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Welt der ostasiatischen Föderation  作者: Hendrik-Verwoerd
東亞連邦の全容
24/48

各国の情勢(中華民国-第1部)

楽しめれるよ。

挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


 この世界の中華民国は、とても安定している。

 なぜなら、中華人民共和国から海南島を死守しており、更には、日本国と〈日華永久同盟〉という軍事同盟を結んでいるからだ。

 また、同じ国家相互同盟諸国でもあり、非常に明るい未来が待っている。

 では、これから、中華民国の本格的解説に入ろう。


 中華民国


挿絵(By みてみん)


 地理的条件と領土構成


 ー台湾島の地理的特性と戦略的価値ー


 中華民国の中核をなす台湾島は、

 北緯22度から25度

 東経120度から122度

 に位置している。

 総面積約36,000平方キロメートルを有しており、3500万人の人口を擁している。

 台湾島の地形は、

 ・東部の中央山脈

 ・西部の平野部

 ・南北に延びる海岸線

 からなり、亜熱帯海洋性気候の恩恵を受けて農業生産に非常に適している。

 中央山脈は島の背骨として機能。

 玉山(3,952メートル)を最高峰とする3,000メートル級の山々が連なっている。

 これらの山岳地帯は豊富な水資源を提供。

 西部平野での農業発展を、鳥山頭ダムと共に支えている。

 台湾海峡は、宿敵が我が物顔で跋扈する中国大陸との間に約180キロメートルの距離を置き、地政学的にも非常に重要な防御線として機能している。

 北部の基隆港と西部の高雄港は、太平洋と東南アジアを結ぶ海上交通の安定要衝として、中華民国の海洋戦略における中心的役割を担っている。

 また、台湾島は、朝鮮半島と東南アジアを結ぶ「島嶼の架け橋」として、東亞連邦との軍事及び経済協力において極めて重要な地理的位置を占めている。


 ー海南島の戦略的意義と開発計画ー


 海南島は、中華民国領土の南端付近に位置している。

 その面積は、約34,000平方キロメートルを有する。

 人口は、2500万人を擁しており、中華民国を構成する重要な領土である。

 しかも、大陸本土の雷州半島から瓊州海峡を隔てて約20キロメートル南に位置。

 これは、南シナ海の制海権確保において戦略的価値を持つ。

 島の地形は、中央部の五指山地(最高峰1,867メートル)を中心とした険しい山岳地帯と、沿岸部の平野部から構成されている。

 海南島の気候は、熱帯モンスーン気候だ。

 年間平均気温は、24度から26度付近であり、年間降水量は1,500ミリメートルに達する。

 ゴムやコーヒー、ココナッツなどの熱帯作物栽培に適している。


 中華民国政府は、1950年から「海南島開発五カ年計画」を実施。

 ・海口市及び三亜市を中心とした港湾施設の近代化

 ・海南島各地の都市の建設

 ・農業改革

 ・観光業開発

 ・台湾本島からの移住入植

 これら5つを徹底的に推進した。

 特に、海口市は南シナ海の海上交通要衝として、東南アジア地域との貿易拠点として発展が期待されている。

 そして、海南島の戦略的価値は軍事面でも顕著だ。

 島の北部と南部に建設された空軍基地は、南シナ海全域をカバーする航空作戦能力を提供。

 東亞連邦との共同防衛体制において重要な役割を果たしている。

 また、海南島は台湾本島との間で「南北防衛軸」を形成。

 中華民国の海洋防衛戦略の基盤となっている。


 ー離島群と海洋権益ー


 中華民国は、上記のに加え、

 ・澎湖諸島

 ・金門島

 ・馬祖島

 ・東沙諸島

 ・太平島

 などのこれら離島群を管轄している。

 これらの離島は「前進防衛基地」として機能。

 中華民国の海洋権益確保において、非常に重要な戦略的価値を持つ。


 澎湖諸島は、台湾海峡の中央に位置。

 海峡の制海権確保において要衝の役割を果たしている。

 金門島と馬祖島は、中国大陸に近接。

 情報収集と早期警戒の前哨基地として機能している。

 東沙諸島と太平島は、南シナ海の資源開発と航行権確保において重要な拠点である。


 中華民国政府は、1952年から「離島開発計画」を実施。

 各島嶼における

 ・港湾施設

 ・飛行場

 ・通信設備

 ・軍事基地

 これらの建設を進めている。

 これらの離島群は、東亞連邦との共同防衛体制において、大陸本土の監視及び警戒ネットワークの重要な構成領土となっている。


 ー北部地域の都市化と人口集中ー


 台湾島の北部地域は、

 ・台北市

 ・基隆市

 ・桃園県

 を中心とする約4,000平方キロメートルの区域だ。

 台湾本島の人口の約45%にあたる1,575万人が居住している。

 この地域は、淡水河流域の肥沃な平野部と基隆港を擁する天然の良港を活かし、中華民国における政治・経済・文化の中心地として急速な発展を遂げている。


 台北市は、1950年の遷台から人口が3倍以上に増加。

 1956年時点では、人口395万人を数える東アジア地域屈指の大都市となっている。

 市街地は、淡水河南岸の台北盆地を中心に、

 東西15キロメートル

 南北12キロメートル

 の範囲に展開している。

 中山区や大同区、中正区などの中心部には、

 ・政府機関

 ・金融機関

 ・商業施設

 が集中している。

 近代的な都市景観を形成している。

 また、総統府や行政院、立法院などの中華民国政府機関は、いずれも日本統治時代の建築物を改修及び拡張したものである。

 しかし、1952年以降の都市改造計画により、周辺地域には新たな政府庁舎群が建設されている。


 住宅問題は、台湾島の北部地域における最大の課題の一つとなっている。

 中華民国政府の遷台以来の人口急増により、既存の住宅供給が大幅に不足。

 違法建築や過密居住が深刻化している。

 これに対応するため、1951年に制定された「都市計画法」に基づき、

 ・新店

 ・板橋

 ・中和

 などの台北周辺地域において、大規模な住宅団地の建設が進められている。

 これらの住宅団地は、1戸あたり15坪から25坪の標準的な規模で設計。

 上下水道や電気、ガスなどの基本的なインフラが整備されている。


 交通網の整備も台湾島北部地域の発展を支える重要な要素である。

 台北市内では、路面電車に加えて、1954年からトロリーバスの運行が開始。

 市民の日常的な移動手段として定着している。

 台北市と基隆市を結ぶ鉄道は複線化工事が進められ、1955年には電化が完了している。

 これにより、両都市間の所要時間は従来の2時間から45分に短縮。

 経済活動の効率化に大きく貢献している。


 基隆市は、中華民国最大の国際港湾都市であり、年間貨物取扱量が500万トンに達している。

 港湾施設は、1950年代初頭から大規模な拡張工事が実施。

 1956年時点では。大型貨物船20隻が同時に接岸可能な能力を持っている。

 基隆港を通じた貿易額は、年間150億ドルに到達。

 中華民国経済の対外窓口としての機能を果たしている。

 同港からは

 ・日本国

 ・アメリカ合衆国

 ・東南アジア各国

 への定期航路が運航。

 特に東亞連邦との貿易において、重要な役割を担っている。


 桃園県は、農業地帯から工業地帯への転換が進んでいる地域である。

 県内には、

 ・大園

 ・中壢

 ・平鎮

 などの工業区が設置。

 その工業区へと、

 ・繊維産業

 ・食品加工産業

 ・機械組立産業

 などの軽工業が集積している。

 これらの工業区には、中華民国初の工業用水道が整備。

 安定した工業用水の供給が可能となっている。

 また、桃園県は台北市のベッドタウンとしての機能も果たしており、台北市内で働く公務員や会社員の住宅需要に応えている。


 ー中部地域の農工混合発展ー


 台湾島の中部地域は、

 ・台中市

 ・彰化県

 ・南投県

 を中心とする約5,500平方キロメートルの区域であり、人口は約800万人である。

 この地域は、温暖な気候と肥沃な土壌に恵まれており、農業生産の中心地として発展してきた。

 しかし、近年は工業化も急速に進展している。

 また、同じ国家相互同盟諸国である東亞連邦が陸軍基地を幾つか保有している。


 台中市は、中部地域の中心都市にして、人口85万人を擁している。

 市内中心部はというと、日本統治時代の都市計画に基づく碁盤目状の街路が特徴的だ。

 ・中山路

 ・台中路

 ・三民路

 などの主要幹線道路沿いには、商業施設や金融機関が集中。

 1953年に設立された台中工業区は、中華民国初めての計画的工業団地として注目。

 主に、

 ・食品加工産業

 ・繊維産業

 ・機械産業

 などの工場が操業している。

 同工業区の総面積は300ヘクタールで、現在約50社の企業が進出している。


 彰化県は、台湾最大の農業県として、米作を中心とする農業生産が盛んである。

 県内の耕地面積は約12万ヘクタールで、年間米生産量は35万トンに達している。

 従来の単作から二期作への転換が推進。

 1954年の農地改革により自作農比率が90%を超えている。

 農業の機械化も着実に進展。

 トラクターや耕耘機、脱穀機などの農業機械の普及率は全島平均を上回っている。


 彰化県では農業と並行して工業化も進展している。

 ・鹿港

 ・員林

 ・田中

 などの主要都市には、食品加工工場が設置。

 農産物の付加価値向上に寄与している。

 特に砂糖や醤油、味噌などの食品加工業は地域経済の重要な柱となっている。

 また、県内には小規模ながら機械工場も設立。

 通常の農業機械の製造・修理を行っている。


 南投県は、山地が多く、平地は限られている。

 しかし、茶、果物、木材などの特産品生産が盛んである。

 県内の茶園面積は約3,000ヘクタール。

 年間茶葉生産量は1,200トンに達している。

 南投県産の茶葉は品質が高く評価されており、日本や東南アジア各国へ輸出されている。

 また、県内の森林面積は約15万ヘクタール。

 建築用材、家具材、パルプ材などの木材生産が行われている。


 中部地域の交通網は、縦貫鉄道を軸として発達している。

 台中駅は台湾鉄道の主要駅の一つだ。

 また、南北を結ぶ幹線鉄道に加え、東西を結ぶ支線鉄道の起点となっている。

 道路網についても、1952年から始まった道路改良工事により、主要幹線道路の舗装が進められている。

 台中市内では市営バスが運行。

 市民の日常的な交通手段として利用されている。


 ー南部地域の重化学工業発展ー


 台湾島の南部地域は、

 ・台南市

 ・高雄市

 ・屏東県

 ・澎湖県

 を中心とする約6,000平方キロメートルの区域であり、人口は約1,200万人である。

 この地域は温暖な気候と豊富な水資源に恵まれ、農業生産が盛んだ。

 しかし、1950年代に入ってから重化学工業の拠点として急速に発展している。


 高雄市は、南部地域最大の都市だ。

 そして、人口120万人を擁する工業都市である。

 高雄港は、基隆港に次ぐ台湾第二の港湾であり、年間貨物取扱量は300万トンに達している。

 1952年から始まった高雄港拡張工事により、港湾施設は大幅に拡充。

 1956年時点では、大型貨物船15隻が同時に接岸可能となっている。

 高雄港を中心とする工業地帯には

 ・製鉄所

 ・石油化学工場

 ・造船所

 などの重工業施設が集積している。


 高雄製鉄所は、1954年に操業を開始した台湾初の本格的な製鉄所だ。

 年間粗鋼生産能力は50万トンである。

 同製鉄所は、アメリカ合衆国及び東亜連邦からの技術援助により、建設最新の設備を導入。

 また、同製鉄所の建設により、台湾の鉄鋼自給率は大幅に向上。

 ・造船

 ・機械

 ・建設

 などの関連産業の発展が促進されている。


 石油化学工業は、高雄地区の新たな主力産業として急成長。

 1955年に操業を開始した高雄石油化学工場は

 ・年間エチレン生産能力3万トン

 ・年間プロピレン生産能力2万トン

 を有しており、台湾の石油化学工業の基礎を築いている。

 同工場では原油を原料として、

 ・プラスチック

 ・合成繊維

 ・合成ゴム

 などの基礎化学製品を製造している。

 これらの製品は台湾内需を満たすとともに、東南アジア各国へも輸出されている。


 高雄造船所は、1953年に設立された台湾最大の造船所だ。

 同造船所の年間造船能力は総トン数10万トンであり、

 ・貨物船

 ・漁船

 ・軍艦

 などの建造を行っており、造船技術の向上により台湾の海運業発展に大きく貢献している。

 また、造船所の設立により、

 ・鉄鋼

 ・機械

 ・電機

 などの関連産業の集積が進んでいる。


 台南市は、台湾の古都として歴史的な街並みを保持。

 しかしながら、近代的な都市として発展している。

 人口75万人の台南市は、教育・文化・宗教の中心地として重要な役割を果たしている。

 市内には、成功大学や台南師範学校などの高等教育機関が設置。

 工学・教育分野の人材育成が行われている。


 台南市の工業は食品加工業を中心として発達している。

 市内及び周辺地域には、

 ・砂糖工場

 ・醤油工場

 ・缶詰工場

 などが設置。

 豊富な農産物を原料とする食品加工が行われている。

 特に砂糖工業は、台南地区の伝統的な産業であり、1956年時点でも重要な地位を占めている。

 また、近年は繊維工業も発展。

 綿花や麻、絹などを原料とする繊維製品の生産が行われている。


 屏東県は、台湾最南端の県であり、熱帯性気候を活かした農業が盛んである。

 県内の耕地面積は約8万ヘクタール。

 ・米

 ・サトウキビ

 ・バナナ

 ・パイナップル

 などの農産物が生産されている。

 特にバナナとパイナップルは、中華民国の主要輸出農産物として、日本国や東亞連邦へと輸出されている。

 また、

 ・バナナの年間生産量は12万トン

 ・パイナップルの年間生産量は8万トン

 に達している。

 屏東県では、農業と並行して水産業も発展。

 県内の東港や林辺、枋寮などの漁港では遠洋漁業が盛んであり、

 ・マグロ

 ・カツオ

 ・サバ

 などの漁獲が行われている。

 これらの漁港から出漁する漁船は、年間約3万隻。

 漁獲量は年間15万トンに達している。

 水産加工業も発展。

 冷凍魚や干物、缶詰などの水産加工品が製造されている。


 ー東部地域の原住民政策と資源開発ー


 台湾島の東部地域は、

 ・花蓮県

 ・台東県

 を中心とする約8,000平方キロメートルの区域であり、人口は約65万人である。

 この地域は、中央山脈と海岸山脈に挟まれた狭い平野部と山岳地帯から構成。

 豊富な自然資源と多様な原住民文化を有している。


 花蓮県は、台湾東部最大の県であり、人口約40万人を擁している。

 県内は、山地が80%以上を占めており、平地は花蓮渓流域の花東縦谷平野に限定。

 花蓮市は、県の中心都市として人口8万人を擁している。

 また、東部地域の政治・経済の中心地となっている。

 花蓮県の経済は、

 ・農業

 ・林業

 ・鉱業

 を基盤としている。


 農業は、花東縦谷平野の肥沃な土壌を活用。

 米作が盛んに行われている。

 県内の耕地面積は、約2万ヘクタール。

 年間米生産量は8万トンに達している。

 また、温暖な気候を活かした果物栽培も行われており、

 ・柑橘類

 ・梨

 ・桃

 などの果物が生産されている。


 林業は、花蓮県の重要な産業の一つである。

 県内の森林面積は約25万ヘクタール。

 台湾島の森林面積の約15%を占めている。

 主要な樹種は、檜や杉などの針葉樹である。

 これらの木材は、

 ・建築用材

 ・家具材

 ・パルプ材

 として利用されている。

 また、林業の発展により、木材加工業も盛んになり、

 ・製材所

 ・合板工場

 ・家具工場

 などが設立されている。


 鉱業は花蓮県の特色ある産業である。

 県内には、

 ・大理石

 ・石灰石

 ・金鉱石

 ・銅鉱石

 などの鉱物資源が豊富に存在している。

 特に大理石は品質が高く評価されており、建築材料や装飾材料として台湾各地に出荷されている。

 また、太魯閣地区では、金鉱や銅鉱の採掘が実施されており、地域経済の重要な柱となっている。


 台東県は、台湾最東端の県であり、人口約25万人を擁している。

 県内は、山地が70%以上を占め、平地は台東平野に限られている。

 台東市は、県の中心都市として人口4万人を擁している。

 また、東部地域の文化的中心地となっている。

 台東県の経済は、農業と観光業を中心としている。


 農業では温暖な気候を活かし、米作に加えて果物栽培が盛んに行われている。

 特に

 ・釈迦頭

 ・龍眼

 ・ライチ

 などの熱帯果実は、台東県の特産品として知られている。

 また、県内の山地では茶栽培も実施。

 高山茶として高い評価を得ている。


 観光業は台東県の新たな産業として注目されている。

 県内には、知本温泉や太麻里温泉などの温泉地が存在。

 美しい自然景観と相まって観光客を集めている。

 また、原住民文化というのも重要な観光資源となっている。

 原住民の伝統的な舞踊や音楽などが観光客の関心を集めている。


 原住民政策については、中華民国政府は原住民の権利保護と文化保存に取り組んでいる。

 1952年に制定された「原住民族発展法」に基づき、

 ・原住民の土地権

 ・原住民の文化権

 ・原住民の教育権

 の保護が図られている。

 また、原住民地区には、特別な行政制度が設置。

 原住民の自治が認められている。


 教育面では、原住民の子弟に対する教育機会の拡大が図られている。

 原住民地区には、小学校や中学校が設置。

 原住民の母語教育も行われている。

 また、優秀な原住民学生には、奨学金が支給。

 高等教育を受ける機会が提供されている。


 経済面では、原住民の経済的自立を支援するため、

 ・農業技術指導

 ・職業訓練

 ・小規模金融

 などの支援策が実施されている。

 また、原住民の伝統的な手工芸品の商品化も推進。

 観光業の発展と相まって原住民の収入向上に貢献している。


 ー離島地域の軍事要塞化と住民生活ー


 台湾周辺の離島地域は

 ・澎湖県

 ・金門県

 ・馬祖県

 ・西沙諸島(中華民国直轄地)

 ・南沙諸島(中華民国直轄地)

 ・東沙島(中華民国直轄地)

 などの数多の島嶼から構成。

 総面積は約300平方キロメートルであり、人口約15万人を擁している。

 これらの離島は。台湾本島の前進防衛拠点として重要な戦略的価値を保有。

 軍事要塞化が進められている。


 澎湖県は、台湾海峡の中央部に位置する約90の島嶼から構成。

 総面積約127平方キロメートルであり、人口約8万人を擁している。

 県庁所在地の馬公市は、澎湖諸島最大の都市。

 人口約3万人を有している。

 澎湖諸島は、台湾海峡の制海権確保において重要な地位を占有。

 ・海軍基地

 ・空軍基地

 ・陸軍基地

 が設置されている。


 澎湖諸島の経済は、漁業と観光業を中心としている。

 周辺海域は、好漁場として認知。

 ・アジ

 ・サバ

 ・イカ

 ・エビ

 などの漁獲が行われている。

 澎湖県の年間漁獲量は、約3万トンだ。

 これらの水産物は、台湾島や東亞連邦に出荷されている。

 また、澎湖諸島は、美しい海岸線と独特の玄武岩地形を有しており、観光地として注目されている。


 金門県は、福建省金門島及び周辺の小島から構成。

 総面積約152平方キロメートルであり、人口約4万人を擁している。

 金門島は、大陸に最も近い領土だ。

 大陸との距離はわずか2キロメートルである。

 このため、金門島は、対大陸防衛の最前線として極めて重要な戦略的価値を有している。


 金門島には、

 ・陸軍

 ・海軍

 ・空軍

 の基地が設置。

 約2万人の軍人が駐留している。

 島内には、

 ・地下要塞

 ・砲台

 ・飛行場

 などの軍事施設が建設。

 有事の際には、大陸からの攻撃に対する防衛拠点として機能する。

 また、金門島は情報収集活動の拠点としても重要な役割を果たしている。

 金門島の住民生活は、軍事基地との共存という特殊な環境にある。

 島内の経済活動は、軍需関連産業が中心となっている。

 軍人及びその家族向けの商業やサービス業が発展している。

 また、金門島特産の高粱酒は台湾各地で人気が高く、重要な地域産業となっている。


 馬祖県は、馬祖列島から構成。

 総面積約29平方キロメートルであり、人口約1万人を擁している。

 馬祖列島は、台湾海峡北部に位置。

 大陸の福建省の沿岸から約10キロメートルの距離にある。

 このため、馬祖列島も対大陸防衛の重要な拠点として軍事要塞化が進められている。

 馬祖列島には海軍基地が設置。

 約5,000人の軍人が駐留している。

 島内には

 ・レーダー基地

 ・通信基地

 ・砲台

 などの軍事施設が建設。

 台湾海峡北部の制海権確保に重要な役割を果たしている。

 また、馬祖列島は漁業基地としても機能。

 周辺海域での漁業活動が行われている。


 東沙島は、南シナ海の北部に位置する面積約1.8平方キロメートルの環礁島。

 約500人の軍人が駐留している。

 東沙島は、南シナ海の制海権確保において重要な戦略的価值を有しており、

 ・海軍基地

 ・気象観測所

 ・通信基地

 が設置されている。

 また、東沙島周辺海域は、豊富な海洋資源を保有。

 将来的な資源開発の拠点として期待されている。


 西沙及び東沙諸島の中で最大の島は、太平島だ。

 太平島は、南シナ海の南沙諸島に位置する面積約0.51平方キロメートルの島であり、約200人の軍人が駐留している。

 太平島は、南シナ海南部の制海権確保において重要な拠点であり、

 ・海軍基地

 ・飛行場

 ・港湾施設

 が建設されている。

 また、気象観測や海洋調査の拠点としても機能している。


 離島地域の住民生活は、軍事基地との共存という特殊な環境にある。

 しかし、中華民国政府は住民の生活向上に努めている。

 各離島には、小学校や中学校が設置。

 子どもたちの教育機会が確保されている。

 また、

 ・医療施設

 ・郵便局

 ・電信局

 などの公共サービスも整備されている。


 交通面では、各離島と台湾本島を結定期船便が運航。

 住民の移動や物資輸送が確保されている。

 また、島内では軍用車両を活用した住民輸送サービスも提供されている。


 ー海南島地域開発の全面展開ー


 海南島は、中華民国の南方重要領土だ。

 1950年の遷台以来急速な開発が進められている。

 総面積約34,000平方キロメートルであり、人口約2,500万人を擁する海南島は、熱帯性気候と豊富な自然資源を活かして、

 ・農業

 ・工業

 ・観光業

 の複合的発展を目指している。


 ー海口市の国際貿易港発展ー


 海口市は、海南省の省都だ。

 また、人口約400万人を擁する海南島最大の都市である。

 市街地は、海南島北岸の海口湾に面して発達。

 国際貿易港としての機能を果たしている。

 海口港は、1952年から大規模な拡張工事が実施。

 1956年時点では、年間貨物取扱量200万トンの能力を有する近代的な港湾となっている。


 海口港の主要な貿易相手国は、

 ・大亜細亜帝國連邦

 ・東亜連邦

 ・日本国

 ・アメリカ合衆国

 などである。

 また、輸出品目は、

 ・熱帯農産物

 ・水産物

 ・軽工業製品

 が中心であり、年間輸出額は約80億ドルに達している。

 特にゴムやバナナなどの熱帯農産物は品質が高く評価。

 世界市場でも競争力を持っている。


 海口市の工業は、食品加工業を中心として発達。

 市内及び周辺地域には、

 ・砂糖工場

 ・コーヒー加工工場

 ・椰子油工場

 ・魚介類加工工場

 などが設置されている。

 これらの工場では、海南島産の農水産物を原料として各種加工食品を製造している。

 特にコーヒー加工業は、海南島の特色ある産業として注目。

 年間コーヒー豆処理量は約2万トンに達している。


 海口市は、海南島の教育・文化の中心地としても重要な役割を果たしている。

 市内には、

 ・国立海南大学

 ・海南師範学院

 などの高等教育機関が設置。

 農学や工学分野の人材育成が行われている。

 また、

 ・図書館

 ・博物館

 ・文化会館

 などの文化施設も整備。

 海南島の文化的発展を支えている。


 交通面では、海口市は海南島の交通の要衝として機能。

 海口駅は、環島鉄道の起点として、島内各地への鉄道交通の中心となっている。

 また、海口空港は、1954年に開港した海南島唯一の国際空港。

 台湾島や日本国などへの定期航空便が運航されている。


 ー三亜市の観光開発と軍事基地併存ー


 三亜市は、海南島南端に位置する人口約150万人の都市だ。

 美しい海岸線と熱帯性気候を活かした観光開発が進められている。

 ・三亜湾

 ・大東海

 ・亜龍湾

 などの海岸は、白い砂浜と透明な海水で知られており、台湾島やアメリカ合衆国からの観光客を集めている。

 三亜市の観光開発は、1953年から本格的に始まり、

 ・ホテル

 ・レストラン

 ・レクリエーション施設

 などの観光インフラが整備されている。

 1956年時点では、市内には大型ホテル15軒と中小規模ホテル約100軒が営業。

 年間宿泊客数は約50万人に達している。

 また、

 ・マリンスポーツ

 ・釣り

 ・ゴルフ

 などのレクリエーション活動も盛んに行われている。


 三亜市は観光地としての発展と並行して、軍事基地としての機能も有している。

 三亜港は海軍基地として整備されており、南シナ海の制海権確保において重要な役割を果たしている。

 また、市内には空軍基地も設置。

 南方防衛の拠点として機能している。


 観光開発と軍事基地の併存というのは、三亜市の特色ある発展モデルとなっている。

 軍事基地の存在により安全保障が確保。

 その力の下で、観光開発による地域経済の活性化が図られている。

 中華民国政府は、観光地区と軍事地区の明確な区分を実施。

 観光客の安全と軍事機密の保護を両立させている。


 三亜市の農業は熱帯果実の栽培を中心として発達している。

 市内及び周辺地域では、

 ・マンゴー

 ・パパイヤ

 ・ライチ

 ・龍眼

 ・ココナッツ

 などの熱帯果実が栽培。

 年間生産量は約15万トンに達している。

 これらの果実は、台湾島や東南アジア各国に出荷されるとともに観光客向けの土産品としても販売されている。


 水産業も三亜市の重要な産業の一つである。

 三亜港を基地とする漁船は南シナ海各地で漁業活動を行っており、

 ・マグロ

 ・カツオ

 ・エビ

 ・貝類

 などの漁獲が行われている。

 年間漁獲量は約8万トンであり、これらの水産物は加工されて台湾島や東南アジア各国に出荷されている。


 ー中央山地の資源開発と環境保護ー


 海南島中央部には、五指山を主峰とする中央山地が広がっている。

 豊富な森林資源と鉱物資源を有している。

 この地域では、資源開発と環境保護の両立を図る政策が実施されている。


 森林資源については、海南島の森林面積は約150万ヘクタール。

 海南島全体の約45%を占めている。

 主要な樹種は熱帯広葉樹で、

 ・mahogany

 ・teak

 ・ebony

 などの高級木材が豊富に存在。

 林業は海南島の重要な産業の一つであり、年間木材生産量は約50万立方メートルに達している。

 森林の管理については、持続可能な林業経営を目指している。

 計画的な伐採と造林が行われている。

 1954年に制定された「海南森林保護法」に基づき、森林の保護区域が設定。

 無計画な伐採が防止されている。

 また、造林事業も積極的に推進されており、年間造林面積は約5,000ヘクタールに達している。


 海南島の鉱物資源については、

 ・鉄鉱石

 ・石炭

 ・石油

 ・天然ガス

 などの鉱物が埋蔵されている。

 特に鉄鉱石は品質が高く、年間採掘量は約100万トンに達している。

 これらの鉄鉱石は、海南製鉄所の原料として使用されるとともに台湾島にも出荷されている。


 石油資源については、海南島南部の海域で石油の試掘が実施。

 有望な油田の発見が期待されている。

 1956年時点では。アメリカ合衆国及び東亜連邦の石油会社と共同で海底油田の探査が進められている。

 また、島内では天然ガスの採掘も行われており、年間採掘量は約1億立方メートルに達している。


 環境保護については、海南島の豊かな自然環境を保護するため、各種の環境保護政策が実施されている。

 1955年に制定された「海南環境保護法」に基づき、環境保護区域が設定。

 野生動植物の保護が図られている。

 また、工業開発に際しては環境影響評価が義務付けられ、環境への負荷を最小限に抑える努力が行われている。


 ー沿岸部の漁業近代化と海洋資源利用ー


 海南島の沿岸部では漁業の近代化が進められ、豊富な海洋資源の活用が図られている。

 海南島周辺海域は南シナ海の一部であり、熱帯性の豊かな漁場として知られている。

 漁業の近代化については、1952年から漁船の機械化が促進。

 従来の帆船から動力船への転換が図られている。

 1956年時点では、海南島の漁船総数は約8,000隻で、このうち動力船は約6,000隻を占めている。

 また、漁船の大型化も進められており、遠洋漁業に適した大型漁船の建造が行われている。

 漁業技術の向上については、漁業技術指導所が設置。

 漁業者に対する技術指導が行われている。

 新しい漁法や漁具の導入により、漁獲効率の向上が図られている。

 また、魚群探知機や無線通信機などの近代的な機器の導入により、漁業の効率化が進められている。


 水産加工業も漁業の近代化と並行して発達している。

 海南島の沿岸部には、魚介類加工工場が設置。

 ・冷凍魚

 ・干物

 ・缶詰

 ・魚醤

 などの水産加工品が製造されている。

 これらの加工品は、台湾島やイスラエル国に出荷されており、海南島の重要な輸出品目となっている。


 海洋資源の利用については、海南島周辺海域での海洋調査が積極的に行われている。

 ・海洋生物資源

 ・海底鉱物資源

 ・海洋エネルギー資源

 などの調査が進められており、将来的な海洋資源開発の基礎データが蓄積されている。

 特に海底鉱物資源については、海南島南方海域で石油や天然ガスの探査が実施。

 有望な海底油田の発見が期待されている。

 また、海底に眠るマンガン団塊や多金属硫化物などの海底鉱物資源についても調査が進められている。


 海洋エネルギー資源については、海南島周辺海域の波力や海流などを利用した発電の可能性が検討されている。

 特に海南島南端の海域は波力エネルギーが豊富だ。

 その為、波力発電の実用化が期待されている。


 ー内陸部の熱帯農業開発と移住村建設ー


 海南島内陸部では、熱帯性気候を活かした農業開発が促進。

 台湾島からの移住者による新しい農業コミュニティが形成されている。

 熱帯農業の開発については、海南島の気候条件を活かし、

 ・ゴム

 ・コーヒー

 ・ココナッツ

 ・胡椒

 ・バニラ

 などの熱帯作物の栽培が行われている。

 これらの作物は、台湾島では栽培が困難である為、海南島の特色ある農産物として位置づけられている。


 ゴム栽培は、海南島の主要な農業部門の一つ。

 栽培面積は約5万ヘクタールであり。年間生産量は約3万トンに達している。

 海南島のゴムは品質が高く評価されており、国内需要を満たすとともに東南アジア各国にも輸出されている。


 コーヒー栽培は、海南島の新しい農業部門として注目されている。

 島内の山間部では、標高500メートルから1,000メートルの地域でコーヒー栽培が実施。

 年間生産量は約5,000トンに達している。

 海南島のコーヒーは香りが良く、台湾島や日本で人気が高い。

 ココナッツ栽培は海南島の伝統的な農業であり、島内各地で行われている。

 ココナッツの年間生産量は約20万個で、

 ・ココナッツオイル

 ・ココナッツミルク

 ・ココナッツファイバー

 などの加工品が製造されている。


 移住村建設については、1950年以降台湾島から海南島への移住が積極的に推進されている。

 移住者は主に農業従事者であり、海南島の未開発地域で新しい農業コミュニティを形成している。

 移住村は計画的に建設されており、

 ・住宅

 ・学校

 ・診療所

 ・農業技術指導所

 などの施設が整備されている。

 各移住村には、約100戸から200戸の住宅が建設。

 一つの移住村には、約500人から1,000人の住民が生活している。

 1956年時点では、海南島内には約200の移住村が建設。

 約15万人の移住者が生活している。

 移住者に対しては各種の支援策が実施されている。

 ・土地の無償配分

 ・農業資金の融資

 ・農業技術の指導

 ・子どもの教育機会の提供

 などが行われている。

 また、移住者の文化的アイデンティティを保持するため、台湾島の文化や習慣の維持が奨励されている。

 農業技術の指導については、各移住村に農業技術指導員が配置。

 熱帯農業の技術指導が行われている。

 ・新しい作物の栽培方法

 ・病害虫防除

 ・土壌改良

 などの技術指導により、農業生産性の向上が図られている。


 政治体制と統治構造


 ー行政機構の全面的分析ー


 中華民国の政治体制は、五権分立の憲政体制を基礎とし、

 ・行政院

 ・立法院

 ・司法院

 ・考試院

 ・監察院

 の五院制を採用している。

 1947年に制定された中華民国憲法は、台湾地区において完全に実施。

 民主的な政治制度の確立が図られている。


 ー行政院の組織と職能ー


 行政院は、中華民国の最高行政機関として、国家行政の全般を統括している。

 行政院長は、総統によって任命。

 国家政策の企画・立案・執行を担当している。

 1956年時点の行政院長は、陳誠という男が務めている。

 行政院の組織は、

 ・16部

 ・8会

 ・2署

 ・1局

 で構成されている。


 内政部は国内行政の総括機関として、

 ・地方行政

 ・戸籍管理

 ・警察行政

 ・消防行政

 ・民政事務

 などを所管している。

 部内には、

 ・民政司

 ・警政司

 ・地政司

 ・社会司

 などの司が設置。

 各分野の行政事務を担当している。

 特に地方行政については、

 ・省

 ・県

 ・市

 ・郷鎮

 の階層的行政体系の管理監督を行っている。


 外交部は、対外関係の総括機関として、外交政策の企画・立案・実施を担当している。

 部内には、

 ・政務司

 ・経済司

 ・条約司

 ・領事司

 ・情報司

 などの司が設置されている。

 1956年時点では、中華民国は50カ国以上と外交関係を維持。

 これらの国々との

 ・外交交渉

 ・経済協力

 ・文化交流

 などを推進している。


 國防部は、国家安全保障の総括機関として、軍事政策の企画・立案・実施を担当している。

 部内には、

 ・軍政司

 ・軍備司

 ・情報司

 ・参謀司

 などの司が設置されている。

 国防部は、

 ・陸軍

 ・海軍

 ・空軍

 の三軍を統括。

 国家防衛体制の確立を図っている。

 また、国防部参謀本部軍事情報局という情報機関がある。

 1956年時点での国防部参謀本部軍事情報局長は、戴笠である。


 財政部は、国家財政の総括機関として、財政政策・税制・国庫管理・関税行政などを所管している。

 部内には、

 ・国庫司

 ・税政司

 ・関税司

 ・金融司

 ・国有財産司

 などの司が設置されている。

 財政部は、

 ・国家予算の編成及び執行

 ・税収の確保

 ・国債の発行及び管理

 などを通じて、国家財政の健全性を堅実に維持している。


 教育部は、教育政策の総括機関として、初等教育・中等教育・高等教育・職業教育・社会教育などを所管している。

 部内には

 ・初等教育司

 ・中等教育司

 ・高等教育司

 ・職業教育司

 ・社会教育司

 などの司が設置されている。

 教育部は、

 ・教育制度の改革

 ・教育内容の充実

 ・教育機会の拡大

 などを通じて、国民教育の向上を図っている。


 経済部は、経済政策の総括機関として、工業政策・商業政策・能源政策・技術開発政策などを所管している。

 部内には、

 ・工業司

 ・商業司

 ・能源司

 ・技術司

 ・投資司

 などの司が設置されている。

 経済部は、

 ・経済発展計画の策定及び実施

 ・産業政策の推進

 ・貿易の促進

 などを通じて、国家経済の発展を図っている。


 交通部は、交通政策の総括機関として、鉄道・道路・航空・海運・郵政・電信などを所管している。

 部内には、

 ・鉄路司

 ・公路司

 ・航政司

 ・海運司

 ・郵政司、

 ・電信司

 などの司が設置されている。

 交通部は、

 ・交通インフラの整備

 ・交通サービスの向上

 ・情報通信の発展

 などを通じて、国民の利便性向上を図っている。


 ー立法院の組織と機能ー


 立法院は中華民国の最高立法機関として、

 ・法律の制定及び改廃

 ・予算の審議

 ・中華民国政府の監督

 などを担当している。

 立法院は、760名の立法委員で構成されており、任期は3年である。

 立法委員は直接選挙によって選出。

 比例代表制と選挙区制の併用制度が採用されている。


 立法院の組織は、

 ・院長

 ・副院長

 ・秘書長

 の下に、各種の委員会が設置されている。

 常設委員会には、

 ・内政委員会

 ・外交委員会

 ・国防委員会

 ・財政委員会

 ・教育委員会

 ・経済委員会

 ・交通委員会

 ・司法委員会

 ・予算委員会

 などがある。

 各委員会は、

 ・法案審議

 ・政策監督

 ・予算審査

 などを所轄分野毎に行っている。


 立法院の主要な権限は法律の制定・改廃であり、中華民国政府が提出する法案や立法委員が提出する法案について審議を行っている。

 法案の審議は、委員会審査と院会審議の二段階で実施。

 また、過半数の賛成により可決される。

 重要法案については、三読会制度が採用。

 慎重な審議が行われている。


 予算審議は、立法院の重要な権限の一つだ。

 中華民国政府が提出する年度予算案について詳細な審査を行っている。

 予算委員会では、各部会の予算について項目別に審査を行って、必要に応じて修正を行っている。

 予算案は、院会での審議を経て、過半数の賛成により可決される。


 政府監督については、立法院は行政院に対して、

 ・質疑権

 ・調査権

 ・弾劾権

 などを有している。

 立法委員は、行政院長及び各部長に対して質疑を行うことが可能であり、中華民国政府の政策や施政について説明を求めることができる。

 また、重要な政治問題については調査委員会を設置。

 詳細な調査を行うことができる。

 ただし、蒋介石総統による独裁体制の為に、あまり役に立ってはいないのだが。


 ー司法院の組織と機能ー


 司法院は、中華民国の最高司法機関として、

 ・司法行政

 ・法律の解釈

 ・違憲審査

 などを担当している。

 司法院は、

 ・院長

 ・副院長

 ・秘書長

 の下に、

 ・最高法院

 ・高等法院

 ・地方法院

 ・行政法院

 ・公務員懲戒委員会

 などが設置されている。


 最高法院は、民事及び刑事の最高審級として、法律の統一的解釈と適用を担当している。

 最高法院には、民事庭と刑事庭が設置。

 それぞれ民事・刑事の上訴事件を審理している。

 最高法院の判決は判例として下級審を拘束し、法律の統一的適用を確保している。


 高等法院は、民事及び刑事の第二審級として、地方法院の判決に対する上訴事件を審理している。

 1956年時点では、

 ・台北市

 ・台中市

 ・台南市

 ・高雄市

 ・花蓮市

 の5カ所に高等法院が設置。

 各地域の司法需要に対応している。


 地方法院は、民事及び刑事の第一審級として、一般的な民事・刑事事件を審理している。

 1956年時点では、全土に20カ所の地方法院が設置。

 各県市の司法需要に対応している。

 地方法院には、

 ・民事庭

 ・刑事庭

 ・家事庭

 ・少年庭

 などが設置されている。


 行政法院は、行政訴訟の専門機関として、行政処分に対する不服申立てを審理している。

 行政法院は、行政権の適法性を監督。

 国民の権利救済を図る重要な機能を果たしている。


 公務員懲戒委員会は、公務員の非行に対する懲戒処分を審理する機関である。

 公務員の職務違反や犯罪行為などに対して、

 ・戒告

 ・減俸

 ・降級

 ・休職

 ・免職

 などの懲戒処分を決定している。


 ー考試院の組織と機能ー


 考試院は、中華民国独特の機関として、公務員の任用・昇進・退職などの人事行政を担当している。

 考試院は、

 ・院長

 ・副院長

 ・秘書長

 の下に、

 ・考選部

 ・銓敘部

 ・公務員保障委員会

 などが設置されている。


 考選部は、公務員の採用試験を実施する機関である。

 ・高等考試

 ・普通考試

 ・初等考試

 などの各種国家試験を実施。

 優秀な人材の公務員採用を図っている。

 試験は職種別に実施。

 合格者は成績順に任用される。


 銓敘部は、公務員の人事管理を担当する機関である。

 公務員の任用・昇進・転任・退職などの人事行政を行っている。

 また、

 ・俸給

 ・手当

 ・年金

 などの処遇についても管理している。


 公務員保障委員会は、公務員の権利保護を担当する機関である。

 公務員の人事処分に対する不服申立てや職場での権利侵害に対する救済などを行っている。


 ー監察院の組織と機能ー


 監察院は、政府の監察機関として、

 ・行政機関の監督

 ・公務員の弾劾

 ・財政の監査

 などを担当している。

 監察院は、

 ・院長

 ・副院長

 ・秘書長

 の下に、

 ・監察委員会

 ・審計部

 などが設置されている。


 監察委員会は、政府機関の監察を行う機関である。

 行政機関の施政について調査を行い、違法・不当な行為を発見した場合は糾弾を行っている。

 また、公務員の職務違反については弾劾を行い、司法機関や懲戒機関に送致している。


 審計部は、中華民国政府の財政監査を行う機関である。

 ・国家予算の執行状況

 ・政府機関の会計処理

 ・公共事業の執行状況

 などについて監査を行っている。

 監査の結果は、監察院に報告。

 必要に応じて改善勧告が行われている。


 ー地方政府の階層構造と権限配分ー


 中華民国の地方政府は、

 ・省

 ・県

 ・市

 ・郷鎮

 の四層構造を採用している。

 1956年時点では、台湾省と海南省の2省が設置。

 その下に、

 ・県

 ・市

 ・郷鎮

 が設置されている。


 ー省政府の組織と権限ー


 省政府は、中華民国政府と県市政府の中間機関として、省内の行政を統括。

 省政府は

 ・省長

 ・副省長

 ・秘書長

 の下に、各部門が設置されている。


 台湾省政府は、中興新村に所在。

 省長は、中央政府により任命されている。

 省政府は、

 ・民政庁

 ・財政庁

 ・教育庁

 ・建設庁

 ・農林庁

 ・工商庁

 などの庁を設置。

 各分野の行政事務を担当している。

 台湾省は16県5市に分かれており、人口約3,500万人を擁している。


 海南省政府は、海口市に所在。

 省長は、中華民国政府により任命されている。

 海南省政府は、

 ・民政庁

 ・財政庁

 ・教育庁

 ・建設庁

 ・農林庁

 ・工商庁

 などの庁を設置している。

 海南省は4県2市に分かれており、人口約2,500万人を擁している。


 省政府の主要な権限は、

 ・県市政府の監督

 ・省内の開発計画の策定

 ・省内の公共事業の実施

 などである。

 また、省政府は、中華民国政府の政策を県市政府に伝達。

 県市政府の行政を指導する役割を果たしている。


 ー県市政府の組織と権限ー


 県市政府は基礎的な地方自治体として、住民に最も身近な行政サービスを提供している。

 県市長は直接選挙により選出され、任期は4年である。

 県政府は、

 ・県長

 ・副県長

 ・秘書長

 の下に、

 ・民政科

 ・財政科

 ・教育科

 ・建設科

 ・農業科

 ・工商科

 などの科を設置している。

 県政府の主要な権限は、

 ・戸籍管理

 ・初等教育

 ・社会福祉

 ・道路建設

 ・農業指導

 ・工商業振興

 などである。


 市政府は、

 ・市長

 ・副市長

 ・秘書長

 の下に、

 ・民政局

 ・財政局

 ・教育局

 ・建設局

 ・工商局

 などの局を設置している。

 市政府の権限は、県政府とほぼ同様である。

 しかし、

 ・都市計画

 ・上下水道

 ・都市交通

 などの都市行政が加わっている。


 省轄市は、省政府の直轄下にある。

 ・台北市

 ・高雄市

 ・台中市

 ・台南市

 ・基隆市

 ・海口市

 ・三亜市

 の7市が設置されている。

 これらの市は人口規模が大きく、重要な経済・文化機能を有している。


 ー郷鎮公所の組織と権限ー


 郷鎮公所は、最も基礎的な地方行政機関として、住民の日常生活に密着した行政サービスを提供している。

 郷鎮長は、直接選挙により選出され、任期は4年である。

 郷公所は、農村地域に設置。

 ・郷長

 ・郷長

 ・秘書

 の下に、

 ・民政課

 ・財政課

 ・建設課

 ・農業課

 などの課を設置している。

 郷公所の主要な権限は。

 ・戸籍事務

 ・徴税事務

 ・道路維持

 ・農業指導

 ・社会救済

 などである。

 鎮公所は、都市地域に設置。

 ・鎮長

 ・副鎮長

 ・秘書

 の下に、

 ・民政課

 ・財政課

 ・建設課

 ・工商課

 などの課を設置している。

 鎮公所の権限は、郷公所とほぼ同様だ。

 しかし、工商業関係の事務が加わっている。


 1956年時点では、台湾省には245郷鎮が設置されており。海南省には38郷鎮が設置されている。

 総計にすると、283の郷鎮が存在している。

 これらの郷鎮は、住民の日常生活に最も密着した行政サービスを提供。

 地方自治の基礎を形成している。


 では、それ以前はどうだったのだろうか?


 ー1950年代前半までの戒厳令下の軍政体制ー


 1949年5月20日ー戒厳令が発布。

 台湾地区は、軍政体制の下に置かれた。

 戒厳司令部が設置。

 軍事関係の事務に加えて、一般行政事務の一部も軍事機関が担当することとなった。

 戒厳令下では、

 ・集会及び結社の自由

 ・言論及び出版の自由

 ・居住及び移転の自由

 などの基本的人権が制限された。

 また、軍事法廷が設置。

 一般刑事事件についても軍事裁判が行われた。

 しかし、戒厳令下においても憲法の枠組みは維持。

 ・行政院

 ・立法院

 ・司法院

 ・考試院

 ・監察院

 の五院制は継続して運営された。

 また、地方自治についても、

 ・県市長選挙

 ・郷鎮長選挙

 ・県市議会議員選挙

 ・郷鎮民代表選挙

 などが段階的に実施された。


 ー民政移行の段階的推進ー


 1951年から民政への移行が段階的に推進された。


 まず第一段階として、地方自治の拡大が図られた。

 1951年に県市長選挙が実施。

 住民の直接選挙により県市長が選出されることとなった。


 第二段階として、1952年に立法院の部分改選が実施された。

 また、台湾地区選出の立法委員について補欠選挙が実施。

 住民の政治参加の機会が拡大された。


 第三段階として、1954年に司法権の独立が強化された。

 軍事法廷の管轄範囲が軍事関係事件に限定。

 一般刑事事件については司法機関が管轄することとなった。


 第四段階として、1955年に言論・出版の自由が部分的に回復された。

 新聞・雑誌の発行許可制が緩和。

 政治的内容を除いて自由な言論活動が認められるようになった。


 ー民主化の制度的基盤整備ー


 民政への移行に伴い、民主化の制度的基盤整備が進められた。

 1952年に地方自治法が制定。

 地方自治の法的根拠が明確化された。

 また、1953年に選挙法が改正。

 選挙制度の民主化が図られた。


 公務員制度についても改革が進められた。

 1954年に公務員任用法が改正。

 ・政治的中立性の確保

 ・専門性の重視

 ・公開競争試験の実施などが規定された。


 司法制度についても改革が行われた。

 1955年に司法院組織法が改正。

 司法権の独立性が強化された。

 また、行政法院が設置。

 行政訴訟制度が整備された。


 ー地方自治選挙の実施ー


 1951年に第一回県市長選挙が実施。

 住民の直接選挙により県市長が選出された。

 この選挙は、戒厳令下で実施された初の直接選挙であり、民主化の重要な第一歩となった。


 県市長選挙は4年ごとに実施。

 1956年時点まで2回の選挙が行われている。

 選挙は、小選挙区制で実施。

 最多得票者が当選する単純多数制が採用されている。


 郷鎮長選挙は1952年から実施。

 1956年時点まで2回の選挙が行われている。

 郷鎮長選挙も小選挙区制で実施。

 住民の直接選挙により郷鎮長が選出されている。


 地方議会議員選挙は1953年から実施されている。

 県市議会議員選挙と郷鎮民代表選挙が実施。

 地方議会の民主化が図られている。

 地方議会議員選挙は中選挙区制で実施。

 各選挙区から複数の議員が選出されている。


 ー中央政府レベルでの選挙ー


 中央政府レベルでは、1952年に立法院の部分改選が実施された。

 従来の立法委員は、大陸時代に選出された委員が継続して務めていた。

 しかし、台湾地区選出の議員がいないことに関して、中華民国政府へと諸外国が勧告。

 そこで、台湾地区選出の立法委員について補欠選挙が実施された。

 立法院の部分改選は、台湾地区73名と海南地区15名の立法委員について実施された。

 選挙は、中選挙区制で実施。

 各選挙区から複数の委員が選出された。


 監察院の監察委員についても、1954年に台湾地区選出の監察委員について補欠選挙が実施された。

 監察委員選挙は、間接選挙で実施。

 県市議会議員による選挙が行われた。


 ー選挙制度の特徴と課題ー


 1956年時点までの選挙制度は戒厳令下での制限選挙という特徴を有している。

 選挙は実施されているけれども、

 ・共産党関係者

 ・独立運動関係者

 ・極端な政治思想保持者

 などの政治的反対勢力は選挙から排除されている。

 また、選挙運動についても一定の制限が設けられている。

 反政府的な政治活動や政府批判を超えた政治運動などは禁止。

 選挙運動の自由度は限定的である。


 候補者についても、中華民国政府による事前審査が実施。

 政治的に問題のある人物は立候補を認められない。

 このため、選挙は、中華民国政府支持勢力の間での競争という側面が強い。

 しかし、住民の政治参加の機会は着実に拡大。

 地方自治の発展により民主化の基盤が整備されつつある。

 将来的には、戒厳令の解除とともにより自由で民主的な選挙制度の確立が期待されている。


 ー政治参加拡大の諸措置ー


 政治参加の拡大については、まず選挙権の拡大が図られている。

 1952年の選挙法改正により、選挙権年齢が従来の25歳から20歳に引き下げられた。

 これにより、より多くの国民が選挙に参加できるようになった。

 また、被選挙権についても段階的に拡大されている。

 ・県市長の被選挙権年齢は30歳

 ・郷鎮長の被選挙権年齢は25歳

 ・各級議員の被選挙権年齢は23歳

 とされている。


 政治結社の自由についても、一定の範囲で認められている。

 1954年に人民団体法が制定。

 政治的色彩を持たないという条件付きではあるが、

 ・市民団体

 ・職業団体

 ・学術団体

 などの設立が認められた。


 言論の自由についても、段階的に拡大されている。

 1955年に出版法が改正。

 政治的内容を除いて自由な出版活動が認められるようになった。

 また、新聞・雑誌の発行許可制も緩和。

 より多様な媒体が発行されるようになった。


 ー政治参加制限の諸措置ー


 一方で、国家安全保障の観点から、政治参加には一定の制限が設けられている。

 まず、

 ・中国共産党関係者

 ・独立運動関係者

 ・危険団体関係者

 などの政治的反対勢力は、選挙権・被選挙権を剥奪されている。


 政治結社についても、反政府的な政治団体の設立は禁止されている。

 また、既存の政治団体についても、中華民国政府による監督が実施。

 反政府的な活動を行った場合は、解散命令が発せられる。


 言論・出版の自由についても、一定の制限が設けられている。

 ・中華民国政府批判

 ・共産主義思想の宣伝

 ・独立運動の主張

 などは全面的に禁止。

 違反した場合は処罰の対象となる。


 集会・結社の自由についても制限があり、政治的な集会・デモンストレーションは原則として禁止されている。

 また、労働組合についても、政治的な活動は禁止されている。


 ーバランスの取れた政治参加制度ー


 中華民国政府は、政治参加の拡大と制限のバランスを図るため、段階的な民主化政策を推進している。

 まず、地方自治レベルでの政治参加を拡大。

 住民の政治的経験を蓄積させている。

 また、政治教育の充実により、住民の政治的素養の向上を図っている。

 学校教育や社会教育を通じて、民主主義の理念と政治参加の重要性などが教育されている。

 さらに、政治参加の制度化により、住民の政治参加を適切にチャンネル化している。

 ・諮問機関

 ・審議会

 ・委員会

 などを設置。

 住民の意見を政策に反映させる仕組みを整備している。

 将来的には、国際情勢の安定と国内政治の成熟に伴い、政治参加の制限を段階的に緩和。

 より自由で民主的な政治制度の確立を目指している。


 国民党統治体制の詳細構造


 ー党組織の階層構造と党員数推移ー


 国民党(正式名称ー中国国民党)は、中華民国の国政を担う執政政党である。

 1949年の中華民国政府の遷台以来、台湾地区および海南地区において強固な政治基盤を構築している。

 党組織は、中央から地方に至る階層的構造を形成。

 政治・社会・経済の各分野において指導的役割を果たしている。


 ー中央党部の組織構造ー


 国民党中央党部は、台北市に設置。

 党の最高指導機関として機能している。

 中央党部は、

 ・党総裁

 ・副総裁

 ・秘書長

 の下に、

 ・中央委員会

 ・中央監察委員会

 ・中央政治委員会

 などの機関が設置されている。


 中央委員会は党の最高決定機関として、党の基本方針・政策・人事などを決定している。

 中央委員会は、300名の中央委員で構成。

 年2回の中央委員会全体会議を開催している。

 中央委員は、全国党員代表大会において選出。

 任期は4年である。


 中央政治委員会は中央委員会の常設機関として、日常的な党務を処理している。

 中央政治委員会は、21名の中央政治委員で構成。

 週1回の会議を開催している。

 中央政治委員は、中央委員会において選出。

 党の中枢を担っている。


 中央監察委員会は、党の監察機関として、党員の規律違反と党組織の不正などを監督している。

 中央監察委員会は、50名の中央監察委員で構成。

 月1回の会議を開催している。


 ー地方党部の組織構造ー


 地方党部は

 ・省党部

 ・県市党部

 ・区党部

 ・支部

 の四層構造を形成している。

 各層の党部は、上級党部の指導の下に地域の党務を担当している。


 省党部は、台湾省党部と海南省党部の2つが設置されている。

 省党部は、省内の党務を統括。

 所属県市党部の指導・監督を行っている。

 省党部は、

 ・主任委員

 ・副主任委員

 ・秘書長

 の下に、

 ・組織部

 ・宣伝部

 ・社会部

 ・青年部

 ・婦女部

 などの部門が設置されている。


 県市党部は、1956年時点で約40の県市党部が設置されている。

 県市党部は、県市内の党務を統括。

 所属区党部の指導・監督を行っている。

 県市党部は、

 ・主任委員

 ・副主任委員

 ・秘書長

 の下に、

 ・組織部

 ・宣伝部

 ・社会部

 などの部門が設置されている。


 区党部は、1956年時点で約500の区党部が設置されている。

 区党部は、区内の党務を統括。

 所属支部の指導・監督を行っている。

 区党部は、

 ・主任委員

 ・副主任委員

 ・秘書

 の下に、

 ・組織組

 ・宣伝組

 ・社会組

 などの組織が設置されている。


 支部は、党組織の基礎単位だ。

 1956年時点で約8,000の支部が設置されている。

 支部は、

 ・職場

 ・学校

 ・地域

 などを単位として組織。

 党員の日常的な政治活動を指導している。

 支部は

 ・支部長

 ・副支部長

 ・書記

 の下に、

 ・組織委員

 ・宣伝委員

 、社会委員

 などが配置されている。


 ー党員数の推移と構成ー


 国民党の党員数は、中華民国政府の遷台以来着実に増加している。

 1949年の党員数は約50万人であったのだが、1956年時点では約180万人に達している。

 この間、年平均約18万人の新党員が入党している。


 党員の地域別構成を見ると、

 ・台湾地区の党員が約150万人(83.3%)

 ・海南地区の党員が約30万人(16.7%)

 となっている。

 台湾地区では、

 ・本省籍党員が約100万人(66.7%)

 ・外省籍党員が約50万人(33.3%)

 となっており、本省籍住民の政治参加が進んでいる。


 党員の職業別構成を見ると、

 ・農業従事者が約60万人(33.3%)

 ・工業従事者が約35万人(19.4%)

 ・商業従事者が約25万人(13.9%)

 ・公務員が約20万人(11.1%)

 ・教職員が約15万人(8.3%)

 ・軍人が約10万人(5.6%)

 ・その他が約15万人(8.3%)

 となっている。


 党員の年齢別構成を見ると、

 ・20歳代が約40万人(22.2%)

 ・30歳代が約50万人(27.8%)

 ・40歳代が約45万人(25.0%)

 ・50歳代が約30万人(16.7%)

 ・60歳以上が約15万人(8.3%)

 となっており、比較的若い世代の党員が多い。


 ー党員教育と組織活動ー


 国民党は党員の政治的素養向上を図るため、体系的な党員教育を実施している。

 中央党部には,党員訓練委員会が設置。

 党員教育の企画・実施を担当している。


 また、党員教育は三段階に分かれている。

 第一段階は、入党前教育で、入党希望者に対して党の歴史・理念・歴史政策などを教育している。

 第二段階は、基礎教育で、新党員に対して党員としての基本的素養を教育している。第

 三段階は、継続教育で、既存党員に対して定期的な政治教育を実施している。

 党の組織活動は支部を中心として展開されている。

 各支部では、月1回の支部会議を開催。

 ・党の方針の伝達

 ・党員の意見交換

 ・地域の問題討議

 などを行っている。

 また、重要な政治的節目には、

 ・記念式典

 ・講演会

 ・座談会

 などの活動を実施している。


 ー党の軍事指導体制ー


 党の軍事指導は、中央軍事委員会を通じて行われている。

 中央軍事委員会は、党総裁を主席として、軍事関係の重要事項を決定している。

 委員会は

 ・主席

 ・副主席

 ・委員

 で構成されている。

 また、

 ・国防部長

 ・参謀総長

 ・三軍司令官

 などが委員に就任している。


 中央軍事委員会は、

 ・国防政策の基本方針

 ・軍事戦略

 ・軍備計画

 ・重要人事

 などを決定している。

 また、軍の政治教育や思想統制についても指導を行っている。


 党の軍事指導は、国防部を通じて具体化されている。

 国防部は、党の軍事政策を軍事行政に反映。

 党の指導の下において、軍事行政を執行している。


 ー軍中党組織の構造、


 国軍内には、党組織が設置されている。

 また、軍人の政治教育と思想統制を担当している。

 軍中党組織は、国防部政治部の指導の下に、各軍種と各部隊レベルに設置されている。


 軍中党組織は、政治委員制度を採用している。

 各部隊には、政治委員が配置。

 ・部隊の政治教育

 ・部隊の思想統制

 ・部隊の党務活動

 を担当している。

 政治委員は、軍事指揮官と同等の地位を保有。

 部隊の重要事項について共同決定を行っている。


 軍中党組織は階層的構造を形成している。

 ・軍種レベルには政治部

 ・師団レベルには政治処

 ・連隊レベルには政治科

 ・大隊レベルには政治指導員

 という風に配置されている。


 ー軍事教育と政治教育の統合ー


 国軍の教育は、軍事教育と政治教育の統合が実施されている。

 軍事教育では、戦術・戦略・兵器操作などの軍事技能を教育。

 政治教育では、党の理念・政策・思想などを教育している。

 政治教育は日常的に実施されている。

 各部隊では週1回の政治教育時間が設けられ、政治委員による講義・討論・学習などが行われている。

 また、重要な政治的節目には、特別な政治教育が実施されている。


 軍事学校では軍事教育と政治教育の統合カリキュラムが実施されている。

 ・陸軍軍官学校

 ・海軍軍官学校

 ・空軍軍官学校

 などでは、軍事専門科目と政治科目が並行して教育されている。


 ー軍民関係の統合ー


 国軍は軍民関係の統合を図るため、地方との協力関係を強化している。

 ・軍と地方政府の連絡調整

 ・軍民合作事業の推進

 ・軍民融合政策の実施

 などが行われている。

 軍は地方の経済建設にも参加している。

 ・軍事工場では民生用品の生産

 ・軍用地の民間開放

 ・軍人による技術指導

 などが行われている。

 また、災害救助や公共事業への協力なども積極的に実施している。


 退役軍人の社会復帰支援も重要な政策となっている。

 退役軍人に対する職業訓練就職斡旋や生活支援などが実施。

 軍民統合の推進が図られている。


 ー他政党との関係ー


 国民党は、一党支配体制を維持している。

 しかし、他の政治勢力との関係においても一定の配慮を行っている。


 ー友党との協力関係ー


 国民党は,

 ・中国青年党(中国国民党に引けを取らぬ伝統ある国政政党)

 ・中国民社党〈1948年に設立された中国国民党の衛星政党)

 ・中国自由党(1950年に設立された中国国民党の衛星政党)

 との協力関係を維持している。

 これらの政党は、国民党と反共親米の立場を共有。

 国民党政権を全面的に支持している。


 中国青年党は、知識人・学生を中心とする政党。

 党員数は、約5万人である。

 中国青年党は、教育・文化政策において国民党と協力。

 立法院にも数名の立法委員を有している。


 中国民社党は、労働者・農民を中心とする政党。

 党員数は、約3万人である。

 民社党は、社会政策・労働政策において国民党と協力。

 地方政治にも参加している。


 中国自由党は、軍人・富裕層を中心とする政党。

 党員数は、12万人である。

 中国自由党は、軍事政策・経済政策において国民党と協力。

 立法院と地方政治の両方に参加している。


 ー政治的反対勢力の統制ー


 国民党は、政治的反対勢力に対しては厳格な統制を行っている。

 ・共産党関係者

 ・独立運動関係者

 ・反政府勢力

 などは監視・統制の対象となっている。


 政治的反対勢力の統制は、

 ・情報機関

 ・警察機関

 ・軍事機関

 の連携により実施されている。

 また、

 ・政治的に問題のある人物の監視

 ・反政府活動の摘発

 ・政治犯の逮捕及び処罰

 などが行われている。


 しかし、統制は法的枠組みの範囲内で実施。

 一応司法手続きに基づく適正な処理が行われている。

 また、政治的反対勢力に対しても、改悛の機会を与える政策が実施されている。


 ー党内における主要派閥の構成ー


 国民党内にも勿論派閥がある。

 共通しているのは、反共・大陸回復・親蒋である。

 そんな国民党内の主要派閥は以下の通りである。


 CC派ー陳立夫・陳果夫兄弟を中心とする派閥。

 党務や組織工作を得意分野としている。

 CC派は、党の組織運営において重要な役割を果たし、地方党部の多くを支配している。


 政学系ー黄郛・張群などを中心とする派閥。

 行政や外交を得意分野としている。

 政学系は政府の行政部門において重要な地位を占め、政策立案に大きな影響力を有している。


 軍統系ー1956年時点で、国防部参謀本部軍事情報局長である戴笠をトップとしている派閥。

 情報や軍事を得意分野としている。

 軍統系は、国防部と情報機関において重要な地位を占めている。


 黄埔系ー蒋介石の直系として、軍事部門を中心に勢力を有している。

 黄埔系は、軍の指導部門において重要な地位を占めている。


 ー政策決定過程における派閥の役割ー


 政策決定過程においては、各派閥が異なる政策的立場を表明。

 政策論争を展開することがある。

 しかし、最終的な政策決定は、党総裁である蒋介石の指導力により統一されている。

 重要政策の決定は、中央政治委員会において行われる。

 各派閥の代表者が委員として参加。

 それぞれの立場から意見を表明している。

 政策決定は、全会一致を原則としている。

 しかし、意見の対立がある場合は党総裁の裁定により決定されている。


 人事決定についても、各派閥の勢力バランスを考慮した配分が行われている。

 重要ポストについては、各派閥の影響力に応じて配分。

 党内の結束を維持している。


 ー派閥間の調整メカニズムー


 党内の派閥間調整は、党総裁の指導力と制度的メカニズムにより実現されている。

 党総裁は、各派閥の利害を調整。

 党の統一を維持する役割を果たしている。


 制度的メカニズムとしては、

 ・中央政治委員会

 ・中央委員会

 ・党員代表大会

 などの意思決定機関において、各派閥の代表者が参加する仕組みが整備されている。

 また、

 ・定期的な党内会議

 ・非公式な意見交換

 ・個別の協議

 などを通じて、派閥間の調整が図られている。


 ー青年組織の構造と活動ー


 中国青年救国団は、青年の愛国教育や社会奉仕を推進する組織として1952年に設立された。

 救国団は、中央から地方に至る組織網を有している。

 ・学校

 ・職場

 ・地域

 を単位として活動している。

 救国団は、

 ・夏令営

 ・冬令営

 ・社会奉仕活動

 ・文化活動

 などを通じて、青年の政治的素養向上を図っている。


 大学内には、国民党青年部が設置されている。

 大学生の政治教育を担当している。

 青年部は、

 ・講演会

 ・座談会

 ・研究会

 などを開催。

 学生の政治的関心を高めている。


 ー婦女組織の構造と活動ー


 中国婦女反共抗俄聯合会は、国民党の婦女組織として婦女の政治参加・社会活動を推進している。

 聯合会は。中央から地方に至る組織網を有している。

 また、婦女の政治教育や社会福祉活動を行っている。

 婦女組織は、婦女の権益保護と社会地位向上にも取り組んでいる。

 ・婦女の就業機会拡大

 ・婦女の教育機会向上

 ・婦女の政治参加促進

 などの活動を展開している。

 地方レベルでは婦女会が組織。

 ・地域の婦女の組織化

 ・政治教育

 ・社会活動

 を推進している。

 婦女会は、

 ・家庭教育

 ・児童保護

 ・社会福祉

 などの分野で活動している。


 ー青年・婦女組織の政治的機能ー


 青年・婦女組織は、国民党の政治的基盤拡大において重要な役割を果たしている。

 これらの組織を通じて、社会の各層に対する政治的影響力を拡大。

 国民党の政治的支持基盤を強化している。

 また、青年・婦女組織は政治的人材の育成機能も果たしている。

 優秀な青年や婦女指導者を発掘・育成し、将来の政治的リーダーとして養成している。


 さらに、青年・婦女組織は社会統合機能も担っている。

 多様な社会階層の多様な職業の地域の青年・婦女を組織化。

 国家への帰属意識、愛国心を醸成している。


 軍事・国防体制


 中華民国の軍事・国防体制は、1949年の中華民国政府遷台以来から、大陸反攻の使命と自由地区の防衛という二重の目標を掲げて、急速な近代化と戦力増強を推進している。

 国軍は、陸海空三軍の統合運用によって、台湾海峡の制海権・制空権確保と大陸沿岸への反攻作戦能力を構築している。


 ー国軍の組織構造と戦力配備ー


 中華民国国軍は、国防部の統一指揮下に、

 ・陸軍

 ・海軍

 ・空軍

 の三軍体制を確立している。

 総兵力は、

 ・現役軍人約65万人

 ・予備役約150万人

 ・国民軍約650万人

 の三層構造を形成。

 国民皆兵の国防体制を構築している。


 ー陸軍の編制と兵力配置ー


 陸軍は、国軍の主力として総兵力約40万人を擁している。

 陸軍総司令部は、台北市に設置。

 ・作戦指揮

 ・後方支援

 ・訓練教育

 の統一管理を行っている。

 また、中華民国全土を8軍で分け、防衛している。


 第一軍は、台湾北部防衛を担当。

 司令部を台北市に設置している。

 隷下に、

 ・第1師団

 ・第2師団

 ・第3師団

 を有している。

 また、総兵力約5万人で、

 ・台北地区

 ・基隆地区

 ・桃園地区

 の防衛を担当している。

 第1師団は、台北市及び周辺地域の防衛を担当。

 総統府と行政院などの中枢機関の警備を行っている。

 第2師団は、基隆港及び北部海岸の防衛を担当。

 上陸作戦に対する第一線防御を担っている。

 第3師団は、桃園県及び新竹県の防衛を担当。

 台北への侵攻阻止を任務としている。


 第二軍は、台湾中部防衛を担当。

 司令部を台中市に設置している。

 隷下に、

 ・第4師団

 ・第5師団

 ・第6師団

 を有している。

 また、総兵力約5万人で、

 ・台中地区

 ・彰化地区

 ・南投地区

 の防衛を担当している。

 第4師団は、台中市及び台中港の防衛を担当している。

 中共軍の輸送船団を早期に破壊する事を想定している。

 第5師団は、彰化県及び雲林県の防衛を担当。

 西部海岸の上陸阻止作戦を行っている。

 第6師団は、南投県及び中央山脈東側の防衛を担当している。


 第三軍は、台湾南部防衛を担当。

 司令部を高雄市に設置している。

 隷下に、

 ・第7師団

 ・第8師団

 ・第9師団

 を有している。

 また、総兵力約6万人で、

 ・高雄地区

 ・台南地区

 ・屏東地区

 の防衛を担当している。


 第7師団は、高雄市及び高雄港の防衛を担当。

 重要工業施設の警備を行っている。

 第8師団は台南市及び嘉義県の防衛を担当している。

 第9師団は屏東県及び台湾最南端の防衛を担当している。


 第四軍は、台湾東部防衛を担当。

 司令部を花蓮市に設置している。

 隷下に、

 ・第10師団

 ・第11師団

 を有している。

 また、総兵力約3万人で、

 ・花蓮地区

 ・台東地区

 の防衛を担当している。

 第10師団は、花蓮県及び中央山脈東側の防衛を担当している。

 第11師団は、台東県及び南部山地の防衛を担当している。


 第五軍は海南島防衛を担当。

 司令部を海口市に設置している。

 隷下に、

 ・第12師団

 ・第13師団

 ・第14師団

 を有している。

 また、総兵力約8万人で、海南島全域の防衛を担当している。

 第12師団は、海口市及び海南島北部の防衛を担当している。

 第13師団は、三亜市及び海南島南部の防衛を担当している。

 第14師団は、海南島中央部及び五指山地域の防衛を担当している。


 第六軍は、金門・馬祖防衛を担当。

 司令部を金門島に設置している。

 隷下に、

 ・第15師団

 ・第16師団

 を有している。

 また、総兵力約4万人で、前線離島の防衛を担当している。

 第15師団は、金門島及び周辺離島の防衛を担当している。

 第16師団は、馬祖列島及び北部離島の防衛を担当している。


 第七軍は、澎湖防衛を担当。

 司令部を馬公市に設置している。

 隷下に第17師団を有している。

 また、総兵力約2万人で、澎湖諸島の防衛を担当している。

 第17師団は澎湖諸島全域の防衛と台湾海峡中央部の制圧を担当している。


 第八軍は、戦略予備として台湾中部に配置。

 司令部を台中市に設置している。

 隷下に、

 ・第18師団

 ・第19師団

 ・第20師団

 を有している。

 また、総兵力約7万人で、機動作戦を担当している。

 これらの師団は、有事の際に最も危険な地域に投入。

 敵の攻撃を阻止する任務を担っている。


 陸軍の装備は、アメリカ合衆国及び東亞連邦からの援助により急速に近代化されている。

 しかも、配備数も多い。

 では、見ていこう。


 主力戦車は、

 M48パットン戦車120両

 M41ウォーカーブルドッグ軽戦車200両

 を配備している。


 砲兵部隊は、

 155mm榴弾砲180門

 105mm榴弾砲360門

 75mm山砲240門

 を配備している。


 対戦車兵器としては、

 75mm無反動砲600門

 バズーカ砲1,200門

 を配備している。


 ー海軍の編制と戦力配置ー


 海軍は総兵力約12万人を擁している。

 そして、

 ・第一艦隊

 ・第二艦隊

 ・第三艦隊

 の三艦隊体制を採用している。

 海軍総司令部は、高雄市に設置。

 ・艦隊指揮

 ・基地管理

 ・海兵隊統括

 を行っている。


 第一艦隊は、主力艦隊として高雄港を母港としている。

 また、大型艦艇を中心とする戦力を有している。

 旗艦は、重巡洋艦「重慶」だ。

 その下に、

 ・空母3隻

 ・戦艦12隻

 ・駆逐艦21隻

 ・護衛駆逐艦12隻

 ・潜水艦6隻

 ・掃海艇20隻

 ・上陸用舟艇30隻

 を配備している。

 第一艦隊の主要任務は、台湾海峡南部の制海権確保と大陸沿岸への反攻作戦支援である。


 第二艦隊は、北部艦隊として基隆港を母港としている。

 また、中型艦艇を中心とする戦力を有している。

 ・駆逐艦6隻

 ・護衛駆逐艦10隻

 ・潜水艦4隻

 ・哨戒艇40隻

 ・魚雷艇25隻

 を配備している。

 第二艦隊の主要任務は、台湾海峡北部の制海権確保と沿岸防衛である。


 第三艦隊は、南方艦隊として三亜港を母港としている。

 また、南シナ海の制海権確保を担当している。

 ・軽巡洋艦2隻

 ・駆逐艦4隻

 ・護衛駆逐艦8隻

 ・潜水艦3隻

 ・哨戒艇30隻

 を配備している。

 第三艦隊の主要任務は、南シナ海の制海権確保と海南島周辺海域の防衛である。


 海軍陸戦隊は、海軍の地上戦力として3個師団約3万人を有している。

 第1海軍陸戦師団は、高雄市に駐屯。

 台湾南部の海岸防衛と反攻作戦を担当している。

 第2海軍陸戦師団は、基隆市に駐屯。

 台湾北部の海岸防衛を担当している。

 第3海軍陸戦師団は、海南市に駐屯。

 海南島の海岸防衛と南方作戦を担当している。


 海軍の主要艦艇は、アメリカ合衆国及び東亞連邦からの供与により整備されている。

 重巡洋艦「重慶」は、アメリカ合衆国から供与されたボルチモア級重巡洋艦。

 ・主砲20.3cm砲9門

 ・副砲12.7cm砲12門

 を装備している。

 駆逐艦は、

 ・フレッチャー級

 ・サムナー級

 ・ギアリング級

 などアメリカ合衆国海軍の最新型を供与。

 総計18隻を保有している。

 潜水艦は、ガトー級やバラオ級などアメリカ合衆国海軍の戦時建造艦13隻を保有している。


 ー空軍の編制と戦力配置ー


 空軍は、総兵力約13万人を擁している。

 また、

 ・戦闘航空団

 ・輸送航空団

 ・防空航空団

 の三航空団体制を採用している。

 空軍総司令部は、台北市に設置。

 ・航空作戦

 ・基地管理

 ・防空システム

 を統括している。


 戦闘航空団は、4個航空群12個飛行隊を有している。

 また、

 ・戦闘機220機

 ・攻撃機180機

 をそれぞれ配備している。

 第1戦闘航空群は、台北基地に駐屯。

 F-86セイバー戦闘機60機を配備している。

 第2戦闘航空群は、台中基地に駐屯。

 F-84サンダージェット戦闘爆撃機50機を配備している。

 第3戦闘航空群は、高雄基地に駐屯。

 F-86セイバー戦闘機60機を配備している。

 第4戦闘航空群は、海南基地に駐屯。

 F-84サンダージェット戦闘爆撃機50機を配備している。


 輸送航空団は、2個航空群6個飛行隊を有している。

 また、

 ・輸送機80機

 ・連絡機40機

 を配備している。

 第1輸送航空群は、

 ・C-119フライングボックスカー輸送機30機

 ・C-47スカイトレイン輸送機20機

 を配備している。

 第2輸送航空群は、

 ・C-46コマンド輸送機20機

 ・L-19連絡機20機

 ・T-6練習機20機

 を配備している。


 防空航空団は、台湾島の防空システムを統括。

 ・レーダー基地25カ所

 ・高射砲陣地120カ所

 ・対空ミサイル基地8カ所

 を管理している。


 レーダー網は、

 ・AN/FPS-3早期警戒レーダー10基

 ・AN/TPS-1D移動レーダー15基

 により構成されている。

 高射砲は、

 ・90mm高射砲480門

 ・75mm高射砲360門

 ・40mm高射砲720門

 を配備している。


 空軍の主力機は、アメリカ合衆国からの供与により整備されている。

 F-86セイバー戦闘機は、イタリア統一戦争で実績を証明した最新鋭機だ。

 最高速度1,100km/hにして、航続距離1,200kmという物凄い性能を有している。

 F-84サンダージェット戦闘爆撃機は、対地攻撃能力に優れている。

 また、爆弾搭載量2,000kgの攻撃力を有している。

 これらの航空機により、台湾海峡の制空権確保と大陸沿岸への攻撃能力を保持している。


 ー軍事装備の近代化と自主開発ー


 中華民国の軍事装備は、1950年代に入ってから急速な近代化を遂げている。

 中華民国は、アメリカ合衆国及び東亞連邦からの軍事援助により最新兵器を導入する一方で、国内軍事工業の発展により自主的な装備開発と生産能力を構築している。

 軍事援助の総額は、1950年から1955年までの6年間で約800億ドルに達している。

 この内、アメリカ合衆国からの援助が約500億ドルで、東亞連邦からの援助が約300億ドルとなっている。

 援助の内容は、

 ・兵器供与

 ・技術移転

 ・訓練支援

 ・基地建設支援

 などの包括的なものとなっている。


 陸軍装備の近代化では、

 ・戦車

 ・火砲

 ・通信機器

 ・輸送車両

 などの全面的な更新が行われている。

 M48パットン戦車は、1955年から配備が開始。

 90mm砲と厚い装甲により、中共軍のT-34戦車を圧倒する能力を有している。

 M41ウォーカーブルドッグ軽戦車は、偵察・警備任務に適した高機動性を有している。

 火砲装備では、155mm榴弾砲M114が主力として配備。

 射程距離14.6kmで、砲弾重量43kgという威力により、敵の後方基地攻撃が可能である。

 105mm榴弾砲M101は、師団砲兵の主力として配備。

 射程距離11.2kmっ、砲弾重量15kgという機動性を活かした支援射撃を行っている。


 海軍装備の近代化では、

 ・艦艇の大型化

 ・火力強化

 ・電子装備充実

 が図られている。

 重巡洋艦「重慶」は20.3cm主砲9門により、中共海軍の全艦艇を圧倒する火力を有している。

 駆逐艦は、

 ・12.7cm砲

 ・40mm機関砲

 ・魚雷発射管

 により、対艦から対空の全方位戦闘能力を有している。

 潜水艦は、台湾海峡の制海権確保において重要な役割を果たしている。

 ガトー級とバラオ級潜水艦は、10.1cm砲1門と21インチ魚雷発射管10門を装備。

 中共軍の補給路遮断作戦を実行している。

 これらの潜水艦は、黄海や東シナ海での哨戒活動により、中共軍の動向監視を行っている。


 空軍装備の近代化では、ジェット戦闘機の全面配備が完了している。

 F-86セイバー戦闘機と6門の12.7mm機関銃により、中共軍のMiG-15戦闘機に対して優位性を保持している。

 F-84サンダージェット戦闘爆撃機は、6門の12.7mm機関銃と2,000kgの爆弾搭載能力により、対地攻撃任務を遂行している。


 軍事工業の発展により、自主的な装備生産能力が向上している。


 陸軍兵器工廠では、

 ・小銃

 ・機関銃

 ・迫撃砲

 ・砲弾

 などの生産を行っている。

 57式歩槍は、米国M1ガーランド小銃をライセンス生産したものであり。年間生産能力5万挺を有している。

 57式軽機関銃は、米国BAR軽機関銃をライセンス生産したもので、年間生産能力8,000挺を有している。


 海軍兵器工廠では、艦艇の建造・修理・兵器生産を行っている。

 高雄造船所では、

 ・護衛駆逐艦

 ・哨戒艇

 ・上陸用舟艇

 の建造を行っている。

 年間建造能力は、

 ・護衛駆逐艦2隻

 ・哨戒艇8隻

 ・上陸用舟艇20隻

 となっている。

 また、艦載砲・魚雷・機雷などの海軍兵器の生産も行っている。


 空軍兵器工廠では、航空機の整備・修理・部品生産を行っている。

 台中航空工業では。練習機T-6テキサンのライセンス生産を実施。

 年間生産能力20機を有している。

 また、航空機エンジンの整備や航空兵器の生産も行っている。


 ー徴兵制度と軍事訓練体系ー


 中華民国は、国民皆兵の理念に基づき、男子国民に対する義務兵役制度を実施している。

 兵役法により、満18歳に達した男子は兵役義務を負い、2年間の現役勤務を行っている。

 年間徴集人員は約12万人で、これにより常備軍65万人の兵力を維持している。

 徴兵検査は、満18歳に達した男子全員を対象として実施されている。

 ・体格検査

 ・学力検査

 ・適性検査

 により兵科配属を決定。

 合格率は約85%であり、不合格者は代替役務に従事している。

 優秀者は、幹部候補生として選抜。

 軍官学校での教育を受けている。

 新兵訓練は,各軍の訓練センターで8週間実施されている。

 陸軍新兵訓練センターは、

 ・成功嶺

 ・鳳山

 ・金門

 の3カ所に設置されている。

 海軍新兵訓練センターは、左營に設置されている。

 空軍新兵訓練センターは、岡山に設置されている。


 新兵訓練の内容は、

 ・基本教練

 ・射撃訓練

 ・戦闘訓練

 ・政治教育

 で構成されている。


 基本教練では、

 ・軍隊生活の基礎

 ・規律

 ・礼式

 を教育している。


 射撃訓練では、

 ・小銃

 ・機関銃

 ・手榴弾の使用法

 を訓練している。


 戦闘訓練では、

 ・歩兵戦術

 ・陣地構築

 ・行軍

 などを訓練している。


 政治教育では、

 ・反共思想

 ・愛国精神

 ・軍人精神

 を教育している。


 専門教育は、新兵訓練修了後、各兵科学校で実施されている。

 ・歩兵学校

 ・砲兵学校

 ・機甲学校

 ・工兵学校

 ・通信学校

 ・輸送学校

 などが設置されており、専門技能を教育している。

 教育期間は4週間から12週間であり、兵科により異なっている。


 幹部教育は、

 ・軍官学校

 ・軍士官学校

 で実施されている。

 陸軍軍官学校は、高雄市鳳山に設置。

 4年制の大学課程であり、陸軍将校を養成している。

 年間卒業者数は約400名である。

 海軍軍官学校は、高雄市左營に設置。

 4年制の大学課程であり、海軍将校を養成している。

 年間卒業者数は約150名である。

 空軍軍官学校は、高雄市岡山に設置。

 4年制の大学課程であり、空軍将校を養成している。

 年間卒業者数は約200名である。


 軍士官学校は、下士官を養成する機関として各軍に設置されている。

 教育期間は1年間であり、

 ・小隊長

 ・分隊長

 として必要な指揮能力や専門技能を教育している。

 年間卒業者数は、

 ・陸軍約2,000名

 ・海軍約800名

 ・空軍約1,000名である。


 継続教育は、現役軍人の能力向上を目的として実施されている。

 指揮参謀大学は、台北市に設置。

 高級将校の戦略・戦術教育を行っている。

 各軍の上級幹部学校では、中級将校の指揮能力向上教育を行っている。

 専門技術学校では、新兵器・新技術の教育を行っている。


 ー予備役制度と国民軍事教育ー


 中華民国は現役軍人に加えて、強固な予備役制度により国防力を強化している。

 現役勤務を終了した者は、予備役に編入。

 定期的な召集訓練を受けている。

 予備役人員は約150万人であり、有事の際には現役軍と共に国土防衛を担う。

 予備役は、

 ・第一予備役

 ・第二予備役

 ・第三予備役

 に分類されている。

 第一予備役は、現役勤務終了後8年間であり、年1回2週間の召集訓練を受けている。

 第二予備役は、第一予備役終了後8年間であり、年1回1週間の召集訓練を受けている。

 第三予備役は、第二予備役終了後年1回3日間の召集訓練を受けている。

 召集訓練は、各軍の訓練基地で実施されている。

 訓練内容は、

 ・戦闘技能の維持

 ・新兵器の習熟

 ・戦術の更新

 ・政治教育

 で構成されている。

 第一予備役は、実戦レベルの訓練を実施。

 有事即応能力を維持している。

 第二予備役と第三予備役は、基礎的な戦闘技能の維持を中心としている。


 国民軍制度は、20歳から60歳までの全国民を対象とする総動員体制である。

 平時は、民間で通常の職業に従事している。

 しかし、有事の際には軍事任務に従事する。

 国民軍人員は約650万人であり、戦時においでは、

 ・後方支援

 ・民間防衛

 ・治安維持

 などの任務を担当する。


 国民軍の組織は、郷鎮を単位とする大隊編制を採用している。

 各郷鎮に1個大隊が編成。

 郷鎮長が大隊長を兼任している。

 大隊は3個中隊で編成。

 各村里に1個中隊が配置されている。

 中隊長は村里長が兼任している。


 国民軍事教育は、学校教育と社会教育の両面で実施されている。

 学校教育では、小学校から大学まで軍事教練が必修科目として設置されている。

 小学校では、基本的な軍事知識と愛国精神を教育している。

 中学校では、射撃と戦闘技能の基礎を教育している。

 高等学校では、実戦的な軍事訓練を実施している。

 大学では、将校養成課程が設置されている。

 社会教育では、青年団体と婦女組織を通じて軍事教育を実施している。

 中国青年救国団では、夏令営と冬令営で軍事訓練を実施している。

 婦女反共抗俄聯合会では、婦女に対する防空と救護訓練を実施している。

 民防組織では、民間防衛訓練を実施している。


 ー軍事産業の発展と自主国防ー


 中華民国の軍事産業は、1950年代に入ってから急速な発展を遂げている。

 中華民国政府は、自主国防能力の構築を国策として位置づけており、

 ・軍事技術の開発

 ・軍需生産基盤の確立

 ・軍民技術の融合

 を推進している。


 軍事工業は、国営事業として運営。

 国防部軍備局の統括下に陸海空軍の兵器工廠が設置されている。

 総従業員数は約8万人である。

 また、年間生産額は約120億ドルに達している。


 陸軍兵器工廠は、台中市に本部を設置。

 6つの製造工場を有している。


 第一工場では、小火器を生産。

 ・57式歩槍

 ・57式軽機関銃

 ・57式重機関銃

 を製造している。

 年間生産能力は、小銃5万挺と機関銃8,000挺である。


 第二工場では、火砲を生産。

 ・75mm無反動砲

 ・81mm迫撃砲

 ・120mm迫撃砲

 を製造している。

 年間生産能力は、火砲1,200門である。


 第三工場では、弾薬を生産。

 ・小銃弾

 ・機関銃弾

 ・砲弾

 ・手榴弾

 を製造している。

 年間生産能力は、小銃弾5,000万発と砲弾100万発である。


 第四工場では、車両を生産。

 軍用トラックと装甲車を製造している。

 年間生産能力は、トラック1,000台と装甲車200台である。


 第五工場では、通信機器を生産。

 野戦電話と無線機を製造している。


 第六工場では。工兵器材を生産。

 ・地雷

 ・爆薬

 ・架橋材料

 を製造している。


 海軍兵器工廠は、高雄市に設置。

 艦艇建造と兵器製造を行っている。


 造船部門では、

 ・護衛駆逐艦

 ・哨戒艇

 ・上陸用舟艇

 を建造している。

 技術は、アメリカ合衆国から導入。

 設計図面に基づく建造を行っている。

 年間建造能力は、

 ・護衛駆逐艦2隻

 ・哨戒艇8隻、上陸用舟艇20隻である。


 兵器製造部門では、

 ・艦載砲

 ・魚雷

 ・機雷

 ・爆雷

 を製造している。

 127mm艦載砲は、アメリカ合衆国の技術援助により製造している。

 年間生産能力は、

 ・艦載砲50門

 ・魚雷200本

 ・機雷500個

 である。

 修理部門では、艦艇の定期修理と戦闘損傷修理を行っている。

 年間修理能力は、大型艦艇50隻と中小型艦艇200隻である。


 空軍兵器工廠は、台中市に設置。

 航空機整備と部品製造を行っている。

 整備部門では、

 ・戦闘機

 ・輸送機

 の定期整備と修理を行っている。

 年間整備能力は、戦闘機400機と輸送機120機である。

 製造部門では、練習機T-6テキサンのライセンス生産を行っている。

 年間生産能力は、約20機である。

 エンジン部門では、航空機エンジンの整備と修理を行っている。

 ・レシプロエンジン

 ・ジェットエンジン

 の両方に対応している。

 年間整備能力は、エンジン600基である。

 兵器部門では、

 ・航空機関砲

 ・爆弾

 ・ロケット弾

 を製造している。

 年間生産能力は、機関砲100門と爆弾10,000発である。


 研究開発は、中山科学研究院が中心となって実施している。

 同院は1952年に設立。

 軍事技術の研究開発を行っている。

 研究員約2,000人を有しており、年間研究費は約20億ドルである。

 主要研究分野は、

 ・火砲技術

 ・通信技術

 ・電子技術

 ・化学技術

 ・材料技術

 などである。

 火砲技術研究では、新型火砲の開発を行っている。

 105mm無反動砲と155mm自走砲の開発が進められている。

 通信技術研究では、野戦通信システムの開発を行っている。

 VHF無線機と暗号通信機の開発が進められている。

 電子技術研究では、レーダー技術と電子戦技術の開発を行っている。

 化学技術研究では、火薬と爆薬の改良研究を行っている。

 材料技術研究では、軽量合金と複合材料の開発を行っている。

 これらの研究成果は、軍事工業に移転。

 新兵器の開発・生産に活用されている。


 民間企業の軍需生産参加も推進されている。

 中華民国政府は、民間企業に対して軍需品の生産委託を実施し、生産基盤の拡大を図っている。

 委託生産品目は、被服から潤滑油までのありとあらゆる軍需品である。

 年間委託生産額は、約30億ドルに達している。

 技術移転は、軍民両用技術の開発により推進されている。

 軍事技術の民間転用により、

 ・電子工業

 ・化学工業

 ・機械工業

 の発展が促進されている。

 逆に民間技術の軍事転用により、軍事技術の高度化が図られている。


 ー台湾海峡防衛の軍事戦略ー


 台湾海峡は、幅約180キロメートルの海峡である。

 中華民国の生存に直結する戦略的要衝である。

 中華民国政府は、台湾海峡を「自由の海」として位置づけており、完全な制海権・制空権の確保を国防政策の最重要課題としている。

 台湾海峡防衛戦略は、三段階防御構想に基づいて策定されている。

 第一段階は、海峡中央線以西での迎撃作戦であり、敵の侵攻部隊を海上で撃破する。

 第二段階は、海峡中央線以東での阻止作戦であり、突破した敵部隊を海岸線で阻止する。

 第三段階は、内陸部での殲滅作戦であり、上陸した敵部隊を内陸で包囲殲滅する。


 第一段階の迎撃作戦は、海軍と空軍の連携により実施される。

 海軍は、潜水艦と駆逐艦による哨戒活動により敵艦隊を早期発見。

 艦砲射撃と魚雷攻撃により撃破する。

 空軍は、戦闘機と攻撃機による制空権確保と対艦攻撃により海軍を支援する。

 作戦海域は、福建省沿岸から台湾海峡中央線までの約90キロメートルの範囲である。

 海軍の作戦計画では、潜水艦13隻を3個群に編成。

 24時間体制で哨戒活動を実施する。

 第1潜水艦群は厦門沖

 第2潜水艦群は福州沖

 第3潜水艦群は汕頭沖

 にそれぞれ配置している。

 敵艦隊の出港を監視する。

 駆逐艦18隻は3個戦隊に編成。

 潜水艦の発見報告に基づき迎撃作戦を実施する。


 空軍の作戦計画では、戦闘機120機を4個飛行隊に編成。

 制空権確保任務を実施する。

 攻撃機90機を3個飛行隊に編成。

 対艦攻撃任務を実施する。

 作戦空域は、福建省上空から台湾海峡上空までの範囲であり、継続的な哨戒飛行により敵航空機の侵入を阻止するという算段だ。


 第二段階の阻止作戦は、陸軍と海軍陸戦隊の連携により実施される。

 海岸要塞の火砲により、敵上陸部隊を海上で攻撃。

 海岸線での上陸を阻止する。

 上陸を許した場合は。海岸陣地での激戦により敵の進撃を阻止する。

 作戦正面は、台湾西海岸の全域約400キロメートルである。

 海岸要塞は、台湾西海岸に120カ所設置されている。

 各要塞は、

 ・155mm沿岸砲4門

 ・105mm高角砲2門

 ・40mm機関砲8門

 を配備。

 射程距離20キロメートルの火力により海上の敵を攻撃する。

 要塞は地下施設として建設。

 敵の爆撃に対する抗堪性を有している。

 海岸陣地は、台湾西海岸の主要上陸適地50カ所に構築されている。

 各陣地は、

 ・鉄条網

 ・地雷原

 ・対戦車壕

 ・機関銃座

 ・迫撃砲陣地

 により構成されている。

 陣地は、縦深5キロメートルの多重防御線として構築。

 敵の突破を困難にしている。


 第三段階の殲滅作戦は、陸軍の機動部隊により実施される。

 戦略予備として、配置された第8軍3個師団が主力となり、上陸した敵部隊を包囲殲滅する。

 作戦地域は、台湾西部平野の全域約200キロメートル四方である。

 機動作戦計画では、敵の上陸地点に応じて機動部隊を集中投入する。

 北部上陸の場合は、桃園・新竹方面に投入。

 敵の台北侵攻を阻止する。

 中部上陸の場合は、台中・彰化方面に投入。

 敵の内陸進撃を阻止する。

 南部上陸の場合は、台南・高雄方面に投入。

 敵の重要施設占領を阻止する。


 ー海南島の前進基地機能ー


 海南島は、南シナ海に突出した戦略的要地だ。

 また、中華民国の南方防衛における前進基地の役割を果たしている。

 中華民国政府は、海南島を「南海の盾」として位置づけ、軍事基地の建設と戦力の配備により、南シナ海の制海権確保を図っている。

 海南島防衛戦略は、島嶼防御の特性を活かした円形防御構想に基づいて策定されている。

 ・島の周辺海域での迎撃

 ・海岸線での阻止

 ・内陸部での持久戦

 により、敵の海南島占領を阻止する戦略である。


 海上防御は、海軍第三艦隊により実施される。

 三亜港を母港とする第三艦隊は、軽巡洋艦2隻、駆逐艦4隻、護衛駆逐艦8隻、潜水艦3隻で編成されている。

 哨戒範囲は、海南島周辺半径200キロメートルの海域。

 24時間体制で哨戒活動を実施している。

 潜水艦3隻は海南島周辺の3方向に配置されている。

 ・北方の雷州半島沖

 ・東方の広東省沖

 ・南方の北部湾沖

 に各1隻を配置。

 敵艦隊の接近を早期に発見する。

 水上艦艇は、敵艦隊発見の報告に基づき、集中攻撃により撃破する。


 航空防御は、海南島の3つの空軍基地により実施される。

 ・海口基地

 、三亜基地

 ・通什基地

 に合計80機の戦闘機と攻撃機を配備している。

 作戦空域は、海南島上空及び周辺半径300キロメートルの範囲であり、継続的な哨戒飛行により制空権を確保している。


 海岸防御は、海南島周辺の40カ所の海岸要塞により実施される。

 各要塞は、

 ・127mm沿岸砲6門

 ・75mm高角砲4門

 ・40mm機関砲12門

 を配備している。

 射程距離15キロメートルの火力により、上陸を企図する敵部隊を海上で撃破する。


 陸上防御は、第8軍3個師団により実施される。

 第12師団は海口地区

 第13師団は三亜地区

 第14師団は中央山地

 をそれぞれ担当している。

 各師団は島内の道路網を活用した機動防御により、敵の進撃を阻止する。


 海南島は、南シナ海の制海権確保において重要な前進基地としての機能を果たしている。

 島内には、大型レーダー基地が設置。

 南シナ海全域の監視を行っている。

 また、補給基地として、南沙諸島・西沙諸島への補給支援を実施している。


 ー離島防衛と早期警戒体制ー


 中華民国の離島防衛は、前線防御の要として極めて重要な地位を占めている。

 ・金門島

 ・馬祖列島

 ・澎湖諸島

 ・東沙島

 ・西沙諸島

 ・南沙諸島

 などの離島は、本島防衛の前進基地及び早期警戒拠点として機能している。


 金門島は、中国大陸に最も近い離島として、最前線の防御拠点となっている。

 島内には、第15師団約2万人が駐留。

 ・地下要塞

 ・砲台

 ・飛行場

 などの軍事施設が建設されている。

 島の面積152平方キロメートルに対して、軍事施設が占める割合は約30%に達している。


 金門島の防衛計画は、坑道陣地を活用した持久防御戦略に基づいている。

 島内には、総延長約200キロメートルの地下坑道が構築。

 ・兵器庫

 ・指揮所

 ・宿舎

 ・病院

 などの施設が地下に設置されている。

 坑道は爆撃に対する高い抗堪性を有し、長期間の籠城戦に対応できる。


 金門島の火砲配備は、対岸の厦門を射程に収める配置となっている。

 ・155mm榴弾砲36門

 ・105mm榴弾砲48門

 ・75mm山砲60門

 が島内各所に配置されている。

 これらの火砲により、

 ・厦門港

 ・厦門市街

 ・周辺飛行場

 を攻撃することが可能である。


 馬祖列島は、台湾海峡北部の制海権確保において重要な役割を果たしている。

 列島には、第16師団約1万5千人が駐留。

 ・レーダー基地

 ・通信基地

 ・砲台

 が設置されている。

 主島の南竿島には、滑走路長1,200メートルの飛行場が建設されている。

 馬祖列島の戦略的価値というのは、早期警戒機能にある。

 島内には、大型レーダー基地が設置。

 福建省北部から浙江省南部までの広範囲を監視している。

 レーダー探知距離は、約250キロメートル。

 敵航空機と艦船の動向を24時間体制で監視している。


 澎湖諸島は、台湾海峡中央部の制海権確保において枢要な地位を占めている。

 澎湖諸島には第17師団約2万人が駐留。

 ・海軍基地

 ・空軍基地

 ・砲台

 が設置されている。

 馬公港は、大型艦艇の停泊が可能な天然の良港として機能している。


 澎湖諸島の作戦計画は、台湾海峡全域を覆う哨戒活動を実施することにある。

 島内の空軍基地からは、戦闘機と哨戒機が発進。

 海峡全域の制空権確保と敵動向監視を行っている。

 海軍基地からは、駆逐艦と哨戒艇が出動。

 海峡全域の哨戒活動を実施している。

 東沙島は、南シナ海北部の前哨基地として機能している。

 島内には、約500人の守備隊が駐留。

 ・レーダー基地

 ・通信基地

 ・気象観測所

 が設置されている。

 滑走路長800メートルの飛行場が建設。

 哨戒機と輸送機の運用が可能である。


 西沙諸島及び南沙諸島は、南シナ海南部の最前線基地として重要な戦略的価値を有している。

 中でも太平島は、特別な軍事的価値を誇っている島だ。

 島内には、約200人の守備隊が駐留。

 ・港湾施設

 ・飛行場

 ・レーダー基地

 が建設されている。

 また、南沙諸島の実効支配により、南シナ海南部の制海権確保を図っている。


 早期警戒体制は、台湾島及び各離島のレーダー網により構築されている。

 総計50基のレーダーが配置。

 台湾島周辺半径500キロメートルの範囲を完全に覆っている。

 レーダー情報は、台北の防空作戦センターに集約。

 統一的な要撃指揮が行われている。

 防空識別圏は、台湾を中心とする半径300キロメートルの範囲に設定されている。

 識別圏に侵入する航空機は、強制的に識別。

 敵性航空機と判定された場合は、戦闘機による要撃が実施される。


 ー対中共軍事戦略と反攻計画ー


 中華民国の対中共軍事戦略は「三分軍事、七分政治」の方針に基づいて策定されている。

 軍事的圧力により、中共政権の弱体化を図るとともに、政治的な大陸同胞の蜂起を促進。

 最終的に大陸光復を実現する戦略構想である。

 軍事戦略の基本構想は、段階的反攻作戦計画に基づいている。

 第一段階は、沿岸島嶼の攻略。

 第二段階は、福建省の解放

 第三段階は、華南地区の光復

 第四段階は、長江以南の解放

 第五段階は、全大陸の光復

 という五段階計画である。


 第一段階の沿岸島嶼攻略作戦は、金門島・馬祖列島を前進基地として実施される。

 作戦目標は、

 ・厦門島

 ・平潭島

 ・東山島

 などの福建省沿岸島嶼の攻略である。

 作戦兵力は、海軍陸戦隊3個師団約3万人である。

 また、支援兵力として陸軍2個師団約2万人を投入する。


 攻略作戦は、夜間奇襲上陸により実施される。

 海軍艦艇による砲撃支援の下で、上陸用舟艇により海軍陸戦隊が上陸。

 島嶼を占領する。

 占領後は、陸軍部隊が進駐。

 恒久的な占領を確立する。

 作戦期間は各島嶼とも3日間を予定している。


 第二段階の福建省解放作戦は、沿岸島嶼を前進基地として実施される。

 作戦目標は、

 ・厦門市

 ・福州市

 ・泉州市

 などの福建省主要都市の解放である。

 作戦兵力は、陸軍6個師団約12万人と海軍陸戦隊3個師団約3万人を投入する。

 解放作戦は、複数地点同時上陸により実施される。

 ・厦門湾

 ・福州湾

 ・泉州湾

 の3カ所に同時上陸。

 中共軍の戦力分散を図る。

 上陸後は迅速に内陸に進撃。

 主要都市を占領する。

 作戦期間は2週間を予定している。


 第三段階の華南地区光復作戦は、福建省を前進基地として実施される。

 作戦目標は

 ・広東省

 ・広西省

 ・江西省

 の光復である。

 作戦兵力は、陸軍12個師団約24万人を投入する。

 光復作戦は、陸上進撃と海上機動の併用により実施される。

 福建省から陸路で江西省に進撃。

 南昌市を占領する。

 また、それと同時に海路で広東省に上陸。

 広州市を占領する。

 そして、広西省は広東省から西進して光復する。

 作戦期間は1カ月を予定している。


 第四段階の長江以南解放作戦は、華南地区を後方基地として実施される。

 作戦目標は、

 ・浙江省

 ・安徽省

 ・湖南省

 ・湖北省

 ・四川省

 ・雲南省

 ・貴州省

 の解放である。

 作戦兵力は、陸軍20個師団約40万人を投入する。

 解放作戦は、多方面同時進撃により実施される。

 江西省から北進して長江に達し、武漢市を占領する。

 広東省から北進して長沙市を占領。

 四川省に進撃する。

 雲南省と貴州省は、四川省から南進して解放する。

 作戦期間は3カ月を予定している。


 第五段階の全大陸光復作戦は長江以南を後方基地として実施される。

 作戦目標は、東亞連邦が統治している領域以外の長江以北の解放との占領である。

 作戦兵力は、陸軍30個師団にまで拡張し、約60万人を投入する。

 光復作戦は長江渡河作戦から開始される。

 武漢地区から長江を渡河。

 河南省と山東省に進撃する。

 同時に江蘇省から北進。

 山東省と河北省に進撃する。

 同時に雲南省から北進。

 西藏と新疆に進撃する。

 最終目標の中共の降伏により、全大陸の光復を完成する。

 作戦期間は6カ月を予定している。


 政治戦略は大陸同胞の蜂起促進を目標としている。

 心理作戦により、中共政権の正統性を否定。

 正統なる中華民国政府への帰順を促進する。

 また。地下組織の構築により反共勢力を組織化。

 反攻作戦時の内部協力を確保する。


 心理作戦は、

 ・宣伝放送

 ・伝単散布

 ・潜入工作

 により実施されている。

 対大陸放送では、戴笠の策略による中華民国の繁栄と中共政権の残虐性を宣伝している。

 伝単散布では、風船爆弾により大陸各地に宣伝物を散布している。

 潜入工作では、工作員を大陸に派遣。

 地下組織の構築を図っている。


 ー連合軍事協力体制ー


 中華民国は、日本国及び東亞連邦との軍事同盟により地域防衛体制を構築している。

 国家相互同盟条約に基づき、

 ・共同防衛

 ・軍事協力

 ・技術交流

 を実施している。

 日華軍事協力は、1952年に締結された日華永久同盟条約に基づいて実施されている。

 協力内容は、

 ・共同防衛

 ・軍事訓練

 ・技術移転

 ・装備供与

 などの包括的なものとなっている。

 共同防衛は、台湾海峡防衛における日本国の統合国防軍の協力により実施されている。

 総合国防軍傘下の海軍は、護衛艦4隻と潜水艦2隻を台湾海峡に展開。

 中華民国海軍と共同して哨戒活動を実施している。

 また、総合国防軍傘下の空軍は、戦闘機12機を台湾に派遣。

 防空任務を支援している。


 軍事訓練は相互派遣により実施されている。

 中華民国からは、毎年約200名の将校を日本に派遣。

 ・海軍幹部学校

 ・空軍幹部学校

 で教育を受けている。

 総合国防軍からは、毎年約100名の将校を中華民国に派遣。

 実戦的な訓練を実施している。

 技術移転は、日本の先進的な軍事技術の導入により実施されている。

 ・レーダー技術

 ・ソナー技術

 ・通信技術

 ・電子戦技術

 などの分野で技術移転が行われている。

 また、艦艇建造技術と航空機整備技術の移転も実施されている。


 東亞連邦との軍事協力は、国家相互同盟に基づいて実施されている。

 東亞連邦は、中華民国に約1万人の軍事顧問団を派遣。

 ・軍事訓練

 ・作戦計画立案

 ・基地建設

 などの支援を行っている。

 軍事顧問団は、陸海空軍の各分野に配置されている。

 陸軍顧問団は、

 ・戦術訓練

 ・砲兵訓練

 、機甲訓練

 の指導を行っている。

 海軍顧問団は、

 ・艦艇操縦

 ・砲術訓練

 ・潜水艦戦

 術の指導を行っている。

 空軍顧問団は、

 ・飛行訓練

 ・整備技術

 、防空戦術

 の指導を行っている。


 装備供与は、東亞連邦の最新兵器の供与により実施されている。

 ・戦車

 ・火砲

 ・艦艇

 ・航空機

 などの主要兵器に加えて、

 ・弾薬

 、燃料

 ・部品

 などの継続的な供給も行われている。

 供与総額は年間約150億ドルに達している。


 三国合同演習は年1回実施されている。

 演習規模は、

 ・陸軍3万人

 ・海軍艦艇30隻、 

 ・航空機100機

 であり、台湾海峡防衛を想定した実戦的な演習を実施している。

 演習により、三国軍の連携を強化。

 共同作戦能力の向上を図っている。


 ー軍事基地と要塞建設の展開ー


 中華民国の軍事基地建設というのは、1950年代に入ってから急速に拡大している。

 ・台湾島

 ・海南島

 ・離島

 の各地に陸海空軍の基地を建設し、総合的な国防体制を構築している。


 ー主要軍事基地の配置と機能ー


 軍事基地は、戦略的価値に応じて配置されている。

 台湾島には15カ所の主要基地

 海南島には5カ所の南方基地

 離島には8カ所の前線基地

 が建設されている。

 総建設費は、約250億ドルに達している。

 台湾島の陸軍基地は8カ所に配置されている。

 成功嶺訓練基地は、台中市に設置。

 新兵訓練と幹部教育を実施している。

 基地面積は1,200ヘクタールであり、同時訓練能力は1万人である。

 鳳山陸軍基地は、高雄市に設置。

 陸軍軍官学校と機甲部隊が駐屯している。

 関渡陸軍基地は、台北市に設置。

 首都防衛部隊が駐屯している。

 龍潭陸軍基地は、桃園県に設置。

 砲兵部隊が駐屯している。

 湖口陸軍基地は新竹県に設置。

 装甲部隊が駐屯している。

 大湖陸軍基地は!苗栗県に設置。

 工兵部隊が駐屯している。

 斗六陸軍基地は、雲林県に設置。

 歩兵部隊が駐屯している。

 岡山陸軍基地は、高雄県に設置。

 通信部隊が駐屯している。

 これらの基地は相互に連携して、台湾島全域の防衛を担当している。


 海軍基地は5カ所に配置されている。

 左營海軍基地は、高雄市に設置。

 海軍総司令部と第一艦隊司令部が所在している。

 基地面積は800ヘクタールであり、大型艦艇20隻の停泊が可能である。

 ・ドック施設

 ・修理施設

 ・燃料貯蔵施設

 が完備されている。

 基隆海軍基地は、基隆市に設置。

 第二艦隊司令部が所在している。

 基地面積は400ヘクタールであり、中型艦艇15隻の停泊が可能である。

 蘇澳海軍基地は、宜蘭県に設置。

 潜水艦部隊が駐屯している。

 馬公海軍基地は、澎湖県に設置。

 第三艦隊の一部が駐屯している。

 安平海軍基地は、台南市に設置。

 海軍陸戦隊が駐屯している。

 これらの基地により、台湾島周辺海域の完全な制海権確保を図っている。


 空軍基地は7カ所に配置されている。

 松山空軍基地は、台北市に設置。

 空軍総司令部が所在している。

 滑走路長2,400メートルであり、戦闘機50機の配備が可能である。

 新竹空軍基地は、新竹市に設置。

 戦闘機部隊が駐屯している。

 清泉崗空軍基地は、台中県に設置。

 戦闘爆撃機部隊が駐屯している。

 滑走路長3,000メートルであり、大型輸送機の離着陸が可能である。

 嘉義空軍基地は、嘉義市に設置。

 訓練機部隊が駐屯している。

 台南空軍基地は、台南市に設置。

 戦闘機部隊が駐屯している。

 岡山空軍基地は、高雄県に設置。

 空軍軍官学校が所在している。

 屏東空軍基地は、屏東県に設置。

 輸送機部隊が駐屯している。

 これらの基地により、台湾上空の完全な制空権確保を図っている。


 ー海岸要塞と内陸防衛線ー


 台湾西海岸には、120カ所の海岸要塞が建設されている。

 要塞は、上陸適地を中心に配置。

 海上からの敵侵攻を阻止する機能を有している。

 要塞建設費は、総額約80億ドルに達している。

 北部海岸要塞は、淡水から新竹までの60キロメートルの海岸線に30カ所建設されている。

 淡水要塞は、淡水河河口に建設。

 ・155mm沿岸砲6門

 ・105mm高角砲4門

 を配備している。

 射程距離25キロメートルであり、台湾海峡北部を完全に制圧している。

 また、

 ・竹圍要塞

 ・林口要塞

 ・桃園要塞

 、中壢要塞

 などが順次建設。

 北部海岸全域を覆っている。

 各要塞は、地下施設として建設。

 爆撃に対する高い抗堪性を有している。

 要塞間は、地下トンネルで連結。

 相互支援が可能である。


 中部海岸要塞は、新竹から彰化までの80キロメートルの海岸線に40カ所建設されている。

 台中港要塞は、台中港の防衛を担当。

 ・127mm沿岸砲8門

 ・75mm高角砲6門

 を配備している。

 また、

 ・彰化要塞

 ・鹿港要塞

 ・員林要塞

 などが海岸防衛を担当している。


 南部海岸要塞は、彰化から高雄までの100キロメートルの海岸線に50カ所建設されている。

 高雄港要塞は、高雄港の防衛を担当。

 ・203mm沿岸砲4門

 ・155mm沿岸砲8門

 ・127mm高角砲6門

 を配備している。

 中華民国最大の要塞として、高雄港及び周辺工業地帯を防衛している。

 また、

 ・安平要塞

 ・七股要塞

 ・東港要塞

 ・林辺要塞

 などが南部海岸の防衛を担当している。

 各要塞は、相互に射撃支援が可能な配置となっており、海岸線の完全な火力覆蓋を実現している。


 内陸防衛線は、三重の防衛線により構成されている。

 第一防衛線は、海岸から5キロメートル内陸に構築。

 海岸要塞を支援する機能を有している。

 第二防衛線は、海岸から15キロメートル内陸に構築。

 主抵抗線としての機能を有している。

 第三防衛線は、海岸から30キロメートル内陸に構築。

 最終防衛線としての機能を有している。


 第一防衛線は、歩兵陣地を中心として構築されている。

 ・鉄条網

 ・地雷原

 ・対戦車壕

 ・機関銃座

 により構成。

 上陸した敵部隊の進撃を阻止する。

 陣地は、縦深3キロメートルの多重構造となっており、敵の突破を困難にしている。


 第二防衛線は、砲兵陣地を中心として構築されている。

 ・105mm榴弾砲

 ・155mm榴弾砲

 の陣地が配置。

 第一防衛線を火力支援する。

 また、対戦車砲陣地と高射砲陣地も配置。

 敵の機甲部隊と航空機に対処している。


 第三防衛線は、機動部隊の集結地として構築されている。

 戦略予備の第8軍が配置。

 最も危険な地域に機動投入される。

 ・弾薬庫

 ・燃料庫

 ・整備施設

 が配置され、持久戦に対応している。


 ー空軍基地と防空システムー


 空軍基地は、

 ・台湾島7カ所

 ・海南島3カ所

 ・離島3カ所

 の計13カ所に建設されている。

 各基地は、

 ・戦闘機

 ・輸送機

 ・練習機

 を配備。

 ・制空権確保

 ・対地攻撃

 ・輸送支援

 の任務を遂行している。


 基地建設は、アメリカ合衆国及び東亞連邦の技術援助により実施されている。


 滑走路は、長さ2,400メートル以上であり、幅45メートルで建設。

 最新鋭戦闘機の運用に対応している。

 滑走路はコンクリート舗装であり、爆撃による損傷の迅速な修復が可能である。


 格納庫は、鉄筋コンクリート構造で建設。

 爆撃に対する抗堪性を有している。

 各基地には、大型格納庫4棟と中型格納庫8棟が建設。

 総計60機の航空機収容が可能である。

 格納庫は地下に設置。

 カモフラージュにより発見を困難にしている。


 燃料貯蔵施設は、地下タンクとして建設。

 各基地には、航空燃料5,000キロリットルの貯蔵能力を有している。

 燃料は分散貯蔵により、爆撃による全面的な損失を防止している。

 配管は、地下に埋設。

 爆撃による損傷を最小限に抑制している。


 整備施設は、各基地に設置。

 航空機の定期整備と修理を実施している。

 各基地には、大型整備格納庫2棟とエンジン整備工場1棟が設置されている。

 整備要員は約300名であり、戦闘機と輸送機の全機種に対応している。


 防空システムは、台湾島を覆うレーダー網により構築されている。

 ・早期警戒レーダー

 ・捜索レーダー

 ・射撃統制レーダー

 の三段階により、完全な防空網を形成している。

 レーダー基地は50カ所に設置。

 24時間体制で監視活動を実施している。


 早期警戒レーダーは、長距離探知能力を有するAN/FPS-3レーダー10基により構成されている。

 探知距離は、約400キロメートル。

 中国大陸から発進する航空機を早期に発見している。

 レーダー基地は山頂に設置。

 電波の到達距離を最大化している。


 捜索レーダーは、中距離探知能力を有するAN/TPS-1Dレーダー20基により構成されている。

 探知距離は、約200キロメートル。

 台湾周辺空域の航空機を継続的に監視している。

 レーダーは移動式であり、敵の攻撃による損失を最小限に抑制している。


 射撃統制レーダーは、短距離精密探知能力を有するAN/MPQ-4レーダー20基により構成されている。

 探知距離は約50キロメートル。

 高射砲と対空ミサイルの射撃統制を行っている。

 レーダーは高射砲陣地に配置。

 正確な射撃を可能にしている。


 対空ミサイルシステムは、アメリカ製ナイキ・エイジャックスミサイル8個中隊により構成されている。

 各中隊は、

 ・発射機4基

 ・ミサイル36発

 を配備している。

 射程距離は約50キロメートルで、最大高度は約20,000メートルであり。

 また、高高度侵入機に対処している。


 高射砲システムは、

 ・90mm高射砲

 ・75mm高射砲

 ・40mm機関砲

 により構成されている。

 90mm高射砲は120門配備。

 高高度目標に対処している。

 75mm高射砲は180門配備。

 中高度目標に対処している。

 40mm機関砲は360門配備。

 低高度目標に対処している。


 ー海軍基地と艦隊配備ー


 海軍基地は、戦略的価値に応じて配置。

 主要基地は、

 ・左營

 ・基隆

 ・馬公

 の3カ所であり、これらの基地により台湾周辺海域の完全な制海権確保を図っている。

 左營海軍基地は、台湾最大の海軍基地だ。

 そして、第一艦隊司令部が所在している。

 基地面積は800ヘクタールであり、4つの埠頭に分かれている。


 第1埠頭は、重巡洋艦と軽巡洋艦の専用埠頭。

 大型艦艇4隻の同時停泊が可能である。


 第2埠頭は駆逐艦の専用埠頭。

 駆逐艦8隻の同時停泊が可能である。


 第3埠頭は、護衛駆逐艦と哨戒艇の埠頭。

 中小型艦艇20隻の同時停泊が可能である。


 第4埠頭は潜水艦の専用埠頭。

 潜水艦6隻の同時停泊が可能である。


 ドック施設は、乾ドック2基と浮きドック1基が設置されている。

 乾ドックは、長さ200メートルと幅30メートル。

 駆逐艦クラスの艦艇の建造と修理が可能である。

 浮きドックは、長さ150メートルと幅25メートル。

 護衛駆逐艦クラスの艦艇の修理が可能である。


 修理施設は、

 ・機械工場

 ・電気工場

 ・溶接工場

 により構成されている。

 機械工場では、艦艇エンジン・推進器の修理を行っている。

 電気工場では、電気系統・レーダー・ソナーの修理を行っている。

 溶接工場では、船体・上部構造物の修理を行っている。


 燃料貯蔵施設は、

 ・重油10万キロリットル

 ・軽油5万キロリットル

 ・潤滑油1万キロリットル

 の貯蔵能力を有している。

 燃料は、地下タンクに分散貯蔵。

 爆撃による損失を最小限に抑制している。

 給油施設は各埠頭に設置。

 迅速な給油が可能である。


 弾薬庫は地下施設として建設。

 ・艦載砲弾

 ・魚雷

 ・機雷

 、爆雷

 を貯蔵している。

 貯蔵能力は、

 ・砲弾10万発

 ・魚雷500本

 ・機雷1,000個

 ・爆雷2,000個

 である。

 弾薬は種類別に分離貯蔵。

 安全性を確保している。


 基隆海軍基地は、北部海域の制海権確保を担当している。

 基地面積は400ヘクタール。

 第二艦隊司令部が所在している。

 埠頭は2つに分かれ、

 ・駆逐艦6隻

 ・護衛駆逐艦10隻

 ・哨戒艇20隻

 の停泊が可能である。


 修理施設は、中小型艦艇の修理に特化している。

 また、機械工場と電気工場により、駆逐艦以下の艦艇の修理を実施している。

 燃料貯蔵施設は、重油5万キロリットルと軽油3万キロリットルの貯蔵能力を有している。


 馬公海軍基地は台湾海峡中央部の制海権確保を担当している。

 基地面積は300ヘクタールであり、澎湖防衛司令部が所在している。

 埠頭は、天然の良港を活用して建設。

 中型艦艇15隻の停泊が可能である。

 燃料貯蔵施設は、重油3万キロリットルと軽油2万キロリットルの貯蔵能力を有している。

 弾薬庫は、砲弾5万発と魚雷200本の貯蔵能力を有している。

 修理施設は、基本的な修理に対応している。


 三亜海軍基地は、海南島南部に建設。

 第三艦隊司令部が所在している。

 基地面積は500ヘクタールであり、南シナ海の制海権確保を担当している。

 埠頭は3つに分かれ、

 ・軽巡洋艦2隻

 ・駆逐艦4隻

 ・護衛駆逐艦8隻

 ・潜水艦3隻

 の停泊が可能である。


 ー核開発計画と戦略兵器構想ー


 中華民国は、国防力の最終的な保障として核兵器開発計画を秘密裏に推進している。

 計画は、1953年から東亞連邦と共に共同開発という事で開始。

 原子爆弾の開発を目標としている。

 開発体制は、中山科学研究院を中心として構築されている。


 核開発計画は三段階に分かれている。


 第一段階は、基礎研究。

 ・原子核物理学

 ・核化学

 ・放射線工学

 の研究を実施している。

 第二段階は、技術開発。

 ・ウラン濃縮技術

 ・プルトニウム製造技術

 ・核兵器設計技術の開発

 を実施している。

 第三段階は、兵器製造。

 実用的な核兵器の製造を実施する。


 1956年時点では、第一段階の基礎研究が完了。

 第二段階の技術開発が進行中である。

 研究要員は約5000名であり、

 ・物理学者

 ・化学者

 ・工学者

 により構成されている。

 研究費は、年間約5億ドル。

 国防予算の約4%を占めている。


 ウラン濃縮研究は、気体拡散法により実施されている。

 実験施設は、台湾大学に設置。

 小規模な濃縮実験を実施している。

 濃縮度は、現在約5%である。

 そして、兵器級の90%達成を目標としている。

 ただし、技術的困難により、実用レベルの達成には半年を要する見込みである。


 プルトニウム製造研究は、原子炉による照射実験により実施されている。

 実験炉は、清華大学に設置。

 研究用として運転されている。

 プルトニウム抽出技術の開発により、兵器級プルトニウムの製造を目指している。


 核兵器設計研究は、爆縮型原子爆弾の設計により実施されている。

 ・爆薬配置

 ・中性子源

 ・起爆装置

 の設計研究が進められている。

 理論計算により、TNT換算約20キロトンの威力を目標としている。


 運搬手段の開発も並行して実施されている。

 ・空軍の戦闘爆撃機による投下

 ・海軍の巡洋艦による艦砲射撃

 ・陸軍のロケット砲による発射

 をそれぞれ検討している。

 最も実用的な方法として、F-84戦闘爆撃機による空中投下を想定している。


 核兵器の戦略的意義は、中共軍に対する抑止力の確保にある。

 核兵器保有により、中共軍の大規模侵攻を抑止。

 台湾海峡の軍事バランスを維持する。

 また、反攻作戦における戦略兵器として、中共軍の主要基地と工業地帯の破壊に使用する。


 核開発計画は、最高機密として厳重に管理されている。

 計画の存在は、

 ・総統

 ・国防部長

 ・参謀総長

 のみが承知している。

 研究要員は、特別な身元調査により選抜。

 機密保持の誓約を行っている。

 研究施設は、軍事警備により厳重に警備されている。


 国際的な核拡散防止の動きに対しては、平和利用の名目により対応している。

 ・原子力発電

 ・医療用放射性同位元素

 ・農業用放射線利用

 などの平和利用計画を発表。

 核開発の軍事的側面を隠蔽している。


 経済発展と産業構造


 ー戦後復興から高度成長への転換ー


 1944年の大日本帝国による植民地統治の終了後、中華民国政府は、太平洋戦争において、アメリカ合衆国軍の空襲により破壊された経済基盤の復興に着手する事となった。

 台湾総督府から接収した産業施設やインフラストラクチャーを基盤として、段階的な経済復興が進められた。

 1946年から1949年までの初期復興期には、電力、交通、通信などの基幹インフラの修復が優先。

 大日本帝国による植民地統治時代の工業基盤が徐々に回復した。

 1950年1月から開始されたアメリカと東亞連邦からの経済援助は、中華民国の経済の大転換点となった。

 両国からのそれぞれ年間平均1000億ドルに達する経済援助の規模により、

 ・防衛物資援助

 ・開発借款

 ・技術協力

 ・余剰農産物援助

 が実施。

 これにより、経済の安定化とインフレ抑制が実現された。

 肥料、種子、農業機械の導入により農業生産性が大幅に向上。

 食糧自給の基盤が確立された。


 1952年からの「第一次四年経済建設計画」により、本格的な経済開発が開始された。

 この計画は、

 ・農業基盤の強化

 ・軽工業の育成

 ・交通インフラの整備

 を三大柱として、台湾と海南島の地域特性を活かした発展戦略が採用された。

 計画期間中(1952-1955年)の経済成長率は年平均21.8%を記録。

 これから先の高度経済成長の基盤が構築された。


 ー農業改革と食糧政策ー


 中華民国の農業政策は、

「三七五減租」

「公地放領」

「耕者有其田」

 の三段階農地改革を中心として展開された。

 1949年の三七五減租では、小作料が収穫量の37.5%に制限。

 小作農の負担が大幅に軽減された。

 1951年の公地放領では、中華民国政府の所有地が小作農に有償で払い下げられて、土地所有の民主化が進められる事となった。

 1953年の耕者有其田政策では、中華民国政府は、全ての地主から農地が一つたりとも残さず強制的に買い上げて、小作農に再分配を実施。

 また、その際に地主及び小作農制度の永久廃止も実施した。

 これにより、すべての農業従事者が自作農となり、自作農の育成も実現された。

 この農地改革により、封建的な土地所有制度が解体。

 近代的な農業経営の基盤が確立された。

 改革の結果、自作農比率は60%から97%に上昇。

 農業生産性が大幅に向上した。

 特に、米作においては単位面積当たりの収量が40%増加。

 中華民国の食糧自給率は95%に達した。


 海南島においては、熱帯農業の特性を活かした特別な農業政策が実施された。

 ・ゴム園の近代化

 ・コーヒー栽培の導入

 ・ココナッツ加工業の発展

 これらの3つの政策が功を奏した事により、熱帯作物の一大生産基地として発展した。

 海南島においての農業改革は、台湾での経験を参考としつつも、熱帯農業に特化した技術導入と営農指導が重点的に行われたという。

 糧食局は、肥料配銷と台米出口を独占。

 肥料換穀制度を通じて農民から食糧を調達した。

 この制度により、中華民国政府は軍糧確保と食糧安定供給を実現した。

 しかし、農民の利益が制限される側面もあった。

 その為、1955年からは保価収購制度が導入。

 農民の所得保障と生産意欲の向上が図られている。


 ー工業化政策と技術導入ー


 中華民国の工業化は、軽工業から重工業への段階的発展戦略に基づいて推進された。

 1950年代前半は、

 ・繊維産業

 、食品加工産業

 ・化学肥料産業

 ・セメント産業

 などの軽工業が中心。

 大日本帝国による植民地統治時代の工業基盤と技術を活用した発展が図られた。

 特に、繊維工業は原料となる綿花の輸入と技術導入により急速に発展。

 1955年には、製造業生産額の30%を占める主力産業となった。


 そして、東亞連邦との経済協力により、重工業の技術導入と設備近代化が促進された。

 製鉄、機械、化学工業分野での技術移転により、中華民国の工業技術水準が大幅に向上した。

 特に、高雄市に建設された一貫製鉄所は、東亞連邦の技術支援によって操業を開始。

 今では、国内の鉄鋼需要の50%を供給する能力を持っている。


 海南島においては、港湾立地を活かした重化学工業の発展が計画された。

 海口市と三亜市には、大規模な工業団地が建設。

 石油化学、造船、機械工業の立地が進められた。

 海南島の工業化は、台湾での経験を大きな基礎として、より高度な技術集約型産業の育成が目標とされた。


 貿易統計の詳細分析


 中華民国の対外貿易は1950年代に入ってから急速に拡大。

 貿易総額は、1950年の80億ドルから1955年には240億ドルに拡大。

 年平均成長率は約25%を記録している。


 ー輸出入の推移と構造ー


 輸出額は、1950年の35億ドルから1955年には150億ドルに拡大している。

 主要輸出品目は

 ・農産物

 ・軽工業製品

 ・食品加工品

 などである。

 農産物では、

 ・米

 ・砂糖

 ・茶

 ・バナナ

 などが主要品目となっており、輸出総額の35%を占めている。


 軽工業製品の輸出も急速に拡大。

 ・繊維製品

 ・雑貨

 ・玩具

 などが輸出総額の30%を占めている。

 特に繊維製品の輸出は年平均40%の成長を記録。

 中華民国の主要輸出産業となっている。


 食品加工品の輸出は、海南島の熱帯農産物加工業の発展により拡大している。

 ・缶詰

 ・冷凍食品

 ・調味料

 などが輸出総額の20%を占めている。

 輸入額は、1950年の45億ドルから1955年には90億ドルに拡大している。

 主要輸入品目は、

 ・原材料

 ・機械設備

 ・石油製品

 である。

 原材料では、

 、鉄鉱石

 ・石炭

 ・原油

 ・綿花

 などが輸入総額の40%を占めている。

 機械設備の輸入は,工業化の進展に伴い急速に拡大。

 輸入総額の30%を占めている。

 特に繊維機械や食品加工機械の輸入が多い。

 石油製品の輸入は,経済発展に伴うエネルギー需要の増加により拡大している。

 石油製品の輸入総額は15%を占めている。


 ー貿易相手国の分析ー


 主要貿易相手国は、

 ・日本国

 ・アメリカ合衆国

 ・東亜連邦

 ・大亜細亜帝國連邦

 などである。


 日本国との貿易額は貿易総額の30%を占め、最大の貿易相手国となっている。

 対日輸出では、

 ・農産物

 ・軽工業製品

 が中心である。

 また、対日輸入では、

 ・機械設備

 ・化学製品

 が中心である。


 アメリカ合衆国との貿易額は貿易総額の25%を占めている。

 対米輸出では、

 ・繊維製品

 ・食品加工品

 が中心である。

 また、対米輸入では、

 ・原材料

 ・先端技術製品

 が中心である。


 東亜連邦との貿易額は貿易総額の20%を占めている。

 東亜連邦とは同盟関係にあり、特恵貿易協定により貿易が拡大している。

 大亜細亜帝國連邦との貿易額は貿易総額の15%を占めている。

 大亜細亜帝國連邦とは、地理的近接性を活かした貿易関係が発展している。


 ー貿易収支と外貨準備ー


 貿易収支は、1950年の100億ドルの赤字から1955年には600億ドルの黒字に転換している。

 これは輸出競争力の向上と輸入代替産業の発展の結果である。

 外貨準備高は、1950年の200億ドルから1955年には1200億ドルに拡大している。

 これは、貿易黒字の蓄積と外国援助の効果である。

 外貨準備の内訳を見ると、

 ・アメリカドルが70%

 ・日本円が20%

 ・その他通貨が10%

 となっている。


 ー国内総生産の推移ー


 国内総生産(GDP)は、1950年の3500億ドルから1955年には8500億ドルに到達。

 5年間で約2.4倍の成長を実現している。

 年平均成長率は21.8%という驚異的な水準を記録。

 世界的にも類を見ない高成長を続けている。

 1956年の推定GDPは9500億ドルに達する見込みであり、1人当たりGDPは約1,583ドルとなっている。

 これは、東南アジア諸国の平均を大幅に上回る水準。

 急速な経済発展の成果を示している。


 GDP成長の要因分析を行うと、投資の寄与度が最も高く全体の60%を占めている。

 次に、消費の寄与度が25%であり、輸出の寄与度が15%となっている。

 投資主導型の成長パターンが、明確に現れている。

 これは、中華民国政府の積極的な投資政策の結果である。


 ー産業別GDP構成の変化ー


 産業別GDP構成は急速な変化を遂げている。

 1950年には、

 ・第一次産業が45%

 ・第二次産業が20%

 ・第三次産業が35%

 であった。

 しかし、1955年には、

 ・第一次産業が30%

 ・第二次産業が40%

 ・第三次産業が30%

 となっている。


 第一次産業の比重低下は、農業の近代化と工業化の進展を反映している。

 しかし、第一次産業の絶対額は増加。

 農業生産の拡大が続いている。

 第一次産業のGDPは、1950年の1600億ドルから1955年には2555億ドルに増加している。

 第二次産業の比重拡大は工業化政策の成果を示している。

 製造業を中心とする第二次産業のGDPは、1950年の700億ドルから1955年には3400億ドルに急拡大。

 特に軽工業や繊維工業の成長が顕著である。

 第三次産業は、商業からサービス業などの幅広い層から構成。

 経済発展に伴い着実に拡大している。

 第三次産業のGDPは1950年の1230億ドルから1955年には2555億ドルに増加している。


 ー投資と貯蓄の動向ー


 投資率(投資/GDP)は、1950年の18%から1955年には35%に上昇している。

 これは、中華民国政府の積極的な投資政策と外国援助の効果的活用の結果である。

 投資の内訳を見ると、

 ・政府投資が60%

 ・民間投資が40%

 となっている。

 政府投資は、

 ・社会インフラ

 ・基幹産業

 ・教育

 などの分野に向けられている。

 また、

 ・道路

 ・港湾

 ・電力

 ・通信

 などのインフラ投資が投資総額の30%を占めている。

 また、

 ・製鉄

 ・石油化学

 ・機械

 などの基幹産業への投資が25%を占めている。


 民間投資は

 ・軽工業

 ・商業

 ・住宅

 などの分野で行われている。

 繊維工業への投資が民間投資総額の25%

 食品加工業への投資が20%

 商業・サービス業への投資が30%

 をそれぞれ占めている。


 貯蓄率(貯蓄/GDP)は、1950年の12%から1955年には28%に上昇している。

 これは、所得水準の向上と中華民国政府の貯蓄奨励策の効果である。

 貯蓄の内訳を見ると、

 ・家計貯蓄が70%

 ・企業貯蓄が20%

 ・政府貯蓄が10%

 となっている。


 ー歳入の構造と推移ー


 歳入総額は、1950年の1200億ドルから1955年には4500億ドルに拡大している。

 歳入の内訳を見ると、

 ・税収が70%

 ・国営事業収入が20%

 ・その他収入が10%

 となっている。


 税収は1950年の84億ドルから1955年には315億ドルに拡大している。

 税収の内訳を見ると、

 ・直接税が40%

 ・間接税が60%

 となっている。


 直接税では、

 ・所得税

 ・法人税

 ・相続税

 などがある。

 所得税収入は、経済成長に伴う所得水準の向上により拡大。

 法人税収入は、企業収益の向上により拡大している。


 間接税では、

 ・営業税

 ・関税

 ・酒税

 ・タバコ税

 などがある。

 営業税収入は、商業活動の活発化により拡大。

 関税収入は輸入の拡大により増加している。


 国営事業収入は、

 ・台湾銀行

 ・台湾電力

 ・台湾鉄路

 などの国営事業の利益によるものである。

 国営事業収入は、1950年の240億ドルから1955年には900億ドルに拡大している。


 ー歳出の構造と推移ー


 歳出総額は、1950年の130億ドルから1955年には400億ドルに拡大している。

 歳出の内訳を見ると、

 ・経済建設費が35%

 ・国防費が30%

 ・教育費が15%

 ・社会保障費が10%

 ・一般行政費が10%

 となっている。

 経済建設費は、1950年の46億ドルから1955年には140億ドルに拡大している。

 経済建設費の内訳を見ると、

 ・インフラ投資が50%

 ・産業投資が30%

 ・農業投資が20%

 となっている。

 国防費は、1950年の39億ドルから1955年には120億ドルに拡大している。

 国防費の増加は国際情勢の緊張と軍事力の近代化の必要性によるものである。

 教育費は、1950年の20億ドルから1955年には60億ドルに拡大している。

 教育費の増加は教育機会の拡大と教育の質的向上を図るためである。

 社会保障費は、1950年の13億ドルから1955年には40億ドルに拡大している。

 社会保障費の増加は、社会保障制度の充実と対象者の拡大によるものである。


 ー財政収支と公債政策ー


 財政収支は1950年の100億ドルの赤字から1955年には500億ドルの黒字に転換している。

 これは歳入の拡大と歳出の効率化の結果である。


 公債発行額は1950年の200億ドルから1955年には800億ドルに拡大している。

 公債は、経済建設資金の調達に充てられている。

 公債の内訳を見ると、

 ・内国債が80%

 ・外国債が20%

 となっている。


 内国債は、

 ・銀行

 ・保険会社

 ・一般投資家

 などが購入している。


 外国債は、

 ・日本国

 ・アメリカ合衆国

 ・東亜連邦

 などが購入している。


 ー通貨政策の展開ー


 中華民国銀行は、中央銀行として存在感を発揮。

 主に通貨政策の企画・実施を担当している。

 通貨政策の目標は、

 ・物価の安定

 ・完全雇用

 ・経済成長の促進

 である。


 通貨供給量(M2)は、1950年の150億ドルから1955年には600億ドルに拡大している。

 年平均成長率は約32%だ。

 経済成長率を上回る拡大となっている。

 これは経済発展に必要な流動性を供給するための政策的判断である。


 政策金利(公定歩合)は、1950年の12%から1955年には8%に引き下げられている。

 金利の引き下げは投資の促進と経済成長の支援を目的としている。

 為替レートは、1950年の1ドル=40台湾元から1955年には1ドル=25台湾元に切り上げられている。

 為替レートの切り上げは、輸出競争力の強化とインフレーション抑制を目的としている。


 ー銀行制度の発展ー


 銀行制度は

 ・政府系銀行

 ・民間銀行

 ・外国銀行

 の三層構造となっている。


 政府系銀行は、

 ・台湾銀行

 ・台湾土地銀行

 ・台湾合作金庫

 ・海南銀行

 などがある。


 民間銀行は、

 ・華南銀行

 ・彰化銀行

 ・第一銀行

 などがある。


 台湾銀行は、中華民国政府の銀行の一つだ。

 ・通貨発行

 ・資金管理

 ・外国為替業務

 などを担当している。

 台湾銀行の総資産は、1950年の100億ドルから1955年には500億ドルに拡大している。


 台湾土地銀行は、

 ・農業金融

 ・土地開発金融

 を専門とする銀行として、農業の近代化と土地開発を支援している。

 台湾土地銀行の総資産は、1950年の30億ドルから1955年には150億ドルに拡大している。


 台湾合作金庫は、協同組合金融を専門とする銀行として、

 ・中小企業

 ・農業協同組合

 への融資を行っている。

 台湾合作金庫の総資産は、1950年の20億ドルから1955年には120億ドルに拡大している。


 海南銀行は海南地区の金融機関として、海南島の経済開発を支援している。

 海南銀行の総資産は、1952年の設立時の10億米ドルから1955年には80億米ドルに拡大している。


 ー金融市場の発展ー


 証券市場は、1953年に台湾証券取引所が設立されて以来、急速に発展している。

 上場企業数は1953年の10社から1955年には50社に拡大。

 株式時価総額は1953年の50億ドルから1955年には250億ドルに拡大している。


 債券市場も政府債、社債、金融債の発行により発展している。

 債券発行額は1950年の10億ドルから1955年には100億ドルに拡大している。


 外国為替市場は1954年に台北外国為替市場が開設されて以来、活発な取引が行われている。

 外国為替取引高は1954年の月平均10億ドルから1955年には月平均50億ドルに拡大している。


 ー物価指数の推移ー


 消費者物価指数(CPI)は1950年を100として、1955年には140となっている。

 年平均上昇率は約7%であり、適度なインフレーション水準を維持している。


 CPIの内訳を見ると、食料品価格が最も高い上昇率を示している。

 5年間で60%上昇している。

 これは人口増加と所得向上による食料需要の増加によるものである。


 住居費は5年間で50%上昇している。

 これは都市化の進展と住宅需要の増加によるものである。

 中華民国政府は住宅政策を強化。

 住宅供給の拡大を図っている。


 衣料品価格は5年間で30%上昇している。

 これは繊維工業の発展により比較的抑制されている。


 卸売物価指数(WPI)は1950年を100として、1955年には125となっている。

 年平均上昇率は約4.5%であり、CPIよりも低い上昇率となっている。

 これは生産性向上と競争の激化によるものである。


 ー賃金水準の向上ー


 労働者の平均賃金は、1950年の月額150台湾元から1955年には月額400台湾元に上昇している。

 名目賃金の上昇率は年平均約22%。

 物価上昇率を大幅に上回っている。

 実質賃金は1950年を100として、1955年には160となっている。

 年平均上昇率は約10%であり、労働者の生活水準が着実に向上している。


 職種別の賃金格差を見ると、技術者・管理職の賃金が最も高い。

 平均賃金の約2倍となっている。

 熟練工の賃金は平均賃金の約1.5倍であり、非熟練工の賃金は平均賃金の約0.8倍となっている。


 地域別の賃金格差を見ると、台北地区の賃金が最も高い。

 なんと平均の約1.3倍となっている。

 高雄地区は平均の約1.1倍

 台中地区は全国平均の約1.0倍

 農村地区は全国平均の約0.7倍

 となっている。


 ー生活水準の向上ー


 国民1人当たりの消費支出は1950年の年額600台湾元から1955年には年額1,200台湾元に増加している。

 消費支出の増加は所得水準の向上を反映している。


 消費構造を見ると、食料品支出の比率が1950年の60%から1955年には50%に低下している。

 これはエンゲル係数の低下を示しており、生活水準の向上を表している。


 住居費支出の比率は1950年の15%から1955年には20%に上昇している。

 これは住宅環境の改善と住宅需要の高度化を反映している。


 教育・文化支出の比率は1950年の5%から1955年には8%に上昇している。

 これは教育機会の拡大と文化的生活への関心の高まりを反映している。


 ー第一次産業の発展状況ー


 中華民国の第一次産業は、

 ・農業

 ・林業

 ・漁業

 ・畜産業

 から構成。

 国民経済の重要な基盤となっている。

 1950年代の農地改革と農業近代化により、生産性の向上と農民所得の増加が実現されている。


 ー農業の発展と改革ー


 農業は、第一次産業の中核を占めており、第一次産業生産額の約80%を占めている。

 農業生産額は、1950年の1260億ドルから1955年には2040億ドルに拡大している。

 農地改革は、1949年から1953年にかけて段階的に実施された。

 第一段階の「三七五減租」により、小作料が収穫量の37.5%に制限された。

 第二段階の「公地放領」により、政府所有地が農民に売却された。

 第三段階の「耕者有其田」により、地主の土地が中華民国政府により買収。

 小作農に売却された。

 農地改革の結果、自作農比率は1949年の36%から1955年には97%に上昇している。

 農地改革により、農業生産性が向上。

 農民の生産意欲が高まっている。

 農業の近代化は、

 ・農業技術の改良

 ・農業機械の導入

 ・農業用水の整備

 などにより推進されている。

 農業試験所や農業推広所などの機関により、

 ・新品種の開発

 ・栽培技術の改良

 ・病害虫防除技術の普及

 などが行われている。


 米作は、中華民国の農業の中心だ。

 農業生産額の約40%を占めている。

 米の年間生産量は、1950年の1200万トンから1955年には1800万トンに増加している。

 ・新品種の導入

 ・栽培技術の改良

 ・農業機械の導入

 などにより、単位面積当たりの収量が向上している。


 甘蔗栽培は、中華民国というよりは台湾島の伝統的な農業。

 砂糖工業の原料として重要である。

 甘蔗の年間生産量は1950年の800万トンから1955年には1,200万トンに増加している。


 果樹栽培は、台湾の気候条件を活かした農業として発展している。

 ・バナナ

 ・パイナップル

 ・柑橘類

 ・梨

 などの果物が栽培。

 年間生産量は1950年の50万トンから1955年には80万トンに増加している。


 ー林業の発展ー


 林業は、中華民国の山地資源を活用した産業として重要な地位を占めている。

 中華民国の森林面積は約210万ヘクタールであり、全島面積の約58%を占めている。

 林業生産額は、1950年の16億ドルから1955年には125億ドルに拡大している。

 主要な林産物は、

 ・建築用材

 ・家具材

 ・パルプ材

 ・薪炭材

 などである。


 建築用材の生産は、住宅建設の拡大により増加している。

 年間生産量は、1950年の80万立方メートルから1955年には120万立方メートルに増加している。

 家具材の生産は、家具工業の発展により増加している。

 年間生産量は、1950年の20万立方メートルから1955年には35万立方メートルに増加している。

 パルプ材の生産は、製紙工業の発展により増加している。

 年間生産量は、1950年の15万立方メートルから1955年には25万立方メートルに増加している。

 森林の管理については、持続可能な林業経営を目指している。

 その為、計画的な伐採と造林が行われている。

 年間造林面積は約8,000ヘクタールで、森林資源の持続的利用が図られている。


 ー漁業の発展ー


 漁業は、中華民国の海洋資源を活用した産業として重要である。

 台湾島周辺海域は黒潮と親潮の影響により、豊富な漁業資源を有している。

 漁業生産額は、1950年の20億ドルから1955年には132億ドルに拡大している。

 漁業従事者数は約15万人。

 ・沿岸漁業

 ・近海漁業

 ・遠洋漁業

 が行われている。


 沿岸漁業は小型漁船による漁業で、

 ・アジ

 ・サバ

 ・イワシ

 ・カニ

 ・エビ

 などの漁獲が行われている。

 沿岸漁業の年間漁獲量は、1950年の8万トンから1955年には12万トンに増加している。


 近海漁業は、中型漁船による漁業である。

 ・マグロ

 ・カツオ

 ・サンマ

 ・イカ

 などの漁獲が行われている。

 近海漁業の年間漁獲量は、1950年の6万トンから1955年には10万トンに増加している。


 遠洋漁業は、大型漁船による漁業である。

 太平洋とインド洋での漁業活動が行われている。

 遠洋漁業の年間漁獲量は、1950年の2万トンから1955年には5万トンに増加している。

 漁業の近代化は、

 ・漁船の機械化

 ・漁業技術の改良

 ・漁港の整備

 などにより推進されている。

 漁船の機械化により漁獲効率が向上。

 漁業生産性が向上している。


 ー畜産業の発展ー


 畜産業は、農業の多角化と農民所得の向上を目的として推進されている。

 畜産業生産額は、1950年の8億ドルから1955年には140億ドルに急拡大。

 豚の飼養は、畜産業の中心であり、畜産業生産額の約60%を占めている。

 豚の飼養頭数は、1950年の80万頭から1955年には600万頭に増加している。

 鶏の飼養は、卵と肉の生産を目的として行われている。

 鶏の飼養羽数は1950年の500万羽から1955年には1,000万羽に増加している。

 牛の飼養は、農業の動力源として、また乳製品の生産を目的として行われている。

 牛の飼養頭数は1950年の25万頭から1955年には40万頭に増加している。

 畜産業の近代化は、

 ・品種改良

 ・飼料の改良

 ・飼養技術

 の改良などにより推進されている。

 また、農業試験所や畜産試験所などの機関により、

 ・優良品種の導入

 ・飼料の栄養価向上

 ・疾病防除技術の普及

 などが行われている。


 ー第二次産業の急速な発展ー


 中華民国の第二次産業は、1950年代に入ってから急速な発展を遂げている。

 工業化政策の推進と外国援助の効果的活用により、製造業を中心とする第二次産業が急成長している。


 ー軽工業の発展ー


 軽工業は、第二次産業の中核を占有。

 第二次産業生産額の約70%を占めている。

 軽工業生産額は、1950年の490億ドルから1955年には2380億ドルに拡大している。


 繊維工業は、軽工業の中心であり、軽工業生産額の約40%を占めている。

 繊維工業の発展は、豊富な労働力と綿花・麻などの原料の確保により推進されている。


 綿紡織業は、繊維工業の主力であり、年間生産量は1950年の5万トンから1955年には250万トンに大幅に増加している。

 綿紡織工場数は、1950年の20工場から1955年には80工場に増加している。


 毛紡織業は、高級繊維製品の生産を目的として発展している。

 年間生産量は1950年の2万トンから1955年には8万トンに増加している。


 絹織業は、台湾島の伝統的な産業として継続している。

 その下支えとなる養蚕業の発展により、絹の年間生産量は1950年の500トンから1955年には1,200トンに増加している。


 化学繊維工業は、新しい産業として1953年から発展している。

 ナイロンやポリエステルなどの化学繊維の年間生産量は1955年には3万トンに達している。


 食品加工業は、農業との連携により発展している。

 食品加工業生産額は1950年の14億米ドルから1955年には70億米ドルに拡大している。


 砂糖工業は、台湾島の伝統的な産業として継続している。

 砂糖の年間生産量は1950年の40万トンから1955年には60万トンに増加している。


 缶詰工業は、輸出産業として発展している。

 パイナップル缶詰や魚介類缶詰などの年間生産量は1950年の1万トンから1955年には5万トンに増加している。


 醸造業は、酒類や味噌などの生産を行っている。

 醸造業の年間生産額は1950年の5億米ドルから1955年には15億米ドルに増加している。


 ー重工業の発展ー


 重工業は、1950年代に入ってから本格的な発展を開始している。

 中華民国政府の工業化政策と外国援助により、

 ・製鉄

 ・機械

 ・化学

 などの重工業が発展している。

 重工業生産額は、1950年の122億ドルから1955年には1011億ドルに拡大している。


 製鉄業は、1954年に高雄製鉄所が操業を開始して以来急速に発展している。

 年間粗鋼生産量は、1955年には50万トンに達している。

 製鉄業の発展により、鉄鋼の自給率が向上。

 関連産業の発展が促進されている。


 機械工業は、

 ・農業機械

 ・繊維機械

 ・建設機械

 などの生産を行っている。

 機械工業生産額は、1950年の8億ドルから1955年には32億ドルに拡大している。


 農業機械工業は、農業の近代化に対応して発展している。

 ・トラクター

 ・耕耘機

 ・脱穀機

 などの年間生産量は、1950年の2万台から1955年には8万台に増加している。


 繊維機械工業は、繊維工業の発展に対応して発展している。

 紡績機械や織機などの年間生産量は、1950年の5000台から1955年には2万台に増加している。


 化学工業は、

 ・基礎化学

 ・石油化学

 ・医薬品

 などの生産を行っている。

 化学工業生産額は、1950年の6億ドルから1955年には25億ドルに拡大している。


 基礎化学工業は、

 ・硫酸

 ・塩酸

 ・苛性ソーダ

 などの基礎化学品を生産している。

 年間生産量は、1950年の50万トンから1955年には200万トンに増加している。


 石油化学工業は、1955年に高雄石油化学工場が操業を開始して以来発展している。

 エチレンやプロピレンなどの基礎化学品の生産により、プラスチックや合成繊維などの原料が供給されている。


 医薬品工業は、国民の健康向上に対応して発展している。

 医薬品の年間生産額は、1950年の1億ドルから1955年には50億ドルに増加している。


 ー建設業の発展ー


 建設業は、経済発展に伴うインフラ整備と住宅建設により急速に発展。

 建設業生産額は、1950年の7億ドルから1955年には35億ドルに拡大している。

 住宅建設は、人口増加と都市化により拡大している。

 年間住宅着工戸数は、1950年の20万戸から1955年には100万戸に増加している。

 公共事業建設は、中華民国政府の積極的な投資により拡大している。

 ・道路

 ・港湾

 ・空港

 ・学校

 ・病院

 などの公共施設の建設が活発に行われている。

 民間商業建設は、商業活動の活発化により拡大している。

 ・商業ビル

 ・工場

 ・倉庫

 などの建設が増加している。


 ー電力・ガス業の発展ー


 電力・ガス業は、経済発展に伴うエネルギー需要の増加により急速に発展している。

 電力・ガス業生産額は、1950年の5億ドルから1955年には20億ドルに拡大している。

 電力業は、中華民国電力公司により一元的に運営されている。

 発電設備容量は、1950年の15万キロワットから1955年には60万キロワットに拡大している。

 水力発電は、中華民国の山地資源を活用した発電方式。

 発電量の約60%を占めている。

 主要な水力発電所は、

 ・日月潭発電所

 ・大甲渓発電所

 ・濁水渓発電所

 などである。

 火力発電は、石炭や石油を燃料とする発電方式。

 発電量の約40%を占めている。

 主要な火力発電所は、

 ・高雄火力発電所

 ・台中火力発電所

 ・基隆火力発電所

 などである。


 ガス業は、都市ガスの供給を行っている。

 ガス供給量は、1950年の500万立方メートルから1955年には2,000万立方メートルに拡大している。


 ー第三次産業の拡大ー


 中華民国の第三次産業は、経済発展と都市化の進展により着実に拡大している。

 ・商業

 ・運輸

 ・金融

 ・サービス業

 などが発展。

 国民経済に占める重要性が高まっている。


 ー商業の発展ー


 商業は、第三次産業の中核を占めており、第三次産業生産額の約50%を占めている。

 商業生産額は、1950年の62億ドルから1955年には2500億ドルに拡大している。


 卸売業は、生産者と小売業者を結ぶ流通機能を担っている。

 卸売業売上高は、1950年の20億ドルから1955年には1621億ドルに拡大している。


 小売業は消費者に直接商品を販売する機能を担っている。

 小売業売上高は、1950年の15億ドルから1955年には350億ドルに拡大している。


 百貨店業は、都市部の高級消費需要に対応して発展している。

 主要都市には、多くの大型百貨店が設立され、多様な商品を取り扱っている。

 百貨店業は、1950年の15億ドルから1955年には411億ドルに拡大している。


 専門店業は、特定の商品分野に特化した小売業として発展している。

 ・衣料品店

 ・食料品店

 ・雑貨店

 ・書店

 などが各地に設立されている。

 専門店業は、1950年の15億ドルから1955年には198億ドルに拡大している。


 ー運輸業の発展ー


 運輸業は、経済活動の拡大に伴い急速に発展している。

 運輸業生産額は、1950年の25億ドルから1955年には640億ドルに拡大している。

 鉄道輸送は、台湾鉄路管理局により一元的に運営されている。

 鉄道輸送量は、1950年の旅客5,000万人及び貨物500万トンから1955年には旅客12,000万人及び貨物1,200万トンに拡大している。


 道路輸送は、自動車のみならずバスやトラックによる輸送であり、鉄道輸送を補完している。

 自動車登録台数は、1950年の5,000台から1955年には25,000台に増加している。


 海運は、中華民国と外国を結ぶ重要な輸送手段である。

 海運輸送量は、1950年の300万トンから1955年には800万トンに拡大している。


 航空輸送は、1954年に中華航空公司が設立されて以来発展している。

 航空輸送量は、1955年には旅客5万人と貨物500トンに達している。


 ー金融業の発展ー3400


 金融業は、経済発展に伴う資金需要の増加により拡大している。

 金融業生産額は、1950年の15億ドルから1955年には200億ドルに拡大している。


 銀行業は、資金の仲介機能を担っている。

 銀行の総資産は、1950年の20億ドルから1955年には100億ドルに拡大している。


 保険業は、1952年に台湾人寿保険公司が設立されて以来発展している。

 保険料収入は、1955年には100億ドルに達している。


 証券業は、1953年に台湾証券取引所が設立されて以来発展している。

 証券取引高は、1955年には100億ドルに達している。


 ーサービス業の発展ー


 サービス業は、経済発展と生活水準の向上により拡大している。

 サービス業生産額は、1950年の23億ドルから1955年には500億ドルに拡大している。


 飲食業は、都市化と外食需要の増加により発展している。

 飲食業売上高は、1950年の1億ドルから1955年には250億ドルに拡大している。


 宿泊業は、商業活動の活発化と観光業の発展により拡大している。

 宿泊業売上高は、1950年の3億ドルから1955年には80億ドルに拡大している。


 娯楽業は、映画・演劇・音楽などの娯楽需要の増加により発展している。

 娯楽業売上高は、1950年の2億ドルから1955年には150億ドルに拡大している。


 理容・美容業は、生活水準の向上により発展している。

 理容・美容業売上高は、1950年の0.1億米ドルから1955年には30億米ドルに拡大している。


 ー地域別産業発展の特色ー


 中華民国の産業発展は、地域の特性を活かした多様な発展パターンを示している。

 各地域は、

 ・地理的条件

 ・資源賦存

 ・交通条件

 などを活かした特色ある産業発展を遂げている。


 ー台湾島北部の軽工業集積ー


 台湾島北部の地域は、軽工業の一大集積地域として発展している。

 ・台北市

 ・基隆市

 ・桃園県

 を中心とする北部地域には、

 ・繊維工業

 ・食品加工業

 ・機械工業

 などの軽工業が集積している。


 繊維工業は、北部地域の主力産業だ。

 工場数の約40%と生産額の約50%を占めている。

 ・台北市の大同区及び松山区

 ・桃園県の中壢及び大園

 などには、大規模な繊維工場が立地している。


 食品加工業は、北部地域の消費市場に対応して発展している。

 台北市内及び周辺地域には、

 ・パン

 ・菓子

 、調味料

 ・飲料

 などの食品加工工場が多数立地している。


 機械工業は、

 ・繊維機械

 ・食品加工機械

 ・建設機械

 などの生産を行っている。

 台北市の中山区・大同区や基隆市などには、機械工場が多く集積している。

 北部地域の軽工業発展の要因は、

 ・豊富な労働力

 ・大消費市場への近接性

 ・港湾・交通条件の良さ

 ・中華民国政府の支援政策などである。


 ー台湾島南部の重化学工業コンビナートー


 台湾島の南部地域は、重化学工業の一大コンビナートとして発展している。

 高雄市を中心とする南部地域には、

 ・製鉄

 ・石油化学

 ・造船

 ・機械

 などの重工業が集積している。


 高雄製鉄所は、中華民国最大の製鉄所。

 年間粗鋼生産能力50万トンを有している。

 この製鉄所の建設により、鉄鋼関連産業の集積が進んでいる。


 高雄石油化学工場は、中華民国最大の石油化学工場。

 エチレンやプロピレンなどの基礎化学品を生産している。

 また、石油化学工場の建設により、プラスチックや合成繊維などの関連産業の集積が進んでいる。


 高雄造船所は、台中華民国最大の造船所。

 年間造船能力総トン数10万トンを有している。

 この造船所の建設により、造船関連産業の集積が進んでいる。


 南部地域の重化学工業発展の要因は、

 ・高雄港という天然の良港

 ・豊富な工業用地

 ・中華民国政府の重工業政策

 ・外国からの膨大な援助

 などである。


 ー海南島の複合的産業発展ー


 海南島は、

 ・農業

 、工業

 ・観光業

 の複合的発展を遂げている。

 また、海南島の特色ある自然条件と資源を活かした多様な産業発展が進められている。


 農業は、熱帯性気候を活かした特色ある農業として発展している。

 ・ゴム

 ・コーヒー

 ・ココナッツ

 ・熱帯果実

 などの栽培が行われており、これらの農産物は台湾島や海外に出荷されている。


 工業は、農産物加工業を中心として発展している。

 ・ゴム加工

 ・コーヒー加工

 ・椰子油製造

 ・熱帯果実加工

 などの工場が設立されている。

 観光業は、海南島の美しい自然環境を活かして発展している。

 三亜市を中心とする観光開発により、

 ・ホテル

 ・レストラン

 ・レクリエーション施設

 などが整備されている。


 鉱業は、海南島の鉱物資源を活用して発展している。

 ・鉄鉱石

 ・石炭

 、天然ガス

 などの採掘が行われている。


 海南島の複合的産業発展の要因は、

 ・豊富な自然資源

 ・特色ある気候条件

 ・中華民国政府の開発政策

 ・台湾島からの投資

 などである。


 ー離島の特殊経済開発ー


 離島地域は、特殊な経済開発構想により発展が図られている。

 ・澎湖県

 ・金門県

 ・馬祖県

 などの離島は、軍事基地としての機能と並行して、特色ある経済開発が進められている。


 澎湖県は、漁業と観光業を中心とする開発が進められている。

 また、豊富な海洋資源を活かした漁業と美しい自然環境を活かした観光業の発展が図られている。


 金門県は、農業と手工業を中心とする開発が進められている。

 高粱の栽培と高粱酒の製造が地域の特色ある産業となっている。


 馬祖県は、漁業を中心とする開発が進められている。

 周辺海域の漁業資源を活かした漁業の発展が図られている。


 東沙島や西沙諸島及び南沙諸島などの南方離島は、将来的な海洋資源開発の拠点として位置づけられている。

 また、

 ・海底石油

 ・天然ガス

 ・海洋生物資源

 などの開発可能性が検討されている。


 離島の特殊経済開発の要因は、

 ・特色ある自然条件

 ・戦略的位置

 ・中華民国政府の離島開発政策

 ・軍事基地との連携

 などである。


 では、このまま第2部へと行こう。

お読みいただき、ありがとうございした。

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