


「迂闊やったのわしも」


「でも何で場所がわかったんや? 魔力遮断と姿の遮断は完璧やったはずやで?」


「それはこの場所が教えてくれたんですよ」


「どういうことや?」


「本当にあなたの魔力と姿の遮断は素晴らしいものでした、でもここ闘技場は広くするために空間拡張魔法を巡らせている、つまりここには魔力が立ち込めている状態だ、魔力の遮断時にはその周囲の魔力も遮断するという特徴がある、だから魔力がほとんど無いところを調べたらビンゴって訳ですよ」


 説明を終わると笑いながら


「なーるほどそーゆー訳か」


 とその場に立つ


「では続けましょうか」


「いや」と言いその場で手を挙げて


「降参や、勝てへんわ」


 と言い負けを認めた。

 そして俺は1回戦を突破した。

 試合が終わってもまだ続けているところがあったのでそこで待つことになった。


「そーいえば志龍君、君多分準決勝で会長さんと当たることになるで」


「多分俺もそうだろうと思ってましたよ」


「はっはー勝ち残ってる気満々やなー、まあそうやけどな」


 と言いにやりと笑って


「あいつは強いぞー」


「大丈夫っすよ」


「頼もしいのー」とどこか遠いものでも見ているように上を見上げた。

 と思ったらこっちを見てニカッと笑って


「応援してるで」


「任せてください」


 と言うと何故か顔を赤くして


「かっかっか、あーもーほんまに好きになってもーたがな」


 ⋯⋯ん? え? え? どういう事? いやえ? ドウイウコト?


「え? 好きってどういう?」


「ほんとーに言葉通りやで」


「え? でも男⋯⋯」


「騙されてたなーうち女やねん」


 一人称もうちに変わり魔法を解いたのだろショートの髪がロングになって本当に女の子になったってええ⋯⋯。


「まじですか⋯⋯」


「マジやで、度肝抜かれたやろ」


 本当に最後のカミングアウトで度肝を抜かれた。


 さて全ての試合が終わって俺も帰るとしよう。


「志龍君」


 と呼び止められた。


「最後に目ー閉じて」


 と言われたので目を閉じる、そうするとほっぺに唇の感触がした⋯⋯はっはー。


「内緒やで」


 ⋯⋯うん最後にいい経験ありがとうございます先輩、まあ内緒って言うかまじでこれが美穂にでもば・れ・た・ら⋯⋯⋯⋯何でだろー頭が痛いなー


「今のは何かな志龍君?」


 後ろを見ると美穂が本気で殺意剥き出しで鬼の形相になっていた、


「質問の意味が分からなかったかなー、今のは何かなーって聞いたんだけど」


 俺は目をそらして


「小悪魔エルフのイタズラ」


 スイッチを入れてしまったのだろ頭から本気で会場外まで


「志龍の馬鹿!」


 と言って投げ飛ばされた、それはそれは空も舞う感覚でとても気持ちがよく頭蓋骨が壁に激突してそこから意識は無くなった、まあすぐ目覚めたけどな。


 その後すぐに美穂に事情を説明して許して貰えた。


「ったくもういっつも志龍はこうなんだから」


 とまだご立腹でいらっしゃるがそこは⋯⋯神無月さん悪くないか? あの人がキスしてきたのだから、まあ神無月さんのせいにする訳にもいかないから黙っておいた。


 その後は余裕で勝ち進んでいった、難なんて言葉は本当に知らないくらいに順調だった。

 そして午前、最後の試合、闘技場丸々1個を1対1で使うことが出来る。

 これは闘技場の空間拡張魔法も無くして本来の姿というのもおかしいが本来の闘技場の姿で戦う。

 さてメンツはと言うと


「さあ2人が入場して参りました! ではまず紹介しましょう、菜月美穂選手と光希志龍選手です!」


 そう予想通りの展開となったわけだ、美穂との対戦、会場は何故か分からんが口笛鳴らす奴もいれば「ウエディングロードを歩いてるぜ」とか言っているやつもいてどっちも顔を赤くしていた。


「さて志龍選手意気込みをどうぞ」


「勝ちます」


「美穂選手はどうですか」


「馬鹿には負けません」


「両者いっぽも勝ちを譲りません、そして会場も大盛り上がりです!」


 違う意味でな。


「さてそろそろ時間なので両者配置に着いてください」


 闘技場の指定の場所に着く、そして静まり返る、心臓の鼓動が聞こえる、手は抜けないお互い手を知り合っている同士だ、本気で潰しにかからないと負ける。

 1分、1秒が長い、そして審判の先生が出てきて


「では初め!」


 始まりの合図がなった、と同時に美穂が詠唱を始めた


「原初の炎よ我と共にすべてを焼き尽くせ『全てを焼く原初の(グランインフェルノ)』」


 炎の小さな天体が俺に猛スピードで来る、そして凍る。


「あんたのそれほんと厄介よね」


「種が分かれば簡単に攻略出来るだろ」


「その種が分からないのよ」


「なら仕方が無いな」


 数秒、睨み合いをする、先に動いたのは美穂だ


「本気で行くわよ『焼雨(やきさめ)』」


 突如無数の火の矢がそれから現れた、そして降り注いできた。


「『言霊』」


 俺は言霊で対抗する、矢と音がぶつかり合い爆煙が上がる、


「『一矢一射(いちやいっとう)煉獄矢(パーガートリーアロウ)』」


 物凄い速度で矢が迫ってくる、俺は横に避ける。

 矢は闘技場の壁に当たり大爆発をした、まあ防御魔法で観客には被害はいってない。


「流石だな美穂」


「よくあそこから避けられるわね」


「んじゃアップは終わりだな」


「そうねここからは」


「「ガチで行くぜ(わよ)」」


 幼馴染同士のぶつかり合い、今ここに白熱する。


 ────志龍対美穂────

次回は美穂対志龍の1戦をお送りしまーす!

いつも見てくださって本当にありがとうございます!

でかまた次回までドロン!

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