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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

別の世界ではただの日常です

爪噛み癖

作者: 茅野榛人

 僕は作業に行き詰まると、よく爪を噛んでしまう。しかも僕の爪噛み癖は普通ではない。

 爪を噛み、そのまま爪を食べてしまい、爪の薄皮を最後まで引き剥がしてしまうのだ。

 剥がし切った爪の根元がむき出しになり、出血したり膿んだりするのは日常茶飯事だ。

 いつもやめようと努力するが、気が付くと噛んでしまう。

 手を拝借される度にボロボロになった爪を見られるのがとてもいやだ。

 そこで僕は、爪噛み癖に関して調べてみた。すると一番上にこんな広告が出てきた。

『爪噛み癖でお悩みのあなたに、ツメカミストッパー』

 僕はすぐにその広告を押した。するとある企業の通販サイトに飛んだ。そしてそこには、広告にも書かれていたツメカミストッパーの購入ページが表示されていた。

 商品画像を開いた途端に僕は驚いた。商品は器具ではなく飲み薬だった。

 僕は安心した。矯正するのではなく、薬の効果で治すということは、ほぼ絶対治るに違いないと思ったからだ。

 どんなに努力しても治せなかった爪噛み癖が治ると思うと、手が止められず、一瞬で購入してしまった。

 数日後、ツメカミストッパーが届いた。

 僕は早速服用を始めた。そして効果が出た。

 さらに数日たった頃には、爪は見違えるほどきれいになっていた。

 やった。遂に治った。長年コンプレックスだった爪噛み癖がきれいに治った。

 しかし嬉しくはなかった。

 なぜなら、爪を噛む癖が治った代わりに、唇を噛む癖ができてしまったからだ。

 癖は簡単には治せないものだ。

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