第6話 夏フェス行ったらステータスチェックもできた
クロエが『ステータス』と唱えると、クロエの目の前にステータス画面が現れた。
その画面は空中に浮いた状態で、鑑定結果は鑑定した本人しか見えないが、ステータスは他人からも見えるようだ。
「見せてもらってもいい?」
「どうぞ」
クロエの許可をもらって、クロエのステータスを見せてもらう。
名前:クロエ
年齢:16
性別:女
職業:薬草士(見習い) LV1/50
HP:20/20
MP:16/18
力:4
早:16
賢:3
スキル:
・鑑定 LV1/10(消費MP1)
「へえ~。本当に能力が数値化して見えるんだな。若いだろうなと思ってたけど、クロはまだ16歳だったんだな。職業は薬草士の見習いか。ほお~。持ってるスキルは鑑定だけなんだね」
「そうなんです。鑑定スキルが薬草士になるのにも役立つんで、修行中なんです」
なんか本当にゲームの中みたいだな。あんまりゲームやらないんで分かんないけど。
「カイさんも自分のステータスを出して確認するといいですよ」
そしてクロエにもう少し詳しくやり方を聞いたところ、鑑定と同じで、意識を集中して『ステータス』と一言唱えるだけでいいらしい。ちなみに自分のステータスの確認には特殊なスキルは必要なく、誰でもできるらしい。
「それでは……≪ステータス≫」
俺の目の前にもステータス画面が浮かぶ。
俺は自分のステータスを確認してみることにした。
名前:イタミ・カイ
年齢:23
性別:男
職業:会社員 LV:3/40
HP:17/18
MP:1/4
力:12
早:12
賢:7
スキル:
・鑑定 LV1/10(消費MP1)
・デイリーガチャ LV1/1
なんじゃこりゃ?!
ツッコミどころはたくさんある。順番に行こう。
まず、名前、年齢、性別は特に問題ないだろう。
職業は普通に会社員なんだな。なんかファンタジーっぽいのになるかと思ってた。
するとクロエも気になったみたいで、質問してきた。
「カイさんの職業は、カイシャインって読むんですか?会社員って何ですか?」
「会社勤めしてる人間のことだよ……」
「へえ……」
「聞いた事ないか?」
「私は初めて聞きました」
「履歴書みてえだよな……」
まあそこまではとりあえず良いだろう。
会社員の横にはレベルが表記されていた。
3/40。最大で40、俺はそのうちレベル3という事だろう。
ゲームみたいにモンスターを倒せば上がってゆくのか?それとも会社員として仕事を覚えていくと上がるのだろうか?
「なあ、クロ。レベルってどうすれば上がるんだ?」
「え?いろいろ経験すると上がりますよ」
「経験値を増やせばいいってことだろ?どうすりゃ経験値が上がるかってことなんだよ」
「それはいろいろな経験をするんですよ」
「全然分かんね」
「まあ、具体的に何をすればいいかって言えば、私にも分からないですね。私もレベル1ですし」
「クロの知り合いはどうなの?」
「村のみんなはもっとレベル高いですよ。先生はレベル40ですけどね。私の知ってる中で一番レベルが高いのは先生かな?」
「先生の職業は?」
「薬剤師です」
「薬剤師LV40か」
山で採れた薬草を使うようだし、日本の薬剤師とはちょっと違うのだと思う。
「クロの薬草士っていうのと、先生の薬剤師っていうのは違うの?」
「薬草士は薬草に詳しい人で、薬剤師は薬草だけじゃなくてもっといろいろなお薬を扱えるんです」
ほう。薬剤師は薬草士の上位職ということか。
薬草士レベル1のクロと薬剤師レベル40の先生では、天と地ほどの差がありそうだな。
さて、ステータスは他にも情報が載っていた。
職業の次に、ステータスらしい数字が並んでいた。
HPはおそらく体力、MPがおそらく魔力や精神力の類だと思われる。
俺のMPの残量は1まで減っていた。鑑定を三回やって1/4という事は、鑑定1回にMP1消費したようだ。
力は腕力かな?早は素早さだろう。賢は賢さか。
なんか賢さだけ他の二つより少なくて、自覚はあったものの少し凹む。
そしてその次が問題のスキルだ。
やはりクロエと同じ鑑定スキルがあった。
そしてそして、ステータスの最後には、初見からとても引っかかっていたスキル名が載っていた。
「デイリーガチャって何だ?」