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【一般】現代恋愛短編集 パート2

『ワレワレハウチュウジンダ』『マジで!?』

作者: マノイ

本日は短編を2つ投稿してます。

もう1つは以下ですので、よろしければご覧ください。


Sw〇tch2が当選したことがバレたら、女子達が家にやってきた

https://ncode.syosetu.com/n4729kw/


「ワレワレハウチュウジンダ」

「マジで!?」


 おっと、扇風機に向かって定番ネタをやっていたら、幼馴染の美優佳(みゆか)が食いついて来たぞ。保育園の頃からの腐れ縁のこいつは、高校生になった今でも休みの日になると俺の部屋にやってきてベッドに転がりぐぅたらしてきやがる。


「私ずっと自分のこと地球人だと思ってたよ」

「ム、マサカ我ガ同朋ノ支配カラ解放サレテイルノカ」

「ということは雅和(まさかず)は宇宙人に乗っ取られてるの!?」


 いつもそうだが、随分とノリが良い奴だ。

 だからこそ、ずっと一緒にいるのだろうがな。


「知ラレタカラニハ放置デキナイ」

「いや~!私どうなっちゃうの!?」

「丁度地球人ノ人体にツイテ調ベタカッタトコロダ。船ニ連レテ帰リ、タップリト調ベルトシヨウ」


 同じ地球人だったとしても美優佳の身体を調べたいけどな。

 くそ、いつもいつもミニスカめくれあがらせながらベッドの上でごろごろしやがって。誘ってやがるのか。


「調べる!?もしかしてえっちなことするつもりでしょ!エロ同人みたいに!エロ同人みたいに!」

「何故二回言ッタ」

「大事なことだから」

「ソレニ高校生はエロ同人ヲ見テハナラナイハズダゾ」

「大丈夫、高校生って言っても登場人物は全員十八歳以上だから。見た目が明らかに小学生でも十八歳以上だから」


 どうしてそんなに大人の世界に詳しいんだよ。


「ソンナ裏技何処デ知ッタ」

「ワ〇ップに書いてあった」

「嘘ツクナ!」

「本当だよ。ある手順でデータを消せばレアポ〇モンが手に入るのも本当だよ!」

「ナ、ナンダッテ!マサカ小数点以下ノ確率デ盗メルトイウ話モ?」

「本当だよ」

「インド人ヲ?」

「右に」


 軽快な会話のテンポが超エキサイティング!

 バトル〇ームこいつとやりすぎて何回もぶっ壊したな。


「宇宙人さんこの古いネタについてこれるってことは、お爺ちゃんなんだね」

「セメテオジサント呼ンデヤレ」

「だって私、本当にお爺ちゃんから教えて貰ったネタだし」

「マジデショック死スル奴ガ出ルカラ止メテヤレ」


 俺も美優佳の祖父から教えて貰ったから知ってるネタだけど、大きなおじさんをお爺さん呼びするとガチ凹みすることがあるから絶対に言ってはならない。お兄さんとの約束だぞ。


「それで宇宙人さんはどんなエロ同人持ってるの?」

「ナゼソコニ話ヲ戻ス」

「キャトられる前に知りたいなって」

「人生最後カモ知レナイ時ニ知リタイノガソレデ良イノカ」

「うん!」


 満面の笑みで答えやがったチクショウ。

 誰が教えてやるものか。


「残念ナガラ、不必要ナ情報ダト判断シ、入手シテイナイ」

「嘘だ!だって内容知らなきゃ不必要かどうかも分からないよね」

「…………」

「言っちゃいなYO!幼馴染調教NTR物ばかり集めてるってさ」

「オ前ハソレデ良イノカ」


 いきなりそんな性癖をカミングアウトされても困る。どうすりゃ良いんだよ。


「ううん。雅和の、じゃなかった、宇宙人さんの趣味だろうなって思っただけ」


 そこで呼び方間違えたフリして俺のことだぞって強調するのやめろ!

 俺にはそんな性癖はない!


「コノ体ハ純愛ガ好キラシイゾ。アクマデモコノ体ノ話ダガ」

「へぇ~純愛ねぇ。幼馴染との純愛ねぇ」

「幼馴染トハ言ッテナイ」


 にやにやがうぜぇ~

 襲い掛かって黙らせてやりてぇ。


「分かってる分かってる。雅和は催眠が好き、と」

「ソレハ純愛デハナイ」

「純愛だよ。思うがままにエロいことがしたいって気持ち、(ぴゅあ)でしょ」

「ダトシテモ愛デハナイダロウガ」

「宇宙人さんって愛とか分かるんだ」


 こいつめ、都合が悪くなると宇宙人ネタに戻って誤魔化しやがって。


「当然ダ」

「なら教えてよ。愛って何?」

「ソレヲ正確ニ説明スル言葉ハコノ星ニ存在シナイ」

「チッ、そう来たか」


 高校生風情が『愛』が何かなんて答えられるわけ無いだろうが!


「それならずっと見ていたくてストーキングしちゃうのは?」

「歪ンダ愛ダ」

「他の女と話をするだけで嫉妬して一緒に死のうとしたくなっちゃうのは?」

「メンヘラナ愛ダ」

「何人もの女の人と付き合おうとしたくなるのは?」

「強欲ナ愛ダ」


 どうして普通の愛を取り上げないんだよこいつは。




「じゃあさ、可愛い幼馴染が高校生になっても遊びに来て露出過多な服装で下着を見せつつベッドでゴロゴロしてアピールしているのに全く手を出してこないし、いつまで経っても告白してこないのは?」




 けしからんな、そんな男がこの世にいるのか。

 答えはもちろん決まってる。


「ヘタレ、ダ」

「ふぅ~ん、ヘタレなんだ」

「ソ、ソウ、ダナ」


 扇風機の風に直に当たっているからか、なんかゾクゾクするな。

 風邪ひかないように、そろそろ止めるか。


「サテ、ソレデハ船ニ帰ルトスルカ」

「私の人生もこれまでか~」


 しまった、そういえば連れて帰るとかそんな話だったな。


「…………」

「…………」

「…………」

「…………」


 ぐっ、どうやって誤魔化……じゃなくて上手く締めれば良いか分からない。


「ねぇ宇宙人さん」

「ナ、何ダ?」


 真顔なの止めようよ。

 これコメディだよ。


「人体の調査、まだ?」


 あれぇ、おっかしいなぁ。

 こんなに暑い日なのに、どうしてこんなに寒いのだろうか。

 さっきよりも更に寒気が酷くなってる。


 扇風機に当たりすぎってのも良くないってことなんだな。


「イ、今ハ調査ノ為ノ機械ガ故障中ナノデ中止ダ。運ガ良カッタナ!」

「へたれ」


 なんとでも言うが良い。

 今の俺は宇宙人だから何を言われてもノーダメ、あ、こら、泣くのは卑怯だぞ!


 分かったよチクショウ。

 人体の調査すれば良いんだろ。




 嘘泣きだった汚ねぇ!

 絶対尻に敷かれると思ったから付き合うの躊躇してたんだよ!

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― 新着の感想 ―
最後の二行の締めがお見事。 それは小さい頃だと「お医者さんごっこ」という名前で呼ばれたりするんだけれどw
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