3 夢か現実か
寝落ちしたおかげで翌朝は早めに起きられた。頭はスッキリとしていた。
休憩所にかかっている時計は5時40分。その日の仕事を決める朝の集会が6時開始なので、周囲の召喚労働者たちも活動をはじめるころだった。
今日はギザギ十九紀14年7月5日。ショウにとって一つの運命がはじまる日だった。
そして、僕がこの時間にこの場所にいるという事実。これはもう夢ではないと確信せざるを得ない。僕にとっても覚悟を決める日のはじまりと言える。
「あー、おはよぉ~……」
うおっ。僕は思わず跳ね起きた。目の前にシーナの顔があった。そうか、休憩所は雑魚寝だから、彼女もこのあたりで寝たのだろう。
「お、おはようございます」
眠たそうに目を擦るシーナ。その後ろにいたミズカというシーナの知り合いも起きだした。ハルカは……まだ寝ている。
ハルカを揺り起こす。お金がないので仕事をしないとご飯も食べられない。
周囲も続々と高床を降り、体をほぐしながら裏庭へと流れていった。顔を洗うのは外の井戸らしい。トイレにも水道はあるが、この人数が押し寄せたら収拾がつかないからだろうか。
ハルカたちと共に人の波に乗る。ふと、同じ服装をした少年が目にとまった。ショウだ。まだ寝ている。僕の書いた小説どおりなら、ショウは昨夜、カッセとリラに今後についていろいろと相談をしていたはずだ。そのカッセたちはもうすでに畑作業に向かっている。僕らを除けばめぼしい知り合いもいないので無理に起こす者はいない。僕としても彼には寝坊してもらいたいので、起こそうとは思わない。
「あ、あれ、ショウくん……?」
ハルカが僕の視線に気付いた。
「みたいだね」
「起こしたほうが、よくないかな……」
「どうだろう。彼には彼の予定があるだろうし、それを知らない僕らが無理に起こしたら悪いよ」
「そ、そうかな……」
ハルカは鵜呑みにはしなかった。それはそうだろう。マルマに来たばかりの新人に、どんな予定があるというのか。今はともかく仕事優先ではないだろうか、そう思っているだろう。
人の波が絶えず押し寄せてくる。僕はハルカを守るフリをしながら、ショウから離れていった。
エントランス・ホールは人で埋まっていた。僕らはシーナに引っぱられ、ちょうど中心あたりにいた。
外の時計塔が6時を告げる鐘を鳴らす。場が鎮まり、受付台の上に凛とした顔の女性が立った。
「おはようございます。それでは、朝会をはじめます。最初に連絡事項から」
異世界人管理局・広報課のパーザ・ルーチンの声が響く。彼女は入れ替わりの激しい管理局にあって、7年以上働いている最古参の職員だった。しかも未だに平職員。何度か昇進の話はあったが、すべて断って受付窓口を続けている。それが僕の作った設定であるなら、なんともヒドイ仕打ちだ。だがこれが『現実』である以上、彼女なりの考えがあるのだろう。
話は進み、定番作業が埋まっていく。次に単発作業でも高レベル向けが、それから2レベル以上しかできない野外作業が決められていく。
「……あれ? シーナさん、薬草採取は行かないの?」
その仕事が振られたとき、彼女は黙って立っていた。きのう、コープマン食堂でレベル2になったから山へ行くような話をしていたはずだ。まさか、僕らと会ったために何らかの作用で気が変わってしまったのだろうか。
「え? あー、山の仕事をするって話? 残念ながら外へ出るための許可証待ち。発行は早くても今日の夕方かな」
「あ、なるほど。発行に長くて二日くらいかかるんだっけ」
言ってからしまった、と思った。そんなの知ってる初心者がいるわけない。
「そうそう。よく覚えてたね」
よかった。この話はきのう出てたのか。聞いてなかったから焦った。
「というわけで、今日はまだ街での仕事を探さないといけないわけ」
シーナは肩をすくめた。
「では次に、初心者優先の作業です。レベル1の方、前へお願いします」
「ほら、君たちの番」
パーザの呼びかけに、シーナが僕らの背中を押す。
カウンターの前に、僕とハルカ、それとアカリにアキトシ、リーバが並んだ。マルの姿がない。きっと寝坊か自主休業だろう。
「お仕事は5つあります。市場での商品搬入および陳列3名、郵便物の仕分け作業2名、家具の配達・搬入補助4名、建築現場での搬入および補助作業4名、野菜類の検品・仕分け作業3名。このうち、市場での作業は12時までの短時間です」
お金のない身としては短時間の市場は除外だ。他はもう、どれでもいい。日本にいたときの経験があるから、たいていの仕事はできると思う。
「ハルカはどうする? やっぱり慣れないうちは郵便仕分けとか軽めのほうがよさそう?」
「う、うん、それくらいなら、できると思う……」
こちらをジッと見てるのは、ついて来てくれということだろうか? 不安な気持ちもわかる。けど、軽そうな仕事は他の3人も選びそうだ。問題は郵便と野菜のどちらに集まるかだが、2名と3名なので、どっちかが埋まったらもう片方にいけばいいか。
そして先に募集のあった郵便仕分けにアカリとリーバが、野菜のほうに僕とハルカ、アキトシが入った。
僕ら野菜グループはたがいに自己紹介をしたが、郵便組は依頼書を受け取るとあいさつもなくさっさと管理局を出ていった。初期の二人の孤高っぷりはさすがだ。
その後、朝食を取りにコープマン食堂へ行ったが、先に来ていたアカリとリーバは当然のように離れていた。僕とハルカは同じテーブルに、アキトシは「好きなパン屋があるから」と、行ってしまった。数日後、彼はそのパン屋で働くことになる。
アキトシという少年について、僕が知っている情報は実は少ない。小説の中での設定が、気弱な群衆の一人だったからだ。田舎に住んでいて、穏やかで、事なかれ主義。外見もそのまま。ショウたちと冒険に出るのも考えたが、やはり無理があるとメインから外した。そんな彼が実在するとなると、どんな人なのか興味がある。
ナンタン町中区3番街に野菜問屋がある。朝8時から作業が開始され、僕とアキトシといった男手は馬車からの荷下ろしと仕分け後の荷積み、女性陣の半数は野菜に痛みや病気がないか検品をしている。大まかに分けられた野菜をハルカたち残りの女性が大きさごとに木箱に詰めていた。
街一日分の野菜だ。けっこう忙しい。アキトシと話している余裕はとてもない。ようやく落ち着いたのは昼休みになってからである。それまで小休憩もあったが、ローテーションがずれていた。
大規模な野菜倉庫とあって食堂も完備されていた。しかもコープマン食堂より安く食べられる。ハルカはよほどお腹が空いていたらしく、二人前食べてもまだ足りなさそうだった。
「安いうちに食べておいたほうがいいんじゃないか?」
などと悪魔のささやきをしてみたら、素直なのか我慢できなかったのか、終わった食器を返しに行きつつ、新しい料理を持って戻って来た。笑いそうになったが必死に耐えた。
「毎日この仕事あればいいのにな」
「うん、ほんとに……」
ハルカの目は笑っていなかった。
一方のアキトシは疲れ気味だ。基本的には力仕事なのだから当然だった。野菜の入った木箱が軽いはずもなく、荷車に何十と上げ下げしていれば腕も腰も痛くなる。
「男のほうは思ったより楽じゃなかったね」
アキトシに話を振った。
「そうだね。検品とか箱詰めだと思ったんだけど……」
肉付きのよい頬に手を当て、彼はため息をついた。疲労困ぱいというわけではなさそうで、食事は残さず食べている。
「帰ったら、ツァーレさんに回復してもらおうか」
僕としても明日の筋肉痛が怖い。これだけ体を動かす仕事は久しぶりだ。
「そんなのあるの?」
アキトシが訊き返してきた。
「うん。治療費もそんなに高くないから、明日の疲れが心配なら受けたほうがいいよ」
明日のアキトシの仕事は今日よりハードだからな。
「そうするよ。いい話をありがとう、すごく助かるよ」
「お互い様だって。体が慣れるまでは辛抱しないとね」
「そうだね。でもボク、やっぱりこういう仕事は向かないなぁ」
またため息がこぼれた。
「ちょっと不思議なんだけど、僕らって一応、魔物と戦う勇者候補としてマルマに来たよね? アキトシくんは、そういうのに興味ないの?」
「うん、ないよ。ボクはただ、のんびりと暮らしたいだけなんだ。……ボクのうちはすごい田舎で、農家をやってるんだ。ボクもいずれは家を継ぐと思ってた。あ、それはぜんぜん嫌じゃないんだよ? どっちかといえば、わかってる仕事だし、自分のペースでできるし悪くないと思ってる。だけど、両親は農業に見切りをつけていてね、ボクには大学へ行って、いいところに就職して安定してもらいたいんだ。今年、ボクは高校受験なんだけど、そのせいで進路で揉めて、なんかイヤになっちゃったんだ」
「それをアリアドが敏感に察知して引っぱって来た?」
「うん。ボクも考える時間が欲しかったし、三日以内に帰れば大丈夫かなと思ってたんだけど……」
「忘れて、帰りそびれた?」
「……うん」
アキトシの特大ため息。
「それは、ご愁傷様……」
「馬鹿だよね、ボク。こっちに残ったって、勇者になんてなれないのに」
「なら、こっちでスローライフを目指してみれば? 召喚労働者全員が魔物と戦っているわけじゃないし、街での生活を楽しんでる人もいる。できることしかできないんだから、その範囲でやりたいことやってみたら? アリアドだってそれを怒ったりしないよ」
僕の言葉に、アキトシの顔がわずかに赤みを帯びた。
「……そうだね。うん。それでもいいんだよね? ちょっと考えてみるよ。ありがとう」
「お礼いわれることでもないよ。結局は他人の人生なんだから、好き勝手いってるだけ」
「それでもボクは嬉しいんだ。こういう話ができるのは、すごく嬉しい」
「そう? それじゃ今度は僕が困ってたら話し相手になってよ」
「うん、ボクなんかで役に立てるなら」
アキトシが笑うのを、僕は初めて見た。
16時に仕事が終わり、僕らは異世界人管理局へ戻った。もらったばかりの報酬で、見習い神官のツァーレ・モッラに筋肉痛予防の回復魔法を頼んだ。40銅貨で明日の不安が拭えるなら安いものだ。
着替えなども随時そろえていく。お金に余裕はまだないが、食費や風呂代が残ればとりあえずはいい。
「アキトシくんは、どこで服を買ってるの? 安いところ知らないかな?」
肌着は管理局でまかなえる。アウターも売ってはいるが、今着ている物とまったくいっしょだ。さすがにそれは勘弁だった。
「特定の場所はないよ。市場を歩いて、安いのを探すだけなんだ。役に立たなくてごめん」
「いや、あやまらないでいいよっ。アキトシくんだってまだ長くないんだから、知ってればラッキーくらいに思ってただけ」
慌てて手を振ると、彼も安心したようだった。
「市場に行くとしても、この時間だとお店も閉まってるんじゃないかな」
ハルカが控えめに言った。
「そうだね。しょうがないから、今回は管理局のを買って、今のは洗濯するか」
「ボクも洗濯しよう。今ならまだ、物干しに空きがあるかも」
「ハルカは?」
「わ、わたしはあとでっ……」
まぁ、そうだよな。でも、女性の洗濯場って――
「女の子は召喚聖堂のほうを使えるみたいだから、ハルカさんはそっちに行ってみたらどうかな」
僕が言う前にアキトシが提案した。その情報を彼女は知らなかったので、一変、顔が明るくなった。
「そうなの? ありがとう! それじゃ、行ってくる」
「干したら番号札を挟むのを忘れないでね。対になってる札も持って来ないとダメだよ」
「うん、ありがとう」
ハルカはまた礼を言って管理局を出ていった。
「今の情報は助かったよ。僕らはまだまだ知らないことが多すぎるから」
「役に立ててよかった。僕らもいこう」
アキトシが嬉しそうに誘って来た。もちろん僕に反対する意思はない。
洗濯が終わって再集合したときには17時半を回っていた。ショウはケリーの古着倉庫の仕事が終わったころだろう。あと30分もすれば帰ってくるはずだ。でも今日のところはアイリと二人ほうが良さそうだから、干渉しないでおこう。
「ハルカさんはご飯とお風呂、どっちから行く?」
とりあえず訊いてみたのだが、彼女は答えづらそうだった。だとしても訊かないとわからない。
「……今日は、お風呂はやめようと……。お金、余裕ないし、そんなに汗もかいてないので……」
そういうわけか。
「あ、ごめん。そうだよな、まだ日課にできるほど稼いでないものな。オレも洗濯する前に、軽く汗は拭いたからそれでいいかな」
アキトシを見る。彼は「ボクは行ってくる」と答え、「またね」と別れた。今日のところはここまでだ。彼には彼のペースと距離感がある。無理にいっしょにいる必要もない。
そういう意味では、ハルカも僕といなければならない理由はない。今のところ、たまたま同じ日に召喚されたという関係しかないのだから。
「それじゃ、コープマン食堂へ行こうか」
「うん」
あまり深く関わってはいけない。僕は改めて自分に言い聞かせる。ハルカが歩むはずだった仲間たちとの冒険への道筋を作りさえすれば、彼女に対する僕の役目は終わる。本来、そこに僕の居場所はないし、いずれはアリアドに頼んで日本に帰ると決めているのだから。
コープマン食堂では僕の記憶にあるメンバーが点在していた。シーナとミズカ、アカリ、リーバ。他にはニンニンとイソギンチャクもいる。店は混みあっているので、その誰とも同じテーブルにはならなかった。
帰りのタイミングがシーナたちと被ったので管理局までいっしょに戻る。女性二人組からは香料の匂いがした。訊いてみたら風呂屋で使われている物だそうだ。そしてそのまま食堂へ直行したと言う。
「そういえば、明日はいよいよ薬草採取へ行くの?」
「空きがあればね。野外作業だから報酬も少し高めだし、人気あるんだよ。定番作業員もいるし」
シーナは期待半分といったカンジで答えた。
「行ければいいね。話を楽しみにしてる」
「ありがとー。今からジャンケンの特訓でもするか!」
元気なシーナと対照的に、相方のミズカはため息をこぼした。
「あんた能天気すぎ。山にはゴブリンとかいるんだから、気を付けなよ?」
「わかってるって。ミズカはやっぱり畑?」
「外に出るならね。今のところ、人間の領域からは出たくない」
「そっか。そしたら仕事では別々だね」
「今生の別れでもないでしょ。帰るところは管理局なんだし」
「それもそうか」
シーナは安心した顔で明るい声を出した。
管理局に戻ると、エントランス・ホールの隅のベンチにショウがいた。となりにはピンク髪の女の子がいる。アイリだ。無事、マルマに到着し、一仕事を終えたところのようだ。
声をかけるつもりはないので、そのまま休憩所へ向かった。
「ね、見た? どピンクの髪の女の子がいたよっ」
ミズカがチラチラと見ながら言った。
「あ、ホントだ。……ん?」
シーナはアイリを凝視した。どうやら気付いたらしい。
「あの子、『インフィニ3』に出てくる『アイリ』そっくり。服装はもちろん違うけど、顔は完璧。わたし、あのゲームが好きで3周やったよ。もちろんDLCも全部買った」
「でもゲームのキャラでしょ? そっくりってありえる?」
「アニメとリアルを融合した2.5次元的なグラフィックだからね。造詣が似てるからすぐにわかるよ」
「2.5次元……?」二人の会話を聞いてハルカが首をかしげる。
そして僕は、彼女以上に首を傾げた。昨夜、何かがひっかかっていた。そして今もひっかかった。なんだろう? ピンクの髪? インフィニ3? アイリ? ゲーム……
「……!」
わかった。この違和感の理由がようやくわかった。と同時に、寒気すら感じた。
「……ごめん、ちょっと先に休憩所に行くね」
それだけ告げ、僕は奥へ向かった。ハルカたちが「どうかした?」と訊いてきたが、僕に答える余裕はなかった。ハルカが心配そうに付いてくる。
休憩所の一番近い高床に、滑り落ちるように腰を落とす。立っているのも辛い。思考がまとまらない。
「ツァーレさんに魔法を頼む? 顔色悪いよ?」
「……大丈夫。ちょっと横になる。悪いけど、先に寝るね」
「う、うん……」
ハルカはそれ以上追及しなかった。
横になって目をつぶる。外界から自分を遮断して、考えをまとめないとならない。
違和感の理由は簡単だった。ゲームだ。『インフィニティ・ハーツ』という、僕の作品にも出てきた有名なコンピューター・ゲーム。そう、僕の作品に登場した、厳密には僕の作品にしか出てこない架空のゲーム名だ。当然、そのキャラクターの『アイリ』も架空の存在だ。
ではなぜ、その架空ゲームと架空キャラを、さも当然のようにシーナは知っていたのか? この世界は現実ではないのか? また僕を悩ませる。
いや、前提を疑おう。僕はなぜ、ここを現実と決めつけた? 単純な話だ。夜寝て朝起きてもここにいたからだ。寝れば現実でも目覚めると、なぜ決めつけたのだろう。
僕しか知らない架空の存在を他人が知っているのは、この夢の中での共通認識だからに他ならない。僕の世界だから、僕のルールに乗っているのだ。
可能性を探れば、小説はネットを通じて公表されているのだから、シーナが読者であるのも考えられる。だが、その場合でも存在しないゲームをやったと言うだろうか。
これは夢なんだ。僕はまだ、夢の続きを見ている。
なら、僕はもっと好き勝手にやっていいんじゃないか? 例えば無銭飲食するとか、井戸に砂糖を投げ込んでみるとか、洗濯物の番号札を交換してみるとか。……小物か!
自分のつまらなさについツッコミを入れる。体も追従してしまい、肩がビクっとした。
「わっ」
その動作に、近くにいたハルカもビクっとしたようだ。
ともかく、この世界は夢だ。なら、どうすれば目覚める? ゴールでもあるのか? ある日突然目覚めるのか? 地縛霊みたいに心残りでもあるのか……?
あるだろう、心残り。夢とはいえハルカたちは生きている。結局はそれが気になっているわけだ。彼女たちが本来の道に戻ることを望んでいるんだ。
……なんだ、やることは変わらないじゃないか。
僕は体を起こした。
「急に起きて、大丈夫?」
ハルカが心配そうな顔で覗き込んでくる。
「……うん、大丈夫。ちょっと貧血ぎみだったみたい。だいぶ落ち着いた」
「そう。よかった……」
自分では見えないが、顔色も戻っているのだろう。彼女は安心したようだ。
「ちゃんと食べたほうがいいよ? あと、水分も忘れないように」
シーナが強く指摘する。先輩の忠告に素直に礼を言った。
そのあとは少し談笑して、早めに寝た。明日が一つの契機になる。ショウと仲間たちが本格的に集合していく日だからだ。そこにイレギュラーでマルマへ来てしまった僕とハルカがどう絡むのか、流れに乗りつつ探らなければならなかった。