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彼方より雫を求めて  作者: 春星
第三章 桜剣と神器と雫
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第33話 桜の剣士と炎の神剣、命脈の侍と悲哀の剣士

シイナ視点


命脈の雫は言うなれば生命力の塊のようなものだ

でなければ、死者を生き返らせることに説明ができない

つまり、この「異様に生命力に満ちている洞窟」はおそらく当たりだろう

だがなんだ?こいつは今、「この先へ進めてはならないと勘が言っている」って言ったのか?


ーー馬鹿馬鹿しい

一体どこに行ってはならない要素があるのか尋ねたいところだ

シイナ「....なんだと?」

思わず眉を顰める

ヒスイ「「この先へ進めてはならない」というのは完全に私の勘であり、それを決定づける証拠があった訳でもありません

ただ.....先程からの師匠の態度や師匠が話していた命脈の雫に関してどうも胡散臭さを感じまして......」

シイナ「さっきからのこの状態は病み上がりで少し鈍ってるだけだ

時間が経てば回復する」

ヒスイ「だといいんですけどね」


通常視点


ヒスイは含みのある言い方をする

シイナ「もう師弟喧嘩は沢山だ

さっさと行くぞ」

ヒナタ「あ、うん」

洞窟の中は光り輝いていて、発光の魔法を使う程ではなかった

そして程なくしてヒナタ達は最深部に到達した

シイナ「あれは.......」

そうすると、何やら人型の何かが見えた

近づくにつれて段々とその人物の顔が見えてゆき、顔が見えた時

シイナ「いや....まさか....嘘だろ.....

どうしてお前がここにいるんだよ.......

ヒスイ......!」

ヒナタ「えっ!?」

そう、そこに居たのは誰でもない。

シイナの世界のヒスイであった

そして、こちらを見るや否や超速でこちらに迫ってきた

それを弟子のヒスイが受け止め、カウンターを仕掛けたが、敵のヒスイは大きく後方に飛び、剣が当たること無く、再びヒスイは構えた

ヒスイ「どうやら交渉の余地はないようですね.....!」

シイナ「どうしてここにいるんだよ.......

そしてなぜこっちを攻撃してくるんだ....」

ヒナタ「わかんないけど、とりあえず応戦しなきゃ!」

そうしてカズキとカナデも応戦体制に入る

黒ヒスイ「....ねぇ、あれってほんとに君の世界のヒスイなのかな?」

シイナ「....確かに言われてみれば、あいつはそこまで強くはなかったし、あんな超スピードは出来なかった気がするな......

もしや幻影なのか?」

黒ヒスイ「私は少なくともそうだと考えているよ

ただ、この世界の私っていう可能性は否定できないけどね」

シイナ「いや、あの雰囲気と格好は間違いなく俺の世界のヒスイだ

それに俺がこれまでに見てきた「ヒスイ」は2人しかいない

いや.....お前も含めたら3人か」

黒ヒスイ「それで?君は戦えるの?幻影とはいえ君の恋人なんでしょ?」

シイナ「.......申し訳ないが、幻影とはいえ「ヒスイ」という存在を抹消するのは俺にはできない.....」

黒ヒスイ「わかった

それじゃ、君は見ていてよ

私たちで終わらせてくるから」

そう言い、黒ヒスイは戦火の渦に身を飛び込む

敵が敵だからか、包囲網を作る戦い方より各々が援護し合う戦い方をとっている

カナデが魔法で敵の動きを制限して、他の四人が攻撃する......

しかし、全ての攻撃を躱されてしまい、五人は消耗状態に陥っていた

対して敵のヒスイは未だ動きが鈍くなっている様子は無かった

そしてお互いに距離ができた

ヒナタ「はぁ....はぁ.....みんな大丈夫......?」

カズキ「なんとかな.....しっかし、これじゃ俺たちが押される一方だぞ」

ヒスイは血を拭いながら言う

ヒスイ「この調子だと流石に勝つのは厳しいですね....!」

黒ヒスイ「私の黒炎とカナデの魔術で動きをかなり制限されているはずなのに一発も攻撃が当たらないんじゃぁ、骨が折れるどころか、全身の骨が無くなってるよ.....!」

シイナ「こうなったら....アレを出すしかないか...」

カナデ「アレってなによ.....!状況が打開できるなら今すぐにでも出して欲しいんだけど.....!?」

シイナ「神器 「レーヴァテイン」」

そうすると一筋の炎が出たと思えばそこから炎を常に纏った剣が現れた

カズキ「なんだ...これ」

シイナ「神器レーヴァテイン......

俺の知り合いから貸してもらっている物だ

ただ、こいつを扱うにはかなりの実力が必要でな......

俺ですら、使うのを躊躇う程には暴れ馬なんだよ

もし、実力が足りない場合だが、使用者は炎に飲み込まれ、灰すら残さず燃え尽きる

仮に扱えるとしたらヒスイだが.......俺的には絶対に使って欲しくないが.....

このまま負けては元も子もない

どうする?ヒスイ」

ヒスイ「そんなの....一択に決まってるじゃないですか」

そう言いながらヒスイは自分の剣を放り投げ、シイナから投げ渡された炎の剣を受け取る

そうすると、剣の炎は勢いを増した

ヒスイ「....すごい

持っているだけでいつもよりも力を発揮できる」

シイナ「神器、と名が付くだけあるからな

.....俺的には禁忌の間違いなんじゃないかと思うほどにはデメリットが大きいんだが

だが、一時的にヒスイは剣の所持者として認められた

もうこれで後戻りはできない」

ヒスイ「上等ですよ

命をかけてこそ......力が得られるってもんですからね!」

瞬間、音を超える速さで敵に接近し、一瞬反応が遅れた敵のヒスイは回避した

剣を振ると同時に炎が発生し、剣の刃自体は外れたものの、纏わりつく炎が敵に命中し、敵が炎を払っている間に接近して剣を振り下ろした

が、剣は弾き飛ばされてしまい、カウンターをされると思いきや剣がブーメランのように所有者の元に戻り、峰の部分ではあるが、敵ヒスイに直撃し、剣を手にしたヒスイは敵ヒスイがよろめいている間にトドメを刺した

その後敵のヒスイは霧散し、剣も同時に炎となって天に消えていった

しかし、その後ヒスイもよろめき、後方に倒れこもうとした

ヒナタ「ヒスイ!」

ヒナタが駆けつけようとするよりも先にシイナが駆けつけ、ヒスイを支えた

そうして4人が駆けつけると

シイナ「大丈夫だ

剣を手にした時の身体能力強化が切れて体が反動を起こして意識を失っているだけだ」

4人は安堵すると同時に、シイナはヒスイを寝かしつけ、

シイナ「まさかその程度の隠密で奇襲しようとしてるのか?」

シイナがそう言うと同時に姿を表した者がいた

その姿は侍のようであり、古錆びた鎧を身に纏っていた

シイナが小声で「ヒスイを頼む」と言うと、侍に立ち向かう

侍「まさか。

そんな事を考える奴は弱者に過ぎん

弱者にはこの雫は似合わないからな」

侍、と言うともっとかしこまった口調をするかと思いきや、まったくそんな風を見せないので、シイナが質問する

シイナ「侍の割には偉く口調が軽いな」

侍「ふむ....

我は前に我を打ち破った格好をしているためか、自分の姿が一定に定まらず、見る人によって姿を異なるらしいが......

そなたらは侍のように見えるのか

まぁそのようなことはどうでもいいのだ

自己紹介が遅れたな

我は命脈王

命脈の雫を守護する者だ」

シイナ「守護ねぇ.....

そんじゃあお前は命脈の雫を取って欲しくないのか?」

命脈王「一概にそうとも言えるし、そうとも言えない

勿論、できる限りなら我の力を活かして欲しいとも言える

だが、力に溺れるような弱者は決して生み出してはならん

故に、我が実力を試さねばならんのだ」

シイナ「じゃあ、さっきの幻影はなんだったんだ」

命脈王「あれはそなたの心を試す物だ

だが....そなたは仲間に投げたようだが

それがどういう意味を指すのかがわかるのだろうな?」

シイナ「ああ.....わかっている

もとより無償で力を得ようとも思わんしそこまで俺の心は強くない」

命脈王「....まぁいいだろう

「その気」なのであれば我は止めん」

シイナ「さて.....お喋りはここまでにするか」

命脈王「ああ....そうだな」

お互いの剣を抜き、お互いに超スピードで接近する

命脈王「どうした?もう片方の剣は使わないのか?」

いとも容易く命脈王はシイナをなぎ払い、お互いに距離が空く

シイナ「.....さすがに使わねば勝機はない...か」

シイナはもう片方の剣を抜いた

その刀身は黒い

されど刀身の所々に桜の花の模様が散りばめられていて、黒と桜の花が織り成す刀身はつい見とれてしまう程だった

命脈王「ほう.....使わないのはそれ相応の理由がある、ということか」

シイナは超高速で命脈王に接近し、鮮やかな剣さばきを見せた剣の切っ先が蝶のように舞い、命脈王は防戦一方だった

だが、一瞬の隙をつかれてシイナは相手の剣が自分に到達する前に時間停止をした

そして、大きく後方に飛び、時間停止を解除した

命脈王「ふむ......

確かに隙をついたのに瞬時に消えた..か

何とも奇妙な技だな」

シイナ「まだ終わりじゃねえぞ....!

桜花剣術 「一閃」」

すると、シイナの身の丈を大幅に超える程の斬撃が相手に飛ぶ

シイナ「桜花剣術 「影舞」」

そして相手の後ろに周りこみ、

シイナ「桜花剣術 「刹那」」

瞬息の速度すら超える速度で居合切りをする

しかし命脈王は無傷で、その剣を防いでいた

その後カウンターによって剣ごと壁に打ち付けられ、追撃を食らう前に時間停止で避けた

命脈王「ふむ....またか

一体どんな手品をしているか気になるところではあるな

もっとも.....壁に激突した時のダメージでかなり辛そうに見えるが」

シイナは吐血しながら応答する

シイナ「例え瀕死でも、それを手に入れるのが俺の目的なんでな....!」

命脈王「お前の強さは多少認めるが、まだお前を完全に認める訳にはいかないな

異世界人は今すぐにでも帰って残り少ない余生を過ごしたらどうだ?」

ヒナタ「えっ.....」

シイナ「その少ない余生で人一人をもう1度幸せに出来たらどんなに素晴らしいことか教えてやるよ!」


桜花剣術奥義 「桜花一閃」


するとシイナは身を翻し、宙に飛翔しながら剣の切っ先で丸を描きながら敵に突撃した

命脈王は後ろに大きく後退った

命脈王「なるほどな...今のは少しだけ効いたな

まぁ...少しだけだが」

シイナ「っ...!

こいつを食らって軽傷で済むとかバケモンかよ....!」

命脈王「それじゃあ次はこちらの番だ」

命脈剣技・「命は囚われの格子に」

すると斬撃の檻がシイナを取り囲む

勿論時間停止で食らう前に逃げた

....が、その檻から出ることは出来なかった

シイナ「なに...!?」

命脈王「そなたがどんな方法で今の今まで逃げていたかは分からぬが......この檻からは逃げられないようだな」

補足コーナー

瞬息は0.0000000000000001秒(10^-16)

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