第27話 強要する休息、一輪の花
シイナ「さすがに疲れてきたな.......」
探し続けて数時間が経過していた
ヒスイ「師匠、そろそろ休みませんか?」
シイナ「生憎だが、そんな時間はない
....休みたいならひとりで休むんだな」
ヒスイ「いいえ、休みたいのは私ではなく貴方ではないですか?師匠」
シイナは鼻で笑い、
シイナ「俺が休みたいだと?お前はそう思い込んでても、俺自身はそうは思わんな」
ヒスイ「......師匠は先程、戦闘してから程なくして歩き続けてます
それも長時間....普通の人間なら今頃疲労で死んでますよ」
シイナ「なら心配は無いな
俺は普通の人間じゃないからな」
ヒスイ「........私の言いたいことがわかっていなさそうなので単刀直入に申します」
ヒスイは若干憤った声音で言い、一拍置いてから言った
ヒスイ「師匠、もう既にかなり疲弊しているんじゃないですか?」
シイナ「俺の状態をよく凝視するのはいい事だが、もう少し的を射ている確信を持ってから言ったらどうだ?」
ヒスイ「別に凝視せずとも気づきます
そもそも、戦闘した時点でかなり疲労するのに、その上で長時間歩き続けてたら疲弊してくるのは当たり前。
たとえ人間じゃなくたって疲れるようにはなっているはずです
....実際、普段と挙動が少し違いますからね」
シイナ「少し挙動が違うだけでなんだ?それで俺が疲弊したからなんだ?
お前の言っている事には結論がないな
その程度で休息が必要ならとんだ軟弱野郎だな」
ヒスイ「まだ私の言っている意味がわからないようなので付け足しますが、休息が必要な程、貴方は限界なんですよ
.....身体が悲鳴どころか絶叫していますよ?」
シイナ「これで絶叫しているていどな程度なら日常的に絶叫しているだろうな。俺の身体は
....口論している時間が惜しい早く先を急ぐぞ」
ヒスイ「...わかりました
何を言っても仕方なさそうなので強制的に休ませます」
そう言ってヒスイは剣を抜き、切っ先をシイナに向ける
シイナ「とんだ荒療治だな」
ヒスイ「その方がマシなんですよ」
シイナ「(実際問題通常に比べ、確かに俺は疲弊している
その状態でさらに戦闘を重ねてしまっては俺の体が持たん
恐らくヒスイはそれを狙っているはず
.....ならば)
......これは俺が行ってきた世界の奴が言っていたセリフなんだが......
「逃げるは恥だが役に立つ」ってな!
桜花剣術「影舞」」
瞬間、シイナの姿が消える
ヒスイ「なるほど、まともに戦っては不利だから逃走を選択したと......
でも、それは愚策ですね
私は気配探知が得意.....その上「影舞」は私も使える
.....つまりすぐに追いつけるんですよ
桜花剣術「影舞」」
そして、ヒスイの姿が消え、シイナの背後に迫り、ヒスイが剣を振りぬこうとしたその時、違和感を感じ、咄嗟に後ろに剣を振ると、そこにシイナがいた
そして小競り合いになり、シイナは剣を弾いて距離を取った
シイナ「ちっ......
(同じく「影舞」で追跡してくると踏んで偽物を置き、ヒスイがくるであろう数歩手前に更に「影舞」で奇襲しようとしたが一瞬で勘づかれたか......
だがこの一帯は森
やりようはいくらでもある)
幻影投影 時間停止者
時間停止」
ヒスイ「(...どこ?いや、これは上!
と見せかけて後ろか!)」
そしてまた剣を弾かれ、
シイナ「桜花剣術「影舞」っ!」
ヒスイ「またですか?まぁ私は楽なんですけどね
桜花剣術「影舞」」
ヒスイ「さぁ、もう逃げ場は無いですよ
ここら一帯は何も無い平原
私とやり合って強制的に休むか、大人しく帰って休むか選んで下さい」
シイナ「(どうする?恐らく時間停止しても勘づかれる
かと言って「影舞」で逃げてもただのいたちごっこになり俺の不利でしかない
.....まてよ?影舞?
なら一か八か.....!)
桜花剣術......」
ヒスイ「またそれですか?結局何も変わりませんよ?」
シイナ「「影舞 零式」」
ヒスイ「っ....!?
(零式?影舞は桜花剣術「影舞」しか私は知らない
まさかここに来て私に隠してた技を.....?
.....いや、見切ってみせる
感覚を最大限まで研ぎ澄ませろ
全ての事柄に一瞬すら超える音速の速さで反応しろ)」
カキン
とヒスイの後ろで金属音がなった
ヒスイ「....そこだっっ!
っ...!?」
しかし、そこにシイナいなく、気配はヒスイの更に後ろ
つまり、最初から正面に居たのだ
シイナ「....ったくなんで俺のためにここまでするかねぇ.....
しっかし.....零式は疲れるな
そもそも無茶苦茶な技だしな......」
桜花剣術「影舞 零式」はシイナが行ってきた世界の内の一人から会得した技
それをシイナ流に改造したのが桜花剣術「影舞」である
そもそも彼は会得した技はそのまま名前を流用する癖があり、シイナが移動用に改造した桜花剣術「影舞」の名前に困り、仕方なく移動用に改造した方を「影舞」、オリジナルの方を「影舞 零式」と命名した
シイナ「本質的には存在しない斬撃を飛ばし、相手の背後に到達した瞬間具現化させ相手の注意を後ろに向ける......
いつ聞いても意味がわからないな
まぁそれを改造して移動用にした俺も俺だがな......
さてと........」
そう言って、シイナはヒナタ達がいる宿にヒスイを担いでいった
勿論ヒナタ達は驚いたが、「成り行きでこうなった」と説明し、後日詳しく説明する
と言った
ヒスイ「ん..........
身体が痛い.....私なんでここに....
...あっ.....
思い出した 確か師匠に負けて.....
そうだ!師匠は!?」
しかし宿の中を捜索してもシイナはいなかった
とりあえず出発準備に部屋に戻ると一輪の花を見つけた
それは「チューリップ」
花言葉は
「永遠の別れ」




