少女の願い
少女は決まって同じ日に死ぬ。
事故の場合もあるし、通り魔に殺されたときもあった。
少女はいままでの記憶を覚えているまま、新しく生まれ変わる。
それは、少女が一つの願いをしたときから始まった。
子供なら誰でも一度は考えることで、少女も軽い気持ちだった。ただ、ずっと子供のままだったらいいのに、とそう思っただけなのだから。
しかし、それは現実となって少女の身に降りかかってきた。
同じ日に死ぬことで少女は一生大人になることはない。ずっと子供のままでいれる。
今、少女は首を絞められていた。今日は、少女が死ぬと決まっている日だ。
少女は苦しそうに顔を顰め、涙を流す。
そのとき少女が感じた苦しみとは、首を絞められたことによる痛みか、それとも決して大人になることが出来ない呪いなのか――。
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