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scene7-2 多くのことを吸収して、人として成長したいよね

実行委員に任命された俺の初仕事。


実際に創立祭で行うクラスの出し物を決めていく。


創立祭とは何ぞや?


と思うかもしれないが一般に行われている文化祭と大して変わらないらしい。


クラスや部活単位、または認められたグループや個人でそれぞれが思い思いの出し物を考え実行し、仲間との結束を深める。


というのが主な主旨である、らしい。


ある程度の資金は学校側から支給され、その支給額より売り上げが上回った場合にのみ支給額分を学校側へ返済する。


要は、それ以上の儲けは自分たちのものとなる。


そのため、異様な盛り上がりを見せるイベントでもあるという。


創立祭は中等部と俺たち高等部が共に行うのだが、今年からここへ通うようになった俺には初めてのイベントだ。



じゃあ、


「うちのクラスは何をやります?意見くださいな」


俺と白河さんは教壇に立った。


「はーい」


俺の問いにひとりの男子生徒が手を挙げる。


文化祭での出し物といったらなんだろう、夏祭りに出ている夜店のようなもんだよな・・・。


「はい、じゃぁどうぞ」


「断然、メイドカフェ!」


メイドカフェ?


その提案に男子たちから賞賛の声が上がった。


聞いたことあるぞ、たしか・・・


「“いらっしゃいませ、ご主人様~☆”ってやつだっけ?」


「違う!“お帰りなさいませ”だ!」


あぁ、そうなんだ?


「うん、じゃぁ白河さんお願い」


白河さんはきれいな字で黒板に書き上げていく。


都会の学校ではそんなことをやるのかぁ、ふむふむ。


「でも、メイドカフェじゃ他のクラスとかぶるんじゃね?」


「そうだな」


なんと!そんなに人気のあるものなのか・・・都会は知らないことばっかりだな。


「アニマルカフェとかよくないか?」


なんだ?動物とふれ合える喫茶店かな?


「いや、もう少し攻めていかないと他のクラスとかぶるぞ。水着カフェとかどうだ?」


ミズギカフェ?水着で接客するのか?まさかな。


何かもう勝手に議論が進んでいる、俺いらなくね?


「水着ならエプロンもつけるのが常識だろ!水着エプロンカフェだ」


「「「おぉー!!」」」


教室中で歓声が上がる、ただしアルトではなくテノール。


都会の常識がこうもかけ離れていたとは、もっと勉強が必要そうだ、俺がんばっ!


てか、これ完全に接客する側が水着にエプロンだよね。


「はーい、俺水着にエプロンなんて格好で接客したくないでーす」


そう言うと、クラス中の視線が俺に集まった。


「「「男の水着エプロンなんか誰も見たかねぇよ!!」」」


なんという息の合ったツッコミ!


「そんな格好私たちだってしたくないに決まってるじゃん!」


「そうよ!」


そして、当然のごとくあがる女子たちからの反論の声。


「んー・・・じゃ他に案よろしく」



その後も我がD組の教室では熱い議論が繰り広げられたが、結局は一番最初に出た『メイドカフェ』で落ち着いた。


七瀬さん、そして咲坂さんのメイド服姿かぁ。


これはもう集客力に期待せざるを得ない。


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