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キャラバンと共に(5)

 俺達は、次の街に着くまでは、旅のキャラバンと一緒に進む事にした。

 キャラバンは、魔獣に襲われてかなりの痛手を負っていたからだ。


 次の街まで、サンダーのスピードなら、あと半日で着く距離だが、今のキャラバンの移動速度では、一日半以上はかかるように思えた。

 当面の食料は、倒したラプトルタイプの魔獣の肉で何とか賄えそうだ。だが問題は、水だ。もう残り少ない。それと、バスや自走車などの乗り物の故障だ。

 水については、巫女(みこ)ちゃんが水分を多く含む()を教えてくれたので、何とかなりそうだ。俺達は、キャラバンの人達とも協力して、草の採集を行った。

 車の故障の方も、サンダーと流星号が協力してくれたので、充分とは言えないものの、街までは何とかなりそうだった。


「サンダー、キャラバンの自動車の修理具合はどぉっすか?」

「おお、勇者殿でござるか。取り敢えずは、街までは行けるぐらいには修理出来そうでござる」

 そんなやり取りをしているところに、やや年配の男性が声をかけてきた。キャラバンの隊長のイトウさんだった。

「済まんのう。魔獣から助けてもらった上に、水や食料の確保も手伝ってくれて。これで、このキャラバンも、次の街まで行ける。街に着けば、手持ちの物資を換金できる。そうすれば、護衛の戦闘士との契約も延長できる。助かったよ。本当に助かった」

「そうっすか。俺っちにはよく分からないっすが。けど、何か、戦闘士さん達の働きがよくないように見えたっすが……」

 俺は、抱えていた疑問をイトウさんに投げかけてみた。

「契約金が、相場の下限ギリギリだったからのう。それに、野党や魔獣に何回も襲われて、その分の働きのボーナスも必要なのに、その手持ちが無くての」

 ふむ、そう言う事か。俺は、隊長の言葉の裏に、何かしら隠されたものがあるように感じた。

「イトウさん。キャラバンが、そんなに何回も襲われる事ってあるんすか? 俺は異世界では新米なんで、良く分からないっすが」

 すると、イトウさんは、腕を組んで思案しているようだった。そして、少しして口を開いた。

「わしの経験では、それ程は──いや、皆無じゃな」

 それを聞いた俺は、イトウさんにもう少し突っ込んだ質問をした。

「まさかとは思うんですが、護衛の戦闘士の中に、何かを企んでいる者が居るとは考えられませんか? キャラバンを襲わせて、物資を強奪する手引をしているとか。俺が素人頭で考えても、あの女剣士さんがいなかったら、とっくに崩壊してても不思議じゃないっすよ」

 すると、イトウさんは難しい顔をして考え込んでしまった。

 しばらくして、イトウさんが口を開くと、こんな事を言った。

「それは、わしも考えた事がある。じゃが、確証がない。それに、戦闘士の護衛無しでは、キャラバンを進めることは不可能じゃ。今は、街まで辿り着く事が最優先と考えておる」

「あっちにしたら、キャラバンが街に無事に着いても、契約金の報酬と延滞金がもらえるっすからね。どっちに転んでも損はしない。それを考えると、もし、襲ってきたとしても、あと一回でしょうね。それ以上だと、今度は街に近づき過ぎて、増援が来るかも知れない。そうしたら、奴等の被害の方が大きくなってしまう。だから、二度目は無いと思うっす」

「わしも、同じ事を考えておった。どうじゃろう、街までの護衛をあんた達にお願いしたい。今すぐの前金も払えない状態じゃが、契約してもらえんだろうか?」

 そう言われて、俺は返事をしかけたが、一瞬考え込んだ。俺は、護衛の契約金の相場も知らないし、契約書に何が必要かも分からなかったからだ。

「イトウさん。契約の件は、ちょっと考えさせて欲しいっす。俺一人の独断じゃ、どう転ぶか分からないっすから。俺は、チームのリーダーっすが、皆を巻き込む以上、責任があるっすから」

「そうか。分かった。いい返事を期待してるよ。わしは、キャラバンの被害から考えて、今日はここで野営しようと思っとる。あまりにも怪我人が多いからのう。護衛が無理というなら、わしも止めはせんから、先に行ってくれて構わんよ」

「即答できなくって、済まないっす」

 俺はそう返事をして、イトウさんと別れた。


 しばらくして、皆の手があいた頃を見計らって、俺は巫女ちゃん達を集めた。

「何のご相談でしょうか、勇者様」

 巫女ちゃんが俺に訊いた。

「皆に集まってもらったのは、キャラバンの護衛の件で相談したかったからっす。さっき、キャラバンの隊長のイトウさんから、護衛の依頼があったっす。でも、俺の判断だけじゃぁ、どうすれば良いのか分からなかったっすから、皆と相談したかったんす」

 俺は、正直にイトウさんと交わした件を話した。

「何言ってんだい。勇者クンがリーダーなんだから、独断で決めて良いんだぞ。ボク等は、勇者クンがどんな判断をしようが着いて行くよ」

 ミドリちゃんがそう言ってくれた。

「せやせや。勇者さんも意気地がないなぁ。うちは勇者さんの事、ごっつう信頼しとるんやから」

 シノブちゃんもそう言ってくれた。

「勇者様。勇者様は、最初から契約の有る無しに関わらず、キャラバンを護るとお考えではありませんか?」

 巫女ちゃんが、いつもの微笑みを崩さず、そう言った。

「皆には見透かされてるっすねぇ。その通りっす。後は、契約金の相場が分からなかったから、っていうのも、相談した理由の一つっすが」

 俺は、頭を掻きながら、そう言った。

「なんや、そんなことかいな。どうせ、ロハでも護衛の仕事、するつもりだったんやろ。せやったら、いつのように、適当にカッコええことゆうとったらええねん。「金額は隊長さんの善意にお任せします」とか」

「いや、シノブちゃん。それは、俺が口にするにはカッコ良すぎるっすよぉ」

 言われた俺の方が、照れ臭くなってしまった。

「まぁ、そうだろうね。でも、勇者クンなら、普通に喋っちゃうんじゃないかい。今のところ、お金に困っているわけでもないし」

「せやで。それに、このキャラバンにくっついとったら、あの女剣士さんを勧誘できるかも知れへんしな」

 俺は、ミドリちゃんやシノブちゃんに言われて、そんなもんかな、と思った。

「どのみち、今夜はここで野宿するつもりなんらろ。勇者さんの顔に書いてあるで」

「敵の奇襲があるとしたら、多分、今夜だろうしね」

 う~ん、そこまで見透かされていたとは。参ったな。

「えーっと。まあ、そんな感じっす」

「そですか。では、わたくしは、救護テントの様子を見てから、夕食のお手伝いに参りますね。美味しいものを作りますから、いっぱい食べて下さいね。そして、奇襲に備えましょう」

「助かるよ、巫女ちゃん」

「いえいえ、わたくしには、これくらいの事しかできませんので。では、言ってまいりますね」

 巫女ちゃんはニッコリと笑うと、キャラバンの方へ向かった。

「おい、流星。オマエも巫女さんに着いてってやれ。いくらオマエでも、護衛や力仕事くらいはでけるやろ。巫女さんの云うことをよく聞いて、気合い入れてお手伝いをしいや。それと、くれぐれも、うちに恥かかすような事はせえへんようにな」

「分かってますぜ、姐御。巫女のお嬢の事は任せて下せい」

 異性もいい返事をして、流星号は巫女ちゃんの後を追いかけて行った。

「それじゃ、ボクは、今のうちに魔法トラップと結界のじゅんびをしておくよ。賊がどこからやって来ても警報が鳴るように 俺達は、次の街に着くまでは、旅のキャラバンと一緒に進む事にした。

 キャラバンは、魔獣に襲われてかなりの痛手を負っていたからだ。


 次の街まで、サンダーのスピードなら、あと半日で着く距離だが、今のキャラバンの移動速度では、一日半以上はかかるように思えた。

 当面の食料は、倒したラプトルタイプの魔獣の肉で何とか賄えそうだ。だが問題は、水とバスや自走車の故障だった。

 水については、巫女(みこ)ちゃんが水分を多く含む()を教えてくれたので、何とかなりそうだ。俺達は、キャラバンの人達とも協力して、草の採集を行った。

 車の故障の方も、サンダーと流星号が協力してくれたので、充分とは言えないものの、街までは何とかなりそうだった。


「サンダー、キャラバンの自動車の修理具合はどぉっすか?」

「おお、勇者殿でござるか。取り敢えずは、街までは行けるぐらいには修理出来そうでござる」

 そんなやり取りをしているところに、やや年配の男性が声をかけてきた。キャラバンの隊長のイトウさんだった。

「済まんのう。魔獣から助けてもらった上に、水や食料の確保も手伝ってくれて。これで、このキャラバンも、次の街まで行ける。街に着けば、手持ちの物資を換金できる。そうすれば、護衛の戦闘士との契約も延長できる。助かったよ。本当に助かった」

「そうっすか。俺っちにはよく分からないっすが。けど、何か、戦闘士さん達の働きがよくないように見えたっすが……」

 俺は、抱えていた疑問をイトウさんに投げかけてみた。

「契約金が、相場の下限ギリギリだったからのう。それに、野党や魔獣に何回も襲われて、その分の働きのボーナスも必要なのに、その手持ちが無くての」

 ふむ、そう言う事か。俺は、隊長の言葉の裏に、何かしら隠されたものがあるように感じた。

「イトウさん。キャラバンが、そんなに何回も襲われる事ってあるんすか? 俺は異世界では新米なんで、良く分からないっすが」

 すると、イトウさんは、腕を組んで思案しているようだった。そして、少しして口を開いた。

「わしの経験では、それ程は──いや、皆無じゃな」

 それを聞いた俺は、イトウさんにもう少し突っ込んだ質問をした。

「まさかとは思うんですが、護衛の戦闘士の中に、何かを企んでいる者がいるとは考えられませんか。キャラバンを襲わせて、物資を強奪する手引をしているとか。俺が素人頭で考えても、あの女剣士さんがいなかったら、とっくに崩壊してても不思議じゃないっすよ」

 すると、イトウさんは難しい顔をして考え込んでしまった。

 しばらくして、イトウさんが口を開くと、こんな事を言った。

「それは、わしも考えた事がある。じゃが、確証がない。それに、戦闘士の護衛無しでは、キャラバンを進めることは不可能じゃ。今は、街まで辿り着く事が最優先と考えておる」

「あっちにしたら、キャラバンが街に無事に着いても、契約金の報酬と延滞金がもらえるっすからね。どっちに転んでも損はしない。それを考えると、もし、襲ってきたとしても、あと一回でしょうね。それ以上だと、今度は街に近づき過ぎて、増援が来るかも知れない。そうしたら、奴等の被害の方が大きくなってしまう。だから、二度目は無いと思うっす」

「わしも、同じ事を考えておった。どうじゃろう、街までの護衛をあんた達にお願いしたい。今すぐの前金も払えない状態じゃが、契約してもらえんだろうか?」

 そう言われて、俺は返事をしかけたが、一瞬考え込んだ。俺には、護衛の契約金の相場も分からないし、契約書に何が必要か分からなかったからだ。

「イトウさん。契約の件は、ちょっと考えさせて欲しいっす。俺一人の独断じゃ、どう転ぶか分からないっすから。俺は、チームのリーダーっすが、皆を巻き込む以上、責任があるっすから」

「そうか。分かった。いい返事を期待してるよ。わしは、キャラバンの被害から考えて、今日はここで野営しようと思っとる。あまりにも怪我人が多いからのう。護衛が無理というなら、わしも止めはせんから、先に行ってくれて構わんよ」

「即答できなくって、済まないっす」

 俺はそう返事をして、イトウさんと別れた。


 しばらくして、皆の手があいた頃を見計らって、俺は巫女ちゃん達を集めた。

「何のご相談でしょうか、勇者様」

 巫女ちゃんが俺に訊いた。

「皆に集まってもらったのは、キャラバンの護衛の件で相談したかったからっす。さっき、キャラバンの隊長のイトウさんから、 俺達は、次の街に着くまでは、旅のキャラバンと一緒に進む事にした。

 キャラバンは、魔獣に襲われてかなりの痛手を負っていたからだ。


 次の街まで、サンダーのスピードなら、あと半日で着く距離だが、今のキャラバンの移動速度では、一日半以上はかかるように思えた。

 当面の食料は、倒したラプトルタイプの魔獣の肉で何とか賄えそうだ。だが問題は、水とバスや自走車の故障だった。

 水については、巫女(みこ)ちゃんが水分を多く含む()を教えてくれたので、何とかなりそうだ。俺達は、キャラバンの人達とも協力して、草の採集を行った。

 車の故障の方も、サンダーと流星号が協力してくれたので、充分とは言えないものの、街までは何とかなりそうだった。


「サンダー、キャラバンの自動車の修理具合はどぉっすか?」

「おお、勇者殿でござるか。取り敢えずは、街までは行けるぐらいには修理出来そうでござる」

 そんなやり取りをしているところに、やや年配の男性が声をかけてきた。キャラバンの隊長のイトウさんだった。

「済まんのう。魔獣から助けてもらった上に、水や食料の確保も手伝ってくれて。これで、このキャラバンも、次の街まで行ける。街に着けば、手持ちの物資を換金できる。そうすれば、護衛の戦闘士との契約も延長できる。助かったよ。本当に助かった」

「そうっすか。俺っちにはよく分からないっすが。けど、何か、戦闘士さん達の働きがよくないように見えたっすが……」

 俺は、抱えていた疑問をイトウさんに投げかけてみた。

「契約金が、相場の下限ギリギリだったからのう。それに、野党や魔獣に何回も襲われて、その分の働きのボーナスも必要なのに、その手持ちが無くての」

 ふむ、そう言う事か。俺は、隊長の言葉の裏に、何かしら隠されたものがあるように感じた。

「イトウさん。キャラバンが、そんなに何回も襲われる事ってあるんすか? 俺は異世界では新米なんで、良く分からないっすが」

 すると、イトウさんは、腕を組んで思案しているようだった。そして、少しして口を開いた。

「わしの経験では、それ程は──いや、皆無じゃな」

 それを聞いた俺は、イトウさんにもう少し突っ込んだ質問をした。

「まさかとは思うんですが、護衛の戦闘士の中に、何かを企んでいる者がいるとは考えられませんか。キャラバンを襲わせて、物資を強奪する手引をしているとか。俺が素人頭で考えても、あの女剣士さんがいなかったら、とっくに崩壊してても不思議じゃないっすよ」

 すると、イトウさんは難しい顔をして考え込んでしまった。

 しばらくして、イトウさんが口を開くと、こんな事を言った。

「それは、わしも考えた事がある。じゃが、確証がない。それに、戦闘士の護衛無しでは、キャラバンを進めることは不可能じゃ。今は、街まで辿り着く事が最優先と考えておる」

「あっちにしたら、キャラバンが街に無事に着いても、契約金の報酬と延滞金がもらえるっすからね。どっちに転んでも損はしない。それを考えると、もし、襲ってきたとしても、あと一回でしょうね。それ以上だと、今度は街に近づき過ぎて、増援が来るかも知れない。そうしたら、奴等の被害の方が大きくなってしまう。だから、二度目は無いと思うっす」

「わしも、同じ事を考えておった。どうじゃろう、街までの護衛をあんた達にお願いしたい。今すぐの前金も払えない状態じゃが、契約してもらえんだろうか?」

 そう言われて、俺は返事をしかけたが、一瞬考え込んだ。俺には、護衛の契約金の相場も分からないし、契約書に何が必要か分からなかったからだ。

「イトウさん。契約の件は、ちょっと考えさせて欲しいっす。俺一人の独断じゃ、どう転ぶか分からないっすから。俺は、チームのリーダーっすが、皆を巻き込む以上、責任があるっすから」

「そうか。分かった。いい返事を期待してるよ。わしは、キャラバンの被害から考えて、今日はここで野営しようと思っとる。あまりにも怪我人が多いからのう。護衛が無理というなら、わしも止めはせんから、先に行ってくれて構わんよ」

「即答できなくって、済まないっす」

 俺はそう返事をして、イトウさんと別れた。


 しばらくして、皆の手があいた頃を見計らって、俺は巫女ちゃん達を集めた。

「何のご相談でしょうか、勇者様」

 巫女ちゃんが俺に訊いた。

「皆に集まってもらったのは、キャラバンの護衛の件で相談したかったからっす。さっき、キャラバンの隊長のイトウさんから、キャラバンの護衛の依頼があったっす。でも、俺の判断だけじゃぁどうすれば良いのか分からなかったっすから、皆と相談したかったんす」

 俺は、正直にイトウさんと交わした件を話した。

「何言ってんだい。勇者くんがリーダーなんだから、独断で決めて良いんだぞ。ボク等は、勇者くんがどんな判断をしようがついて行くよ」

 ミドリちゃんがそう言ってくれた。

「せやせや。勇者さんも意気地がないなぁ。うちは勇者さんの事、ごっつう信頼しとるんやから」

 シノブちゃんもそう言ってくれた。

「勇者様。勇者様は、最初から契約の有る無しに関わらず、キャラバンを護るとお考えではありませんか?」

 巫女ちゃんが、いつもの微笑みを崩さず、そう言った。

「皆には見透かされてるっすねぇ。その通りっす。後は、契約金の相場が分からなかったから、っていうのも、相談した理由の一つっすが」

 俺に、護衛の依頼があったっす。でも、俺の判断だけじゃぁどうすれば良いのか分からなかったっすから、皆と相談したかったんす」

 俺は、正直にイトウさんと交わした件を話した。

「何言ってんだい。勇者くんがリーダーなんだから、独断で決めて良いんだぞ。ボク等は、勇者くんがどんな判断をしようが着いて行くよ」

 ミドリちゃんがそう言ってくれた。

「せやせや。勇者さんも意気地がないなぁ。うちは勇者さんの事、ごっつう信頼しとるんやから」

 シノブちゃんもそう言ってくれた。

「勇者様。勇者様は、最初から契約の有る無しに関わらず、キャラバンを護るとお考えではありませんか?」

 巫女ちゃんが、いつもの微笑みを崩さず、そう言った。

「皆には見透かされてるっすねぇ。その通りっす。後には、契約金の相場が分からなかったから、っていうのも、相談した理由の一つっすが」

 俺は、ものごとの相場の分かっていないことろを「誤魔化すように」頭を書いていた。

「じゃあボクは、魔法トラップと、何が入り込んでもすぐに解るように、結界を張ってくることにしようか」

 そう言って、魔法少女はあっという間に空の彼方に消えた。

「ほんなら、うちは、騒動に備えて仮眠でもしとるわ。晩飯がでけたら教えたな」

 シノブちゃんは、その辺のレジャーシートに横になると、1分しない間に、大きなイビキを立て始めた。

 それじゃあ、俺も仮眠でもとるかぁ。


 その夜に起こることにそなえて、俺はつかの間の休息を取ることにしたのだ。

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