「はじまり」
私、小笠原鈴鹿は真っ白~い空間に放り出された。目がシパシパする。
なんだここ、映画でみたようなところだ。まさか、誘拐とか?いやしかし、体は拘束されていないし...
「やっと、起きましたか。記録は...8時間37分です。歴代二位ですね。」
裁判官みたいな、暑そうな服をみに纏った男がそう言う。いきなり無礼じゃないか?
でも、イケメン。私には一生縁のない存在と思っていた。自主映画の主演くらいなら務められそう。
「あなたは、小笠原鈴鹿さん。違いありませんね?」
はい。その通りです。ところで、あなたは...?ここはどこですか?
「私は...天使と言うのが齟齬がないと思います。そしてここは虚無のセカイ。あなたのような、迷える魂に導きを与えるところ...」
「気づきましたかね。」
「あなたは死んだのです。ですが、大丈夫。あなたは選ばれたのです。輪廻転生にね。」
それって...ラノベとかのアレですか?
「そうです。飲み込みが早くて助かります。最近の地球でもそういうのが流行ってるんでしょう?我々としてもやり易いですね。」
「輪廻転生とは...要するに、別の世界の魂をまた別の世界に送り込むこと...」
「あなたを生き返らせます。記憶は保ったままなのでご安心を。肉体は変わってしまいますが...すぐに慣れるでしょう。」
「あなたが飛ばされるセカイは「テラ」地球と環境は大差ありませんね。」
それに加えて、剣と魔法の世界らしい。文化レベルは中世ぐらい。火薬はない、活版印刷もない。
人間は地球人とほぼ同じ。もしワレワレは~とか言い出したらどうなってたかな。エルフやドワーフもいるらしい。
魔物。そう言われるものもいるとか。
いいではないか、破産寸前のブラック企業で働くよりましまし。そんなことで過労死しなくてすむ以上気が楽だ。
「私としては拍子抜けです。今までの人たちはすっごい取り乱しましたからね。あなたみたいに、落ち着き払っている人を見るのは、はじめてです。」
伊達にブラック社員を十年もやってきたわけじゃない。パワハラ、モラハラ、何でもござれだった。今さら驚かないよ。
というか、ほかにも転生した人がいるのか。
「あなたとは、ちがう時代ですがね。」
転生...やってみようか...
その前にみっつだけ、聞くことが。
「いいですよ。もちろん。」
じゃあひとつめ。私はなぜ死んだのか。
「過労死ですね。体は大切にね。」
プッチーン。余計なことを言わない。
じゃあふたつめ。魔法とは何?どうつかうのか?
「魔力をもって術を行使することです。コツは...イメージですね。イメージ。それさえできれば大抵のことはなんとかできます。魔法には火、水、地、風とそれらに付随するいくつかの系統がありますね。地球では発達しなかったようで。」
ほーん。意外とおもしろそうだ。
じゃあみっつめ。
こんなことをして、あんたに何の得があるの?
「...地球で言う、万能のパラドックス。知っていますか?」
なにそれ?
「要するに、完璧な者などいないということです。地球もこれからあなたが行かれる場所も、一つの存在が作りました。」
「そうですね...神とでも呼びましょうか。神はいくつもの、「セカイ」を作りました。しかし完璧ではなかった。ほころびが生じるのです。」
「だから、あなたのような異物を送り込む。崩壊から、遠ざけるために。」
それって、私が何かしなきゃいけないということ?
「いいえ、自由に生きてください。」
「それが...あなたの務め。」
じゃあ...
「みっつ、という約束ですよ。」
......。
「別にこの転生は強制ではありません。拒否もできます。その場合は、ほかの魂を連れてきて、あなたは死んでしまいますが...」
なかば強制じゃん。ならば、断る理由はないな。
「大いに結構。では天明歴582年、エルフ歴で4028年。シエラ王国、ヨウスの町から、地球の単位で西に十キロ。「荒ぶる森」に転生します。多少サービスします。だから、おもいっきり、生きて下さいね。」
え。荒ぶる森って聞こえたよ。ヤバいとこなんじゃ...
「...いってらっしゃい。あなたに幸運の風の訪れんことを願います。」
そして、あたりは明るいチリに包まれ...
私は異世界に転生することになった...
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