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眺め  作者: 座椅子
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窓の眺め

ぼくは子供だ。

家から庭に出て、公園で遊んで、家に帰ってくる。

とても具体的に説明すると、赤いブランコに座ったり、ジャングルジムに登ったりして、その感想をおぼえて、家に帰り、お母さんに教えている。

つまり子供だ。

家では、お母さんがぼくの言う話をたくさん聞いてくれるのでたくさん感想を言う。


家に帰り、玄関を開けると、7歩あるいたところのイスに座る、しばらくするとお母さんがやってきて向かいのイスに座る、そしてぼくは今日やった遊びを発表する、例えば「ジャングルジムを登った!」と言う具合にだ。

お母さんは話を聞いて、ときおり「うんうん」「へぇ」などと相槌を入れてくれる。

この発表会はすぐにおわる、発表が終わるとぼくは夜のごはんを食べてからベッドで寝る。

ぼくはこの生活が楽しくて仕方がない。

なぜなら公園は楽しくて、お母さんが出してくれるごはんがおいしいからだ。


今は、この生活を始めて2年と18日め。

そしてこれからベッドでぐっすり寝るところだ。


今日がいつもと違ったのは窓から赤い光が眩しく入ってきて眠りを妨げた事だ。


赤い光は小さな窓から入り込み、部屋全体を真っ赤に染めた。

ぼくは赤い光が昔から苦手で、とても怖くて、眠れなかった。

この光はなんの光なのだろう、なぜ赤いのだろうと思いながらベッドの上で横になったまま考えた。

次第に赤い光は弱くなり、ピンク色に変わり部屋を染め直した。

とたんにぼくは、たしかめてやろう、やっつけるならやっつけてやろう!と、枕の下に隠しておいた秘密の懐中電灯を取り出して窓から外を眺めた。

すると夜空から、ひらひらと右へ左へと紙のように落ちてくるピンク色がどんどんこちらに近づいてくるではないか。


ぼくは2年目と18日めの夜にして、とんでもないことになってしまったのではないか、と思って懐中電灯を片手に公園に向かった。

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