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彼方より雫を求めて  作者: 春星
最終章 掴んだ「希望」と手放した「絶望」
42/50

第41話 皆との別れ そして数百年の「ただいま」

シイナ「さて.....と

行くか」

黒ヒスイ「うん!」

ヒスイ「はい!」

そうして三人は歩を進める

黒ヒスイ「そういえばもうこっちの世界にはかえってこないの?」

シイナ「いや、月に何回かはこっちに来るとヒスイと約束した以上はこっちに来るよ」

ヒスイ「....ここだけの話、どうせ向こうの私とイチャついてる内に忘れると思いますよ」

黒ヒスイ「えぇ......」

シイナ「どうしてやってもいない事で引かれてるんだ俺は.....

別に忘れたりしねえよ

.....多分」

ヒスイ「......今の話が聞こえていたことはあえてスルーするとして、保険をかけないでくださいよ

...まぁ、どうせ師匠の事なので忘れるでしょうけど」

シイナ「だから忘れねえって...」

ヒスイ「あれ?そういえばこの前美味しいお食事屋さんを奢ってくれると言っていたような.....」

シイナ「.....全く身の覚えがないんだが」

ヒスイ「早速忘れてるじゃないですか」

黒ヒスイ「なんかその内完全にこの世界のこと忘れそうだね君....」

シイナ「......ほんとにそんな約束したか?」

ヒスイ「まぁ嘘ですけど」

シイナ「嘘なのかよ

....そもそも味覚がない俺がそんな事を言う筈がないから最初からわかってたけどな」

黒ヒスイ「うわー....流石に言い訳が見苦しいよ」

ヒスイ「味覚ないって.....嘘をつくにしても見栄を張るにしてももう少しましな嘘をつきましょうよ」

シイナ「.....最初から知ってたのは嘘だが、味覚がないのは本当だぞ?」

ヒスイ「まさか、だって私が師事してた時も......

っ...!

確かに、師匠と共に食卓を囲んだことはありませんでしたね」

黒ヒスイ「え?本当なのかい?」

シイナ「だから言ってるだろ.....

っていうか、今まで奢ることはあっても全く俺が食事する様子を見たら気づくだろ」

ヒスイ「いや、それは自分の時を止めているから食事の必要が無いのかと....」

シイナ「それもあるが、単純に味がわからん

数百年も生きてると舌が機能しなくなるんだよ」

黒ヒスイ「っていうか、今気になったけど今までどうやって君は私たちに色々路銀を提供できたんだい?

私たちの持ってる分もあったけど、明らかに君の負担が大きかったよね?」

シイナ「......」

ヒスイ「なんで顔を逸らすんですか.....」

シイナ「まぁ...最後だしいいか

実を言うとお前たちがしていた人助けにほかに、空いた時間で個人で戦闘して依頼をこなしてたりするんだが、それよりも大きい収入源があった」

黒ヒスイ「それは....?」

シイナ「....簡単に言うと人殺しだ」

ヒスイ「えっ.....」

シイナ「ある人物から情報を得て特定の人物を殺し、依頼者から多額の金額を受け取る

正直、これがなかったらお前たちはまともに旅をできないレベルだ

ただ....名誉を守る訳では無いが、俺から見て悪人だと判断した奴しか殺してない

罪もない人を殺してはあの世にいるあいつがうるさいしな

でも人殺しには違いない

....軽蔑したいならすればいい、侮辱したいならしたらいい

少なくとも、俺にはその覚悟を持ってこの仕事をしていた

....今まで数百年間な」

黒ヒスイ「この数百年間って事は...

今までの世界でも....」

シイナ「.....ああ、それしか俺にはまともな働き口が無いんでな」

ヒスイ「じゃあ私の世界にいた人だって...」

シイナ「...ああ、殺したな

だが少なくともお前は身に染みて感じてるんじゃないか?

最初お前をあんな目に遭わせたのはどんな奴だ?

俺と出会った時だって、お前はあんなにボロボロだったんだからな」

ヒスイ「でも...それでも、死んでいい人なんかいませんよ....

っ...!」

ヒスイはその場から逃げ出した

黒ヒスイ「あ..ちょ...」

シイナ「.....お前はどうする?あいつの事を追いかけてもいいが、その間に俺は自分の世界に帰るだろうな」

黒ヒスイ「いや.....あの子のことだ、どうせすぐ戻って来るよ

それに、送り迎えが誰もいないのは寂しいでしょ?」

シイナ「....確かにな」

黒ヒスイ「あと、一応私も人殺しであるからね」

シイナ「ああ....そうだったな」

〜ヒスイ視点〜

ヒスイ「はぁ....はぁ....」

あれからどれだけ走っただろうか

自分の愛している人が人殺しだということに驚いて逃げてしまったけど.....送り迎えだけはしたい

でも、一度逃げ出した場に行って素直に入れて貰えるとも思えない

私はどうしたら.....

ヒナタ「あれ?ヒスイじゃん

どうしたのこんなところで」

〜通常視点〜

ヒスイ「え...?ヒナタさんこそ、何故ここに?」

ヒナタ「何故って、今日出発すると聞いて小屋に来たのに誰もいないからシイナ達を探してるんだよ

ヒスイは知らない?」

ヒスイ「え....わ、私は....」

カズキ「おい!ここにいたぞ!」

ヒナタ「あ、カズキの声だ

ほら、そんなところでしゃがんでないで行くよ!」

ヒスイ「えっあっちょっと....そんな急に言われても.....」

ヒスイはヒナタの手に引かれてシイナ達の所に走り出し、全員が集合した

カナデ「あれ?弟子の方のヒスイがいないと思ったらヒナタのところにいるじゃない」

カズキ「もしかして途中で出会ったのか?にしても妙だな

同じ小屋にいるのだから出発も同時期になると思ったのだが」

ヒナタ「あ、確かに言われてみれば

え?じゃあなんであんな木の下にしゃがみこんでたの?」

ヒスイ「えっとそれは....その.....」

シイナ「.....俺が人殺しだっつったら逃げ出しちまったんだよ」

ヒナタ「え...?どういうこと?」

シイナ「かいつまんで説明するとだな.....」

〜説明中〜

カナデ「なるほどね、それでやけに金を持ってるのね」

カズキ「逃げ出したって言う理由もわかるな」

ヒナタ「え?でも悪い人なら別に何も悪くは無いんじゃ.....」

シイナ「あのな、たとえ相手が悪くとも人を殺したらそれは立派な極悪人なんだよ

何故だか教えてやろうか?人を殺すということは倫理に外れていることは勿論、俺みたいな悪人を殺す仕事をしているやつが俺を狙って、殺したらその殺したやつも悪人になるから無限に殺人が起こるんだよ

....現に、俺を殺そうとする輩はいたしな

まあ全員返り討ちにしたが」

カズキ「.....殺したのか?」

シイナ「まさか、流石に殺しちゃあいない

ただ、明らかに雇われている殺人鬼みたいなやつは殺したけどな」

ヒナタ「でもそんなもんなのかなぁ....

同族狩りとかってとても愚かしいことであるのはわかったけど」

シイナ「そんなもんだ

まぁお前らに汚れ仕事をやらせないのが1番に平和だからな

んで、大方ヒナタに無理やり連れてこられたんだろうが、お前はどうするヒスイ?」

ヒスイ「.....

師匠が人殺しだと言うことにかなりショックを受けましたし、人を殺すことは許されざることだとは思いますが、それでも、最初の送り迎えはしっかりしたいです」

シイナ「そうか.....

それじゃあ気を取り直して進むか」

それから6人は他愛もない雑談で盛り上がり、やがてシイナがこの世界に降り立った地に辿り着いた

ヒナタ「....これがその異世界に繋がっているとされる遺跡.....」

シイナ「と言ってもお前たち三人は使えないと思うけどな

そこの二人のヒスイならまだ使えるかもしれんが、下手に使って異世界に入らん干渉を起こしたり、この世界に戻れなくなったり.....最悪の場合、次元の狭間に閉じ込められて絶対に戻って来れなくかもしれないから今のうちに釘を刺しておくが、絶対にこの装置を俺の許可無く使うなよ?」

ヒスイ「はい、わかりました」

黒ヒスイ「うん、わかったよ」

シイナ「それと、使えないとは思うが念の為言っておく

お前ら3人も使うなよ

....まぁ、これに関しては確認はいらんがな

それじゃあ......じゃあな」

ヒナタ「うん!またいつか会おう!」

カズキ「ああ、まぁお前なら心配はないとは思うが、また会おうぜ」

カナデ「思えばアンタも長い付き合いよね....まあ、なんだかんだ良い奴だったわ

ありがとう」

黒ヒスイ「じゃあね、またいつか会える日までに君との話を考えておくよ」

ヒスイ「....師匠!

今まで私を一人前の剣士に育ててくれてありがとうございました!

そして、またいつか!共に戦える日を楽しみに待っておきますね!」

シイナ「お前はまだ一人前じゃねえよ

言うなれば半人前だ

だが、決して鍛錬は怠るなよ?

そしたら....いつか本気の俺を抜かせるかもな」

ヒスイ「っ...!

はい!!」

そうしてシイナは光り輝き、辺りには光の粒子が残った

カズキ「....行っちゃったんだな」

黒ヒスイ「うん....まあ、会えないって言っても数週間だけどね」

ヒスイ「それを言ったら今の雰囲気が台無しじゃないですか」

カナデ「確かに ふふっ」

ヒナタ「それじゃあ....みんなまたね!」

カズキ「ああ!」

ヒスイ「はい!」

黒ヒスイ「うん!」

カナデ「まあ、私はする事ないしまだヒナタについて行こうかしらね」

黒ヒスイ「え、じゃあ私もどうせ暇だし行きたいんだけど」

ヒスイ「だったら私も.....」

カズキ「おいおい俺以外かよ!?」

そうして笑いに包まれる

ヒスイ「あ、そうだ

せっかく長い間使わせてもらったんだから小屋を掃除してきまします」

黒ヒスイ「あ、じゃあ私も行こうかな

二人は近くの街で準備しててよ」

ヒナタ「うん、わかった」

〜一方その頃シイナは〜

シイナ「.......流石に来ないとは思うが、この遺跡も封鎖しとくか

つっても、壊したりして変に世界に干渉しても嫌だしな...どうするか

いや....そうだあれがあった

桜花妖術 五芒星の光

これでこの場に入って来れないし、向こうからこっちにも来れないはずだ

確かこの技を作ったのは親父さんなんだっけな

とは言っても当時俺はまだ人間で妖術が使えなかったんだが

唯一ヒスイが使えたが、親父さんが生きてるうちに習得することは叶わなかったな

さて....向かうか

(そういえば、火焔姫には大きい借りができたな

借りを返すのが億劫だが......)

まあ....いつか返してやるか

....この脇道か?」

それから少しの間歩いくとやがて森に入っていった

そうしてその脇道に入ると、そこにはまばゆい光が差し込み、その空間の中心には可憐な少女が横たわっていた

シイナ「っ....なんだこの光は

まるであいつを守ってるかのような....いや、そういえばいたな

そんな結界魔術を使うやつが、この世界に

だが解除するための呪文が思い出せん.....

......なんだっけな

いや....ああ思い出した

確か

「此処を守護する者よ、其方の役目を終えることを我が名に於いて伝えん」」

すると、まばゆい光はいつしか煌々とした神秘的な光へと変貌し、シイナも中に入った

シイナ「あの時......俺の親友でもあった奴が使っていた光の結界魔法

その光は邪なる者を弾き、光ある者を鼓舞する

あの時確かに死んだ筈だが.....もしや後継者がいたのか?」

???「ああそうだ

....実に久方ぶりだな

シイナ」

シイナ「.....

お前そんな堅苦しい口癖だったか?

ラディウス」

ラディウス「いやはや....他人と接するのがなにぶん久しぶりでね

つい緊張してしまった」

シイナ「全く...医学の研究のし過ぎじゃないか?」

そう、ラディウスは他でもない、シイナが唯一知る医者という存在だった

シイナ「というより、助手がいたはずだろ?

話し相手ならそいつが....」

ラディウス「それが、研究に夢中になってる間に彼女の話を何度も無視していたようで、それが彼女の反感を買ってしまったんだよ」

シイナ「それで話し相手がいなくなったと......」

ラディウス「そうだ」

シイナ「お前はアホなのか?

無視したら機嫌を損ねるに決まってるだろ」

ラディウス「いやはや.....研究に没頭しすぎるのも考え物だな

ところで、完全に妖怪化したようだな」

シイナ「ああそうだが...それがなにか?」

ラディウス「サンプルを....」

シイナ「断る」

ラディウス「......酷くないのかい?

そのサンプルのおかげで何人かの妖怪が救われるのかもしれないのだぞ?

....勿論、君自身もね」

シイナ「盛大なありがた迷惑だな

それに、他人を助けるが余り、助手に見限られでもしたら本末転倒じゃないか?

....一応、助手とは恋人関係なんだろ?」

ラディウス「ああ、告白も、プロポーズも、式も挙げたさ」

シイナ「.....いつの間にそこまで進んでたんだよ」

ラディウス「これでも数十年経過しているのだぞ?逆にそこまで行かない方が不思議だろ」

シイナ「....まあいい

大分話が脱線してる気がするから戻すが、何故俺が今結界を解いたかわかった?」

ラディウス「....君はこの世界から大きく離れているから無理もないが、今の魔術は大きく変化しているのだぞ?

それこそ、君が結界を解いたというのがわかったからな

名前も結界魔術なんて古臭い名前から結界魔術(プロテクション)なんて名づいたからな」

シイナ「....この世界の住人は名前は横文字を使うくせに技や魔術の名前だけは横文字を避ける謎の風潮があったのに、いつの間にそんなことになってるんだ?」

ラディウス「だから言っただろう

今の魔術は変化していると」

シイナ「....まあいい、それで?この見覚えしかないこの結界魔術をなぜお前が使える?」

ラディウス「知らなかったのか?今の魔術は魔力ベルトという便利なものがあってだな、その魔力ベルトに誰かが魔術を吹きこむとその魔力ベルトに参加している奴が使えるのだ

かく言う君の親友と私、あとお互いの知り合いが20名ほど参加しているな」

シイナ「ちょっとまて......

この世界にそんなに人はいなかったはずだが

人間はともかく、妖怪は全くいないぞ

俺も知り合いは6人ぐらいしかいないからな」

ラディウス「君がこの世界を離れている間に妖怪は普通に数を増しているぞ

今や人間にも引けを取らない人数だ」

シイナ「てっきりあの大戦以降ほとんど絶滅したと思ったが.....そこまで復興が進んでいるのか」

ラディウス「....実はこの森の空もちょっとした魔術であの時を再現しているだけで、本当は青々とした美しい空と緑の大地だ

あまりに変わると君の捜索に差し支えるだろうと思ってあの時を再現したままなのだが....どうする?」

シイナ「もし変えれるなら今すぐにでも変えて欲しい」

ラディウス「任せろ」

そうラディウスが言った直後、この森の空の色が大きく変わり、外の大地も緑に染まり、この森に住む小鳥の鳴き声が聞こえるようになった

シイナ「....今の魔術会は凄いな」

ラディウス「そうだろう?

さて、ここに来たって事は手に入れたのだろう?

禁忌の霊薬とされる「命脈の雫」」

シイナ「ああ....そうでもなきゃ、こんな場所に来るか」

ラディウス「それじゃあ、邪魔者は消えるとするか

またな」

そう言い、ラディウスは一瞬にして消えた

シイナ「.....瞬間移動までできるのかよ

まあいい

とにかくこの雫を使わなければ

...どうやって使うんだこれ?

まぁ飲ませればいいか....」

そうして慎重にヒスイに飲ませるシイナ

ヒスイ「ん.....」

シイナ「ヒスイ!」

ヒスイ「うわっ...

急に抱きつかないでよ」

シイナ「すまん.....つい嬉しくてだな」

ヒスイ「全く.....

それじゃあ

「ただいま」」

シイナ「ああ、「おかえり」」

ヒスイ「そして帰ろっか

私達の家に」

シイナ「....ああ!」

どうも作者の春星でございます〜

いやー......6500字も行っちゃいましたね()

それと所々編集を加えていたりするので一気にまとめたリメイク作品でも出そうかなと......w

でも多分それはかなり先の話になるんでしょうねw

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