表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/71

008[ユーニにとっての私]

[ユーニにとっての私]


カーリタースの仮眠スペース・・・

私は漆黒で革張りの大きな1人掛けソファーに腰掛け

多分、受けた依頼に必要になるのであろう髪型を崩さない様に

自分的に寝心地が良い様にと、何度か身動ぎして身を埋め


少し体を横向き斜めにした状態で、ゆったり…のんびり…夢現の中

我が物顔で、ダラダラと寛いでいた。


暫くすると、ユーニが・・・

『何故…フロースが、お母さんに贈る花を持ってなくて

何でそれが、良い事になるんですか?』と

「墓前に供える花の事」を何故か気にして

再度、カーリタースに質問する


質問されたカーリタースは、私の方を見て溜息を吐き

『その前に確認したい…

王子様は「死ぬまで現役で、裏稼業を続けて

それなりに楽しい人生歩む予定にしている」って自負する

オバカサンと何処まで、付き合っていけると思う?』と

私を指して「オバカサン」呼ばわりしてくれ

ユーニに質問を返した。


「カースってば、ちょっと酷くない?つぅ~か…

オバカサンって、私の事をそんな風に思ってたのか」

私が密かに、ちょっぴりショックを受ける中


ユーニは少し悩みつつ、自分から話を脱線させ

『あ…王子様って呼ぶのは止めてやって下さい

ユーニウェルシタースって名前なので、適当に略して

呼び掛けて欲しいです。

後、僕は貴方を何て呼べば良いですか?』と、言い


『俺の名前は、カーリタースと言う

カース以外の略し方なら、適当にしてくれても構わない

但し、時と場合と…天気と風向きと虫の居所によって

略したら返事しない事もあるから、そう思っておいてくれ』

「って、おいおい…女心と秋の空より揺らいでませんか?」

ってな感じで、カーリタースはユーニを困惑させていた。


少しの沈黙の後・・・

ユーニが気を取り直して、カーリタースに宣言する

『フロースの事なんですが…

「裏稼業で楽しい人生歩む予定」って、話を聞く前から僕は

フロースの事、悪の道から更生させるつもりでいました!』と


「はいぃ~?悪の道って何ですかぁ~?」

私は思わず体を起してユーニを見るが

私が起きている事に気付かないユーニは、私を余所に


『裏稼業とか基本、社会的にアウトだし

10代半ばで気軽に堂々と、人目も憚らずに

城下で一番大きな娼館に出入りする様な生き方は駄目でしょ!

この国を自治する王族である僕が、許してあげません!』と

何だかとっても熱く発言して下さっていた。


ユーニが色々、勘違いしている事に気付いたカーリタースは

対応に困って『おやおや』と

小さな子供を見る様な眼でユーニを見て、和みながら笑う


何時の間にか拭き掃除を始めていたコクレアも

ユーニの勘違いに対し、目を丸くして驚き

クスクス忍び笑いを洩らしている


私は私で・・・

「えぇ~っと、もしかして

裏稼業って、そっちの系列のエロイ売り専系な裏稼業だと

ユーニってば、勘違いしなさっておられる?」と

少しばかり動揺してから「ま、いっか…」と身をソファーに戻し

夢現の世界に身を投じる

正直、眠れないけど…私は眠いのである。


そして、誰もユーニの勘違いを正す事無く・・・

ユーニの勘違いが、誰にも正される事無く・・・


ユーニは、ちょっとした演説を続ける

『僕は思うんです…アイツの戦いに関する才能は

「正義の為に使うべきなんではないか?」と!』だそうだ


「はいはい、何ですか?その正義の為にって…」

私はその発想に呆れ、溜息を吐く

「眠いけど…ユーニの台詞が斜め方向に凄過ぎて寝れん」

私はそのまま会話を、半分寝ながら聞いていた。


『そう思いませんか?』と

ユーニに詰め寄られたカーリタースは、ユーニの発想に驚きつつ

『で、ユーニは…

フロースの事をこれからどうやって、どうしたいんだ?』と

ユーニに、今の話をそのまま話す様にと促した。


『僕は、アイツを少しでも真っ当な道に導いて行くつもりです。

そして僕には、それが出来る可能性のあるコネがあります。』

「いったい、ユーニは私をどうするつもりなんだろう?」

私の不安が募る


カーリタースは脱力気味に

『そうなんだ、凄いね…』と、それなりの相槌を打ち


ユーニは「カーリタースに自分が褒められた」とか

「カーリタースに、自分の意見を支持して貰えた」とでも思って

勘違いしてしまったのか?


とっても自慢げに、凄く嬉しそうに・・・

『だから、フロースを騎士団に入れて

正義を行使する立場に連れて行ってみようと思うんですよ』

なぁ~んてトンデモナイ事を言い出してくれた。


「マジでかぁ~…つぅ~か、まだ諦めて無かったんだ」

私は違う意味で、ユーニに対して感心し


カーリタースですら・・・

『うわぁ~…って、いや

あぁ~…えぇ~っと…うん…何だか…壮大な計画だな』と

ユーニの発想にドン引きしていた。


そこから続くユーニの私に対する評価と、密かに私の意見

『アイツ…面倒臭がり屋だけど、根が真面目でしょ?』

「そうですか?面倒臭がりなのは認めるけど…

真面目なつもりないんだけどな」


『仕事を与えられたらきっと、嫌でもしっかり

完璧に仕事をこなすタイプだと、思いませんか?』

「イエイエ…嫌だと思った仕事はしませんよ!

つか…そもそも嫌な仕事は、受けないし!即効で断るし!」


『絶対に、騎士の仕事が向いてますよね』

「絶対って何?何処からそんな自信が湧いてくるんだ?

私は私が騎士に向いているとは、絶対に思わないぞ」


カーリタースは『へ~』『そ~だね』『うんうん』と

適当に愛想笑いを浮かべて相槌を打ち


『ですよね!僕以外にも

そう思ってくれる人がいて、自信が付きました』と

ユーニに不必要な自信を付けてくれた。


人知れず絶望感を味わう私・・・

「カース…御願いだ!

コレ以上ユーニに変な自信を付けないでくれ」と願ったが


神様は疎か…

普段、私の味方をしてくれているカーリタースでさえ

私の願いに気付かず、叶えてはくれなかったのである。


カーリタースは、ユーニに対する接し方を決め

『そうなんだ、じゃあ…

先に知っておいた方が良い予備知識と、君が知りたがってた

花を持ってなくて良かった理由を教えてあげよう』と

私を産んだ人と、私に関する話を始める


『フーの母親の事は、詳しくは知らないよな?』

『ちょっと前に「今日が命日」だと、聞いた程度です』

『そうか…俺もコクレアも

フロースの母親の事は、噂でしか知らないから

詳しい事は全く分からない…

だが、フーの母親はフーを産んだ日に死んだのは確かだ』

『ですよね』


「そだね…実は私も、私を産んだ人の事は知らない」」


『それで、フー自信は

自分の母親を「自分が殺してしまった」と

負い目に感じているみたいでな』

『…』


「いやいや、待て待て…

特に私、負い目に感じてはおりませんが?

カースってば、何故にそんな発想になってしまったのやら…」

私はカーリタースとユーニの話を耳にし

ちょっと困ってしまった。


会話に参加していなかったコクレアも、私の母の話が出た時点で

掃除をする動きを止めて、何だかとっても暗い顔をしている

今の会話で、ユーニも黙り込んでしまっている


「空気重!」

私は・・・

「私を産んでくれた人に対して、感謝はしてるけど

負目とか…そこまで重たい感情、持ち合わせてはいませんよ!」と

この場に居る全員に伝えたかったのだが…しかし


言ってしまうと「強がっている」とか「強がりを言っている」

なぁ~んて思われ、判断されるのではないか?と思えて

黙って聞かなかった事にする事に決めた。


カーリタースの話は続く

『フーが自分の母親へ贈る花は必ず…

咲いている場所に行くにも、摘んで採取するにも危なく

手に入れる為には必ず、命の危険がある場所に咲いた花なんだ』


私は少し悩む・・・

「そうだっけ?

確かに、フリークライミングする理由の為に

断崖絶壁に生えた花を採りに行くけど…命の危険は無い様な?」


私が悩む中、ユーニはその言葉を信じ

『それを自分で取りに行って

採取した「その達成感」で、負目を払拭してたり

自分が生まれてきた罪を償ってたりとかするんですか?』と

勝手な推測を口にし


『ユーニウェルシタース…いや、ユーニ!

フロースの事を理解してやってくれて、ありがとう』と

ユーニはカーリタースの肩を抱かれていた。


『ズルイ!』微かにコクレアの声が聞えてきた気がする

私は『そないな「M思想」持ち合わせてねぇ~よ』と呟き

不意に、セププライであった頃の事を思い出す


「そう言えば…私ってば、断崖絶壁とか登るのが好きで

母上に誕生日プレゼントの花を採りに行っては

ウーニに叱られてたな」

私は何だかちょっと、ほんの少しだけ楽しい気持ちになった。

w本篇と関係が有る様で無い御話w


個人的に大きな1人掛けソファーの対する憧れを抱いてます!

猫飼ってるし、家は狭くて置く場所ないから買わないし

そもそも、ビンボ~だから余分な物は買えないけど


憧れるのは自由!と言う事で・・・

ソファーの足は猫足必須だよね!

んでもって背凭れは、冬季限定で囲ってあるのが良い!

囲ってあると夏場は暑くて座れないからwと

買わない理由を一つ添え


更に憧れてるのは、安楽椅子!だと此処に書き残しておく!


小学生の頃、遊びに行った金持ちの人の家で座ったヤツが良い!

虚覚えだけど、馬と水馬をモチーフにしたヤツだった筈だ!

ネットで幾ら探しても無い所を見ると…オーダーなんだろうか?と

買えもしないのに探す私は夢追い人w


でもでも…御金が有ったとして、私が椅子買うなら

きっと、昼寝できるヤツなんだろうなぁ~って思う今日この頃ですw

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ