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#84 エンシャントサーモンと新技ゲット!

「はぁ……はぁ……くそぅ」


 自分の口から吐き出された息が、白くモヤになって空に消えていく。

 リバース村近くの川で、魚を獲ろうと決めた俺とクロエは、絶賛格闘中だ。


 標的は、巨大なシャケ、エンシャントサーモン。


 先ほどから何匹かが、その巨体を躍らせて川面から飛び出している。

 そのタイミングを狙い、俺は手製のモリを投げているのだが。


「当たらんっ! つか刺さらんっ!!」


 エンシャントサーモンはその名の通り、古代から生きる魚類系魔物としてかなり上位に入るモンスターでもあるため、防御力も高い。そのせいか、村で作ったモリでは太刀打ちできないのだ。


 ただ、ケルベロスウェポンや紅呉魔流べにくれまるで攻撃を加えるとなると、接近しなければならない。


 そうなると厄介なのは、この寒さと水の冷たさだ。


 毛皮で作った手袋をはめてはいるのだが、手の扱いやすさを重視して、指ぬきグローブ状にしたため(自分の中二病を恨むゼ……)、指先が凍えてしまって、まったく思い通りに得物をコントロールできない。


 川にじゃぶじゃぶと入っていけば攻撃を当てることは可能だろうが、それでは今度は最悪凍え死ぬ。

 シェリに教えてもらった炎魔法『フレイムフィンガー』で自分を温めるという手もあるが、マッチ棒程度の炎では肌を小さく焦がして終わるのが関の山だ。


 ぐぬぬ、エンシャントサーモンめ、これが環境フィールドを味方につけるというやつか。


「ガウ!」


 と、俺が指先をはぁはぁしている隣で、クロエが元気よく川へ飛び込む。


 今、俺とクロエはどちらがたくさん獲れるか競っている。が、どうやら俺はクロエの相手にまったくなっていない……。悔しい!


「ガルゥッ!」

「また獲ったか!」


 クロエが川面から、エンシャントサーモンを咥えて出てくる。水飛沫が上がり、なんとも荒々しくワイルドだ。

 どうやらクロエは冬の川もあの状態なら平気なようで、物怖じせずざぶざぶと入っていく。


 そうして彼女が獲ってくれたサーモンは、すでに三匹を超える。それが川縁に積み上げられ、かなり壮観だ。

 エンシャントサーモンは大きさがニメートルちょっとあるので、もう量としては十分だろう。


 ……が、悔しい。

 自分から吹っ掛けた勝負事で、なにもできずに負けるのは避けたい。


 一度、氷魔法でこの一帯の川をすべて凍らせるというのを考えたが、それでは自然環境を破壊することにもなりかねないし、そもそも勝負だと考えればズルでしかないと思い足り、断念。


「…………こうなったら、“斬撃”を飛ばしてみるか」


 ふと、口に出す。

 それは、前々から考えていたアイデアだった。

 バトル漫画を読んだことのある男子なら必ず憧れる、飛ぶ斬撃。


 というかまぁ、ほとんどタメなしで魔法を放ってくる魔王に対抗するには、俺の最大威力の攻撃であろう斬撃を、あらゆる距離で使えるようにならなければならないよな、と考えていたためでもある。


 俺は三刀流の大剣豪のように、剛腕で剣が振れるわけではない。

 なので、俺なりの方法で遠距離に斬撃を届かせる必要がある。


 一つだけ、考えていたものがある。

 できるかはまったくもって未知数だけれど。


「ふぅ…………」


 大きく息を吐き、心を落ち着かせる。

 腰に提げた紅呉魔流の鯉口を切ると同時に、魔力を練り上げていく。


 魔法で重要なのはイメージだ。

 実現した状況を思い浮かべ、できる限り鮮明に像を思い描く。


 集中――


「やッ!!」


 ――そして、一閃。


 すると。

 シャ、と。


 川面が一度弾け、()()()


 が、すぐに水の流れが再開し、裂け目はなくなってしまった。ただ、裂けていた辺りに目を凝らしてみると、エンシャントサーモンが事切れ、川面に浮き上がっているのが見えた。


「おし、成功した!!」


 嬉しさのあまりガッツポーズする。


 俺が斬撃を飛ばした方法は、ある意味シンプルだ。

 その方法というのは、剣を振ると同時に物体を移動させる魔法『ルームーブ』を発動させ、()()()()()()を狙った場所に転移させるというものだった。


 物体ではなく概念を飛ばすわけなので、どうかなと思ったけれど、実際に成功したので万事オッケーである。


 見た感じ、まだまだ近距離の斬撃の威力そのままを出せている感じではないが、使込んでいけば上達できるだろう。


 そうして、技を洗練させていけばいい。


『俺の得意技の剣での斬撃を時空間魔法ルームーブで飛ばして切り裂いてやる!』では長いしダサいので、『移瞬斬いしゅんざん』とでも呼ぼうかね。


「おーし、ここから逆転するからな。クロエ、油断するなよ!」

「ガウワゥ!」


 こうして、ようやくの対抗手段を手に入れた俺とクロエの鮭獲り競争は、夕方になるまで続いた。



:【体力】が上昇しました

:【魔力】が上昇しました

:【筋力】が上昇しました

:【知力】が上昇しました

:【精神力】が上昇しました

:【運】が上昇しました

:【魔剣王】の職業熟練度が上昇しました

:【魔法狩猟師】の職業熟練度が上昇しました

:【ジャンパー】の職業熟練度が上昇しました

:【一般パッシブスキル『中二病』】を獲得しました

:【魔剣王のアクションスキル『魔剣技創出』】を獲得しました


貴重なお時間をこの作品に使ってくださり、ありがとうございます。

読者の皆様の応援が書く力になっています!

更新がんばります!

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