表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

3話 目覚め

 「どこだここ……? たしか──」


 アッシュが目を覚ますと、そこは見知らぬ部屋の中だった。彼は気を失う前の出来事を思い出そうと、ベッドを降りて腕を組みながら部屋の中をぐるぐると歩き回る。


 「そうか……ルナってやつの魔法でぶっ飛ばされたんだっけ。てことは、ここはあの屋敷のどこかか?」


 そんな彼の部屋の戸を、誰かが叩いた。


 「失礼するよ。やぁ、目は覚めたみたいだね」


 「えっと……」


 「初めまして、僕はリンダ。このパーティーで、回復担当をしている者だよ。君、名前は?」


 「俺はアッシュ。お前が治してくれたのか……。ありがとうな」


 「いえいえ。それより、お前じゃなくて、リンダって呼んでね? 僕も君のことをアッシュって呼ぶからさ」


 「わかったよ、リンダ」


 「うんうん。よろしくね、アッシュ。──なに? そんなにジロジロ見られるとちょっと困っちゃうな」


 アッシュはリンダを凝視していた。

 短髪銀髪。細身で、身長は百六十程度。街の憲兵団が来ている様な、黒い装束に身を包む彼。


 いや、彼なのか? という疑問がアッシュの中に生まれているのだ。

 声は中性的で、聞きようによっては男にも女ともとれる。同じく顔立ちも中性的で、端的に言えば美形という一言に尽きる。


 「嫌な気にさせたらごめんな……男? 女? どっちなのか聞いてもいいか?」


 「ふふーん。 ナ、イ、ショ」


 「……。」


 口元に人差し指を当てて、可愛娘ぶる様は女に見えるが、アッシュは生まれてこの方、一人称が僕の女の子に出会ったことがなかった。


 「……なるほど、コレがいわゆる男の娘ってやつか……」


 アッシュはそこで考えることをやめた。


 「──そういえば、リシェリと……あと、俺をぶっ飛ばしてくれた魔法少女はどこだ?」


 「? ああ、ルナのことかな。二人とも今の時間は食堂にいると思うよ。他のメンバーもね。うちでは、皆んなで食卓を囲むんだ」


 そういうリンダの顔には影がかかっているように、アッシュには見えた。


 「そうか。なぁ、リンダもこのパーティーのメンバーってことはさ……やっぱり、不死身なのか?」


 「そうだよ? もちろん、他のメンバー全員がそれぞれ異なる条件下で不死身だよ」


 「そう……なのか……」


 「なに? もしかして、アッシュって不死身じゃない感じ?」


 「死んだことないんだよな、俺」


 「なるほど……。ねえ、アッシュ。僕たちが、自分が不死身だって、どうやって気付いたと思う?」


 「そりゃあ、死んだ経験があるんだろ?」


 「そうだね。もちろん死んだ経験はあるよ。でも、じゃあどういう条件下でなら、不死身だって気付いたかはわかるかな?」


 「……いや。わからんな」


 リンダは椅子に腰掛け、足を組んで話し始めた。


 「試したんだよ、色々とね。そうやって、自分がどんな時に死なないのか、あるいはどんな時に死ぬのか」


 「試すって言ったって……。どうやるんだよ」


 リンダは、「ふふっ。それは、僕の口からじゃなく、カインから聞くといいよ」と言い、アッシュの手を引いて部屋を出る。


 「ちょっと!? どこ行く気だよ」


 「決まってるでしょ、みんなの所にだよ? 言ったでしょ。うちでは皆んなでご飯を食べるの」

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ