表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/71

007[私とカーリタースの関係]

[私とカーリタースの関係]


耳まで真っ赤に染め

『僕は、未成年者の不純異性交遊を認めていません!』と

コクレアを拒絶するユーニを生温かぁ~く見守りながら

私が利き手ではない左手で、少し不器用にパスタを食べる


カーリタースが、ユーニにも何かしら注文された物を出し

洗い物を終え、黒いカフェエプロンを外して


何時もの様に、カウンターから出て来て

『髪、邪魔だろ?纏めるぞ』と

背後から私の紅茶色の髪に触れ、手櫛で髪を梳かした。


私はカーリタースが時々、副業でしている

「髪結いの練習台にするつもりだな」と思いつつ

『ありがとぉ~、よろしくぅ~』と、そのまま

カーリタースの練習の邪魔にならない様にパスタを食べ続ける


私が無抵抗なのを良い事に・・・

カーリタースは、私の髪にヘアクリームを擦り込み

扱い易くなった私のサイドの髪をすくい上げ

私の髪を編み込んで括り、逆側も同じ様にしてから

左右の編み込んだ髪を合わせ、残った髪を掻き上げ

括った紐を外し、器用に綺麗にアップにして

綺麗な花を模したバレッタで、髪を纏め上げてくれた。


『あら可愛い…坊ちゃんてば、女モノの髪型が似合いますね

女の子みたいですよ!「陰間茶屋」で「男の娘」として

「高額売り出し」イケマスね!』と

コクレアが笑うに笑えない発言をしてくれる


「男の娘として…なのかよ!」

私は嫌そうな顔をして、半眼でコクレアを見た。


『いやいや、フーなら「男相手」じゃ無くて「女相手」でも

「男の娘」で「高額指名」イケルだろ?』

なぁ~んて。遅れ毛をヘアピンで留めながら

カーリタースまでもが真面目に、笑えない事を言ってくれている


「何故に男の娘で女の相手を?」と、疑問に思いつつ

私は「女の子みたい」まで、な自分を称する表現に

心の中で胸を撫で下ろしつつ、乾いた空虚な笑い漏らす


それにしてもだ・・・

「あのぉ~…もしもし?それは、御世辞ですか?マジですか?

更に言えば、男の娘をそこまで強引に強調しなくても

良くは無いのですか?そんなに私は女には見えませんかね?」と

女とバレ無い事は良い事なのだが、私的にちょっと悲しくなった。


会話に出てきた「陰間茶屋」も「男の娘」も

単語的に馴染みが、全くと言って良い程に無かったユーニは

『陰間茶屋?高額売り出しって…何?それ?何の話?』

無智さ故に首を傾げて、悩みに悩み


『男相手?に、女相手?男の子?高額指名だって?!』

時間を掛けて大凡の答えに辿り着いて


『フロースに身売りさせる気かよ!僕は、そんな事は許さないぞ!

第一、フロース未成年者だろ!

未成年者の不純異性交遊と、不純同性交友も禁止だ!

何処の誰が許しても、僕の正義がそんな事は許さないからな!』と

色々、空回りながら叫んでくれるのだった。


「冗談、通じねぇ~なぁ~…王子様は」

私は勿論、カーリタースとコクレアも

ユーニに対して、生温い目を向け緩い微笑を浮かべる事になる


『あっついなぁ~おい!

フー…コイツってば、こんなに真直ぐで大丈夫なのか?』と

カーリタースが私の肩を抱き、囁く様な真似をして

私の隣で普通に話し『依頼だ』と囁き、私の手にメモを握らせる


私もカーリタースの耳元に近付き、隠れてメモを確認し

『了解』と囁き、カーリタースの真似をして

『真直ぐなのは美徳だけど

トップに据える事を考えたら、ちょっとアウトだよね?』と

ユーニに気付かれない為に、普通に会話を続けた。


コクレアは…と、言うと

『坊ちゃんは確か15ですよね?まだ、先は長いなぁ~…

少年は幾つなの?』と、ユーニの年齢を訊ねている


私は「今日で16なんだけどな…」と思いながらも

言うタイミングを逃し、訂正するのも面倒なので放置し

ユーニは『僕、16ですよ』と答えていた。


カーリタースが腕を組み、次に顎に右手を当て何かを考え込み

卓上カレンダーを手にして、納得した様子で

『訂正しろよ、フー…お前も、今日から16だろ?』

私の頭を優しくポンポンっと叩いて訂正してくれ


可愛らしく纏め上げた髪が、乱れてしまわない様に優しく撫で

『悪い悪い、今年は花を持っていなかったから気付かなかった

怪我して今回は断念したのか?良い事だ…』と

カーリタースは今、私が

怪我をしながらも無事に、此処に居る事を喜んで小さく笑った。


『今日からって…命日がフロースの誕生日って』

ユーニが狼狽し、表情を曇らせ私をじっと見ていた


私的に、ちょっとした不都合が起きていた

「あぁ!カース…

今回は、訂正してくれなかった方が良かったかも!

今日は本当に運が悪いなぁ~、知らなくて良い子が知っちゃったよ…

ユーニがイラナイ気を使ってくれて、更にウザくなるぞぉ~」

私の気持ちがちょっと重たくなった。


そんな私の気持ちを重たくしたユーニの呟きに

私を良く知るカーリタースが目を見開き

『そっかぁ~…フーはやっと

自分の事を話せる相手を見付けられたんだな』と

親が子供の成長を見守る様な目で私を見て、喜んでくれている


「いやいや、そう言う訳ではないんだけど…」と

最初、私は「否定しようか?」とも思ったのだが

今までの事、前世での事を思い出して躊躇する。


実の所、カーリタースは知らないのだが

前世、私がセププライだった時代・・・

「仕事を受けてくれる傭兵を斡旋する業者」であった

今は亡きカーリタースの父上に、私が息子と同世代と言う事で

色々大変御世話になっていた事があり


現世、カーリタースと再会した時には・・・

当時、祖母に雇われ「掃除婦?」をしていたコクレアの片恋の相手

ストーキングを繰り返していた相手がカーリタースである事を知り

フロースとしては「面識無しの状態」で「飛び込み営業」を掛け


コクレア共々付き纏い、オカマと子供で散々迷惑を掛け

受け入れて貰い、この10年間・・・


コクレアを「押し掛け妻」として、側に置いて貰った上で

私への「仕事の斡旋」と

「仕事上の信頼を得る為の管理者・保護者」的な

仕事をする上で、必要な役割を担って貰ってしまい続けていた。


つまり前世でも、今世でも・・・

私は継続的に、カーリタースに迷惑を掛けまくっているのだ


そんな私が・・・

「態々、カーリタースの気分を害する事も無いよなぁ~…」

私は今度の事も、自分から発言して訂正する事を諦め

いや、どっちかと言うと…サボリ


「お父さんモード」に切り替わってしまった

カーリタースの表情を見て

「もう面倒臭過ぎて、どうでも良くなってきた」と

話を聞き流す事にした。


私がカーリタースの言葉に反論するか思案していた時

事前に「私を産んでくれた人の墓に供える花が欲しい」と

私から聞いていたユーニは、カーリタースに・・・

『フロースが、自分のお母さんの墓前に飾る花を持ってなくて

何でどうして、それが良い事なんですか?』と質問し


祖母の下で働いていた事のあるコクレアは

私を産んだ人と面識は無かった筈だが、沈んだ表情で黙り込み

静かになっていた。


突然、沈着冷静で大きく感情を表に出す事の無いカーリタースが

『フー、良さ気なの見付けたなぁ~

ちゃんと色々、心配とかして貰ってるんだ!良かった良かった』と

腹を抱えて大きな声で笑い出し


私が肯定も否定もしないので

「照れている」と判断した御様子で、カーリタースは私から離れ


ユーニに近付き・・・

『凄いな、お前!王族としての人徳ってヤツか?

フロースは寂しがり屋の割に、豪く過激な人見知りで

狼並みに滅多な事では、懐かないんだぞ!

どうやって、友達になったんだ?懐かせるのも大変だっただろ?』と

私的に余計な事を言って、ユーニの背中をバンっと大きく叩いた。


叩かれて、噎せて咳き込みながらユーニは

『友達?そっか、もう…僕とフロースは友達だったんだ!』と

私に対し、若草色に輝く期待の眼差しを向けてくれた。


何がどうしてそうなったかは分からないが・・・

「あぁ~あ…何かユーニに友達と認定されてしまった様だ」

私は目の前の皿に残っていたパスタを平らげ

溜息を吐いて自嘲気味に笑う

ユーニは、それを肯定と受け取り大喜びし


カーリタースは、何時も私にして来たのと同じ様に

ユーニの金髪をワッシワッシと撫でて

『フーの友達は、俺の友達だ

何時でも気軽に遊びに来て良いからな』と言っていた。


「うわぁ~…もう私にゃ、対処しきれねぇ~ぞぉ~

放って置くしかねぇ~な、コレは…」

私は、一時的にユーニにカーリタースの気持ちを奪われ

御機嫌斜めになって行くコクレアの様子を眺めながら移動し


食べ終わった皿やコップをカウンター内の流しに入れ

右手が使えなかったので、そのまま置いて

満腹で眠たくなったので・・・


カーリタースが自分用に購入し、店に置いている

柔らかく昼寝をするのに適した、大きな1人掛けソファーで

仮眠を取る事にした。

w本篇と関係が有る様で無い御話w

今回は珍しく、ちゃんと関係有りそうな御話w


肩までの長さの髪を普通に括るよりも

編み込みした方が女子っぽく見える気がしませんか?

まぁ~編み込みする場合、長さによって組み方を考えないと

編み込めないんですけどね…


そして、髪留めバレッタの設定・・・

「綺麗な花を模したバレッタ」では無く

「植物を描いた絵の入ったバレッタ」が良かったかも!

なぁ~んて後悔中です!


「綺麗な花を模したバレッタ」では選択肢が、蓮か彼岸花か…

紫陽花も行けるか?程度なのですが

「植物を描いた絵の入ったバレッタ」にすると桑とかパセリとかも

入れる事が出来るのです!って・・・

挿絵(By みてみん)

此処までの話では、その設定の意味が訳分からんですなw

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ