怖い夢の続きは
「怖い夢みてた」
僕が腕を伸ばしてカーテンを開けたので、朝の光に包まれた彼女は目を覚ましてこう呟いた。
「怖い夢?」
「そう、怖い夢」
布団から出した腕がひんやりする9月の朝。
彼女は僕の上に覆い被さり、僕の胸に顔を埋める。
(あたたかい)
もう一度眠ってしまいそうになる。ふぁっとあくびが出る。
「怖い夢みたのよ!」
寝るな寝るな!と彼女が僕の頬をペチペチと叩く。
「どんな夢?」
「うふふ、えっとね」
彼女は話し始める。
結婚して5年間、毎朝、妻とこの会話を欠かしたことはない。