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第1章 第10話 学校生活はどうでしょう

毎回言っておりますが出来ればブックマーク追加や評価、コメントなど待ってます。

いつも読んでくださって感謝しています。

 学校、聞いただけで好きな人以外は誰でも嫌な顔をするような場所だ、何故かって? 皆が皆勉強、部活、恋愛、友情など青春と呼ばれるものが好きとは限らないだろ? 下らない青春を送ってるな、うるせそんなこと分かってるんだよ。

 そこでだ、俺の1日というものを紹介してみようと思う。


 まず5時起床、こっから朝にちょこっとノートパソコンでレポートの作成なんかをしなくてはならない、とてつもなくめんどくさい、いや割とマジで。

 7時朝食、朝は美穂の作る味噌汁が絶品だ、これで1日の活力がでる。

 そっから色々準備して

 8時24分、チャイム一分前にクラスに着く、俺のクラスは優秀な生徒を集めたクラスで美穂、ハル、プレアもいる、でも俺達を合わせて20人と超少人数のクラスなので体育は他のクラスとの合同となっている。

 そして8時40分、1限目開始、さて俺は何処にいるでしょう?

 正解は木の上で寝てるでしたー、何故かって? 今ね夏なんだよ、そんで暑いじゃん、屋上ってねめっちゃ暑いのよ、魔法使ったら涼しくなるけどなるべく使いたくないんだよ、だからここがベストポジションなんだよ、とても涼しくて快適、もうここ魔導騎士団の本拠地にしようぜ。

 こんな事をいっつも考えてる、するとたまに窓から先生に怒鳴られる、全くこの学校の先生は魔導騎士団のも知らないのか、そう思い授業に行くふりをしてまた違う場所でサボる。


 でもこんな俺でも受ける授業はある、それは体育だ! そう体育だ! 今日は体育は3時間目、いい感じのところに体育がある、保健は受けないでも体育は受ける、これが俺のポリシーだ! 美穂に言うと「あほくさ」って流される。


 すると窓から「ひゅー」と言って何かが飛んでくる音がした、ん? ヤリ? ん? 槍?! 俺は避けると木から落ちた、少し尻から落ちたので痛い。

 窓を見ると5人くらいの恐らく他のクラスの奴が俺を見て笑っている、槍を投げたのはまず間違いなく奴らだろう。

 しかし危ないな、俺じゃなかったら死んでたぞこれ。

 仕方が無いか、返しに行こう、仕返しを兼ねて。

 槍を拾って、窓が空いている、なら脅すか


「音速」


 向こうから見たらさっきまで木にいた奴が一瞬でここまで来たのだからめっちゃビビってる。


「返しに来たんだけど、投げたやつだれ?」


「お、俺っすけど」


 手渡しで返して、耳元で


「次やったら殺すぞ」


 たっぷりハッタリかまして俺は去っていく、殺しはしない、でもその力はあるそう印象付けさせておけばもう二度とこんなことはしないだろう。


「いやー魔導騎士団の人はやっぱり言葉の重みが違いますねー」


「誰だ?」


「流石に顔くらいは知ってもらいたかったのですが、私は生徒会の道部 幸四郎(みちべこうしろう)と言います以後お見知りおきを」


「あー生徒会の人かどもども」


 生徒会と魔導騎士団は少し別物でわけであることになっているがちょっとばかり仲が悪い。


「んじゃもう帰ってもいいですか」


「ああ、どうぞどうぞ」


 何故呼び止められたのか俺には分からなかった。


 さーてそんなこんなでしていると3時間目になりました、来たよ来たよ! 体育だ!


「はい今日の体育はソフトボールです、6時間もやってるので試合と行きましょう」


「試合かー俺達同じチームだな志龍!」


「おうそうだなハル、でもこの後のこともあるし怪我したくないから少しぬこうかな」


「俺もそれを考えてたんだよなー」


 俺達のチームでもそんな話をしていると向こうのチーム(ウザイやつばかりのチーム)が


「おやおやそんな調子で大丈夫なのかい? まあせいぜいおれたちに勝てるよう努力でもしておけばいいのにな」


 と笑うもんだから


「ハルよ前言撤回だ」


「ああ、相棒そうだな」


「売られた喧嘩は買うのみ」


「全面戦争や」


「いっちょS.Hコンビの本気見せたげるわ」



「ではこれより赤組対白組の試合が始まります、実況は私桂智紀(かつらともあき)解説はウレウス・ボルトでお送りします」


「宜しくお願いします」


「さてウレウスさん、今日の試合の鍵を握る選手は誰でしょうか」


「やはり注目すべきは赤組の志龍、晴人バッテリーですかね、志龍君の安定感のあるコントロールは私が見ていても惚れ惚れします、そして晴人選手のリードはなかなかのものですね、このバッテリーに白組はどれだけハマらないでいけるかがこの試合のポイントですね」


「なるほど、

 さあなに上からもの言ってんだ感覚はありますがもう少しで試合が始まります、試合はここルーベル学園特設野球グランドで行われます」


「プレイボール!」


「試合が開始しました!」


 さて初球、何処に投げさせるべきか、まずは様子見、って訳には行かねえ、いきなり胸元エグるライズボール頼むぜ、サインを俺は出す。


 インハイにライズボールか分かってるな、いいぜ決めてやるよ、


「さあワインドアップから初球、投げた!」


「ストライク!」


「初球、いきなり胸元をエグっていったー! これは上手く決まりましたね」


「素晴らしいボールでした、このボールで一気にバッターはインコースが印象付けられました、この後の外は有効ですよ」


 2球目、普通ならこのキマったインコースの後には絶対外というイメージがあるだろうな、ほらバッターも外意識して踏み込んでる、ならここはこれだろ。


「さあ2球目、今度は外という予想があるが、さあ投げた!」


「ストライクツゥ!」


「今回は内にストレートをキメてきました、これは予想外ですね」


「そうですね、キャッチャーの晴人君がよく見ていましたね、相手のバッターが外を意識して踏み込んでいるところに内の直球、これはなかなか手が出ないいい手ですね」


 さてここまでは予想通り、さて遊び球は無しでここで決めるぜ志龍!


 同意見だ、キメてやるよ


「さあ3球目、投げた!」


「ストラック! バッターアゥッ!」


「外いっぱい、ギリギリの所にカーブ! これはバッターもさっきのインコースのせいで泳いでしまいました!」


「素晴らしい配給ですね、まさに守備でありながら攻撃をしている、そんな感じに受け取れます」


 淡々とし、三者連続三振で、1回の表は終わった。


「1番センター南君」


「さあ裏の攻撃、1番はこの男、野球部所属、(みなみ) 清次郎(せいじろう)


「1本かまします」


「中学でもシニアで打率6割、出塁率驚異の8割2分と言うまさに1番バッターと言える存在です、ウレウスさん、何故南君はここまで出塁率が高いのでしょうか」


「彼の武器はその選球眼と足です、ギリギリの所を見逃せるだけの選球眼を持ち、いい球を選ぶことも出来る、そして彼の足は凄いですよ」


「どういうことでしょうか?」


「見ればわかりますよ」


 初球、外角、SG(初球外角の略)甘いね。


「レフト線よりにいいヒットが出ました! レフトは落ち着いてほきゅ────おっと! 南選手二塁に走り出しました! これは暴走だ!」


「舐めんなよ!」


「レフトから送球が来る! タッチした! さあ判定は?!」


「セーフ!」


「セーフです!」


「隙を見逃さなかったですね」


「と言うと?」


「まずレフトが左利きということでレフト線よりに打たれるとどうしても二塁までに送球するのに右に比べてコンマ何秒という差が出てきてしまいます、そして彼の足、中学時代の50m走、5秒8と、とても足が速く、相手が左利きでレフト線と言う好状況であれば二塁なんて簡単に盗めるのです」


「なるほど」


「これがシニア時代、チーターと言われて世界大会選抜メンバーにも選ばれていた選手の実力です」


「2番、ショート マルウェイ君」


「さあ手先が器用で有名なマルウェイ君、ここは確実に送りたい場面ですね」


「そうですね、ですがマルウェイ君は普通に構えていますね」


「ん? 何故ですかね」


「恐らくですが、セフティーバンドをすると私は見ましたね」


「なるほど、さあピッチャー投げた!」


「打ってきた! これはエンドランか! サード線にワンバンドしながら高く上がりました! 一塁に投げる!」


「セーフ!」


「セーフだ! これもセーフ おおっと!三塁にいた南がホームに帰ってくる!」


「セーフ! ホームイン!」


「1点が入る! すかさずマルウェイも二塁に、たった2球で1点が入りました」


「今のプレーのポイントはサードが焦っていたということです、サードは急いで一塁に投げた、すると三塁ランナーを見ていなかった、これはランナーからしたらいつでも投げたらスタートして余裕で帰れる位置まで出れる、そして一塁に投げたと同時にホームにスタートして1点、素晴らしい形ですね」


「なるほど、さあここで赤組名物の三弾花火の1角」


「3番 キャッチャー、晴人君」


「さあ来ました、チームの主砲の1人、ウレウスさん、晴人君のポイントとはどういう所でしょうか?」


「悠人君はなんと言ってもこのフルスイングです、平均して高校生のスイングスピードとは約120~130位と言われております。しかし打席に立ち大体のバッターはそこで出せる力は良くて8割、平均すれば6~7割出せればいい所なのです、ですが晴人君のフルスイングは148、打席でのスイングスピードは140とあまり変わってないのです、これは力を出し切れるので打球は速く、飛びやすくなるのです」


「なるほど、そう言っていると晴人選手の第一打席が始まります」


 さあ初球は大体のバッターに対して外で入っていった、このキャッチャーはワンパターン、ならここだろ。


 ボールが外角に来る、狙い通り、

「ボーン!」とビヨンド特有の音がしてボールはスタンドに吸い込まれて行った。


「ホームラン! 初球、外角低めをライトスタンド中段まで持っていったー!」


「今のもフルスイングで恐らく狙っていたのでしょうね、上手く運んでいました」


「よく打つな」


「後続けよ志龍!」


「任せろ」


「まあでもその前にゴリラがいるけどな」


「それもそうだな、頼んだぜ」


「ウホ!」


「さあここで来ました、最強とは彼の為にある言葉なのか、大巨漢、またの名をキングゴリラ」


「4番、ファースト 岩間君」


「身長196cm、体重98kg、圧倒的な別格の雰囲気、普通のバットがまるで子供の時持っていたプラスチックのバットのように小さく感じられる、U15の最強スラッガーとして世界大会で計10本ホームランを打っておりり、3年間で102本のホームラン打っていると言われています」


「彼はなんと言ってもそのパワーです、この圧倒的な体格に恵まれており芯に捕らえて運ぶという技術的センスもある、まさに野球の申し子です」


「さあピッチャー第1球投げた!」


「ドゴーン!」ボールはセンター方向に飛んでいきなんとバックスクリーンに当たるどころか超えていった


「は、入ったー! ホームラン! 一瞬会場が静まり、騒然としました! まさに野球の申し子と言わんばかりの存在感あるバッティングをしました!」


「ハハ、よく打つな」


 ハルが苦笑いしながら言う


「全くだ」


 同感としか言いようがない


「おうゴリラナイスバッティン!」


「ウーホ」


「よく打つなゴリラ!」


「ウホ」


 機嫌良さそうに胸を叩いていた。

 さて続きますか、


「志龍、景気よく1本頼むぜ」


「頼むよ、ジュース奢るからさ」


「あ、待て俺打ったぞジュース奢れ」


 ワイワイガヤガヤとベンチは賑わってるな、


「5番、ピッチャー 志龍君」


 俺には配球を読むとかそんなことは出来ない、ただ来た球を打つ、そして運ぶ、それだけが仕事だ。


 外角に来る、ボールの真芯をバットの芯が捕らえる感覚がした、外角だ、そのまま素直に流しながら力を伝えて運んでやるだけ、簡単だ。


「ゴリラも大概エグいけど志龍も別格だな」


 ボールはスタンドでは無く場外に吸い込まれていった。


「彼は凄いですね」


「と言いますと?」


「ピッチャーとして、堂々とし内角にも外角にも恐れなく自分を信じ打てるものなら打ってみろと言わんばかりのピッチング、まさにエースの風格、風貌を持っています、それはバッティングも。

 彼は感覚で打っているでしょう、それでも初心者であれだけ外角を上手く捕らえる人はあまりいない、天性の才能、野球の申し子と言わんばかりでしょう」


 そしてその後も試合は赤組の流れで進み、


「ピッチャーラスト一球楽にいこう」


「打たせていこうぜ」


「ウホー」


「かまします」


「さて何処に打たせる?」


「アホか、三振だよ」


 最後のボールがキャッチャーのミットの中に入り「バシン!」という音を鳴らせた。


「18対0で赤組の勝ち、ゲーム!」


「ありがとうございました」


「いやー楽しかったな志龍!」


「全くだ、体育だけは最高だよ」


「つーか打ちすぎだよ、あんま打ってると野球部の監督に目つけられるぞ」


「もうつけられてるっての」


 実際今日も終わってからスカウトされかけたもの。

 さてここで今日の俺の成績を見ていこう


 試合は5回ゲーム


 ピッチング

 5回完投

 被安打0

 四死球0

 三振13

 防御率0.00


 バッティング

 5打数 5安打 打点6

 内容

 右本

 右本2

 左本

 中本

 左本


 どうだい凄いだろう、でもねこのおかげで目をつけられて結構困ってる。


 さて3時間目の体育が終わってそこから俺は何をするか、もちろん昼飯まで寝、だって疲れたからね。

 場所は魔導騎士団の本拠地になる本館2階の北側にある一部屋、とても広くてエアコン完備のフカフカソファーまさに神がかってるとしか言いようがない。

 ソファーで寝ると美穂が来た時に怒られるので寝袋をあらかじめ持ってきておいてそれで寝ている、体育の後は疲れているからとても寝られる。


「キーンコーンカーンコーン」


 チャイムが鳴って4時間目が終わる、さて売店でも行くか。

 私立ルーベル学園は校舎内に売店10店、食堂5店ととても多い、それも本館だけでた、他の館を入れると恐らく50は下らないだろう。

 売店でジュースを買って昼飯は、我が美穂様による弁当、これがまた絶品、最高に美味しい、栄養バランスが摂れているそして美味し、そして可愛い、うんマジで可愛いキャラ弁ではないけどご飯をデコレーションしてクマさん作ってるあたりが本当に可愛い、思わず和んで腹抱えて笑ってしまう。


「うんいつもながら美味しいな」


 まるで愛妻弁当を食べてるようにも思える⋯⋯別に変な気は無いぞ! ⋯⋯うん無いぞ⋯⋯

 昼ごはんを食べたら売店で売ってる雑誌なんかを買って読んで後はやっぱり寝る!


「────りゅう!」


「しりゅう!」


「おらさっさと起きろ!」


「ぶべ!」


 腹に思いっきり乗られた、胃が潰れた感覚がする。


「おお⋯⋯⋯⋯おい、流石に今のは洒落ならんぞ⋯⋯」


「起きない方が悪い、アーユーオーケ?」


「はいオーケーです」


 結局俺が悪いことになった、


「んでもう終わったのか?」


「アーホ、今日緊急の学校集会あるって連絡回ってたでしょ、だから迎えに来たのよ」


 そうだ、学年集会があったんだった⋯⋯おいちょっと待てあと2分で始まるじゃねえか!


「おいもう始まるぞ、どうするんだよ?!」


「え、そんなの決まってるじゃない、わざわざ迎えに来てあげたのよ」


「うん、まさかとは思うけど⋯⋯」


「音速、使え」


 笑顔で言われた、嫌だとは言えないだろう。


「はあ、分かったよほら乗れ」


「ありがとねー」


 おんぶをすると背中に「むに♡」という感覚がした、うん音速だが光速だが全部今なら超えられる気がするぜ


「? 志龍どうしたの?」


「あ、ああいや何でもないぞ、それより振り落とされんなよ」


「慣れてるから大丈夫よ────ひゃあ!」


 やっぱり慣れてねーじゃねえか。


 さて体育館は1キロ先か、三秒だな。

 はい着いた楽なもんさ乗ってる側からしたらな⋯⋯いや乗ってる側はそっちでグロッキーになりかけてるな。


「おーい大丈夫かー?」


「う、うん大丈夫よ」


「お、夫婦の登場か、いいなー仲良くて」


 夫婦以外は否定しないでおこう、ったく夫婦って、俺達はただの幼馴染みたいなものなんだよ夫婦って満更でもな⋯⋯くないかな、まあでも美穂は「そんなの満更でもないわ!」って否定するだろ⋯⋯⋯⋯満更でもなく無さそうだ、顔赤いぞおい、んで戸惑ってテンパってるぞ、そして可愛いぞ、いかんいかん本音が出てしまった。


「ほら並びに行くか」


「う、うん、そそそ、そうよね」


 いつまで動揺してんだよ。


 集会は簡単だが結構内容は重要だった、この前の俺達の遠征みたいなものがどうであったか、内容に関してはほとんど黒魔道教がいかに怖い存在かというものを伝えるようなものだった。


「以上で報告及び集会を終わります、誰か連絡のある人はいませんか?」


「はい」


「? 生徒会からですか?」


「そうです、それと魔導騎士団の人達は前に出てください」


 眠たかったのを叩き起される気がした、何かやらかしたっけなー?


 前に出て一言


「さてなんの話か聞かせてください」


「この前の遠征の事です」


「それがどうしたのですか?」


「何故遠征に行ったのですか?」


「は?」


 一同が呆れた様な声を出した


「この前の遠征貴方方の遠征費は全て学校のお金、つまりは我々のお金で賄われている」


「それがどうしました?」


「それが問題なのです、そもそも遠征に行く意味がありません、魔導騎士団の役目はこの学校の警備などです、外に出て戦う意味が無い、これに対して私達生徒会は魔導騎士団の外出禁止を申し出ます」


 ふむ、なるほど一理どころか納得いくな、魔導騎士団の役目は元来この学園の警備など、遠征する必要は無い、当たり前だ、そして皆もそれがわかってるようだ、


「そうだそうだ!」


「金返せ」


 など怒号が飛び交う、はあ嫌な予感が的中したよ、まあいいっか、マイクの前に立つと


「あー俺は馬鹿だから一言だけ、」


「そーいう話は学園長に言ってくださーい」


「そもそも遠征に行けと言ったのは学園長だ、何故先にそっちにいかない?」


「それは⋯⋯」


「勢いだけでそんなこと言ってもらっては困る、確かに君の言い分は分からなくてもない」


「それなら!」


「勢いだけで物事を決めつけるそれは傲慢だ」


「俺達を外出禁止にしたかったら初代学園長の墓の前で魔導騎士団の外出を禁止しろとでも言ってみたらどうだ」


 少し言いすぎたかもしれないが場には少し笑い声が聞こえる、これはちょっと面倒だ、だから


「それかもしくは実力行使でもしてみたらどうだ?」


 圧倒的な威圧感が体育館を襲う、たった5人だ、その少人数が大勢を畏怖させる、まさに異常な状況だ。

 もし本当に挑んでくる奴がいるのなら丁重にもてなすつもりだ。

『力ある者に絶対あり』、誰が言っていたことだ、まさにこの学園も世界もそうだ、力があるだから発言力が出る、だから王や大統領となり民衆を従える事が出来る、この言葉を裏を返せば『力が無いものは従わなければならない』、発言力なんて皆無だ、民主主義は自由であり発言の自由もある、でもその中に力は無い。

 これが力というものだ、誰でも欲する、でも手に入れることが難しい、そういうものだ、生まれつき力を持ってるものなんてせいぜい1握りだ。

 さてそろそろ立つのも疲れたし


「もう終わっていいっすか?」


「⋯⋯⋯⋯」


 終わっていいらしいな


「帰るぞ」


「ほーい」


 集会ももう終わると思うからそのまま俺達は体育館から出た、途中で学園長に


「少し言い過ぎかもーね」


 と苦笑いされた。


 部屋に戻るとみんな一斉に


「「「「「疲れたー!」」」」」


「いやほんとめっちゃ疲れたぜ」


「本当ふざけるなってくらい疲れたのですよー」


「ああ、また生徒会と仲が悪くなったじゃない、志龍責任取ってよ!」


「知ったこっちゃないよ、だってあっちが悪いじゃん」


 そんないきなり外出禁止とか言われたらみんな反対してでも起こすでしょ、それと同じだよ。


「全くもう、後の処理どうしよっかな、絶対何か言われるってもう、だるいよ」


「俺が出とくよそん時は」


「あんたは駄目絶対問題起こすもん」


「じゃあ俺は?」


「ハルは馬鹿だから駄目」


「ひで!」


 少し涙目になってプレアに慰められていた、ダサ。


 少し気になることがあった、外に出ていく時朝にあったあの生徒会の奴がいた


「もし僕が挑んだらどうしますか?」


「丁重にもてなすよ」


 と言う短い会話のようなものをした、その時感じた気配が物凄く冷たくどす黒い、黒魔道教のようなものを感じた、未だに何故かは分からないがもしかすると⋯⋯少し気をつけなければな。


「志龍、そろそろ時間よ」


 美穂に言われて気づいた。

 まあ今はそんなこと考える必要は無い、そして時計を再度見直して4時30分を回ったことを確認する。


「そっかーもうそんな時間か」


「んじゃ始めるか」


「はい」


「ほーい」


「はいなのですよー」


「これより魔導騎士団業務を開始する!」


 業務はこれからむしろこれからが俺達の本番、毎日の最大の行事とも言えるだろう、でもこれが俺達の仕事だ。


「君は何故この学園に入りたいの?」


「手に入れたいものを手に入れるため」


 面接を少し思い出した、初心に帰れとでも言われているのだろうか。

 手に入れたいものはまだ入っていない、でも目には見えないが着実と進んでいる、これを手に入れるそのためにこの学園に来たんだ。


 みんなを見るともう部屋から出ている、唯一美浦だけが


「志龍、置いてくよ」


 声をかけてくれた


「お、わりぃわりぃ」


 そう答えて俺は皆が待っている扉に向かい今日の業務を開始する。

次回は志龍の1日編後編です。

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