表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「勇者様が帰らない」資料集  作者: 南木
用語解説 ~それなりにネタバレあり~
6/8

勇者とは

 リーズは勇者です。でも、紹介文(プロフィール)のクラスには「ソードマスター」と書いてありますね。なんか変だなと思う方もいると思います。

 この世界でいう所の「勇者」とは、実は職業ではなく「称号」です。ロザリンデが「聖女様」、ボイヤールが「大魔道」と呼ばれているのと一緒で、勇者と言う「クラス」はないんです。要は、漫画の「魔法陣グルグル」とおなじ。あれも、主人公ニケの職業は「盗賊」でしたし。

 リーズは勇者の称号を得ることで一気に世界的なアイドルとなり、世界中に多くのファンを獲得するに至りました。しかし、戦後は「勇者」の看板がリーズを苦しめるのは、皮肉としか言いようがありません。現代的に言えば、大震災の被災地に連日アイドルとして派遣され、ついでに政党の選挙の顔に使われるようなものでしょうか。


 リーズは、聖女ロザリンデを通して女神さまから力を授かりましたが、実はそこまで劇的に能力は上がってなかったりします。世界樹的に言えば「全能力+5」、FE的に言えば……やっぱ「全能力+5」かなぁ。ぶっちゃけ、もともとのリーズの性能がぶっ壊れなので、たぶん加護がなくても魔神王倒せた可能性が高いです。特に加護とか受けてないエノーが、十分一線張ってたのがその証拠。

 それでもやはり「女神さまの加護を受けた」という事実は宣伝効果抜群で、リーズを特別な存在へと昇華させたのも「勇者」のネームバリューに依るところが大きいです。逆に、リシャール辺りが何かの間違いで「勇者」になれば、リーズは勇者の責務に縛られず、戦後は王国の士官を蹴って、アーシェラの開拓に付いて行ったかもしれません。ひょっとしたら、女神さまは遠回しに王国を潰そうとしたのでしょうかね?


 もちろん「勇者」は称号なので、勇者になったからと言って特技が増えたりとか、武器は剣に限定されることもありません。何度も言いますが、リーズはソードマスターです。性能的には、FE封印のチートソードマスター、あるいは烈火のブレイドロードあたりが近いでしょうか。

 一応戦闘は世界樹の迷宮シリーズをモデルにしていますが、リーズだけは敵の攻撃を80%以上の確率で回避できます。また、そのほかの連中の強さも大概なので、魔神王がちょっとかわいそうになります。



 さて、ここから先は完全に余談なのですが、私は以前から常々「勇者」と「魔王」の関係ってなんだろうと考えていました。

 私のメンドクサイ持論の一つに「勇者の仕事は魔王を倒すことではない」と言うのがありまして、この物語はそんな哲学の上に成り立っています。リーズは物語が始まる前に、既に魔神王を倒しています。で、世界はどうなってる? なんかまた戦争起こりそうな雰囲気ですね?

 大抵のゲームは勇者は魔王を倒せばゲームクリアで、そのあとはめでたしめでたしで終わります。ですが、その後も世界が続くと考えた時、勇者の役目はそこで終わりなのかと問いかけたい。

 狡兎死して走狗烹らるとはいいますが、勇者には魔王を倒した後は用なしではないはずです。

 勇者の仕事は「世界に平和をもたらすこと」であって、魔王を倒すのはあくまで「世界に平和をもたらすための手段の一つ」に過ぎません。リーズが魔神王を倒したとしても、その余波で人類全滅したら元も子もないでしょうし、ウルトラマンが怪獣を倒すために町一個丸ごと巻き添えにしては意味がありません。

 世間の勇者たちよ。あなた方はいったいなんのために戦っているのか、もう一度考え直してみてはいかがだろうか?


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ