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第1章 第15話 ルーベル学園祭編 ルーベル夏の陣

いつも見てくださっている皆さんには本当に感謝しています。

これからも何卒よろしくお願いします。

 さて午後の部とはそういうものはこの競技では決まっていないがそろそろ皆が活動を始める時間帯だ。


 ここで俺達の午後の作戦の整理をしよう。

 あくまで俺達が求めるのは個人、俺達の勝利もあるが前提としてはチームが勝利しなくては話にならない。


 そこで、俺達の目的は2つある

 1つ目、敵の本陣を突く、これは第一優先事項とする、というのはあいつらは発信機とトランシーバーを使っていると考えている、何故か? それはこの山が証明してくれる、この山は高さ的に見たら2kmほどだが、なんと言っても広さだ、5000人もの人を中に入れているというのに隠れるスペースが余裕で余るほどある、鉢合わせなんかもとても少ない、それくらいの山だ、まあ隠れていても見つかる時は見つかるくらいだけどな。

 ともかくこれだけの広さがある中で2つのグループが連携や連絡を取り合うのであればトランシーバー等の電子機器が必要だ、現に魔法を使っても妨害されるだけだ。


 でそれで何で敵本陣を倒すのか、下っ端という言い方も良くないがそいつらはトランシーバーを使って場所や位置の指定をされているんだろう、だから1番上で指示をしている奴らを倒してトランシーバーを奪う。


 そして目的2、1箇所に全員を集めるように指示をして後は簡単、そこに集まった奴らを倒すだけ、チームも勝てるしポイントも稼げる、まさに一石二鳥だ。


 夢のような作戦みたいだが成功率は高い、そしてさっきそれらしき人物がトランシーバーを持っていたのを俺は見た。

 そして相手の本陣はどこにあるかというと


「山の頂上?」


「そうだ、すこーし盗み聞きをした所、頂上に本陣を構えてるとのことだ」


「なーんか安直ね」


「そうか? 俺は1番良いと思うぞ」


「? 何でよ、1番わかりやすいじゃない」


「それがポイントだ、恐らく敵もその周りに結構守りを固めてくるだろう、そしてのこのこと現れた敵を倒す、飛んで火に入る夏の虫みたいな事になる」


「あーあー」と美穂は納得して、ハルとプレアも納得した。


 さて事実の確認と目的の説明が終わったところでここからはどうやってそれをやるかだ。


「決まったのはいいけれどやり方だ、この作戦はなんと言っても隠密にやらないとだめだ、途中で大混乱を起こせばその時点でこの作戦は成功しなくなる、

 だからこそ、いつも通りを大切にしてくれ、魔導騎士団としての任務と同じだ」


 と伝えてから「それに」と後付けをして


「俺達とあいつらは場数が違うんだよ、そんな奴らの手のひらの上で踊らされるのは嫌だよな、どうせ踊るんだったら」


 と言いニヤリと笑って


「相手を巻き込んで逆に相手を踊らせてやろうぜ」


 ハルが笑い出す、腹を抱えて、続いてプレア、そして美穂も、同じように笑い出す。

 まあ元より俺も笑ってるのだがな


「おかしい事でも言ったっけな?」


「全く志龍は最高に面白いぜ!」


「ふふふ、面白いのですよ」


「馬鹿がたまにまともな事を言うとこんなにも面白いのね」


「美穂ひでーよそれは」


 と言いみんなでまた笑い出す、全くここの奴らは最高に面白くて最高に馬鹿な奴しか居ないのかな。

 と言っているとそろそろ本格的に山にいる人達が動き出す時間帯になってきた。


「さてそろそろ作戦実行だが準備はいいか?」


「ああ、いつでもいいぜ!」


「んじゃ行くか、さあ景気よくルーベル夏の陣とでも行こうか!」


 ルーベル夏の陣、ここに開戦の意を表す。


 さて隠密に行動するのに必要な技術の1つがどれだけ静かに走れるかということだ。

 草を思いっ切りかきわけて「ガサガサ」と鳴らし「ドタバタ」と走っていては隠密もクソもない、静かに走るコツとしたら踵から足は下ろして一気につま先で蹴る、この時に草などは撫でるというイメージが大切だ。

 踵で水面に波紋を作った時、綺麗な1個の波紋が出来ればそれが1番良い足の下ろし方だ。


 さて俺達は見張りも少ない急な傾斜の所から頂上を目指すことにした、本当に獣道で少しジメジメしている。

 すると美穂が


「湿度高いね、さっきいてた場所がクーラーが効いている部屋に感じるわー」


 それは俺も同感だ、湿度が高くてジメジメしている、おまけに今は夏だ、梅雨明けということもあるが少しまだ気温はそれほど高くはないがここは体感で30℃は余裕で超えている。

 汗と蒸発してきた水が体にへばりついて気持ちが悪い。


「ねえハルちょっとだけ魔法を使ってよ」


 と美穂が言うが残念だが


「無理だ、もし向こうに魔力探知に長けた奴がいたらどうする? 作戦がパーになるぞ」


「うぅ」


 と美穂が唸る、仕方が無いので


「これ首に巻いてろ」


「? これなに?」


「氷魔法で作ったまあひんやりするやつだ、魔力分離はしてあるから感知はされないから首に巻いとけ、少しはまっしになると思うぜ」


 と言うと美穂は笑顔で


「ありがとう」


 俺は手を振って


「どーってこと」


 と答える、後ろから美穂の「ふー」と言う声が聞こえる。

 それよりもハルとプレアは大丈夫なのか?


「ハルとプレアはこの暑さ大丈夫なのか?」


「まあな慣れてるもんよ」


「そうなのですよー」


 慣れてるんだったらいいかと俺は思った。つーか慣れって何なの?


 前方から人影が見えた、ストップのゼスチャーをかける。

 相手は2人、相手には気づかれていない、この状況、狙えるな。

 撥を取り出して、狙いを定めて後はタイミングだけだ。

 ⋯⋯

 ⋯⋯

 ⋯⋯

 ⋯⋯今だ


「1音 射音」


 小さい音が放たれる、その瞬間に音は敵の転移結晶を2つとも割り、2人は強制転移をさせられた。


「よしんじゃ行こうか」


「いっつも思うけど精度高いわね」


「そりゃーな、何千万回とやってきたからな」


 この精度であれば俺は誰にも負けないと自負している、まあ加護が使えるのは俺だけなんだけどな。


 さてそうやこうやとしているともう頂上近くまで来た、さて作戦の最終確認だ。


「さてこっからは一気に攻めにかかるぞ、相手の大将格は複数人ほどいると思う、それを全て倒す、後はトランシーバーを使って相手の誘導、そして全員撃破、分かったか?」


「おーけーそれじゃ行くわよ」


 と乗り込もう一歩を踏み出そうと────まずい!


「さがれ!」


 声を張り上げる、全員が一気にさがる、それと共に地震のように地面が揺れている、そして目の前にある地面から土で出来たゴーレムが複数体精製された。


「ちっ! バレてたってわけか」


「そう見たいね、まあそれよりも今はこいつを倒すことに集中しましょ」


 まずゴーレム1体に「1音 射音」を食らわせる、少し土が落ちたくらいでなんの問題も無さそうだった。


「思ったより頑丈だな」


「そうね、少し厄介そうね」


 と渋い顔を浮かべているとハルとプレアが前に出て


「ここは任せろ」


「任せるのですよー」


 といきなり言い出すから俺達もビックリして


「いいのか⋯⋯?」


「いいのそれで?」


「ああ、全然いいぜ、てかむしろこいつらの相手をさせてくれよ」


「ゴーレムはいくら切っても大丈夫だよな、ならさ久々にストレス発散できるぜ」


「私もそろそろ遊びたいと思っていた頃なのですよー」


 ⋯⋯やっぱ変わんねーなその戦い好きは、だが信頼出来る。


「任せたぜ」


「あいよ任されたぜ」


 と拳を交わして俺達は走り出す。

 ゴーレム達は俺と美穂の前に佇むが、ハルが


「お前らの相手はこの俺様だぜ、ガン無視してんじゃねーよ!」


 と刀じゃなくて拳を使ってゴーレムを1体沈めた。


「ほーら道作ってやったぜ」


「サンキュー」


「早く行けよー」


 と言われたので本陣に乗り込んだ。


 本陣と言っても木の上に少しトランシーバー等の設備を作っただけの簡易的なものだった。


「さて出てきてくださいよ」


 と言われたので出てきた。


「ほお2人も来るとは思いもしとらんかったわ」


「へえー予想外って俺結構好きなんですよねー」


「そーけーわしも結構好きやねんなんか未知みたいな感じがしておもろいやないけ」


「お喋りはそこら辺までにしておこうか」


「んじゃ始める? 生徒会長さんよ」


「いやその前に君達に1つ提案をしたい」


「提案?」


「そう提案だ、まあとは言っても簡単なことだ、君達に降伏して欲しいという事だ」


 何を言い出しているのかさっぱりだ。


「君達の作戦は我々は知っている、そしてもう手は打ってある」


「作戦を知っているだと?」


「そう、だからこそあの道をわざと開けてそして2人を倒させたというわけだ、

 何故分かったか分かるかい?」


「さっぱり」


「そこのお嬢さん、背中に手を当ててくれないか?」


 まさかと俺は思ったが、美穂も何か異物を触れた様な感じがしてそれを取った。

 小型の盗聴器だった。


「っ! 迂闊だったわ、あの脅迫の時ね」


「そうだ、大正解だとも」


 美穂は悔しそうな顔をしていた、生徒会長とは言うと勝ち誇った顔で


「君達にはもう降伏っていう手しか無いのさ、もうすぐ全員がゴーレムの元に集まる、そうすればいくら彼とはいえども負けるだろうな」


「さてもう1度聞こう、

 君達は降伏をする? しない?」


 さてここまで絶体絶命状態になるともう諦めるしかないと思うだろう。

 ああ、諦めるしか何のか⋯⋯⋯⋯ってな。

 なーんてな! 騙されたのはそっちだぜ!

 俺は思いっきり笑ってやった、その勝ち誇った顔、負けさせてやるよ。


「なにかおかしいかね?」


「いやー良かったここにいる全員が馬鹿で」


「なに?」


 トランシーバーから緊急のブザーがなる。


「どうかしたのか?」


「隊長、部隊全員目的地に着きましたが、て、敵の数がとても多くなっています!」


「なに?」


 そう言うと俺は笑った、いい面が拝めたぜ。

 美穂も少し戸惑っている様子だ。


「騙すなら味方から、これは基本だぜ」


 目には目を歯に歯を、そして連合チームには連合チームと。

 そう俺達は別の連合チームを作っていた。


「いつからだ?」


「昨日だよ、先輩達と手を組もうと言っていた」


「そして午後、俺はこれを全て予想してたぜ、お前達がこう動くだろうと、そして攻め方をわざと教えた、こう来ると予想をしてな」


「⋯⋯」


「感謝してるぜ本当に」


 では伝える言葉も終わったので、終わらせるとしよう。


「じゃあな」


 といい撥を取り出すと、生徒会長は。


「ふむ。今回は負けを認めよう、だが次は絶対に勝つからな」


「いつでもどうぞ、俺は待ってますから」


 と言い転移結晶を割る。

 光に包まれて転移の魔法陣が出て転移魔法がかかった。

 さてもう1人も、


「降参するわ、もう勝てる気しんからなー」


「なーんだもう少し遊びたかったな」


「そんなんゆーてもしゃーないでほんまに、まあゆーても今回負けただけや、まだまだ競技は残っとるし次は勝つで」


「いつでも、俺は待ってます」


 と言い転移結晶を割る。


 これにて夏の陣は終了だ。


 さて後はトランシーバーを使って


「あーあー聞こえるか、一旦撤退だ、みんな西に逃げてくれ」


 と言うと俺と美穂は降りて、西側で待っておく。

 そうすると直ぐにこっちに敵が来て挟み撃ち状態になった。

 後はね、うん言葉にできない。

 こうしてら俺たちは大勝利を収めた。


 さてもう日は落ちて2日目の閉会式が終わった後の話だ。


「ずるいよ」


 美穂が呟く。


「すまねーな」


「本当にそうよ、全くほん⋯⋯とう⋯⋯に」


「? どうしたんだ」


「ごめんね⋯⋯迷惑かけて⋯⋯」


 まだあのことを悔やんでいるのだろう、それもそのはずだ、美穂からすれば本当にあれは世紀の大失敗とでも言えるくらいの失敗だ、自分を責めたくなるその気持ちは充分に分かる。

 でもな、


「迷惑はかけたかもしれねー、でもな悔やむな、ここには誰かのミスもカバーできる奴らがいるんだ、だから悔やむんじゃねーよ」


 と頭を撫でてあげる、すると泣きながら俺の腕を抱いて


「ありがとう⋯⋯本当にありがとう」


 と言われた。

 ⋯⋯まあ悪くわないな、という冗談はこれくらいにしておいて、まだ俺自身も美穂についてまだまだ精神状態が不安定だとわかった、それは表であってもという事だ、元々表裏あるその精神面で裏の不安定を表でカバーしているようなものだったがその表にも綻びがあるということに気がついた。


 すると泣きつかれたのだろうな、まだ帰り道だというのに寝てしまった、仕方が無いのでおんぶして連れて帰ることにした。


 さて明日は開戦の最終日、最も熱い戦いとして有名な競技が行われる。

 本当の技と技のぶつかり合い、伝統ある競技、そう闘技が行われる。

「己を信じ、己の技を最大限使って勝ち上がれ」初代学園長の言葉だ、この競技は本当に信じる力というのが大切になってくる、心·技·体・魔、全てをコントロール出来るものにこそ勝利がある。

 さあお祭りもそろそろ折り返し地点に付きつつある、この勝負は絶対に負けられない、そう全員が思っている、

 緊張は何もしない、絶対勝てるそう信じてるから、明日は絶対王者として挑む、そう心に決めた。

さて次回からは闘技が始まります!

やっとねバトルが書けるって自分自身本当に興奮しています笑

さて今回も見てくださって本当にありがとうございます!

ではまた次回で会いましょう!ドロン!

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