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彼方より雫を求めて  作者: 春星
第三章 桜剣と神器と雫
32/50

第31話 2度目の和解

シイナ「.......」

ヒスイ「.......」

重い空気がその場を支配する

6人は最前列にヒナタとカズキ、その後ろにカナデと黒ヒスイ、最後列にシイナとヒスイがいるような形で歩いていたが、最後列だけ異様に空気が重い

お互いに顔を背けているので一見すると喧嘩したように見えるが、その場の空気ですぐにそうでは無いとわかるほどであった

ヒナタ「ねぇ、やっぱり声をかけた方がいいんじゃないかな?」

カズキ以外には聞こえないような声量でヒナタは言う

カズキ「いや、あれは俺たちが割って入って解決できるような問題じゃない

あの二人の心情を察せるやつがこの中に居ないからな」

同じくカズキもヒナタ以外には聞こえないような声量で言う

ヒスイ「....あの、私達は気にせず、いつも通りにしていただいても構いませんよ?」

「いや、二人がそんな感じだからいつも通りにできないんでしょうが!」と、四人は心の中で総ツッコミをする

それと同時に、どうそればこの2人が元に戻るのか、と思案を巡らせる

しかし、これといった策が思いつかず、結局二人が自然に解決するのを待つのが最善策であった

それから進展が無いまま数日が経過し、とある宿の中で......

シイナ視点


気まずい

その一言につくす

ほとんど俺に原因があるのは分かってはいるが、なかなか話しかけづらい

彼女も同じことを考えているのだろうか?

だがこんなことをしては時間の無駄だ

もしかしたら、初めから俺一人で探していればよかったのかもしれない

実を言うと、俺自身にかけている時間停止は俺がかけたものでは無い

この能力にコピー元のヤツに頼んだのだ

そういえば、この時間停止を無理やり解除したらどうなるのだろうか?

時間が止まっていた時の時間が一気に襲いかかり、瞬時に老衰で死ぬ?

それとも、時空が歪んで時空のひずみにでも永遠に閉じ込められるのか?

はたまた、実はなんともなく、通常どうりに生活を......

いや、よそう

希望的観測をしたって意味は無い

むしろ、想定しうる絶望に備えた方が確実だ

.....いつからだろうな、希望的観測が全くもって無意味で愚かな選択肢だと思い始めたのは

いや、そもそも死者を生き返らせる命脈の雫の存在を信じている時点で大いに希望的観測をしていると言えるか

.....今まで幸せを微量ながら感じていた自分が間違っていたのかもな

あいつは確かに幸せな表情で死んで行ったし、それまでの人生だってきっと幸せに満ちた人生だったはずだ

勿論、それは昔の俺も例外では無かった

しかし、もうあいつはこれ以上の幸せを掴めない

なら、今俺が幸せを掴むのはおかしな話ではないか?

もう一度、幸せを掴むのはあいつを蘇生してからでいい

だとしたら俺が今すべきなのは.....

あいつらの元を離れて二度と幸せを感じないように距離を置くことではないか?

今、この幸せを感じれない状態に巻き込んでいるのは少なくとも彼女を初めとしたあの4人もだ

この俺の勝手に巻き込むのはいささか自己心中的ではないか?

....いや、それは今更か

結局、俺は他者から見たらあいつらから離れる事に理由をつけているだけかもしれん

.....何より、あいつとほとんど似たような存在を目の前にして幸せを感じるようであれば、俺はあいつの恋人失格だからな


ヒナタ視点


結局シイナの部屋の前まで来てしまった....

でもなんて言えばいいんだろう?

いや、なんて言えばいいか分からなかったから今に至るんだけどさ

もうどうにでもなれ!

全て成り行きに身を任せるしかない!

失礼しまーす

ヒナタ「.....って、え?」

部屋の真ん中には横たわっているシイナの姿があった

どどどどどどどどうする?

とりあえず脈を.....って脈なんてわかんないよ!

ってかシイナに脈なんてないじゃん!

と、とりあえず誰か呼ぼう!

.....いやなんでヒスイの部屋に来ちゃったんだよ僕!?

多分もっと適任いたよね!?

でもドア開けちゃったからもうそのまま事情を話すかぁ

ヒスイ「.......あれ、どうしました?」

部屋の端っこに座り込んできょとんとしている

いやもうツッコミどころ満載だけどとりあえず事情を.....

ヒナタ「え、えーとなんかシイナの部屋に行ったらシイナが死んでた」

いや死んでないよ!?

何言ってんの僕!?

ヒスイ「え!?」

そう言ってヒスイが立ち上がる

うん当たり前だよね!?だって大切な師匠だもんね!?

と言うかさっきからなに冷静にナレーターしてるんだ僕!?

ヒナタ「とりあえず他の人呼んでくるからヒスイは先に行ってて!」

いや逆だよね?どう考えても気まずい二人を一緒にしちゃダメだよね?ってかなんならヒスイにも行かせるべきだよね?

と、とりあえずカズキかカナデを......(以下略)


通常視点


カズキ「.......とりあえず落ち着いたか?」

ヒナタ「うん、なんとかね」

カナデ「シイナが死んだって言われて来てみれば倒れてるだけで死んでると確定してる訳じゃないのね

焦って来て少し損したわ」

黒ヒスイ「....で、なーんで君はそんな端っこに居るのかなぁ」

ヒスイ「ゴニョゴニョゴニョ」

カズキ「....何言ってるんだアイツ?」

ヒナタ「....さぁ?なんか呟いてるっぽいけど」

黒ヒスイ「なんか、「師匠が死んだのは私のせいだ」って何回もひっくい声で言ってるね」

ヒナタ「あぁ、だからあんな端っこにうずくまってるんだ

それでどう?カナデ」

カナデ「一応結構魔力は与えたつもりだけどシイナにとっては微々たるもんかもね

まぁ、ないよりはマシだと思うけど」

シイナ「ん....?」

ヒナタ「あ、起きた」

シイナ「なーんで俺はこんなとこに寝そべって..........」

そこでシイナはハッと目を見開いた

ヒナタ「どうしたの?」

シイナ「いや、なんでもない

今外はどんな感じだ?」

カズキ「今は朝日が出てる頃だな」

シイナ「わかった

それじゃあ出発するか

.....おいお前もそんなところに居ないで出発準備しろ」

ヒスイ「.........」

カズキ「....聞こえてないのか?」

そこでシイナは大きくため息をついて、

ヒスイの背後に立つ瞬間おぞましい殺気を見せた

それに反応したのか即座に剣を抜き、ほとんど同じタイミングで剣をシイナの首にあてがったタイミングでようやく我に戻る

ヒスイ「あれ.....シイナさん.....?」

シイナ「やーっと目を覚ましたか阿呆が

あいつらからもう俺に甘えるつもりは無いと聞いていたがまだまだ甘えてんじゃねえか」

ヒスイ「す....すみません.....」

シイナ「ちょっとこの剣貸してみろ」

ヒスイ「は、はい」

そうしてシイナに剣を手渡す

シイナ「....随分古びてんな

お前がどれだけこいつを愛用していたかがわかりやすいな」

ヒスイ「一応、大事な..剣....ですので.........」

消え入りそうな声で言う

シイナ「まぁ、こんなに使い込んだらもう必要ねえだろ」

ヒナタ「え?それってどういう....」

ヒナタが言い終わるよりも先にシイナはその剣を折って捨てた

他の5人はしばらく放心状態となった

シイナ「....ほら、やるよ」

そうして新しい剣をヒスイに贈る

ヒスイ「これって.....」

シイナ「まぁ...詫びの品だ

すまなかったな」

ヒスイ「..........

(見ただけでもわかる

これが稀代の名作にも劣らない切れ味と耐久性を持っている事も

さらに言えばとてつもなく軽い

この軽さで切れ味と耐久性を保つのはなかなかに大変だっただろう

それを...この私に?)」

ヒスイが呆気に取られていると、さらに驚くようなことをシイナは言った

シイナ「そいつは俺が直々に打ったやつだ

剣に必要な過程を全て俺がやった

さらに言えば、そいつには付随効果(エンチャント)も付けてある

付随効果は武具に特殊な効果を加工するものだ

そいつの場合は切れ味を強化するやつと軽くするものだ

出来ることなら永遠に壊れない付随効果も付けたかったのだが、時間が足りなくてな.....

そいつで勘弁してくれ」

ヒスイ「いえ......私には十分すぎる性能です」

そうして、シイナの普段は使わない方の鞘と同じ柄の鞘に新しい剣を納める

ヒスイ「それと.....私もすみませんでした

仕方のないとはわかっているんですが.....どうしても言わないと気がすまなくて......」

シイナ「いいや、お前は悪くねぇよ」

ヒスイ「...そう言ってくれると助かります」

ヒナタ「ま、何とか和解できたみたいで良かった良かった」

シイナ「すまん

お前らにも迷惑をかけたな」

黒ヒスイ「いいや、気にしてないよ

双方の気持ちが理解できなくもなかったからね」

カズキ「んま、終わり良ければ全て良しだな」

カナデ「ええそうね」


そうして、ヒナタ達は出発したのであった

和解した2人を連れて



「.......やっと来たか

さて、我が秘宝、果たして本当に奪えるのか

試させてもらう」

はい!どうも春星でございます〜

いやー......

第31話、いちばん長くなりましたね()

改行含んで3737文字......

多いっすね(^_^;)

さて、ここから少し補足させていただきます

以前、ヒスイちゃんの鞘に触れるシーン(第11話参照)で、シイナ君は「偶然」と主張しましたが、実は半分嘘で半分真実です

というのも、あの桜模様の鞘はシイナ君の世界のヒスイちゃんの愛用していた剣を納めていた鞘で、中にある剣も当然ヒスイちゃんの形見なんで、シイナ君は使いたがらないんですねぇ〜

愛人の使用していた剣を血で汚したくない.......

なんとまぁ素晴らしい愛ですねぇ

さて、話を戻しますが、実は弟子のヒスイちゃんに剣を贈るのは確定していたんですが、鞘をどうしようと悩んでいました

ですが、命脈の雫を探している途中で偶然にも同じ鞘をみつけ、それも同時にプレゼントしたんですね〜

ちなみにシイナ君は二刀持っている通り二刀流なので二刀流の方が得意とするんですが、普段は一刀しか使わないので弟子ヒスイや黒ヒスイに負けているんですね

なので実はシイナ君が一番強いことになります(そもそもコピー能力持ってる時点でチートだろ())

ちなみに作中であまり披露できそうにないのでここでお話するのですが、シイナ君は「ヒスイ」という存在に強い執着のようなものを持っています

なのでもし仮に「ヒスイ」に危機が迫った時は絶対に看過しませんし、それが人為的なものであれば絶対にその主犯もとい同犯を殺します

なのでシイナ君が本気を出す時は「ヒスイ」という存在に絡んだときだけです

勿論その時は慈悲も何もありません(そもそもそういうキャラですし.....)

ちなみにですが黒ヒスイと弟子ヒスイは対になるように意識しました

白い装束を着た銀髪の少女と黒い装束を着た赤黒い髪の少女って二人いると絵面が映えますよね(?)

おっとつい話が長引きましたね

それでは皆さんまた今度〜


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