エピローグ2 〜良かれと思ってはややこしくなる〜
この世には、相手を思いやり行動したことが
裏目に出てしまい、どうにもこうにもならなくなる現象がある。
そう。人の良かれと思っては時に、
ややこしくなるのである!!
良かれと思ってその1
ウツリーネ様は勇者が現世で亡くなったことを悔やみ、悲しんでいた為、落ち着くまで時間を与えた。
「少し落ち着くまで時間を与える。」とのみ伝え、上司のもとへ。
そこへうつ様の親友の女神であるアンネ様がうつ様の神殿へ遊びに来る。
良かれと思ってその2
アンネ様が魔王の存在や勇者としての使命を伝える。
だいたい女神は周りを光らせて顔を見せない演出をするそうで、神々しい感じをアンネ様は出しつつ、勇者に使命を伝えたとのこと。
伝えることはお決まりパターンなので、最近忙しいウツリーネ様の為にやったと。
声も似てるし、顔は眩しくて分からないからバレないと思ったそうだ。
アンネ様はウツリーネ様がまさか自己紹介をしていなかったと思っていなかったそう。
その後、ウツリーネ様は勇者を送り出してくれたアンネ様に感謝したそうだ。
勇者はそのままウツリーネ様の世界へ旅立った。
そうして、19歳になった勇者は仲間を集め、力をつけて
とうとう魔王を倒したのであった。めでたしめでたし。
そこから悲劇がはじまり…
良かれと思ってその3
地位と名声を得た勇者が女神様はウツリーネなどという名前の女神ではなく、アンネ様に使命を言い渡されたと大々的に発表し、世界を震撼させた。
1000年以上信仰していた神を間違えていたとあって、神官達は大慌てでアンネ様の信仰へ変更し、崇め始めた。
それによって徐々にウツリーネ様の存在は忘れ去られていったという。
並行して、ウツリーネ様の力も弱まっていった。
女神の力は信仰や認知がとても重要で、存在を知られなくなったら最悪消滅してしまうらしい。
ウツリーネ様はアンネ様になぜ勇者に名前を伝えたのかと問い詰めた。
アンネ様は名乗ってないと言い、2人で言った言わないの喧嘩が勃発。
それから絶交し、100年ほど口も聞いていないという。
アンネ様と喧嘩したすぐあとに勇者をうつ様の神殿に転移させて事のあらましを聞くことに。
勇者は驚いていたという。
あーっ、どんどんややこしいことになっている…。
勇者様は事のあらましを聞くとウツリーネ様に謝罪した。
自分はなんてことをしてしまったのかと呆然としていたそうだ。
ウツリーネ様は勇者が悪気があってやったことではないと分かっていた。
まぁ、魂の清らかな魂をみて勇者に選んだんだと言っていたからね。
誰のせいでもない。
ウツリーネ様はそう勇者様に伝えたそうだ。
だが、勇者様はその後とんでもないことを言った。
何故アンナ様は成りすましをしたのか、普通担当の女神が行うものであり、責任の伴うことを友だからと言ってやってのけてしまって良いものなのか。
それが原因でウツリーネ様の力は弱まり、それと比例してアンネ様の力が強くなっている。
本人も力が高まっていることを自覚してなんとか友の為に何とかしようと思うのもではないか?
その女神様は本当にウツリーネ様の親友だったのかと。
そして、友の窮地に来ないのは友とは言えない。
絶交して正解だと言ったとのこと。
それを聞いてウツリーネ様は…
「お前が一番やらかしたんだろ こらぁぁぁ〜!自分棚に上げてふざけた事言ってんじゃねーーー!!!!てめぇいっぺんおちろやおらおら〜!!」
と汚い言葉を言って勇者様の胸ぐらを掴んで振り回してしまったとのこと。
この方は女神ではなくヤンキー様ですかね?
勇者様をそのまま神殿から落とした。
えっ?死んだかって?今もご健在だそうだ。ただ…
責任を感じた勇者様はさり気なく自分はウツリーネ様にその後会って、使命を受けたのはウツリーネ様だと説明を受けたと周りの人に伝えたそうだ。
すると、それを好機と言わんばかりに、勇者を敵視する者たちが「勇者は邪神に楚々のかれた。このままだと大変なことになる。勇者をどうにかしなくては世界が危険だ。」と根も葉もないことを言われたとのこと。
勇者様の力を脅威に思っていた有力貴族や王族たちの策略にはまり、勇者は国々を追われる存在になってしまった。
ウツリーネ様は弱まった力のままで世界を管理した。
当然世界の力も精霊の力も弱まっていったとのこと。
誰も幸せになってない結末。
まさしく闇案件。お引き取り願いたい。
願わくば誰かに代わってもらいたい。
これから私はそんな世界で何をやらされるのですか?!!
ウツリーネ様の信者を増やすお手伝いですか?
新たな勇者として魔王を倒して今度こそウツリーネ様の信託を受けてやりましたといえば良いのですか?