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妖刀を継ぐ少女ユイカの物語

異世界に来たら知らない男を押し倒していた件

作者: *ほたる*
掲載日:2026/06/18

 白光が弾け、視界が開いた。

 ――次の瞬間、足場がなかった。


「……っ!」


 重力が遅れて襲いかかる。

 身体が空中に投げ出された。


「……ちっ……!」


 受け身を取る間もなく、真下へ落ちる。

 ドンッ!

 鈍い衝撃。息が詰まる。


「……っ、いてぇ」


 思ったより高さはない。骨は無事らしい。

 だが――妙に柔らかい。


 嫌な予感がして、視線を落とす。


「……おい」


 低く抑えた声。

 俺の下には、見知らぬ男がいた。


 束ねられた黒紺の髪が乱れ、

 鋭い銀の瞳でこちらを睨み上げている。


「っ……悪い」


 慌てて身体を起こした、その瞬間。

 障子が勢いよく開いた。


「マティアス様! 今の物音は――」


 低く通る声。

 振り向くと、灰銀の短髪に蒼の瞳を持つ男が立っていた。


 一瞬の沈黙。


 蒼の瞳がわずかに見開かれ――

 次の瞬間、困惑へと変わる。


「……これは、どちらでしょうか」


 一拍。


「退出した方が、よろしいか」


「は?」


 沈黙。

 視線を落とす。


 下には、若い男。


 ――そして、この体勢。


 俺が、押し倒している。

 血の気が引いた。


 ……まさか。

 そういう誤解か?

 しかも、男と。


「冗談じゃない。俺にそんな趣味はない!」


「それはこっちの台詞だ!」


 間髪入れず怒鳴り返される。

 銀の瞳が、灰銀の男へと向く。


「ルーカス。誤解だ。そういう関係じゃねぇ」


 ルーカスと呼ばれた男が、目を見開く。


 ……異世界初日。


 結花を探しに来たはずが、

 最悪の誤解から始まるとは思わなかった。

この物語の“その先”は、別の形として描かれています。詳細は活動報告にてご案内しています。


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