第42話 魔力板と「とある世界」
シイナ「.....平和だな」
ヒスイ「そりゃそうでしょ
貴方がこれまでいた世界は戦いだらけだったのかもしれないけどさ
少なくとももう今では戦う必要なんてないしね」
シイナ「そう....か
あの大戦の犠牲となった者たちが報われてよかったよ」
ヒスイ「そうだね」
二人はお互いに少し笑った
シイナ「そういえば魔力ベルトなんて言うのがあったな」
ヒスイ「何それ?」
シイナ「なんでもその魔力ベルトに参加している奴が何らかの魔術を吹き込むとその参加している奴ら全員が使えるようになるシステムとか言ってたな」
ヒスイ「ふーん.....ちなみに誰から聞いたの?どうせ貴方のことだから私に雫を飲ませるまで此処には全く関わってないんでしょ?」
シイナ「中々痛いとこをつくな........
魔力ベルトはラディウスから聞いた
あと魔術界はかなり進歩して妖怪達が今や人間に劣らない程の数になったとか」
ヒスイ「嘘でしょ!?
私が眠っている間そこまで時代が進んでいたの......」
シイナ「.....そうだ
どうせ魔術なんてあり溢れているしあいつらに分けてやるか
どうせ暇だしな
お前も来るか?」
ヒスイ「......まぁ留守番するのも暇だし行こうかな」
シイナ「よし、行くか」
〜ラディウスの医療所〜
ラディウス「...............」
ラディウスは黙々と作業していた
シイナ「邪魔するぞー」
ラディウス「.....びっくりしたな....
人が研究している間に急に入らずにせめてノックしたらどうなんだ?」
シイナ「そんなの無礼講だろ
少なくとも、お前との仲だ
そんなの気にせずともいいだろう?」
ラディウス「あのなぁ......無礼講とか以前に、もし私が危険な研究をして君たちに何か悪影響を及ぼしたらどうするんだ?」
シイナ「そんときはそんときだろ」
ラディウス「そう言って君は大失敗を犯した
.....違うかい?」
シイナ「.......無礼講と言ったがあれは撤回する
いい加減にしろ
その話は俺にとって禁句なの忘れたか?」
ラディウス「はいはい....悪かったよ
それで、何をしに来たんだ?」
シイナ「魔力ベルトの件だ
俺も入れさせてもらう」
ラディウス「それは願ってもない事だが......具体的にどんな魔術だ?」
シイナ「xクラスが10個程、γクラスが6個程、Ζクラスが3個だったか?そしてΩが1個だ」
ラディウス「......ダメだな
お前入れる訳には行かない」
シイナ「なんでだ?もしかして弱いからか?
これでもそこそこ強いと思ってたんだがな......
それほどまでに今の魔術界は......」
それに割って入るようにラディウスが言う
ラディウス「いや違う
お前が強すぎてダメだと言ったんだ」
シイナ「....なんだと?」
ラディウス「そんな強い魔術を何個も貰っては試したい者が多いだろう
だが試して魔力が無くなって死ぬ
仮に無くならなかったとしても力に溺れて世界を再び破滅に導くだろう
無論、私もそうならない自信が無い
それほどまでに力は強大なのだよ」
シイナ「ふむ.....」
ラディウス「その力は誰にも渡さない方がいいだろう
教えられるとしたらヒスイ。君だけだ」
ヒスイ「.....私?」
ラディウス「ああ、君なら力に溺れないと信じれるからな
ただ魔力保有量が問題だが」
ヒスイ「それなら大丈夫だと思う
雫の効果で私も魔力はかなり......いや、尋常ではないレベルで増えてるから」
ラディウス「そうか......だが決して慢心するなよ?せっかくシイナに生かされた命なのだからな」
ヒスイ「言われずともわかってる」
シイナ「んじゃ邪魔したな
ああいや魔力ベルトの作り方を教えてもらってないな
どうやるんだ?」
ラディウス「.....そういえば君たちにはまだ話してなかったな
今の時代魔力版と呼ばれる物が存在する
これだ」
そう言って四角い板を持ってシイナ達に見せた
ヒスイ「へぇー....こんなものがあっ.......」
シイナ「なんだスマホの事か」
ラディウス「.......なんの事だ?」
シイナ「だからスマホだろ?正式名称は忘れたがあの世界にこんなものがあったな
だがえらく機能が少ないな」
ラディウス「......なぜ君がこれに驚かないのが不思議でしかならないんだが」
シイナ「ああ.......俺が行ってきたとある世界に文明がものすごく発達した世界があったんだ
そうだな.....力を今の人間の3分の一ほど弱くしたが代わりに知能が今の妖怪よりも圧倒的に賢いぞ」
ラディウス「.....どれくらい賢いんだ?」
シイナ「四則演算は知ってるか?」
ラディウス「......かなり専門的な用語知ってることに驚いたよ
確か足し引き掛け割りのことだろ?」
シイナ「例えばこんな計算式があったとするだろ?」
シイナはこう紙に書き込む「182+286」
ラディウス「ふむ....」
シイナ「これを一瞬で解く機能が存在する」
ラディウス「....なんだって?
解けない訳では無いがこんなの一瞬でなんて無理だ」
シイナ「あとはこんな無茶苦茶な式も解けるな」
紙に式を書き込む「268301×63710÷1639-7」
ラディウス「.....解ける気が一切しないな」
シイナ「勿論一瞬だ」
ラディウス「.....聞き間違いじゃないよな?」
シイナ「なんならあの世界の住人は時間はかかれど解けはするらしいぞ
勿論メモは必要らしいが」
ラディウス「なんて文明が進んだ世界なんだ.....」
シイナ「ただし、力はとてつもなく弱い
強い人間も少しはいるが、それでもこの世界の人間よりやや強い程度だ
妖怪の敵じゃない」
ラディウス「だろうな.....
.....いや待てよ?そんなに賢い人間が蔓延っているなら争いを起こすのは必然のはず
となれば自身の代わりとなる魔術理論が大きく栄えているのではないか?」
シイナ「残念だがそれは半分間違いだ」
ラディウス「....半分?」
シイナ「ああ、そもそも向こうには魔術なんて概念がない」
ラディウス「.....嘘だろ?もはや完全にこちらの常識を否定.....いや、逸脱しているんだが
だとすれば彼らはどうやって争いを....」
シイナ「兵器だ
弓は知ってるよな?」
ラディウス「ああ、少し前から人間が使っている飛び道具のことだよな?
まあ大半はあんなの使うよりも接近して殴った方が争いをするにしても狩りをするにしても早いが」
シイナ「その超進化版、と言えばわかるか?」
ラディウス「....興味深いな
具体的にどう強いんだ?」
シイナ「弓矢の飛ぶ速度が1秒間に大体500m進む」
ラディウス「ふむ」
シイナ「だが奴らが使う銃という兵器は1番弱くて600mだ」
ラディウス「.....それのどこがすごいんだ?」
シイナ「わからないか?これを1時間に治すと弓矢が1800kmだ
だが弱い銃でも2160kmとダントツだ
更にこれはあくまで「1番弱い部類」でだ
本来なら1秒間に800〜1000m程出る
これを元に計算すると1時間辺り2880km〜3600kmだ」
ラディウス「.....倍じゃないか
だが1秒間に1000mだろ?なら距離が20mだとして自分に辿り着くのは0.02秒......避けれないことは無い
それにたかが弓矢だ
それに発射する物体も必然的に小さく、軽くなるはずだ
なら速度が増加しただけで威力が強化されることは無い」
シイナ「....試してみるか?」
三人は中庭に出た
シイナ「.....安全の為にあくまで外す。その代わりお前の横に訓練用の案山子を置く。それでいいな?」
ラディウス「ああ、やってみてくれ
でもどうせ大した威力は」
パン!と大きな音が鳴った直後に案山子は弾丸が貫通し、案山子には綺麗な穴が空いた
ラディウス「......驚いたな
まさか案山子を貫通するとは思わなかった
だが何故だ?この弾丸は触ったところで痛くもないし、出血すらしない
それどころか小さくなっているんだが」
シイナ「F=ma......」
ラディウス「.....?」
シイナ「運動方程式だよ
「Fは力を表し、mは質量、aは加速度を意味する」
「つまり、力と加速度は比例関係にあり、同時に当たり前だが質量も比例関係にある」
向こうじゃ一般的な方程式だ
つまり要約すると力と加速度は比例し、物体に加速度を加えるとさらに力が強くなる
って訳だ」
ラディウス「....全く知らなかったよ
ということは速さとは力...ということであってるかな?」
シイナ「大体それであってる」
ラディウス「つまり力は弱くなっているがそこに2倍の速さを加えることで弓矢以上に力を生み出せるのか」
シイナ「その通り。
更には銃の中にも種類が多々あってな.....大まかにハンドガン、ライフル、ランチャーと言った感じか
あ、そうそう言い忘れていたが今撃ったやつは20連射ほど出来るぞ」
ラディウス「......この威力を20連射だって?
そんなのまばらに撃たれたら回避のしようがない
更に言えば近づけば威力は増し、逃げれば弾道が見えずにまともに避けれない.....
その20発を撃たれている間だけではあるが、行動を大きく制限されてしまうのは不利すぎる」
シイナ「しかも奴らはまともに運動能力が無いため避けることすら叶わない
....残虐な兵器だよ」
ラディウス「なるほど、確かに君がわざわざ実践に移す程だ
おっと話が大幅に逸れたな
すまないなヒスイ
私が興奮してしまったが余り退屈していたことだろう」
ヒスイ「いや、話は理解出来ずとも彼が持っていた武器の凄さがわかって尚更彼がすごいことを再認知したよ」
シイナ「これを作ったのは俺では無いが......まぁ気持ちは受け取るとしよう」
ラディウス「それで話を戻すが、この魔力板を起動すると魔力ベルトが発生する
その魔力板を持てば繋がれる」
シイナ「わかった、やってみる」
〜それから少し時間が経ち〜
シイナ「.....これで出来たか?」
ラディウス「ああ恐らくな
ヒスイが高位の魔術を使えたらできるだろう」
ヒスイ「じゃあレベルx完全な浄化」
そうすると周囲の草木が僅かな輝きを放った
シイナ「よし出来たな
研究の邪魔して悪かったよ」
ラディウス「いや結果的にだが構わない
中々興味深いものも見れたしな」
シイナ「じゃあな」
そう言って、シイナとヒスイは立ち去った
シイナ「.......」
どうも春星でございます〜
更新に2ヶ月もかけまして申し訳ございませんm(_ _)m
ページが大幅に変わっててびっくりしましたw
さて、今回の内容ですが現代の話ですねー
スマホであったりライフル銃であったりと......
私たちの強いやつって事はスポーツ選手でしょうかね?
某レスリング選手が思い浮かびますがその思考は消しましょう()
それですら向こうに人間に漸く勝てるレベルですので相当な強さでしょうねw
さて、次回の更新がいつになるか分かりませんが次話をお楽しみに〜




