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scene2-3 未来

横に長く伸びた大きな掲示板にクラスと名前が書かれた紙が張り出されていた。


A~Jまでの10クラス。


まるで大学の合格発表のように人が群がっている。



「あ」


近くまで行くと加奈琉が誰かに気づき声をかけた。


「みくー!」


すると、掲示板を見ていたひとりの女の子が声に気づいてこちらに歩いてきた。


その女の子は俺を見ると無表情でペコっと頭を下げた。


背は加奈琉より少し低いくらいで、セミロングの髪を両サイドで結んで短めのツインテールにしている。


腕も脚もすらっと細いが病弱キャラといった感じではない。


ないのだが・・・重傷キャラ?


まず一番に目がいってしまうのはツインテールでも細い手脚でもない。


顔・手・脚と身体中いたる所にぐるぐると巻きつけられている包帯、包帯、包帯。


眼帯のように巻かれた包帯で片目は隠れ、左腕のひじから手首、左脚は膝の辺りまで、右脚にいたっては足首まで全部包帯でぐるぐる巻きにされている。


まるで大きな事故にでも巻き込まれた直後のような、しかしそれにしては普通に歩いていた。


「紹介するね、友達の咲坂未来さきさかみくちゃん。で・・・幼馴染の小鳥幸太郎おどりこうたろうくん」


「ども、よろしく」


「・・・同じD組、よろしく」


「え、おれ?」


「みくと同じクラスだってさ、良かったじゃん!」


加奈琉が俺の背中をポンとたたく。


同じクラスに分けられていた俺の名前を覚えてた?


俺ってそんなに珍しい名前でもないよな・・・。


「で、わたしは?」


加奈琉が興味津々といった様子で尋ねる。


咲坂さんは少し迷った後、


「・・・かなるはとなりのクラスだった、C組」


と答えた。


「ガーン・・・」


物凄く分かりやすい効果音を自ら吐いてショックを受ける加奈琉。



それから自分の目で確認しないと納得がいかなかったのか、加奈琉は人ごみを縫って掲示板の前まで行って戻ってきた。


「もーショックだよー、私も二人と同じクラスがよかったなぁ」


がっくりと肩を落としている。


加奈琉、そこまで俺と一緒のクラスが・・・。


「まぁ、仲良い友達がけっこういたからよかったかな♪」


「・・・だよね」


大して落ち込んでいないようで俺としてはほっとしたような、切ないような。


同じ敷地内にある加奈琉が通っていた中学校から進学してきた生徒が大部分を占めるのがこの高校。


クラスに何人か仲の良い友達がいても全然おかしくないよなぁ。



しばらくしてアナウンスによって新入生は講堂へと集まるように呼びかけられた。


二人と共に入学式の会場へと向かう。


気づいたのだが、どうやら今日は他の在学生たちは休日となっているみたいだ。


それにしても・・・広い!


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