プロローグ
皆さんは"鬼"をご存知だろうか。
今から始まる物語は――突如として現れた鬼――人類が鬼と戦うものである。
舞台は地球とはまた別の次元にあるもうひとつの地球、つまり平行世界だ。
さて、"鬼"について説明しよう。
地球(平行世界のものとする)の五割が鬼に占拠されており、残りの五割が人類のものとなる。鬼が占拠している領土は経線で言うと180度の日付変更線から東、つまり私たちが住んでいる地球で例えると南北アメリカ大陸にあたる(平行世界では大陸と海の比が6:4となっており、地形も大分異なっている)
鬼は人間を捕食する――と思われがちだが、この世界ではそうではない。
鬼は食事を必要とせず、生き物には危害を与えない…………人間を除いては。
明確な動機は不明だが鬼は人類の領土を奪還しようと進撃しているのだ。
ここまでが今説明できることだ。次は人類について説明したいと思う。
この世界での人類は超能力をその身に宿している。まるで神が鬼に対抗せよと言っているかのように。
少なからず攻撃的なものであり、個体差はあれど鬼に対抗する手段はあるのだ。
さて、今から始まる物語。
それはもうひとつの地球。
"鬼"と呼ばれる敵のいる世界。
超能力を持った人類。
そして――一人の青年の物語。