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scene2-6 学食

結局そこから学食に着くまでの間、俺は彼女の名前を聞けないままだった。


俺がいたらないばかりに・・・。


申し訳ないが、しばらくの間彼女のことは俺の脳内ではふわ子ちゃん(仮名)としておく。


無論、さっきからスカートがふわふわと揺らめいて見えるか見えないかのぎりぎりの境界線を漂っているからである、まぁ嘘だけど。



学食は2ヶ所あるらしく、今日案内してもらったのは教室から近いほうらしい。


学食A・学食Bとそれぞれ名前がついていて、生徒の間ではA食・B食と呼ばれているそうだ。


今いるここはA食にあたる。


それぞれの学食には違いがある。


A食には丼物・麺類・ビュッフェ、B食には麺類・数十種類の一品物の惣菜やおかずなどがメニューとして用意されている。



今日は2,3年の生徒たちがいないこともあってA食はガラガラだった。


もしかしてやっていないのではとも思ったけれどちらほらと食事をしている人が見受けられた。


俺たち二人は適当な場所に席を確保して、メニューを注文しに行く。


ふわ子ちゃんが先にうどんを頼んだのをみて俺はたぬきうどんを頼んでみる。


パートのおばさんへの愛想笑いもかかさない。


品物を受け取り、七味に手首のスナップを利かせる過程を経て席に戻る。


先に食べずに待っていてくれた健気なふわ子ちゃんと共に『いただきます』のハーモニー。


しかし、一向に食べ始めようとしないふわ子ちゃんを不思議に思っていると、


「猫舌なんだ」


と恥ずかしそうにこたえた。



ここまできても俺はまだふわ子ちゃんの名前を聞けずにいた。


うどんを食べながら、どこかで会ったことがなかったかと色々思い返してみたのだがどうにも思い当たる節がない。


思考にふけりながら、ひたすらちゅるちゅるする作業に没頭していた俺。


このままでは埒が明かないと考えた俺は失礼を承知で聞くことにした。


「ひとつ聞いてもいいかな?」


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