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scene5-1 not titled

七瀬さんとは駅前でお別れ。


またねー、あしたねーつって。


電車とバスで通学してるみたいだよ。


ケーキ美味かったなぁ。


曜日によってケーキが変わるんだってさ、それに季節によっても変わるみたい。


ぜひまた行きたいよね、もちろん誰かを誘って。


次郎さんとこのカフェもどきにも行きたいな。


あそこには七瀬さんと一緒に行こう。


自転車も手に入れたし今日は大満足だ。



「ただいまー♪」


上機嫌なせいで語尾に音符マークなんかついちゃってる気がするぞ。


靴を揃えて家にあがらせてもらう。


たしか遥さんは帰りが遅いって言ってたな。


「加奈琉ー、いるー?」


リビングのドアを開ける。


「うぐっ」


その瞬間、頭に衝撃を受けた。


なんで頭の上から野球ボールが降ってくんのよ?


ボールにはマジックで何か書かれていた。


サインかな?


拾い上げてみてみると、


『天罰』


と物凄く達筆な字で書かれていた。


「くっ・・・くくっ・・・」


するとすぐに俺の背後、階段の上からまるで“幼稚な罠に引っかかった間抜けなやつを見て必死に笑いをこらえている”ような声が聞こえてきた。


俺は即座に2塁への牽制の体勢に入る、投げないけど。


「ひゃっ!」


加奈琉だ。


階段の上で防御姿勢をとっている。


「なんなのこれ?」


片手でボールをお手玉する。


「罪に気づかないこともまた罪なのよ!よって今日の夕食の当番はコウちゃんになります!」


そう捨て台詞を吐いて加奈琉は自分の部屋へと消えてしまった。


・・・なんなの?


とりあえず俺が今やることは・・・・・・冷蔵庫の中身の確認だ。



「かーなーるー、ご飯できたぞー」


2階の部屋にいる加奈琉に呼びかける。


ダダダダッ、スタッ!


「はやっ!」


「いただきます」


「・・・召し上がれ」


それから俺も席について食べ始めた。



「それでさ・・・俺何か悪いことした?」


「自分の胸に手を当てて考えてみなさい」


左手を胸に当ててみる。


「両方」


俺は言われた通りにする。


「って、おいっ!それ俺の春巻き!」


「これでチャラにしてあげる」


そう言って幸せそうに春巻きを頬張る。


まぁでも加奈琉が喜んでくれるならいいけど。


「ごちそうさまー、おいしかったよ!」


「で、結局なんだったの?」


「ん?もーいいよ、食器は私が洗うから置いておいて。料理と皿洗いは1日ずつ交代でよろしくね」


そう言って加奈琉はリビングへと消えていった。


すごくモヤモヤするんですけど・・・。


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