マザランの補足説明
宰相マザランに、案内された部屋は、重厚感のあるテーブルと10脚ほどの椅子がある部屋だった。飾り窓から射す日差しが、室内に光りと影の絶妙なコントラストを作りだしている。
「お好きな席にお座りくだされ」とマザランに言われ、6人とも適当に座る。
「では、あらためて自己紹介をさせていただく。わたくしは宰相のマザランと申す。勇者の皆さまには、勝手な都合で我が国へ召還してしまい誠に申し訳なく思っております。ですが、魔王から世界を救えるのは、勇者の方々しかおりませぬ。どうか世界を救ってくだされ。」
身勝手な言い分だと思いつつ、それを言わせないマザランの持つ重厚な雰囲気に6人とも沈黙する。
マザランは続ける
「サポートのハルの説明で抜けていた事項があるので、補足させていただく。
先程ハルの声が頭の中で聞こえていたかと思うが、それは「念話」というもので、魔力を脳に送り込むことにより可能となるものです。
しばらくはハルのサポートを受けなければ、使うことができないでしょうが、勇者の皆さまなら、いずれ単独で使えるようになるでしょう。」
「また、頭の中で【ステータス】と念じてみてください。今のご自分の状況がわかるはずです。」
早速念じてみる。
頭の中にウィンドウのようなものが現れる
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種族・ダークエルフ
性別・男性
年齢・20才
職業・魔法剣士
状態・正常
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まるでゲームのようだな。俺の手が日焼けしているように褐色なのは、ダークエルフだからか。
マザランはさらに続ける。
「さて、私の補足説明は以上になります。
そろそろ、勇者の皆さま方にも自己紹介をしていただけますかな。」
マザランにペースを握られている感じがして、なんとなくいやな感じたが、互いを知るために自己紹介は必要だろう。