自己紹介って緊張するよね
自己紹介をすると言っても互いに知らない同士のため、最初に言い出すのは勇気がいる。
沈黙した時間が流れて行く。
ハルとの念話や獅子王と話した事もあり、俺から話し始めるべきだろうなと思い、心の中で溜め息をついてから話し始める。
「では、俺から。斉藤光一、コウイチと呼んでくれ。埼玉県から来たサラリーマンだ。種族はダークエルフ。職業は・・魔法剣士らしい。」
簡単な自己紹介を終えて、ほっとして周りを見ると、みんな不思議そうな顔をしている。
なにか問題あったか?
「次は私ね。」
隣の赤い髪をした女の子が立ち上がる。
別に立たなくてもいいと思うのだが。
「鈴木舞よ。舞と呼んでね。大阪出身の高校生です。こちらでの種族は人族ね。えーと後は・・こちらの職業・・魔法使いです。」
魔法使いか・・。赤い髪やハキハキした声から、活発な印象を受けるので、戦士の方が似合いそうだが。
服は長いフード付のコートのようなを着ているので、魔法使いぽい。
服も転移の時に、種族、職業にあわせてコーディネートされているのだろうか。
「次は僕だね。」
と茶色の髪のがっしりした男性が立ち上がる。
だから立たなくても・・あら、立っても小さい?
「樹大地といいます。ダイチと呼んで下さい。東京に住んでいる大学生です。種族はドワーフ。職業は戦士です。」
ドワーフ・・背が小さい理由はそれか。
ドワーフでも美少年と言えるくらい顔が整っている。舞も美人だし、やはり美男美女に転移というのは、本当らしい。
ただ、ドワーフの口から、『東京』と言う言葉がでるのに強烈な違和感が・・。
あ、先程の俺の自己紹介の時にみんなが、不思議そうな顔がしていたのもそれか。ダークエルフが、埼玉県のサラリーマンでは無理もない。