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scene7-3 せめて彼女とはつり合いのとれた男でいたいよね

休日である今日、俺は待ち合わせのために駅に向かっている。


もちろん七瀬さんに選んでもらった俺の愛車で。


今日もペダルがよく回るぜぃ!


駅前の大通りから外れ、駐輪場に自転車を停める。


ちらりと携帯に目をやると待ち合わせの5分前だった。


小走りで点滅する信号機を通り過ぎる。


すると、待ち合わせの相手はすでにそこに立っていた。


「ごめん待ったー?」


ううん、今来たところ☆なんちて。


「うん、5分くらい」


相手は同じ創立祭実行委員を務めることになった白河さん。


フードのついたゆったり系のホワイトのブルゾンに、同じくホワイトのVネックニット。


ブラウンのミニスカートの裾はホワイトでひらひらしている。


ブラックのニーソにブラウンのパンプス、胸元は落ち着いたネックレスでさりげなく飾っている。


「うわぁ、白河さんって普段こんな可愛い格好してるんだ?」


白河さんの頬が薄い桜色に染まる。


「べ、別にっ・・・」


あんたのためじゃないんだから!なんちて。


「・・・たまによ」


クラスの出し物の買出しだからってなめてたな、なんて哀れな少年もとい俺。


「俺ももう少しオシャレしてくれば良かったなぁ」


「そうね、せめて制服以外で来てほしかったかな」


だって、学校の用事っていったら制服着ていくのがスジだと思ったんだもん!


制服のズボンにYシャツ、上にカーディガンを羽織ってきただけの格好。


白河さんとつり合いが取れていないことこの上ない。


こんなアンバランスじゃ、公園のシーソーだってうんともすんとも言わない。


「まぁ、たくさんまわらなくちゃいけないから早くいきましょ」


「あ、うん」


歩き出した白河さんの斜め後ろをついて歩く。



・・・・・・。


「小鳥君」


「なに?ついたの?」


俺はまだこのあたりの店についてはあまり詳しくない、だから買い物をする場所については彼女に一任している。


「・・・なんでちょっと後ろからついてくるの?・・・隣歩いてよ」


なんでってそりゃ店の場所を知らないってのもあるけど、


「いや、制服のやつと並んで歩きたくないでしょ」


「そんなこと!別にないし・・・気にしすぎ」


そう言ってスタスタと先を歩いていく。


たしかに、逆ならともかく男が女のあとついて歩くとか尾行を趣味にしてる人じゃないんだから。


追いついて彼女の隣を歩く。


「ごめんね、白河さん」


「別に怒ってないから」


ちょっと怒ってるよね?こっちみてくれないし。


「そ、そうだ!この間はありがとうね」


「え?なんのこと?」


「創立祭の実行委員がなかなか決まらないときに、立候補してくれて。あーえっと、もちろん俺の為だとかそんなおこがましいこと思ってるわけじゃなくて、ただあのままだったらひとりで実行委員やることになってたかもって」


そんなこと言いつつ1%でも自分のためって理由で動いてくれていたら嬉しかったとほんのり思ったり思わなかったり。


「ぁ・・・うん、でも実行委員は男女一名ずつって決まってたからそれはないんじゃない?」


「そ、そっか」


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