決勝戦の日程
試合終了後、エルフの森のスカアハが俺達のところに来てくれた。
「勇者組の方々の作るゴーレムはさすがに強いですね。」
スカアハは負けたとは言え、一回戦に勝利し、俺達のゴーレムにも善戦し、全てを出し切ったようでさっぱりとした表情をしている。
「いや、こちら側の方が負ける寸前だったよ。」
俺は苦笑いする。
「そうですか〜。もうちょっとで勝てたんですね。残念〜。」
今のスカアハは肩の力が抜けているせいか、いつもの隊長の固いイメージがなく、愛嬌のある若い女性エルフという感じだ。
「ところで、次は決勝戦ですね。私達に勝ったのですから、優勝してくださいね〜。」
「うーん。どうだろうな。魔術団のキングゴーレムは、相当強いよ。なんとか勝ちたいがな。」
「そうですか。頑張ってくださいね〜。」
スカアハと別れた後、マザランに決勝戦の日について聞きに行く。マザランは大会本部で、冒険者組合マスターのロレンツォと話をしている。
俺が決勝戦の日について尋ねると、
「決勝戦は、三週間後を予定しております。」
マザランはにこやかにこたえる。
「三週間後か。随分間隔があるな。まあ、俺達には有難いが。」
「ええ。あのキングゴーレムに対抗するには、準備期間がいるでしょう。私は魔術団を全力で説得して、三週間の期間を確保します!ですので、ぜひとも、魔術の発展のためにも良い決勝戦を見せて下さい!」
マザランは信念を持った目で俺を見る。
「ああ、頑張るよ。」
俺がそう言った直後、大会本部に一人の中年風の男が走って入ってくる。
そして、ロレンツォのところに向かい大声で報告する。
「ロレンツォ様!ご指示のありました観客席の増設は三週間の工期で目処がつきました!!」
「馬鹿!いまは勇者様が…」
慌てふためくロレンツォは、引き攣った顔で俺を見る。
一方、マザランは俺から目を逸らす。
「ああ、興業的にも準備期間が三週間いるわけか。まあ、でも三週間の準備期間を有効に使わせてもらうよ。」
俺はマザランとロレンツォの逞しい商魂に呆れつつ、大会本部を後にする。
さて、屋敷に戻ったら決勝戦に向けて早速準備にとりかかろう。




