なつのきざはし
今はそんなに暑くありません(^_^;)
『なつのきざはし』
夏の階を登る
晴天の風に舞うオニヤンマを見る
雨の兆しの曇天にカワトンボと出逢う
荷物に張り付いたコクワガタを見つけ逃がす
アスファルトで裏返しのノコギリクワガタを起こし助ける
セミの声は未だ聞こえない
蒼空の雲が変わりゆく
紫陽花の季節が過ぎゆく
氷菓が心地好くなり
揚げ菓子から舌が遠退く
冷やし中華の喉ごしの旨さ
そうめんと冷や汁の爽快で懐かしい味わい
熱い湯船とシャワーでねばつく汗を流し
湿り気を帯びた髪と肌へと風を当て
夏の夜の心地よさを身に浴びる
夏を味わう
夏の階を登りながら
爽やかな夏を満喫する
これから来る夏が待ち遠しい♪
夏の訪れを想う
-蛇足-
(ちょっとした思いつきです)
夏の階段を下る
夏は未だ終わらない
夏に負ける
夏バテ
消化不良
体力の低下
熱帯夜の寝苦しさ
繰り返す寝返り
浅い眠り
取れない疲れ
寝不足でも仕事は待ってくれない
朦朧とした生暖かい朝に
気を重くして家を出る
灼熱の太陽
煮えたぎるアスファルト
炙られるコンクリート
ぬるま湯を泳ぐような
熱い昼の空気を味わう
建物に入り冷房の洗礼を受ける
濡れる汗が一気に冷え込んで
背筋が凍るように震えてくる
やがて冷気に慣れてしまうと
またあの焼けるような空気の中へ出るのかと
酷く憂鬱な気持ちになる
秋の涼風はいつなのか……
長く続くはずの残暑を思い
待ち続ける気持ちを暗くする
セミの叫びに殴られながら
残暑が過ぎゆくことを待ち望む
早く早く
暑さよ終われ……
そして………
熱中症になる(笑)
それもまた夏の味わい