第42話 初めてのトラベラー
「──オレはしがない【情報屋】。トラっちゅーもんや。……以後よろしゅうな?」
ちらっと見せた俺が映る写真は、トラ、と名乗る彼に仕舞われて、彼はもうひとつ自分の手を差し出してくる。
握手……なのか?
争う気はさらさらないが、戦う気満々で前に現れた俺は、予想外の出来事の連発ですぐに行動を返すことができずにいると、脳内の声がひとつ響く。
『握っておけ、こいつ、面白そうだぞ!』
カルナも興味を持ったのか、そう促し、それに声に出して返事はせずとも、俺は意識を取り戻してその挨拶を返す。
「よ、よろしくお願いします……、俺はユウキって言います」
距離感を掴みかね、グッドコミュニケーションとは言えない挨拶であったが、彼はそれに満足したのか、握った手をさらに握り返して、ぶんぶんと嬉しそうにそれを振った。
「ユウキ、ユウキ……、よしっ!ユッキーやな!いやぁ、ほんまにええやつやなぁ!触っただけでわかるわ!」
俺今あだ名つけられたの?
人生で初めて呼ばれた名前に驚いていれば、脳内で『ユッキーって!ぶははは!』とこれまた気持ちよさそうに笑うカルナの声が聞こえてなんともいえない顔になる。
「……ありがとうございます。それで、トラさんはどうしてここで……殴られていたんですか?」
「トラさんて。初めて呼ばれたわそんな呼び方」
さん付けしただけなのに?
ははは、と一人で笑いながら言ったあと、涙が出るほどでもないのに目尻を手で拭って、一息ついてやっと返答をし始める。
「どうしてここで……かぁ。……うーん、心配させてしもたし、話したいんやけど………、本当に、聞くか?世の中には知らん方がいいこともあるし、後悔するかもやからな。」
彼はそう俺にもう一度選択を与えた。
聞かれたくないことを適当にはぐらかすようには見えず、おそらく、本当に“知らない方が良いこと”があるのだろう。
しかし、一度あの現場を見たのだ。
目の前の悪に、見て見ぬ振りなどできやしない。
「……はい、聞きたいです。聞かせてください。」
「……よし。わかった。そんな勇気あるユッキーには全部話すことにするわ。まずは、これ、見てくれ」
彼は握る俺の手を離して、彼にも俺と同じように装備されているアイテムボックスから、数枚の写真を取り出した。
どうしてこれを見せるのか、など疑問に思いながら、彼が差し出す写真を受け取って、カルナの目にも入るように、しっかりとその写真の全容を把握しようとする。
俺は、思わず息を呑んだ。
一枚目は、さっき彼が殴打して寝かせた奴らと同じ黒いスーツの一人の男が、白いフードを目深く被った何者かから、鉄のアタッシュケースの中身を見せつけられている写真。
二枚目は、そのケースの中身がズームされただけの写真。
だがしかし、それは白く透明な先が尖った容器、そしてその中には緑色の液体が詰め込まれた、まるで“注射器”のようなものであった。
薬物の、取引?
動揺する頭の中、最後の一枚を食い気味に読み込んだ。
その写真は、二枚の写真と明らかに場所も時系列も違っていた。
ピントは急いで撮ったのか、ブレブレであっていない。
だがしかし、なんとなくの様相はわかる。
足に鎖を、手に錠をつけられた一人の少年が、またも現れる複数の黒服に殴られる、誘拐される、その瞬間。
そのまだ幼い顔は、泣いている。
『……ほう。』
「……ッ!?こ、この写真は……?」
いったいこれはなんなんだ。
暴力、鎖、誘拐。……奴隷なのか。
最悪な予感しか感じられないその写真を彼に見せられて、俺はその説明を求めるように、一歩踏み出して彼に問い詰める。
「……辛いもんみせてごめんな。……さっきオレを襲って返り討ちにしたこの黒服どもは、かっこよく言えば“マフィア”や。ダサく言えば、誘拐に違法売買、殺人まで請け負う、人間以下のゴミカス犯罪集団やけどな。」
彼の声は、最初に聞いた時よりも数段トーンが低く、眼鏡の奥の瞳は真剣な眼差しをしていた。
「マフィア……、この人たちが……!」
俺は路傍に転がる、黒服を再び見つめる。彼を殴っていたその時“ファミリー”という単語が聞こえたのを思い出した。
彼らは、ここで何を、やっていたんだ。
「オレはギルドからのクエストと、オレ自身の興味もあって、このマフィア共の情報を集めてるんよ。」
「クエスト……。」
「一枚目の写真あるやろ?あれを撮ったのは今日の早朝。街中で出回り始めてる得体の知れない新薬物の裏取引の様子や。尾けて尾けてつけまくったら見事撮影成功!そん時はバレんかったけどついさっき二件目の裏取引見つけてウキウキで撮ろうとしたらヘマして転んでもうての。バレてバチギレられて殺される寸前やったわー」
軽快にそう言う彼だが、その内容は何も愉快でもない、危険かつ許すことのできない悪だった。
「それは……、襲われてた時にあなたが、抵抗しなかったのは……?」
「犯罪の証拠集め、それがオレの任務や。だから何の罪もない一般市民を殴るっつー立派な犯罪を犯すその瞬間を写真に収めるためやな。……いきなり言う話じゃないってのは重々知っとるけど……、あのマフィア、実はこの街を裏で支配しとる。お偉いさんがたとズブズブなんや」
それは、さらに、信じられない情報だった。
マフィアが国公認?
殺人をする犯罪者を……?
「………!そんなことが……本当に……」
「この街、いや、この砂漠王朝は金が全てらしい。儲けのでかい裏仕事は金次第で黙認される。」
……許せない。こんなのが、ゲームの街の現実だっていうのか。
無意識のうちに、俺は拳を強く握りしめていた。
「ただまぁ、法律も正義もちゃんとある。最近になって好き勝手し始めたこのマフィアに国も手を焼いてるよーで、公権で罰せられるようにこうやってクエストを発行して、金で揉み消せないような証拠を欲してるんよ。」
それが最低限の安心だった。
この街を守っていたあの屈強な門番が頭に思い浮かぶ。別れの時のあの言葉が嘘でない可能性が、あるのだ。
「まぁこれが質問通りオレがここにいたわけなんやけど……、やっぱり、いきなりこんなことに巻き込んでしもてごめんなぁ。ユッキーにも色々聞きたいことあるけど、レベル一だしさっきこのゲームに入ってきたばっかやろ?なんか夢潰してないか不安なるわ」
彼は頭をぽりぽりと掻いて、俺のことを心配している様子だった。
レベル一、ゲームに入ってきたばっかり、その言葉に思わず、何も感じないで、そんなことないですよ、と返事をして通り過ぎるところだったが、よく考えればおかしなことに気づく。
「いやだいじょう……、あれ?あなたはどうして俺がトラベラーだと知って……?」
俺がそう言うと、彼は驚いたように目を細めて、そして笑いはじめた。
「んえ?知らんってことは……、オレがユッキーの第一村人?」
「第一村人?……もしかして、トラさんも現実から来たトラベラーなんですか?」
「あぁそうやで!この黒服も街の住民もあまりにもリアルすぎて、トラベラーの違いも初見じゃわからんよなぁ……。うんうん。」
なんと、彼が、この世界で初めて出会った同郷のトラベラーだったとは。
やはりゲームの住人と現実の住人はまるでつかなくて、自分以外のトラベラーがいるという感覚が新鮮なように感じてしまう。
だがそれなら、デスペナルティで済むトラベラーだからこそ、死の危険が迫っていたと言うのに、余裕そうに振る舞える理由も合点がつく。……本当はその程度では死なないほどのかなりの強者である可能性もあるが。
「でも案外簡単にトラベラーかそうでないか、見分けることはできるで。ほら、オレの頭の上よく見てみ!なんか青い三角見えるやろ?白やったらNPC、青やったらトラベラーや。」
彼の言葉と自らを指す指先に従ってみれば、確かにその金色の髪の上には逆三角錐の青い物体が浮かんでいるのがはっきりと見える。
しかし、それは少し目を細めると見えなくなり、凝視しなければ見えないもののようだった。
プレイヤーカーソルのようなものか。あの門番が俺を見てトラベラーだと判断したのも、これによって確かめていたのかもしれない。
「本当だ……。……あまりにも不思議なゲームだから他のトラベラーが存在しないんじゃないかと少し思ってました。」
「うわーわかるわその気持ち。初日めちゃくちゃ驚いて現実戻って調べまくったもん」
「トラさんはここにきてどれぐらいなんですか?」
「うーんと発表されてすぐ買ったから……、六日間で……、飯と睡眠諸々の時間抜いて……、まぁ十五日は過ぎたなぁ」
十五……、ん?時間が三倍ということは、三日分の二十四時間しか現実世界で過ごしていないということか?
……俺が言うのもだが、時間を引き延ばして有効に使えるとはいえ、現実が疎かになってしまうほどかなり熱中しているようだ。
「自分が寝てる間に向こうで三倍の時間が過ぎてると思えば、なんかもったいなくて熟睡できんくてなぁ……。おかげさまで毎日深夜テンションやー」
「なるほどだから……」
「いや冗談やで?これが素やで??」
本当に愉快だなこの人。
『ははは!押されて困惑してるユウキ見るの面白いな!』
……静かにして、カルナ。
そうして彼は、「そうや」、とポンと手をたたいて、俺にある提案をした。
「オレもユッキーに、まだ一個ドデカイもん聞きたいことあるし、自分は【情報屋】や。もちろんそっちも聞いてみたいことあるやろ?ここ長居しとったら他の黒服に見つかるし、一緒にお茶せーへん?もちろん全部奢ったるで!」
お茶、飲食店に連れていってくれるということか。無償なのもありがたいことであるが、それよりも確かにまだ彼に聞きたいことは残っている。
きっと彼からは有意義なことを学べる。
そういえばここになんで来たんだっけ?と思えば、脳内から『ほらな。素晴らしいものが見つかると言っただろう?』と自慢げな声が聞こえてきた。
……目的は、ご飯屋を探すことだった。
確かに、寄り道したことで良い巡り合わせができたと考えれば、悪いものではなかったのかな。
「はい。よろしくお願いします。」
「よしっ!決まりやな!一回食べて美味かったところに連れてってやるでー!」
そう強引に手を引っ張って、道の奥を指差して歩き始めた。
積極的で活発な性格。そんな人物と何度も関わってきたせいか、ただそれに流されるがまま、先の景色を楽しみにしていた。
◇
「んー、マスター!これとこれ、二つずつ頼むわー!」
彼に導かれるがまま、その路地を熟知しているかのように、すいすいと通り抜ければ、薄暗い道の中、大きく構える、行燈を照らした、老舗と思われる飲食店がそこにはあった。
中に入り、カウンターの席に二人並んで座り、紙のメニューにざっと目を通した後、少し悩んでそれを指差しながら大きな声で注文をした。
奥の方ではマスターと呼ばれた、おそらく店主であろう老人が「はいよ」と立ち上がっていそいそと準備をし始めている。
お茶、といえるほどポップな雰囲気ではなく、客も俺たち二人だけの、昼間のバーとも言えるような小洒落た場所だった。
ふー、と彼が一息ついて、どこか落ち着かず壁に貼られたメニューの文字をじっと見つめている俺に問いかけた。
「さ、話の続きや。まずはこっちの質問からええか?」
「は、はい。」
「そんな怖がらんでええよ!ってか敬語やめてーや!なんかむず痒いんよ!だいたい年、同じぐらいやろ?なんぼや?いってみ。オレは今年で二十五やで」
「………十七です。」
「………うそん。……八歳差かぁ。」
予想よりだいぶ離れていた年に俺も彼も驚いて、ますます敬語ではなければいけないという思いが強くなってしまう。
だがそんな俺とは対照的に、彼はまぁええか、と明るく持ち直した。
「それでもタメ口でええよ。同じぐらいやろと油断して脅迫するみたいに聞いてもーたけど、現実とこのゲームに年齢の差なんか関係あらへんってのが、わいの信条や。だって“第二の世界”なんやから、現実のしがらみ、国とか年齢とか名前とか、どうだってええやろ?」
彼は自らの不躾な質問を悔いているようにそう言い、そして彼なりのこのゲームに対する考えを述べた。
確かに、第二の世界を謳うのならば、そこは第一の世界、現実と全く関係のない人生を歩んでもいいはずだ。
これからはそれがマナーになるかもな、と彼は付け加えて、俺はユナのことを思い浮かべる。
全く違う第二の人生。彼女はそこでどんな振る舞いをしていのだろうか。
「そう、ですね。ゲームと現実は違う……か。」
「そうやそうや。ほら、敬語外して呼んでみ!」
「……よろしく、トラ……さん」
「くぅー!惜しい!壁崩壊まであともう少しや!」
カルナもアンも、アルスすらも呼び捨てで呼べたのに、同じトラベラー、ということからまだどこか遠慮があり、恥ずかしくなってしまった。
そうしていると案外すぐに、定食のセットであったのか、色のついた液体が入るジョッキが運ばれてきて、誤魔化すように口をつける。
それは甘い果実の味がする、いってしまえばリンゴジュースのような優しい味だった。
「ははは!まぁ呼び方は追々でええよ。いやぁそれにしてもセーフやったなぁ、昼間から酒飲むのあれかな思ってジュースにして正解やったわ」
「そういうことだったんだ……。……すごい、美味しいよ。味覚も本物みたいだよね、ここ。」
「おっ、オレも飲んどこ。……んーっ!やっぱりうまいなぁ。味覚がリアルだってのは完全に同意するで。ここの飯うま過ぎて現実で味なし栄養食しか食べてへんもん。」
さすがにそれはやりすぎではないか、と思ったが、気持ちはわかるし、即席麺で済ますのもそう大差はないと自覚した。
……これゲームが原因で現実の死亡率上がりそうだな。
「……んじゃあ、そろそろ、本題、入っとくかねぇ。」
彼は、よほど喉が渇いていたのか、メインディッシュが到着するよりも先に飲み物をぐいっと飲み干し、ジョッキを置いて、雰囲気を変えてそう切り出した。
本題、という言葉になんだか少し身構えてしまう。
そして、カウンターで食事を用意していた店主が、足りないものを探しに店の奥に引っ込んだその瞬間に、それを尋ねた。
「──ユッキー、【異能】、って知ってるか?」
この世界で幾度となく聞いたその単語、しかし、現実ではひとつも見つけられなかったその単語。
彼はそう、冗談ひとつも言わせないような、真剣な表情で言った。
異能。他の誰でもない“トラベラー”である彼から話されたことに、俺は驚いて固まってしまう。
やはり、彼も【異能】を持っているのか。黒服を止めた、あの不思議な力が。
どう、答えるのが正解なのか。
カルナは『ほう』と呟くだけで、俺にどうしろとは言わなかった。
……いや、よく考えなくても分かっていた。
最初から、返事は決まっていたのだ。
「うん。知ってるよ。それに、持ってる。」
このゲームの説明書のどこにも書いていない【異能】という言葉。
彼は俺の言葉を聞いて、ガタッ、と音を立てながら勢いよく立ち上がった。
その顔は興奮、驚愕、安心が混ざったような、愉快な表情だった。
「ッほんまかっ!?」
「わっ……、う、うん。本当だよ。ちゃんと、持ってる。」
いきなりの立ち上がりにすこし驚き、もう一度問われたその質問に、胸に手を当てて、心臓の拍動を直に感じて、“ちゃんと”と付け足して答える。
「あ、あぁ、いや持っとるかもしれんと思って聞いたのはこっちやけど、まさか本当だとは……。」
「ト、トラさん……?」
彼は立ち上がったかと思えば、次にすぐ地面に座り込んで、ぷるぷると震えながら小さな声で何かを呟いている。
「ユッキー!オレは!ずっとあんたを探してたで!」
どうしたのかと心配して覗きこんだその瞬間に、彼はまたもう一度バッと勢いよく立ち上がって、かなり強めに俺の肩を掴み、ぶんぶんと前後に揺らしてきた。
『ははは!なんだこの人間!忙しいやつだな!』
笑ってる場合じゃないって。結構勢い強いって。
「さ、探してたっていうのは?」
「あ、すまんすまん。やりすぎてしもた。ゴホンッ!オレが探してたってのはズバーリ!同じ【異能】を持つトラベラーの情報!」
ハイテンションでビシッと指差してキメるトラに、どういうことかと更なる続きを求める。
「その様子だと、前からオレが【異能】持ってるって気づいてたっぽいな。」
「うん。トラさんのって、あの動きを止めるやつ、だよね?」
「あぁそやで。能力の一部や。……いやーほんとに嬉しいわ!【異能】が一人だけのもんじゃなかったってことが!」
彼は少し落ち着いて、席に座り直しながらズレたメガネを整える。
店員はまだ店の奥にいたままだ。
「俺も、嬉しいな。他に分かち合える人がいて。」
「うんうん。ほんとそれなー。ひょんなことから頭に変なメッセージ流れて、ステータス見たら【異能】っておかしな枠追加されてめっちゃ便利なスキル追加されてて……。……ユッキーも現実戻って調べたりした?」
たしかにログインする前、そのワードを検索にいれて探してみたが、『Another Worldスゲー!』と褒め称える内容しかなく、肝心の【異能】という概念が一言も語られていなかったことをみて不思議に思ったことは記憶に新しい。
「うん。誰も言ってなくて驚いたよ。」
「そうそれ!……実はオレ、現実でこのゲームの攻略サイト兼ネット掲示板的なもん作っとるんやけど、その項目だけわざと書かなかったんよ。」
ちょっと待って攻略サイト?まだ生まれて間もないゲームに存在するまとめサイトなんて俺は一つしか探せなかった。
見るだけでかなりボリューミーな内容だったが、あれをたったの六日間、ほぼ睡眠なし、ゲーム篭りっぱのトラさんが……?
……本当に、かなりすごい人なのかも知れない。
「どうして【異能】ってみんなが気になりそうなものを載せなかったの?」
「まー、周りの知り合いが誰一人持っとらんかったからなぁ。自分がどうして得たかもわからんし、再現のしようもあらへん。……考えてみ。世界の人が同時に同じサーバーに遊べる、現実と全く同じような“第二の世界”って謳われる競争性のあるゲームで、ある一人だけが他の誰も真似できない最強の力を持ってたらどう思う?」
「それは……、羨む、いや、妬むだろうね。」
「そ。しかも『情報屋』なんてもんやろうとしてんやからなぁ。初っ端から人に嫌われたらなーんもやっていけへん。」
彼の答えは確かに理にかなっていた。
自分しか持っていないような不思議な力をひけらかしていれば、オフラインの個人で完結するようなゲームならばともかく、ここではかなりの恨み嫉みを買うことになるだろう。
そんな時に、同じ力を持つ俺と出会った、ってことか。
「なぁなあ。ユッキーのあの植物?みたいな飛ばすのが【異能】やろ!?お互いの情報交換せーへん?相応の報酬は払うから!」
それは願ってもない話だった。
【異能】の情報は現在自分のものしかなく、ユナを探しにいくためにも必要だと感じるし、もとよりトラに聞こうと思っていたことだった。
「……うん。わかった。いいよ。」
「よっしゃ!じゃあまずオレから話すで………」
◇
彼と一度話し始めれば、しばしの時間はあっという間に過ぎる。
いつの間にか卓上に置かれていた肉料理を、共に囲んで食べていた。
彼との話は、内容もだが話一つ一つにユーモアを混ぜた、とても実りあるものだった。
彼と話していたその時だけはここがゲームの世界だということを忘れてしまうような不思議な感覚だったのだ。
定型分:感想、高評価等励みになるので、お願いします!!!
本当に、お願いします。
毎日、19:00更新。ストック尽きるまで。
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VRモノの醍醐味って、異世界転移者みたいなひとたちををほぼ無限に増やせるところですよね。
主人公と話の合うメタ的な人物がいるから面白い。




