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彼方より雫を求めて  作者: 春星
最終章 掴んだ「希望」と手放した「絶望」
49/50

第48話 桜と翡翠

ヒスイ視点

....あれから、どれだけの時が経っただろう

独りでいる、というのは中々に辛い

私が死ぬ前、私はいつだって隣には誰かがいた

幼い頃はお父さんに面倒を見てもらったし、それからしばらくしてシイナとも関わり始めた

シイナとお父さんがいた時は限り無く幸せだった

....だからこそ、この二人を亡くした事は私の心に傷をつけた

お父さんは火災事故で亡くなり、シイナは....

こうして独りでいると次第に時間感覚がどうでもよくなってくる

桜が咲き乱れれば春だと感じ、蝉が鳴けば夏だと感じ、紅葉が地面に落ちれば秋だと感じ、雪が積もり木々が枯れれば冬だと感じる

ヒスイ「.....」

ふと、空を見上げる事が多くなった

寂しいからと言って死ぬつもりは無い

少なくともしっかりと別れは言えたし、感謝の気持ちは伝えれた

彼に対する未練は無い

...けど

もし、彼が生きていたなら

と思う事は少なくなかった

ヒスイ「過去は変えられない

大事なのは今をどう生きるか.....か」

昔火炎姫を説得する際に彼が言ったセリフだ

....時々、彼の言葉には少し考えさせられる事を言われる

例えば、簡単に踏み殺せてしまう蟻や、寿命が短いと言われる蝉

それらが簡単に死んでいく様を見て「彼らは死んだ後どこに還るのだろう」と

私は輪廻転生でまた生を受けていると返したけど、彼は「そういう話じゃない」と否定した

当時は理解できなかったが、今考えてみると彼が言いたかった話が見えてくる気が....する



.....足音

おそらく誰かが来たのだろう

その推測を裏付けるかのように戸を叩く音が聞こえた


通常視点


ヒスイ「...どちら様?」

ヒスイの前には短身で白髪の女の子が立っていた

ヒスイ「....えーと、迷ってしまったんですかね?」

女の子「......」

ヒスイ「えっと、貴方の名前言えますかね?」

女の子「......」

白髪の女の子は沈黙を貫いた

それにはヒスイも困惑したのか、どうしたものかと思案を巡らせていたその時、白髪の女の子が口を開いた

女の子「.....シイナの妻、ヒスイとは貴方のこと?」

ヒスイ「えっ?えぇまぁ、はい」

女の子「そう

知ってるよ

貴方の旦那さん、亡くなったんでしょ?」

ヒスイ「まぁ...そうですけど」

容姿に見合わない口ぶりに困惑するヒスイ

女の子「寂しい

でしょ?」

ヒスイ「.....むしろ、夫を亡くして寂しくないって言う方が無理がありますよ」

女の子「彼をどうにかできる

って言ったらどうする?」

一瞬その言葉に反応するヒスイ

しかし直ぐに子供の言葉遊びだと察したヒスイは平静を保つ

ヒスイ「うーん、もし彼がまた戻ってくるなら嬉しい、かな」

女の子「そう

じゃあね」

そう言って踵を返す女の子

その背中を見てなんだったんだと困惑した次の瞬間に起こった出来事だった

ヒスイ「..っ!!??」

殺気を感じたヒスイは咄嗟に屈んだ

背後から刀が頭を貫こうと飛んで来たのだ

しかし、背後には誰もいなかった

女の子「これでただの子供じゃないって理解出来たよね?」

後ろから先程の女の子の声と足音が聞こえる

ヒスイ「貴方....何者ですか」

女の子「さぁ?何なんだろうね

ただ1つ言えるのは」

そう言いがなら空中に浮かせたのは

女の子「私がこの神器を持っているって事実かな」

他でもないシイナの剣だった


ヒスイ「(..まずい、今の私は武器を持っていない

取りに行こうにも取りに行かせてくれるとは思えないし、そもそも今は剣を持っていない....っ

素手でどうにかするしかないか.....!)」

しかし剣術修行と基礎能力の鍛錬しかしていない素手の女と、神器を持っていてそれを自在に操る事が出来ている女の子ではどちらが勝つか明らかな訳で

ジリジリと押されながらヒスイは疲弊していった

ヒスイ「ふぅ....ふぅ......

(どうする?このままじゃどう考えてもやられる

それに、あの剣はどこからどう見てもシイナの剣

あの女の子は絶対に彼に対して何か知っているはず...!

どうにかしなければ.....!!)」

女の子「まぁ、こんなもんでいいかな」

そう言って刀を納める女の子

ヒスイ「...?」

女の子「悪かったね、ヒスイさん

ちょっと腕試しさせてもらっちゃった

でも思ったより強いねー!

私としてはちょっと嬉しいかな〜」

ヒスイ「え ...えっと.....?」

女の子「うーん、困惑してるみたいだけど、はてさてどうしようか」

ヒスイ「その....まず貴女は誰....?」

女の子「ふむ、難しい質問だねぇ」

ヒスイ「難しいって.....

自分の素性を明かせないって事ですか?」

女の子「いんや、そういう訳じゃない

ただ説明が難しい」

うーん、と思考を巡らせる仕草をする女の子

ヒスイ「とりあえず、なぜ私を襲ったか理由を教えて貰えます?」

女の子「あっ、それはね

単純にヒスイさんがどこまでやれるかなーって思っただけ」

ヒスイ「.........え?」

到底小手調べのような戦闘に見えなかったヒスイは困惑した

女の子「まぁ、とりあえず正体だけ明かしちゃおうか」

女の子は一泊を置いて告げる

女の子「こんにちは

()()()()()()()()()()()

私は桜剣ネフリティス(翠剣ソプラソス)

漸く逢えましたね」

ヒスイ「えっ......?」

この瞬間、世界を決定づける運命が少し変わった

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