第6話 準備万端?
連日の残業で疲れていた高中と滝沢であったが、努力も実りついに納得したプレゼン資料が出来上がった。
ぐっと背筋を伸ばした滝沢が口を開いた。
滝沢『高中さんにしてはよくがんばりましたね。これで勝ちの目は動きませんよ。』
滝沢は資料の出来に満足した様子だ。
高中『もう無理、俺は会社で寝る。』
慣れない資料作りに手こずったようだが、高中も最後まで見事にやり遂げた。
滝沢『だらしない人、じゃあ私は帰りますけど風邪ひかないで下さいね。』
滝沢は冷たいように見えるがしっかり高中の心配をし、帰路についた。
深夜二時頃。
高中は社長室から近い応接室のソファで睡眠をとっていた。
ふと、物音に目が覚める。
…………夢の中か現実か
…………物音がする
…………誰かいるのか?
コツッ
一度だけヒールが地面を打つような音がしたが、その直前で高中は再び夢の中に戻ってしまっていた。
翌日、高中と滝沢は揃って鹿島に資料を提出した。
鹿島はUSBメモリを受け取り、難しい顔をしながら資料の確認を行う。
鹿島『よく作ってくれた。文句のつけようがないプレゼン資料だ。』
鹿島は納得した様子で資料を称賛した。
滝沢・高中『ありがとうございます。』
自信のあった二人は、胸を張り応える。
高中『今日は一日、明日に向けてプレゼンのシミュレーションをします。』
鹿島『相手はシノシノラバーの営業の中でもトップクラスに優秀な内山さんだ。抜かりのないように頼む。』
鹿島は自信満々な二人の様子を見て、安心するのであった。
そしてプレゼン当日。
株式会社栗林繊維大会議室にて
株式会社ランディア、シノシノラバー、両社の幹部が顔を連ねた。
株式会社ランディア陣営
社長 鹿島
秘書 夏木
営業 滝沢
営業 高中
シノシノラバー陣営
社長 篠山
秘書 狩野
営業 内山
さらに
栗林繊維
社長 栗林
副社長 佐川
運命のプレゼンバトルが始まろうとしていた。